インフィニット・ストラトス ~迷い込んだイレギュラー~   作:S-MIST

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ここ数話の影響でスターゲートハイウェイの交通量が大変増えてきました。
そして千冬さんに何かフラグが立ったかもしれません。
話中のイラストはXINN様より頂きました。ありがとうございます!!


第234話 水の販売とレジャー施設の影響/宇宙戦力について考えよう(IS学園卒業4年目の6月中旬~下旬)(イラスト有り)

  

 スターゲートハイウェイの交通量は、予想を超える勢いで増え続けていた。

 既存の航路を大幅にショートカット出来る利便性。積み荷の乗せ換え作業が行い易いステーション。予め誘致されていた物流系企業による高速・大量輸送。海賊対策の行き届いた高い安全性。

 物流や旅行業界の者達にとって、使わない理由は無いだろう。

 そして今月、新たな理由が2つ追加された。

 1つ目の理由は、スターゲートハイウェイで始まった水の販売だ。多くのヒューマノイド系にとって使い勝手の良い資源であり、かつ平均的な価格で安定供給が見込める、という好条件なのだ。補給や買い付けなど様々な目的で訪れる者が増えるのは道理だろう。

 2つ目の理由は、時期を同じくしてオープンしたレジャー施設の存在だ。宇宙生まれ宇宙育ちにとって水を大量に使った施設というのは珍しく、かつリーズナブルな価格に抑えられているため、宇宙(そら)の旅行系企業が試験的に団体客を送り込んでいるのだ。客の評価が良ければ、今後も旅行先として選ばれるだろう。尤も業界関係者は、余り心配していない様子だった。オープン前に“首座の眷族”や“獣の眷族”の大使が訪れ、親しい友人に紹介していた、という情報があるからだ。期待出来ないところを、友人に紹介する筈もない。

 これらの要因から、スターゲートハイウェイの交通量は1日4万隻を超えるようになっていた。4ヵ月程前の時点*1で1日2万隻を超えており、その後も徐々に増えていたが、水の販売とレジャー施設のオープンで一気に増えた形だ。

 カラードとしては素直に嬉しく、他の多くの地球人にとっても宇宙(そら)への足掛かりが強固になる、という意味で良い事だろう。だが、一定数不安を抱く者がいた。理由も無くではない。何故なら太古の昔から往来が増えるという事は、何かしらの問題が起きる事とセットだからだ。しかし幸いな事にカラードは、この不安に対する回答を用意出来ていた。つい先日完成したアンサラー8号機を、月の南極に配備したのだ。無論、これだけで全ての問題を解決できる訳ではないが、アンサラーの性能を知る地球人にしてみれば、下手な言葉よりも遥かに説得力があった。

 なおアンサラー1~3号機は地球、4~6号機は太陽に配備されており、全てのアンサラーはスターゲート送電システムによってエネルギーを相互に融通し合えるため、全ての箇所を同時に攻撃されない限り、常に他のアンサラーから莫大なエネルギー供給を受けられるようになっている。つまり単機であっても理不尽な攻撃力と防御力を持っているのに、常に他からのバックアップがあるのだ。攻略者視点で見ると、清々しい程に反則的で理不尽の権化だろう。

 しかし、完全無欠で完璧なシステムなど存在しない。NEXT(N-WGⅨ/IS)と同じだ。強力ではあるが、強力なだけ。無理をさせれば、何処かで必ず歪が出る。上手く行っているように見える時こそ、注意しなければならない。

 晶の脳裏に、ある言葉が思い浮かんだ。勝って兜の緒を締めよ。その通りだと思ったところで、シャルロットからコアネットワークが接続された。デスクワーク中の筈だが、何かあったのだろうか?

 

(晶。今良い?)

(良いぞ。どうしたんだ?)

(レジャー施設から質問が来てるの。次の訓練予定があるなら教えて欲しいんだって)

(今はまだ未定だけど、何かしらはやると思う。ただ悪い奴らが武力一辺倒なんて有り得ないから、ちょっと搦め手とか、その辺りも出来たらなぁなんて思ってる)

(うわぁ。なんか悪いこと考えてそう)

(酷いな。社員達が酷い目に遭わないように、誠心誠意心を込めて考えてるんじゃないか)

(ニヤニヤしながら?)

(心を込めて考えると、ついつい楽しくなってさ)

(ドS)

(そうか? ソフトSくらいだと思うぞ)

(絶対ドS。こればっかりは私の意見に、クラスの皆も、他の部下達も賛成してくれると思うな)

(ええぇ~)

 

 気安いやり取りで和んだ後、晶は尋ねた。

 

(ところで、向こうはなんで予定を聞いてきたんだ?)

