インフィニット・ストラトス ~迷い込んだイレギュラー~ 作:S-MIST
前半は多少真面目ですが、後半は水着沢山です。
そして健全な範囲でイチャイチャです。
プラチナ・ドロップス。
カラード所有のレジャー施設で、月のスターゲートハイウェイを超えた先にある巨大な施設だ。
本体は全長44キロメートルのドーム型コロニーで、周囲に直径15キロメートルのアトラクション専用施設が3つ、という形で構成されている。
一昔前の地球であれば、SF映画の中にしか存在しなかっただろう。しかし、今は違う。
地球では造れなくても、コロニーという土台を他の文明から買って使える。
素晴らしい事だ。これなら全てを自前で用意しなくて良い。だがソレはソレとして、束と晶には解消しておきたい懸念があった。
それは買った商品である以上、サービス維持やセキュリティアップデート等々の問題から、購入元にコロニー基幹システムへのアクセスを許さざるを得ないという事だ。つまりあちらの気分次第で、幾らでも仕込みが出来てしまう。
この懸念を解消出来ない限り、プラチナ・ドロップスを本当の意味での重要拠点には出来ない。
よって束はどの程度手を加えるか考える為の判断材料として、時間をかけてコロニーを解析していた。
方法? 何も難しい事はしていない。何せ所有者なのだ。ある程度のアクセス権限がある。ある程度の構造も分かる。内部をうろついても大丈夫。なので不定期に晶と一緒に訪れては、人の来ないバックヤードに入って、正規回線にお手製ハッキング用端末を接続して、わるーい笑みを浮かべながら好き放題に解析していた。
下位システムを解析して、それが終わったらちょっと上位の、それが終わったらまたちょっと上位の。そうして徐々に解析を進めていったのだ。
無論、開発元も馬鹿ではない。企業秘密に当たるような重要部分には簡単にアクセス出来ないように、ソフトウェア的にもハードウェア的にも、厳重なセキュリティが施されていた。が、流石に相手が悪い。ソフトウェアなら束の手にかかれば、秒で解体される。物理的な隔離なら晶にちょっとお願いして、
そして今日、束と晶は最後の仕上げをする為に、プラチナ・ドロップスのバックヤード奥深くに来ていた。
「~♪~~~♪♪~♪♪♪~~~~~♪♪♪~」
束が鼻歌を歌っている。手元のお手製のハッキング用端末から伸びるケーブルが、ちょっと(?)壊れている壁の中に突っ込まれていた。
周囲に浮かんでいる無数の空間ウインドウには、何かの処理を示す情報が高速で流れている。
素人が見ても分からないが、もしコロニー開発元の者が見たなら絶句しただろう。
基幹システムの頑強な防壁が、次々と解体されているのだ。
本来、これほど簡単に解体されるようなものではない。凶悪無比な攻性防壁で相手のシステムを焼くカウンターも無数に仕込まれている。が、“天災”にして“天才”篠ノ之束の前には無力だった。文字通り、片っ端から解体されていく。
そんな中で、傍らに立っている晶が尋ねた。壁を小突く時に
「なぁ、どれ位で終わりそうなんだ?」
「あと5分ってとこかな」
2人が他愛のない会話をして待っていると、気の抜けるような機械音がした。
―――ぴろぴろりーん♪
基幹システムの掌握が完了して、束の前に空間ウインドウが表示される。
彼女は表示されたデータをざっと眺めた後に言った。
「思ってた以上に真面目なとこだったみたい。完璧とは言わないけど、うん、まぁまぁじゃないかな」
「思いのほか高評価だな」
「普通に使う分にはね」
晶は思った。
しかし、あからさまに無い、という程度では困る。
重要拠点から情報流出の可能性がある、というだけで大問題だ。
「なら、どうする? 予定通りに今やっちゃうか? それとも、何か追加の対策が必要な感じかな?」
最後の仕上げとは、基幹システムを掌握する事ではない。これは単なる下準備だ。
何故なら基幹システムを掌握しても、開発元からのアップデートが入れば、また元に戻ってしまう。
