インフィニット・ストラトス ~迷い込んだイレギュラー~ 作:S-MIST
▽ISの全高について
本作においてISの全高は概ね2.0~2.5メートル程度である。
規格外の戦闘力を持つ
▽パワードスーツの全高について
本作においてパワードスーツと呼称されるのは、人間が直接身に纏う全高2メートル前後の外骨格である。
パワードスーツの型式番号や名称に、マブラヴシリーズの戦術機のものが使用されているが、間違っても全高18メートルの巨大人型ロボではない。
▽
なお、規格の発表は第210話で行われている。
▽アーマードヘッドシリーズの全高について
本編第26話で登場したジャックくんに類似する者達(?)のこと。
全高は
▽その他の全高が人間程度のメカについて
・イングラム(元ネタ「機動警察パトレイバー」)
・グリフォン(元ネタ「機動警察パトレイバー」)
・スーパーシミター(元ネタ「アーマードコア プロジェクト・ファンタズマ」。本作第108話で登場)
全高:120cm
全幅:250cm
・テックボット(元ネタ「初代アーマードコア」)
全高:がきんちょくらい。商品によってマチマチ。
▽カラード本社の立地と城下街について
本社の情報が明確に語られたのは第124話。
以下、抜粋。
カラードの社屋は、IS学園近郊にある湾岸ブロックの一画にあった。
外見的には、そう特別なものでは無い。
地上10階建て。中規模のビジネスビル程度だ。それも一から建てたものではなく、元々あった物件を買い取った中古品。唯一特徴らしいのは、全面ガラス張りと多少洒落ているところだろう。だがこの程度は、オフィス街に行けば幾らでもある。つまり平凡の域を出ない。
だが中身は、完全に別物であった。
ビル全面を覆うガラスは、
そしてビル内部は、仕事上での情報漏洩を嫌う薙原晶、篠ノ之束、人員を貸し出している更識楯無の思惑が一致した結果、偏執的なまでの対策が取られていた。
まず買い取った段階でNEXTのプラズマ兵器を使用し、発生させた電磁波で元々あった電子機器を全て焼き、仕掛けられていた(かもしれない)盗聴器の類を一網打尽にしておく。ちなみにNEXTのプラズマ兵器は、入念な電磁対策が取られている第三世代ISのセンサー系ですらダメージが入るほどだ。並大抵の電子機器が耐えられるものではない。
そうして掃除されたところで、ビルの基礎や骨組みを強化し、新たな電子機器やセキュリティシステムの使用に耐えられるようにしていく。
この時点で殆ど完全に全面リフォームしているのと同じだったが、作業期間は驚異的な短さだった。
理由は極々単純で、質と量のゴリ押しである。
NEXTを重機代わりにして解体作業を行い、束が社の基幹システムを作成し、大量投入された更識子飼いの建築屋が、昼夜問わずの突貫工事でビルを組み上げていく(ちなみに単純作業であれば、
こうして力技で作られたカラードの社屋は、主に以下4つのブロックに分けられていた。
装備格納庫ブロック(地下1~2階(現在も拡張中))
パワードスーツや
例えばよくある出撃パターンとしては、
この場合、カラードでは人力で搭載作業をする必要は無い。パワードスーツにパイロットが乗り込んでしまえば、後は自動的にヘリまで運ばれ、搭載される。次いでヘリが置かれている床面そのものがエレベーターまで移動し、地上へリフトアップされて出撃となる。
並のPMCでは決して真似できないような、先進的な設備が整えられていた。
ビジネスブロック(地上1~5階)
カラードの事務仕事が行われている場所。
ただしこの会社の事務仕事は、広範囲かつ多岐に渡るため、幾つかの装備が与えられていた。
1つは、大量の情報を素早く処理するため、ワークステーション級の処理能力を持つマシン。
1つは、多くの情報を素早く確認し扱うため、空間ウインドウを多数同時展開出来る空間投影装置。
1つは、長時間の作業で疲労を溜め込まないように、人体工学に基づいた近未来的なリクライニングシート。
1つは、雑務に煩わされないよう、ドラム缶型のお手伝いロボ“テックボットくん”。
これらの装備を元々優秀な者達―――更識から派遣されている後方要員―――が使う事により、他には無い圧倒的な作業効率を実現していた。
健康管理ブロック(地上6階)
社員の健康を担う、医療ルームや