(いつもの会談で束博士が、協力してくれたレジャー企業向けに渡したデータがあったでしょ。侵攻側目線で良かったところや悪かったところを書き出したやつ。けっこう好評だったみたいで、もし次があるなら社員を参加させたいって希望があったんだって)

 

 まともな理由だったが、性分だろう。その裏側を想像してしまった。あのデータにはホテル別の被害者数や対応の遅い早いが記載されていたから、恐らくライバル企業に負けたところが主に動いているのではないだろうか? だが、こちらから指摘するような事でもない。

 

(なるほど。でもさっき言った通り、「やるかもしれないけど、まだ未定」って伝えておいてくれ)

 

 付き合いの長いシャルロットは、晶の考えをしっかり分かっていた。やるとしたら多分抜き打ち。でも完全な抜き打ちにしてお客に迷惑がかかったら問題だから、恐らく元支社の面々にだけは知らせる。そんなところだろうか。

 

(うん。分かった。あと話は変わるんだけど、HEAVY WARSHIP(強襲艦)*2がそろそろロールアウトするでしょ。ラウラが艦長人事で悩んでたよ)

 

 HEAVY WARSHIP(強襲艦)は、造船用コロニーで建造されている船だ。L4宙域に2つあって、1つのコロニーに製造ラインは3つある。つまり最大で6隻同時に建造が出来るのだが、ラインの半分は他企業に振り分けているため、ロールアウトするHEAVY WARSHIP(強襲艦)は3隻だ。

 型式番号はAS07。全長は800メートルサイズ。宇宙文明の基準で言えば、戦艦に分類される大きさだ。束が発表した“シップコア規格”で造られているため、主機関、推進機関、ワープ機関、エネルギーシールド発生装置、武装など、あらゆる機能の取り付け部位が規格化されていて高い汎用性を備えている。しかし地球の技術力不足で、宇宙(そら)の船と同等の性能ではなかった。余り正確ではないかもしれないが、車に例えるならサイバーフォーミュラと軽自動車くらいの差がある、と言っても良いだろう。

 そして全体的に数段以上劣る性能の中でも、明確な弱点となっているのがワープ機関だった。理由は束以外の地球の科学者達にとって、ワープ理論はまだ難し過ぎた、という事に尽きる。カラード経由で宇宙(そら)の様々な知識が持ち込まれ、多くの科学者が研究しているが、それですぐに良い物が作れる訳ではないのだ。

 このためHEAVY WARSHIP(強襲艦)には、束の作ったワープ機関が搭載されていた。月に3~5つ程度提供している物で、一般人が使っても事故を起こさないように、かなり強固な安全対策が施されていた。しかし性能が相当犠牲になっており、最も目立つのはワープイン(ワープ開始)に要する時間だろう。

 HEAVY WARSHIP(強襲艦)が1分以上かかるのに対して、宇宙(そら)の戦艦級はほぼ同等サイズ*3でありながら、30秒前後でワープイン可能なのだ。

 高速で敵味方の位置が入り乱れる宇宙(そら)の戦闘において、この遅さは明確な隙と言えた。更に付け加えるなら、宇宙(そら)の本格的な戦闘は極めて殺意が高い。ワープ妨害フィールドに相手を捕らえて逃走を封じ、ステイシスフィールドで強制減速させて、相手のシールドを上回る火力を叩き込む。言うなれば互いの胸倉を掴んでの殴り合いだ。ワープインが遅いという事は、イコール離脱も遅いということ。つまり最も重要な生存能力に直結する。

 なお余談ではあるが、宇宙(そら)で最軽量に分類されるフリゲート級*4なら、最速でワープインまで2秒を切る。防御力は紙だが。

 

 ―――閑話休題。

 

 このように十分な性能ではないが、地球にとっては特殊装備無しで大気圏突破・突入、ワープにより太陽系内全域で行動可能な初の船なのだ。使えるようになれば、一般人の手で太陽系内を本格的に開発出来るようになる。

 それだけに下手な人物は充てられない、とラウラは悩んでいるのだろう。

 

(分かった。後でちょっと行ってくる)

 

 晶はこういう時、直接会って伝える事を好んでいた。特に深い理由は無いが、強いて言えば自分が嫌だからだろうか。全てをコアネットワークで伝えて、執務室から一歩も出ない社長。想像すると、何だか物凄く偉そうでいけ好かない。無論時と場合によるが、相手が社内にいるなら会いに行く事が多い。

 

(何か良い案があるの?)