よって2人は、別の方法を考えていた。
それはコロニーの基幹システムに束お手製のハードウェアを接続して、リアルタイムで動きを監視出来るようにする、というものだ。
平常時は監視のみ。バックドアが使われたり、特定の人物やコロニーの情報が調査される等々の動きがあれば、ファイアーウォールの起動やダミー情報へすり替える。
この方法ならコロニーという土台を大きく弄らなくて良い。が、幾ら基幹システムを押さえても、現場の防諜対策がしっかりしていなければ意味が無い。
このため2人は、もう一手考えていた。
カラードやプラチナ・ドロップス幹部要員専用のクリーンルームを用意する、というものだ。無論無機質なものではなく、レジャー施設らしい形で。
束が壁に突っ込んでいたケーブルを引き抜きながら答えた。
「そうだね。今やっちゃおうか。という訳で、お願い」
「オッケー」
壁の背後にあったのは基幹システムへ通じる唯一の回路群で、束が早速と作業を始めた。
必要機材を乗せていた大きなフローティングボードを、アナログなリモコンで操作。近くに寄せて、縦横高さが15メートル程度の立方体を重力制御で浮かせて、引き抜かれた壁の隙間に入れる。
すると立方体の上下左右から固定用の簡易的な脚が幾つか出て、壁の中でしっかりと固定された。次に無数のケーブルが自律的に伸びて、基幹システムへ通じる回路群へと繋がっていく。
束の眼前に空間ウインドウが開き、初期起動シーケンスが流れ始めた。
暫くして、完了と表示される。
「よし。オッケー。じゃあ晶。蓋をしようか」
「分かった」
ざっくり縦横高さ20メートルくらいのところに、縦横高さ15メートルの立方体を入れたので、当然隙間がある。上下左右は硬化ジェルで塞ぐが、通路に面した部分はしっかりと蓋をしておきたい。なので、日曜大工だ。切り出した壁を
で、このままでは見た目が悪いので、所謂ヤスリ掛けのような事をして表面を整え、綺麗にして、他の部分と全く同じ色を塗りなおして、はい終わり。
これでパッと見ただけでは分からない。壁の厚さもそれなりにあるから、本格的な機材を使って調査しない限りは分からないだろう。
晶の作業が終わったところで、束が言った。
「よし。じゃあ次はクリーンルームだね。ナユへの連絡は宜しく」
「分かった」
こうして2人は、次の作業に取り掛かったのだった。
◇
プラチナ・ドロップス総責任者室。
部屋の主であるナユは、突然来た晶にも、その提案内容にも、二重の意味で驚いていた。
―――驚きの表情のナユ―――
―――驚きの表情のナユ―――
「あら。そのような事を考えていたのですか」
「此処を本当の意味で拠点とするには、必要な事だからな。ただ他の文明で育った人達にとって、こちらがクリーンルームを用意すると言っても、本当に大丈夫なのかっていう疑念は付き纏うだろう。だから強制はしない。カラードの面々用の部屋は用意するが、プラチナ・ドロップス幹部については任意にしようと思ってる」
ナユはニッコリと笑いながら言った。
「私は勿論申し込みます。というか、必ず作って下さいね。作ってくれなかったら、泣いてしまいますから」
「お前は別。必ず移ってもらう」
晶のハッキリした態度に、ナユは嬉しそうな表情を浮かべて話を続けた。
「安心しました。では他の面々については私から伝える形で良いでしょうか? それともセキュリティに関する重要な変更ですし、社長ご自身でお話されますか?」
「俺から直接話そう」
「分かりました。では、全員を集めます」
この後、すぐに旧1号支社と2号支社の面々が集められた。ナユを含めて20名だ。
そうして要件が伝えられると、幹部としては当然の懸念点として、クリーンルームの性能の話が出た。
このコロニーの開発元は、決して悪いメーカーではない。むしろ優良と言って良い。それを超える性能でなければ、用意する意味は無いというのだ。
至極真っ当な、予想出来て当たり前の意見だ。なので、返事も用意されていた。