医療ルームには医師が常駐しており、万一の場合は緊急手術も可能な作りとなっていた。
そして
社員寮ブロック(地上7~10階)
寮と言えば、規格化された味気無い作りの部屋が幾つもある………というのが一般的な感覚だろう。
だが、この寮は違った。
初めからビルをリフォームする事が決まっていたせいか、晶はリフォームを始める前に、社員達から「仮に寮に住むとしたら、どんな部屋が良いか?」という希望を取っていたのだ。
当初は元IS強奪犯のためだけに用意されるはずだったのだが、「どうせなら………」というちょっとした気まぐれである。
そして初めから、高レベルの安全対策が施される事は明言されていた。
外壁・内壁は全て耐火・耐弾・耐爆仕様。毒ガスや細菌兵器に対応する空調管理システム。万一に備えての自動消火システム。
だが実を言うと、派遣組が住みたいと言い出し始めた理由は、もう1つあった。
それは晶が社員の希望を聞いて考えた、自分の住む部屋のデザインを自分で決められるという特典だ。
彼としては、大した事をしたつもりは無い。
安全対策さえしっかりされていれば、内装なぞどうでも良かったのだ。だがどうでも良いという事は、希望を受け入れない理由も無いということ。確かに希望を全て受け入れた場合のリフォーム費用は増すが、そこに住むのは今後カラードの仕事の殆どを任せる事になる大事な人材達だ。幸い資金はあったので、社員のモチベーションを上げる初期投資として行うのも悪くないだろう。そんな考えから生まれた特典だった。
この結果カラードの社員寮は、―――当初、晶が社の拡大に積極的でなかった事もあり―――初期メンバーの為だけの特別な社員寮になってしまった。
内装は個人個人の部屋によって異なるが、概ね高級マンションやホテルのスイートルームが近いだろうか。
高い天井に広い間取りという解放感のある空間。そして一人暮らしだと、どうしても家事に時間を取られてしまうのが難点だが、ドラム缶型のお手伝いロボ“テックボットくん”により、室内は常に清潔に保たれている。食事や洗濯などデリケートな部分も、初期設定さえ済んでしまえば、後は音声入力1つで勝手に行ってくれるという便利さだ(なおこのお手伝いロボにはジャック君の稼働データが使用されているため、非常に柔軟性が高く好評であった。しかしジャック君の稼働データを扱えるのは世界に一人だけ。つまりそれが配備されているという事は………)。
そして番外編第13話では、以下のように大きく機能拡張されている。当然、セキュリティも超高レベルである。
以下、抜粋。
カラードの本社は、IS学園近郊の湾港ブロックにある。
設立された当初は地下2階地上10階建てという小さな拠点だったが、今は違う。特徴的な三重リング構造の建物が増築され、周囲一帯も全てカラードの土地となり、専用の港と空港まで備える一大拠点だ。また一般人が目にする事は無いが、地下には階層分けされた広大な空間が存在している。
そんな本社近郊にある都市は、数年で大きく様変わりしていた。IS学園近郊という事で元々ある程度整備されていたのだが、カラードが城下街として莫大な資本を投下して再整備を行っていたのだ。一説によると中核メンバーと義妹達の為だけに、社長は年度あたりの予算を10倍にしたらしい。恐らく只の噂だろう。
すると企業が進出してくるようになり、カラードが内政と外交で実績を積み上げる程にその流れは加速していった。
今では世界中の名だたる企業が支社を出し、中には本社移転を決めた企業すらあったが、都市の発展はこれだけではない。各国は今後の統一政府樹立を睨み、総領事館を都市に置き始めたのだ。因みに総領事館とは大使館の機能の一部を担うところであり、大使館は本部、総領事館は支部と考えると分かり易いだろう。伝え聞く話によれば、遠からず大使館に格上げして、現在の大使館を総領事館に格下げする予定らしい。
更に番外編第15話では、以下のように描写されている。
以下、抜粋。
この都市はIS学園近郊という立地条件もあって、元々ある程度大きかった。でも今は、その比じゃない。カラードが宇宙進出を進める程に、統一政府としての足場を固める程に、加速度的に大きくなり、今尚大きくなり続けている。
世界の名だたる企業が本社移転を決め、或いは支社を出し、高層ビル群が立ち並び、数多の需要を見込んだ他の企業が次々と店を出し、国際機関が軒を連ね、総領事館が大使館に格上げされ、事実上の世界の中心地だ。