(多分あいつの事だから、誰を選んだら一番カラードの為になるかって考えてると思う)

(ラウラの立場なら当然だと思うけど)

(違うよ。戦闘部門はあいつに任せてるんだ。だから、あいつが使い易い人間を任命すれば良い。数が増えてきたらまた違うだろうが、今はあいつが使い易い奴が一番だ)

(それだとクラリッサさんになると思うけど)

(例外はそれだな。黒ウサギはあくまでラウラ直轄で、あいつと現場を繋ぐ信用のおける目であり耳であって欲しいと思ってる)

(なるほど。なら、早く行って伝えてあげると良いよ。晶と話す前に会ったけど、眉間にシワを寄せて考え込んでたから)

(分かった。行ってくる)

(行ってらっしゃい)

 

 晶はコアネットワーク通信を終えて、早速とラウラのところへ向かったのだった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 ノックをして、ラウラの執務室に入る。

 広がっている光景は予想通りのもので、椅子に座る彼女の周囲には、無数の空間ウインドウが浮かんでいた。

 

「急に来て、どうしたんだ?」

 

 随分悩んでいたのだろう。声が少し疲れている。

 

「シャルから艦長人事で悩んでるって聞いた」

「あいつめ。こんな事でお前の時間は取らせんよ」

 

 ラウラは友人の気遣いが嬉しい反面、ちょっと悔しかった。晶に考え抜かれた案を出して、「どうだ良い案だろう。ふふん」とドヤ顔したかったのだ。

 

「大丈夫。長居する気は無いから。ただ、俺の考えを伝えておこうと思って来ただけだ」

「ほぅ?」

 

 晶が先程シャルロットと話した内容を伝えると、彼女は驚きの表情を浮かべて言った。

 

「良いのか?」

「良い」

「分かった。そう言ってくれるなら、選考は大分楽になる」

 

 大半の空間ウインドウが消えて、残ったのは3枚。

 表示されているのは、戦闘部門所属の女性達だ。

 

「この3人か」

「知ってるのか?」

「お前の報告書に名前が何度も出てきたから、ちょっと経歴に目を通した。直接会ってないから違うかもしれないけど、性格は前向き、理性的、慎重って印象だったな」

「大体それであってる」

「なら、この3人で良いんじゃないか。性格が違えば船の運用も違って、色々な使い方を試してくれるかもしれない。――――――あ、一応聞いておくけど、懸念点はないよな?」

「問題無い」

「じゃあこの3人が艦長だ。そしてついでに、少し先の事を言っておきたい」

「長期的な計画ということか?」

「そうだ。今後生産されるHEAVY WARSHIP(強襲艦)の2番艦以降も、お前の下につける。どれだけの数にするかはまだ決めてないが、まずはお前の忠実な手足になってもらって、行く行くは通常戦力の中核にしようと思ってる。だから艦長候補のリストアップを進めておいてほしい」

「分かった。ただ………」

 

 ラウラが何かを良い淀み、少しばかり考えてから続きを口にした。

 

「まず確認だが、通常戦力の中核とはどれくらいの規模を考えているんだ?」

「正直なところ、俺も想像しきれていない部分がある。だからこれから言う事は変わるかもしれない」

 

 晶はそう前置きしてから続けた。

 

「地球文明はこれから太陽系を飛び出して、テラフォーミングしている星に根付いて、そこから更に広がり、多星系文明になる。だがそれには、十分な防衛力の裏付けが必要だ。少なくとも100や200じゃないだろう。1000かもしれないし、10000かもしれない。それ以上かもしれない。だけど常備軍は金食い虫だからな。バランスを見ながらになる

「なるほど。どうやら私の想像力は足りなかったようだな」

「足りなかったも何も、今初めて言ったことだぞ」

「いや、中核戦力の話を聞いた時、漠然とだが艦隊1つ程度を想像したんだ。しかし、全然違っていた。これから広げていく領土、いや星系や領域と言った方が良いか。そして其処に住む人達が安心して暮らせるようにする為の力、そういう事だな」

「そういうことだ」

「大仕事で責任重大だな」

「やれるか?」

「やるさ。これ程の事を任せて貰えて、嬉しくない筈が無いだろう。そして早速だが、2つ確認しておきたい」

 

 晶は肯いて先を促した。

 

「司令部と艦隊の母港をどうするのか、という話だ。司令部と母港は一緒の方が色々やり易いと思うが、司令部で働く人員を全て宇宙(そら)に上げて働かせて、生活環境まで面倒を見るのは流石に手間だろう。なので司令部は本社敷地内に造って、艦隊の整備や補給に特化した拠点を宇宙(そら)に造って、そこを母港とするのはどうだ?」

「妥当な判断だと思う。そして母港の場所だが、L5宙域でどうだ?」

 

 ラウラは地球近郊の施設配置を思い出した。月を除けば、カラードの施設はL4かL5宙域にある。大まかな分け方として、L4宙域にあるのは“首座の眷族”から貰った旧式のコロニー(円筒形型コロニー)群だ。畜産業用に4基、造船用に2基、宇宙の訓練施設兼レジャー用に1基、学園用に1基が稼働している。また購入した旧式のコロニー(円筒形型コロニー)3基も同宙域で稼働していた。将来的に移民先に移動させる予定の食料生産用コロニー2基、企業に貸し出すレンタル用コロニーが1基だ。つまり計11基が稼働している。