「じゃあクリーンルームを1つ持ち込むから、
晶は旧1号支社の2人を見た。中肉中背の普通っぽく見える元傭兵とヒョロガリな男だ。元傭兵は言うまでもなく物理的な荒事に長けていて、ヒョロガリナな男は電子的な事に長けている。
「お前達2人で、クリーンルームに色々仕掛けると良い。突破されたら所詮その程度って事でこの話は無し。突破出来なかったら、お前達の安心材料になるだろう」
「良いのか?」
「良いんですか?」
「幹部用に用意するクリーンルームだぞ。並大抵の手段で突破されるような物でどうする。遠慮なく、思いっきりやってくれ」
元傭兵が数瞬考えて尋ねた。
「元傭兵の俺に思いっきりという事は、武器の使用もありって事ですよね?」
「勿論。重火器でも良いぞ」
「本気ですか?」
「言っただろう。幹部用のクリーンルームだ。並大抵の手段で突破されるような物でどうする」
今度はヒョロガリが尋ねた。
「という事は、本格的な電子戦もOKって事ですよね?」
「勿論」
言われた2人は互いを見て、大きく肯いた。
そのタイミングで、ナユが口を開く。
「じゃあ、私が
「お前が態々住む必要なんて無いだろう。アンドロイドを入れておけば十分じゃないか?」
ナユは思いっきり煽った。
「元傭兵なら、武器の威力くらい適切に調節して下さい。それとも、出来ないんですか?」
「良い度胸だ。ぜってぇ突入して誘拐してやるから、覚悟しておけ」
「ええ。楽しみにしています」
元傭兵が尋ねた。
「社長。クリーンルームの搬入は何時だ?」
「もう持ってきるから、OKが出ればすぐにでも」
「すぐに搬入してくれ。明日から攻略を開始する。ヒョロガリ。良いな?」
ヒョロガリな男がコクコクと肯く。
こうしてプラチナ・ドロップス幹部の面々を納得させる為に、クリーンルームの性能試験が行われる事になったのだった。
なお用意されていたクリーンルームは、実際にはクリーンハウスとでも言うべき代物だった。
適当な浜辺に、南国のコテージ風の家がポンッと置かれたのである。ただし、仕様はガチである。ガチガチのガチである。
建造材はアーマードコアの物理装甲。窓はヘッドパーツのカメラアイ保護用バイザーと同等の強度。
まだある。対人制圧用装備のイングラム*3が数体だ。流石に殺傷用兵器は装備させていないが、ゴム弾拳銃、警棒、トリモチランチャー、ネットランチャー、催涙スプレー、スタングレネード、ECMボム、顔にお絵かき用油性ペン等々、対人制圧に必要そうな物は一通り揃えてある。ここはレジャー施設なので、血生臭いのは無しなのだ。だが、おちょくるのはOKである。
◇
旧1号支社と2号支社の面々が集められた席でボヤく。
「畜生。反則だろアレ」
流石に同僚が家にいる時に仕掛けるのは気が引けたので、出勤を確認してから仕掛けたのだが、何と言うかコテージの強度じゃねぇ。ハンドガン。実弾エネルギー共に駄目。ライフル。実弾エネルギー共に駄目。グレネード駄目。プラズマボム駄目。車両の特攻はステイシスフィールドとトリモチランチャーの二段構えで阻まれた。
挙句、イングラムが思っていた以上に邪魔くさかった。ハッキング対策で直接結線されない限り基本ロジックを書き換えられない仕様なので、電子戦で制圧出来ないのだ。となればぶっ壊すが選択肢だが、人間に出来ない事は出来なくて良いという割り切った設計の為か、思いのほか頑丈なのだ。コイツ。壊せるが、しぶとい。
そしてヒョロガリも、同じようにボヤいていた。
思いつく限りの電子戦を試したが、家の中の情報を拾えなかった。窓から家の中を覗こうとしても、スマートガラス*4なので不可。窓を開けたタイミングで中を見ようとしても、可視光線変更フィールドのお陰でダメ。ならば家の中の人の動きだけでもと、熱源その他様々なセンサーを試したが見事に阻まれた。
2人のボヤきを聞いたナユが、ニッコニコの笑顔で言った。
「何かあるかと楽しみにしていたんですが、何事も無く過ぎましたね」