 L5宙域にあるのは、宇宙農園のレンタル事業で使っている小惑星群だ。適当な隕石を持ってきて中身をくり抜いて使っているもので、大きさは十数キロから数十キロサイズのものが複数ある。

 少し考え、悪くないと思った。L4とL5の食料生産量を比較した場合、現時点でもL5の方が多い。ましてL4の食料生産用コロニーは将来的に移動予定。そして生産量と物理的な近さは、補給のし易さに直結する。古今東西、飢えた軍隊が精強であった試しはないのだ。

 

「私もそれで良いと思う」

「なら適当な石ころを持ってきておくから、母港に欲しい機能とかデザインとか、その辺りを考えておいてくれ」

「分かった。ところでこれ、クラスメイトとか口の堅そうな者には相談しても良いか?」

「クラスメイトは勿論OKだが、他はどの辺りまでを考えてる?」

「織斑教官と山田教官、あと整備艦にいるキャロン辺りだな」

「OKだ」

 

 こうしてカラードは、宇宙(そら)の戦力拡充に向けて動き始めたのだった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 一方その頃。

 束がコロニー用の外部オプションパーツとして設計したシールドブースターは、“首座の眷族”と“獣の眷族”で委託生産が始まっていた。試作品がカラードのデモンストレーションで使われてから、まだ336時間(2週間)程度しか経っていない。本来なら有り得ない早さだが、その性能に目を付けたアラライル大使とスノー大使が、自身の権限とコネクションを使って話を通したのだ。

 何せ対物理寄りな性能になっているとは言え、約7.9km/s (=28,400 km/h)(第一宇宙速度)で迫る直径約300メートルの隕石を弾けるシールドシステムだ。少し遅く感じるかもしれないが、地球のレールガンが約2.5km/s(=9,000km/h)程度である。つまり300メートル級の隕石が、レールガンの3倍以上の速度で突っ込んでくるのだ。かなりざっくりとした計算だが、破壊力に換算するとTNT火薬で612メガトン分の衝撃になる。地表に向けてこの速度で落すと、幅4.3キロメートルで深さ457メートルのクレーターができる程度だ。

 宇宙(そら)で暮らす者達にとっては、非常に有益なものと言えるだろう。尤もこれは、宇宙(そら)の世界に強力なシールドシステムが無いという意味ではない。単純に出力の暴力で強力なもの。空間歪曲場を展開してシールドとしているもの。色々ある。だが得てしてそういう強力な物は、様々な制限に引っ掛かって民間では使い辛いのだ。

 しかし束博士が設計した物は違う。シールド技術とステイシス技術。多積層展開という少々面倒な制御が行われているが、宇宙(そら)に出た文明なら大体持っているものばかり。そしてコロニー用とする事で大型化を許容し、エネルギータンクを仕込んでエネルギー消費量の増大に対応し、本体をコロニーに取り付けない非接触型とする事で、どんなコロニーでも使える汎用性が確保されていた。厳密に言えばコロニー側の改装も必要だが、非接触型のエネルギー伝達ラインを増設するだけなので、大工事が必要な訳ではない。

 よく考えられたアイデア商品で、デモンストレーション映像と大使2人の口コミが効果的だったのだろう。生産を担当しているところには、民間コロニーを中心に問い合わせが相次いでいた。

 このような状況で本星に戻ったスノーは――――――。

 

「良くやった」

 

 王様からお褒めの言葉を頂いていた。

 場所は王城。謁見の間。いつもの気さくな雰囲気ではない。百獣の王を連想させる程の威圧感があり、本人の性格を反映してか、王として身に着けている装飾品は少ない。しかし威厳は微塵も損なわれておらず、この場にいる忠臣達が忠誠を向けるに足る相応しい存在として玉座に座していた。

 彼女は頭を垂れたまま答える。

 

「勿体なきお言葉にございます」

「謙遜する必要は無い。お前は大使として、我ら“獣の眷族”に確かな利益をもたらした。素直に受け取ると良い」

 

 直近の外交的成果であるシールドブースターは、“獣の眷族”臣民の安全性に直結する上に、大規模改装が必要無いため導入し易いという利点がある。また依託生産は王家御用達という信頼のおける工場で行われ、権益も王家が握っている。設計者の篠ノ之束博士に売り上げの幾らかを支払う事になっているが、導入するコロニーが増えれば増える程、王家の収入が増えるのだ。

 これだけではない。スノーが篠ノ之束博士としっかりとした関係を築いていたお陰で、スターゲートハイウェイで始まった水の販売利益の20%が入ってくるようになった。交通量が1日4万隻を超えて今尚増加中の場所だけに、相当な収入となるのは間違いない。

 宇宙生まれ宇宙育ちをターゲットとして、潤沢な水を前面に押し出したレジャー施設も良い。旅行業界の活性化に繋がるというのもあるが、施設の中核メンバーに元2号支社の面々が全員入っているため、情報収集拠点として機能させる事ができる。スターゲートハイウェイという幾多の船が飛び交う場所のすぐ近くなのだ。この利点は計り知れない。そしてこの施設も、利益の20%が“獣の眷族”に入る。

 星間国家の王が、公式に褒めるに足る成果と言えた。

 

「ありがとうございます」

 

 頭を垂れたままのスノーに王が言った。

 

「面を上げると良い。そしてこれほどの成果を出したのだ。何か褒美をやらねばなるまい。何を望む」

 

 顔を上げたスノーは、僅かばかりも悩まなかった。

 

「では、引き続き地球の大使を務めさせて頂きたく思います」

「それは褒美になっていないだろう」

「いいえ。我らが王。あの場所で働くのはとても楽しいのです。なので褒美を下さるというのでしたら、それこそが望み。他に希望するものはございません」

 

 この言葉は理由の7割くらいだった。残り3割は利権を求めて地球の大使の座を狙う者が幾人かいたので、王のお墨付きという伝家の宝刀で封じてしまおうと思ったのだ。自身で対処する気だったが、褒美をくれるというなら、こういう使い方もありだろう。

 

「そうか」

 

 王は考える素振りを見せたが、ポーズでしかなかった。現在の状況や取り巻く環境を考えれば、彼女を交代させるのは愚策でしかない。それに願いを聞き入れるという形でなら、彼女を地球の大使に据え置いたところで何ら問題は無い。王が褒美を与える程の成果を出しているのだから。

 

「分かった。流石に未来永劫とは言えぬが、地球との関係が友好的なものである限り、そのままお前に任せるとしよう」

「聞き入れて下さり、ありがとうございます」

 

 再び頭を垂れるスノーに、王が言った。

 

「よい。儂はお前のような忠臣を持てて幸せ者だな」

 

 こうしてスノーの実績が公式に評価される儀式は終わったのだが、これで帰れる訳ではなかった。王妃様や側室の方々から、空中庭園に招待されているのだ。何を期待されているかは分かっている。話す内容が沢山あると思いながら、彼女は謁見の間を後にしたのだった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 そうして空中庭園に案内された彼女は、以前と同じ部屋に案内された。

 全面ガラス張りの壁面からは、首都の煌びやかなネオンが宝石のように輝いて見える。もし1人でこの部屋にいたのなら、壁際に立って暫し眺めていただろう。だが、今は出来ない。

 テーブルを挟んだ正面に王妃様。左右に側室の方々がいて、その内1人が話し始めたのだ。生まれも育ちも良い勤勉で読書家な方だが、面白い話に目が無いという知りたくも無かった事を知ってしまった方だ。

 

「では、早速聞かせて貰えないかしら」

「分かりました。では――――――」

 

 そうして話し始めた話題は、レジャー施設に纏わる内部情報のアレコレだった。情報ソースは主に元2号支社の支社長。犬耳の黒髪ロングストレートに真紅の瞳という、理性的な雰囲気の女性だ。レジャー施設の紹介用PVに出演した人物でもある*5

 とは言っても、何かを企むという訳ではない。高貴な方々が求めているのは人間的なドラマ。特に社長周辺のお話に興味津々で、今回注目を集めたのは元1号支社所属のナユ*6だった。彼女も紹介用PVに出演した人物で、今はレジャー施設の責任者となっている。

 暫く話していると、途中で質問があった。

 

「今の話からすると、責任者になったナユという人物。元々は夜の蝶ということですか?」

「はい。経歴は一般人そのものですが、本人曰くやってみたら意外と性に合っていた、ということらしいです」

 

 もしもこの場に地球人が居て話を聞いていたら意外に思うかもしれないが、覇権文明(ランクS)と言われる“首座の眷族”にも、夜のお仕事というのはあるのだ。むしろ生物である以上、その類の欲望はあって当然というスタンスの政策が取られていた。詳しく記すと歴史の授業になってしまうが、“首座の眷族”は過去にその手の仕事や感情を抑圧して大失敗した事があるのだ。

 無論、人によって好き嫌いはあるし、職業に対する感情(偏見)というのもある。だが、そういう仕事やそういう業界というのは“首座の眷族”にも存在しているのだ。

 