「チッ。分かったよ。大した性能だよ用意されたクリーンハウスは」
元傭兵は余程悔しかったのか、吐き捨てるように言った。隣でヒョロガリが肯いている。
「では、少しネタばらしをしたいと思います。これがクリーンハウスの性能です」
ナユが全員の前に空間ウインドウを開いて、社長から貰ったデータを表示させた。
元傭兵とヒョロガリの顔が引き攣る。他の面々は純粋に驚いた様子だ。
これは、家じゃない。家の形をした要塞だ。カラードの社長は、何を想定しているのだろうか? 思わずそんな事を思ってしまう程だ。
ナユは全員を見渡して続けた。
「では性能証明も済んだという事で、話を進めたいと思います。クリーンハウスを使う方は、希望する住居のデザインや立地条件を纏めておいて欲しいそうです。工事は申し込み順という事ですから、他の人のを見てからでも良いかもしれませんね」
ここで、今まで黙っていた女性が口を開いた。犬耳の黒髪ロングストレートに真紅の瞳をしていて、穏やかだが理性的な雰囲気がある。
旧2号支社の支店長で、今はプラチナ・ドロップスの副責任者となっているアキだ。
なお彼女を含め旧2号支社の面々は動き易くて楽という理由で、
―――プラチナ・ドロップス副責任者のアキ―――
―――プラチナ・ドロップス副責任者のアキ―――
「どうしようか迷っていましたが、申し込みます。ここまで鉄壁なら、使わない理由はありません」
アキが申し込んだのを皮切りに、他の面々も次々と申し込み始めた。申し分ない性能が示されたからだ。しかも内装・外装共に自由にアレンジして良い。つまりフルオーダーメイド。幹部になった時も良い住居を用意してくれたが、今回は桁が違う。申し込まない理由は無いだろう。
こうしてプラチナ・ドロップスに、カラードと幹部の面々専用のクリーンハウスが作られる事になったのだった。
◇
後日のこと。
プラチナ・ドロップスにカラード専用クリーンハウスが完成した。
気分によって使い分けられるように、浜辺のコテージ、都市部ビルの最上階フロア、森の中の屋敷と3つ用意されている。
中々好評なようで、今日はラウラと他数名が浜辺のコテージを使っていた。
因みにラウラが着ている水着は黒いプランジング。胸に深い切り込みのある水着で、サイドも大胆にカットされている。成長したラウラのボンッキュッボンなボディで着ると、破壊力が凄まじい。
地球のリゾートにこんな美女がいたら、周囲の視線を独占してしまうだろう。しかし、ここなら心配無い。
コテージの周囲は多種多様なシールドによって護られているのだ。範囲内の事が、外に漏れる事は無い。
そんな場所でラウラが、ビーチチェアで寛ぐ晶の傍らに来て言った。
「良いところだな。地球だとこうはいかない」
元3年1組や他の中核メンバー全員に言える事だが、今の彼女達は途轍もない知名度を誇る有名人だ。
何処に言っても基本的に人の目がある。住む場所は本社に寮を、あとは本社近くに浮遊島という保養地を用意したが、逆を言えばそれくらいしか完全に人目を気にせずに済む場所がない。
気に入って貰えたなら、何よりだった。
しかし、それはそうと下から見上げる光景は大変に素晴らしい。
視線に気付いたラウラがニヤリと笑って言う。
―――素晴らしい光景―――
―――素晴らしい光景―――
「お前の為に着た水着だ。好きなだけ見て良いぞ」
この光景を少し離れた場所から見ていた鏡ナギは言った。
「ラウラって、ほんっとうに甘え上手になったよね」
隣にいた夜竹さゆかが答えた。
「うん。昔は触れれば切れるみたいな感じだったのに。晶の前じゃ子猫ちゃんだもん」
「まぁ本人が、「私は晶に身請けされた身だからな」って言ってるくらいだし」
すると、2人にコアネットワークが繋がれた。
(そこ。聞こえてるぞ)
(え゛)
(わぁ。地獄耳)
(お前らだって大して変わらんだろう)
ナギが答えた。
(まぁねぇ~。晶くんは私達の王様だもん。王様には甘えるものでしょ)
(程々にな)
(ラウラが言うの?)
(ちゃんと自制しているぞ)
今度はさゆかが言った。
(そんな水着着て。全然自制してないでしょ)
(それを言ったらお前らもだろう)
―――ナギとさゆかの水着姿―――
ナギ
さゆか
―――ナギとさゆかの水着姿―――
(普通の水着だもん。ちゃんと自制してるよ)
(そうそう)
(なら、私もそういう事だ)
女3人がニヤリ。
普通なら修羅場だったり駆け引きだったりドロドロしたりするのかもしれないが、王様と言った相手は色々と規格外なのだ。
多対一くらいで丁度良い。
こうして彼女達は、平穏で平和な一日を過ごしていったのだった。
◇
また別の日。
プラチナ・ドロップスにある、とあるビルの最上階。
晶はナイトプールで3人の美女達と遊んでいた。
シャルロット、癒子、神楽の3人だ。
シャルロットは黄色のモノキニ。
癒子は緑と白のローレグビキニ。
神楽は黒と赤のハイレグビキニ。
―――シャルロット・癒子・神楽の水着姿―――
シャルロット
癒子
神楽
―――シャルロット・癒子・神楽の水着姿―――
地球のリゾートだったら、否応なく周囲の視線を集めてしまう美女達。
しかし、ここなら気にしなくて良い。
大事な仲間で大事な女達に、安心して寛げる場所を用意してやれた。
遊びながらそんな事を思っていると、いつの間にか3人が近づいてきた。
「お?」
正面のシャルロットが、手を伸ばせば触れられる距離で言う。
「晶の考えてる事なんて、お見通しなんだからね」
右側の癒子が続いた。
「顔に出てた」
更に左側の神楽が続く。
「そうですわ」
晶は戸惑いながら言った。
「えっと、そんなに出てたか?」
シャルロットが代表して言った。
「出てた。だから、ちゃんと言葉で言うね。こういう場所を用意してくれて、ありがとう」
そのままシャルロットに正面から抱きつかれ、癒子と神楽が二の腕を絡ませピッタリと寄り添ってくる。
柔らかい感触が堪らなく良い。
晶は数瞬どうしようかと考え、今日は夜の雰囲気に流されてみる事にしたのだった。
◇
更に別の日。
プラチナ・ドロップスの森の中の屋敷。
晶は地下に備え付けられている個人用プールにいた。
一緒にいるのはセシリア、静寐、清香の3人。
月並みな言葉だが、大変に眼福な光景だ。
―――セシリア・静寐・清香の水着姿―――
セシリア
静寐
清香
―――セシリア・静寐・清香の水着姿―――
セシリアが、ニッコリと笑いながら近づいてきた。
「そんなに見られては、体に穴が開いてしまいますわ」
「目を逸らすなんて、そんな勿体ない」
「悪い気はしませんが、貴方はオルコット家の旦那様でもあるのですから、いつでも見れるのですよ」
「良いものは何回見ても良いんだよ」
「あらお上手」
2人の会話を聞いて、静寐が言ってきた。
「セッシー。良いの? 旦那様なんて言っちゃって。そりゃ私達は晶くんのアレだけど、一番は束博士でしょ」
セシリアは一瞬キョトンとして答えた。
「束博士は知ってますもの。というか悪意を持った対応をしない限り、あの方は怒りませんわ。例えば………そうですね。旦那様と言いつつ尊重しなかったり、蔑ろにしたり、そういう事をしたら烈火の如く怒ると思いますが、ちゃんと旦那様として尊重している限りは大丈夫ですわ。確認した訳ではありませんが、旦那様と呼んでいる事を知っていて何も言わないという事は、そういう事なのだと思ってますわ」
静寐は口をパクパクさせて、ようやく答えた。
「セッシー。随分図太くなったね」
「そんな事ありませんわ」
口では否定しつつも、思い当たる節はあった。
無茶振りされて馬車馬の如く働いて、その中で徐々に図太くなったのかもしれない。
もしや旦那様と呼んでも何も言われないのは、無茶振りをどうにかやり遂げたご褒美だろうか?
一瞬そんな事を思うが、理性は明確に否と言っていた。
束博士の判断基準は、晶が尊重されているか否かだろう。確信めいた予感がある。
こんな事を思っていると、清香が晶の近くにススーッと近づき、二の腕を絡ませた。
「ま、私は旦那様でも王様でも、ちゃんと愛してくれるならどっちでも良いけどね」
「あら、良い事を言いますわね」
セシリアも乗って、反対側の二の腕に自身の腕を絡ませる。
すると静寐も乗って、正面から抱きついて言った。
「王様のお仕事は、ちゃんと、全員を愛する事なんだからね」
お仕事と表現しているのは、本人の真面目な性格故だろう。
こうして4人は、大人な休日を過ごしたのだった、
第253話に続く
唐突に水着回をやりたくなって、煩悩のままに突っ走りました。
ISヒロインズの艶やかな水着姿を楽しんで頂けたなら幸いです。
描写されていない時間の事は、紳士諸君なら分かりますね?(笑)