「なるほど。ではこのナユという女性。一般的な生まれから夜の蝶になり、その後海賊に攫われ、大変な目にあった後に救われ、カラードに入り、そこで見出されて、今ではレジャー施設の責任者になったと。中々数奇な人生ですね」

 

 地球風に言えばシンデレラガールとなるのだが、スノーは1つだけ訂正した。

 

「どうやら見出された訳ではないようなのです」

「おや、違うのですか?」

 

 側室の方は、辛い思いをした夜の蝶が遠い地で権力者に見初められる、という王道的なドラマを期待していたのだろう。しかし実際は、少し違っていた。

 

「はい。切っ掛けは彼女がレジャー施設の案を出した事ですが、その席で社長がこう言ったのです。――――――人に得手不得手がある事は分かっている。君に責任者の適正があるかも分からない。だがこの中で誰が一番上手く出来るかなど、正直なところ俺には分からない。それに責任者と言っても、やり方は人それぞれだ。自分で引っ張っていくタイプもいれば、仲間に仕事を割り振っていくタイプと様々だろう。だから、提案者である君にやらせてみる。あと、他の者達にも言っておこう。俺は戦場に立つ事もあるからか、こう思うんだ。地味でも確かな仕事をしてくれる人を蔑ろにしてはいけないって。一番分かり易いのは補給かな。派手なところばかりに気をとられてこういうのを疎かにすると、後で必ず手痛いしっぺ返しをくらう。こういう仕事も同じだと思っている」

 

 これに反応したのは王妃様だった。

 

「薙原という男。良く分かっているわね。異なる勢力同士の集まりで、下手な理由をこじつければ遺恨が残る。だから誰が一番か分からないとハッキリ口にした上で、提案した者をまず評価してやらせてみる。その上で地味な仕事も評価すると伝える。初動としては悪くないと思うのだけど、その後はどうだったのかしら?」

「元1号支社の人員は、カラードがこれまでの外宇宙ミッションで助けた者達です。そういう事情もあってか、レジャー施設の件は一丸となって進められていたようです。今の段階でも不協和音などは聞こえてきません」

 

 因みに元2号支社の面々にも、カラードに救われた者達がいる。偶然ではなく、“獣の眷族”王家がカラードに協力する方針であるため、意図的に友好的な人物を選んで入れていたのだ。

 しかしそれは選んだ時点のこと。レジャー施設のような計画を動かしていけば、多かれ少なかれ不平や不満というのは発生していく。それを上手くコントロール出来るかが組織運営の肝になる訳だが、異なる文明に属する集団を、1つの目標に向かって走らせながらコントロールするのは容易ではない。

 

「カラードの社長は、地味な仕事も宣言通り評価したのかしら?」

「1号支社と2号支社の計20名々を引き抜いてレジャー施設所属とした時、ナユを責任者に命じた以外、全ての役職を好きに選ばせました。またレジャー用コロニー内であれば、住居も好きな場所、内装も個々人の希望に合わせたものを用意していました。そして社長は裏方の支えがあるから表側が輝けると考えているようで、追加で雇った者達に対しても居住環境やお給料面だけでなく、家族がいる者は家族も含めた総合的な生活環境を整える事で、心を掴んでいました」

「具体的には?」

「少し前*7にレジャー施設に直接来た事があったのですが、その際にこのような事を直接話し合って決めていました」

 

 スノーが展開した空間ウインドウには、次のような事が表示されていた。

 仕事に役立つ分野での教師の招聘。家族用宿舎の準備。子供用の学校の準備。他にも色々あるが、いずれも生活環境や職場環境の改善。人材育成についての項目が並んでいる。

 

「………これはレジャー施設の職員だけですか? 仮にこの待遇がレジャー施設だけなら、地球人から不平不満が出るのでは?」

 

 カラードの心配をしている訳ではない。ただ物事の道理として、地球人の組織が宇宙人ばかりを優遇しては、色々と不平不満が出てくるだろう。協力相手の足元が揺らぐのは、“獣の眷族”としても困るというだけの話だ。

 しかし、回答は違っていた。

 

「いいえ。カラードの社長は元々、人材は人財という考えで組織構築をしている人です。カラードの福利厚生の充実ぶりは地球文明圏随一かと」

「なるほど」

 

 人を大事にする組織というのは伸びる。星間国家の王妃として、様々なものを見聞きして思ったことだ。短期的には利益最優先でも伸びるが、その場合は小さな問題が積み重なって大きくなり、後から大変な事になる場合が多い。

 そういう意味でカラードの社長は、分かっていると言えるだろう。

 

(まぁ、これ以上はあの人()に任せましょうか。それよりも―――)

 

 やはり面白い話が聞きたい。責任者となったナユの背景やこれまでの経緯を考えれば、もう少し何かありそうなのだが………。

 この瞬間、王妃様の脳裏にキュピーンと閃きが走った。確信にも近い閃きだ。

 

「そう言えば先程、引き抜いた者達に本人好みの住居を用意した、という話をしましたね。ナユという人物は、コロニー内のどんな場所に住居を構えたですか?」

「確か、都市外縁部にある自然公園の奥に屋敷を建てたと聞いています」

「自然公園という事は森ですか?」

 

 スノーは何故こんなに細かく聞かれるか分からなかったが、聞かれるままに答えた。

 

「正しくは森と池になります」

 

 レジャー施設として運用しているドーム型コロニーの直径は、地球の単位に換算して44キロメートルにもなる。比較対象として例を上げるなら、人類がL4宙域で運用している円筒形型コロニーの直径が6.4キロメートル、長さ36.0キロメートル。日本の東京23区の北端から南端までが約17キロメートル、西端から東端までが約21キロメートル程度だ。

 つまり宇宙(そら)のドーム型コロニーは、地球の都市1つ程度なら楽に入る程の面積があるのだ。内部環境に森や池があったとしても、都市近郊に広がる自然な光景として何ら違和感なく共存できる。

 むしろレジャー施設という使い道を考えた場合、ドーム内全てがネオンで煌びやかに飾られているよりも、光と闇のコントラストが夜景をより際立たせてくれるだろう。

 それはさておき、返答を聞いた王妃様は更に続けた。

 

「どのような建物ですか?」

 

 スノーも流石にそこまでは抑えていなかったため、情報ソースから貰ったデータを空間ウインドウに出して確認してみる。

 すると、少しばかり違和感があった。

 森の中にある古風な屋敷。周囲を塀に覆われており、正面には大きな門がある。歴史家や好事家が好きそうなデザインだが、それは良い。気になったのは、その構造だ。屋敷が2つある。正門を越えてすぐにある1つ目の屋敷。1つ目の館の中を通り抜けなければ行けない2つ目の屋敷。

 ナユのプロフィールを思い出してみる。確か彼女は独身だった。こんなに広い屋敷は必要無いだろう。豪華な暮らしがしたいなら、都市部でホテルの部屋を買い取った方が、余程便利で使い易い。

 スノーが首を傾げていると、王妃様はニッコリと笑って言った。

 

「あらあら。これはまた、カラードの社長は随分と好意を持たれているようね」

「どういうことでしょうか?」

「この者はもし社長がコロニーに来た時の為に、宿泊場所を用意しているのよ」

 

 何故そんな事を? しかしすぐに分かった。レジャー施設内のホテルは、全て誘致した民間企業。VIP用の部屋も無くはないが、1つの文明の指導者を泊めるには、色々と足りない。最悪、何かを仕込まれないとも限らない。

 王妃様はスノーの顔を見て続けた。

 

「分かったようね。でも、本当のところの理由はもっと単純でしょうね」

「それは?」

「一緒にご休憩したいだけじゃないかしら」

 

 少しばかり直接的な表現に、スノーは戸惑ってしまう。

 何故なら“獣の眷族”は、既に人類との交配の可能性を検討し終えていたからだ。“首座の眷族”も終えているに違いない。実際にそういう関係になるかどうかはさておき、科学的に検証しておく事はリスク管理の一環として必要だからだ。

 立場上色々知っているだけに少しだけイメージしてしまったが、顔には出さず臣下として答える。

 

「王妃様。御戯れを」

「あら、貴女は此処での事を外で話すのかしら?」

「いえ、そういう訳では」

「なら問題無いでしょう。こんなに楽しそうなことを見ないなんて勿体ないわ」

「何か干渉なさるのですか?」

「筋書きのないドラマだから楽しいのよ。そんな事をしたら駄作になってしまうし、こういう事で手を出したらあの人()に怒られてしまうわ」

 

 王妃という立場であれば、幾らでも感動的なドラマを命じて作らせる事ができる。しかし、彼女はそんな物に飽きていた。純粋な感情や偶然の積み重ねが生み出す唯一無二のドラマ。作られたものより、そちらの方が何倍も良い。ドロドロしたのも嫌いではないが、好みは甘酸っぱい方なのだ。

 そしてこの状況は、とても王妃様好みだった。

 辛い思いをした夜の蝶が遠い地の権力者に好意を抱き次第にのめり込んでいく。王道中の王道過ぎて現実ではむしろレアケース。先がどうなるのか、とても楽しみだ。

 こうして話が一段落したタイミングで、側室の1人がスノーに尋ねてきた。

 綺麗で長い白髪と鋭い瞳を持つ女性で、着ている服装は性格を映し出しているのか、着物のような服装に乱れは一切見られていない。背筋も綺麗に伸びている事から、どこか武人のような雰囲気がある。

 

「私からも良いかしら」

「はい」

「レジャー施設の訓練で、隔壁を切っていた者がいたでしょう。あれ、本当に只のブレードだったのかしら?」

「同じ質問を警備部門の者がカラード本社に行ったところ、後日訓練の時に使用されたブレードと、同じような武器がもう1つ。そして動画が送られてきました。これです」

 

 スノーが空間ウインドウを展開して動画を再生すると、黒髪の女性が映し出された。着用しているのはカラードの制服。右手には軽く反った刃(日本刀)が握られている。

 次いでカメラが別の方向に向けられると、2本の柱と2つの縦看板が立っていた。看板がズームアップされると、書かれているのは隣にある柱の強度情報だ。宇宙人向けに書かれているが、地球人向けに翻訳するなら、右の柱が鉄製、左の柱がチタン製となっている。

 そしてカメラが再び黒髪の女性に向けられると、無造作に歩き始め、右の柱に近づき、刃を持つ右手を一閃。数秒後、柱が切られたのを“今”思い出したかのようにズルッとずれて上が落ちた。

                               

 ―――織斑千冬の斬鉄―――

                               

 無造作に繰り出される、超絶技巧。

 

 

【挿絵表示】

 

                               

 ―――織斑千冬の斬鉄―――

                               

「え?」

 

 白髪の女性が、何が起きたのか分からないという声を出した。

 その間も動画は進み、左の柱も全く同じように切られたところで動画が終わる。

 

「スノー。もしかしてさっき言っていた同じような武器って、今動画で使われていた物ですか?」

「はい」

「持ってきなさい」

「一応武器なので、警備に預けています」

「私が許可します。すぐに」

「分かりました」

 

 空間ウインドウを展開して、警備の者に今の言葉を伝える。すると程なくして、使用人が日本刀を浮遊型の台車に乗せて持ってきた。

 白髪の女性が早速と手に取って鞘から引き抜くが、本当に只の刃でしかなかった。超高振動ブレードでも、エネルギーを刃に収束させる機能がある訳でもない。物理的に、ただ鋭く研がれただけの刃。

 スノーが補足した。

 

「束博士とのお話でその件に関しても出ましたが、そういう普通の刃で、同等以上の強度の物を斬る技術を斬鉄というらしいです」

「………斬鉄」

 

 白髪の女性が呟いた。似たような概念は“獣の眷族”にもある。しかしそれは、殆ど御伽噺のようなものだ。理論上は可能というだけの話。実戦であれほど自然に、息を吸うように行えるなど、どれほどの修練をしたのだろうか?

 

「会って話をしてみたいものですが、どのような人物ですか?」

 

 スノーは空間ウインドウに顔写真を表示させて答えた。

 

「名前は織斑千冬。束博士が親友と公言する人物です。そして先代最強と言われており、カラード社長が学生だった時の先生でもあります。性格は、そうですね。直接会った事はありませんが、調べた限りでは武人という言葉が最も近いかと。礼節を重んじ政に興味を示さない一振りの刃。そんな人物です。あと、カラード社長が卒業した後は、ISパイロットの指導教官としてカラードに引き抜かれています」

「なるほど」

 

 白髪の女性は相槌を打って暫し思案した。直接会って話をしてみたいという思いはあるが、束博士が親友と公言している人物を招待するとなれば、話が大きくなり過ぎる。こちらが行くのも同じだ。

 

「すぐには止めておきましょう。ただ、とても興味を持っている者がいる、とだけ伝えておいて下さい」

「分かりました」

 

 こうして話している間に時は進み深夜になり、スノーは空中庭園で一夜を過ごしたのだった。

                               

 ―――謁見の間でお褒めの言葉―――

                               

 追加で頂く事が出来ました。

 諸事情により途中挿入だと都合が悪いので、

 一番最後に追加してます。

 

【挿絵表示】

 

                               

 ―――謁見の間でお褒めの言葉―――

                               

 

 

 第235話に続く

 

 

 

*1
第228話時点。

*2
元ネタは勿論AC6の強襲艦!!

*3
戦艦級は全長600~900メートルサイズ

*4
フリゲート級:100メートル以下の船。

*5
第230話にイラストあり。

*6
彼女も第230話にイラストあり。

*7
前話にて。




千冬さん。斬鉄のお陰で何やら妙なところでフラグが立ちました。回収されるかは分かりませんが、しっかりと興味を持たれたようです。
そして随分と時間がかかりましたがHEAVY WARSHIPがようやくロールアウト間近になりました。
これでようやく、一般人が太陽系の色々なところに行けるようになります。とは言っても、カラードの宇宙船レンタル事業がすぐに廃れる事は無いかと思います。使いたい時だけ使って保守点検しなくて良いって結構便利だと思いますので。車のレンタカーと同じですね。
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