また第225話では下町のようなところも描写されているため、色々と裾野が広い都市構成になっている。
更に番外編第17話では、以下のように描写されている。
以下、抜粋。
当主様の足元だけに、都市のセキュリティは異様な程に硬い。但し、威圧感を与えるようなセキュリティではない。
監視カメラや追跡用の各種機器は、景色に紛れるように配置されているからだ。しかしカメラや追跡用の機器だけでは、不慮の事故や突発的な事態に対応できない。
このためカラードの城下街には交番という古典的システムの他に、
建物の中でも、お掃除ロボットに良く似せた防犯ロボットがいたりする。
▽カラードの統治方針
IS世界が元々持っている力はしっかり活用する。無いものは土台を作って裾野を広げる。一律の税金徴収0=面倒を見る義務0。有料サービス/契約ベース。既存国尊重(本音:手出しすると仕事増えて面倒だからお前らで頑張れ)。宇宙外交は独立心ある人材育成から。
何でもかんでも束の超技術に頼らない。アンサラー、スターゲート、スターゲート送電、イクリプス、アリコーン、カラード基幹システムなど、最重要な部分以外は可能な限り一般人でも運用・保守・点検などが行える形で進めていく。
以下、第203話より抜粋。
Hurry up!! とばかりに急かす束。面倒臭いのが良く分かる。尤も同意見なので、考えておいた原案は自分達の手間が可能な限り少なくなるようにしたものだった。
「まず統一政府の形として、各国から一律に税金を取ったりはしない。そして税金を取らないから介入しない。今一部でやってる戸籍管理の代行とか、依頼があったら受け付ける。後は有料サービスとして、各種情報の提供かな。地球内部の流通とか資源、気候関係のデータは豊富にあるから、その辺りの情報を提供して、自分達の事は可能な限り自分達でやってもらえるようにしていく。これならこっちの手間は最小限で、各国も内政干渉だなんだと騒がないだろう」
「うんうん。でもその形だと、政府っていう感じじゃないよね?」
「ああ。だから、政策を提示だけする。それを使うかどうかはそれぞれの国次第だが、提示される政策の精度というか有効性が高ければ、政府としてどちらが有能なのかは自ずと理解されていくと思うんだ」
▽カラード本社の各部門や課などについて
カラード本社には以下の部門や課などがある。
各部門や課、広報企画室は必要に応じて、機動的に協力する風土であるため風通しが良い。
+カラード秘書課
構成人員は全員が更識家からの出向組。
表向きの仕事は社長や副社長の補佐だが、内部的には防諜やスパイの炙り出しなど、更識の本領とも言える業務を担っている。
因みに当然の事ではあるが、同課には女性しかいない。美人の女性しかいない。
そして社長がよく社長室からいなくなるので、連れ戻す為に社内のあちらこちらに出現する。
+カラード戦闘部門
部門長はラウラ・ボーデヴィッヒ
カラードの武力を担う部門で「潜行戦隊」、「機動特捜課」、「IS/パワードスーツ派遣課」の3つで構成されている。
-潜行戦隊
元3年1組の18名が所属。
アリコーン1~3番艦が配備されている。
アリコーン1隻あたりの人員は6名。
アリコーン1番艦の乗員
アリコーン2番艦の乗員
モブ6名
アリコーン3番艦の乗員
モブ6名
-機動特捜課
元々は星間犯罪への対処ノウハウ(初動調査等)の蓄積を目的として設立された課。
スターゲートハイウェイ稼働後は、スターゲートハイウェイを使った密輸に関する犯罪等にも対応している。
レビヤタン級駆逐艦5番艦が配備されている。*1
1番艦は晶が月などに出張に行く時に使用。
2~4番艦はレスキュー部門で使用。
5番艦は機動特捜課で使用*2。
通常のワープドライブ艦。
-IS/パワードスーツ派遣課
カラードに登録されているISやパワードスーツ部隊の派遣を行う課。
ベルベットやナターシャも此処に所属している。
ただしドイツから移籍している黒ウサギ隊は、ラウラ直轄であるため扱いが異なる。
またISやパワードスーツの派遣は“
以下、第224話より抜粋。
視聴者向けにかなり割愛しているが、ISやパワードスーツ部隊への依頼斡旋業務は“
元々カラードで処理されていた依頼斡旋業務がこのような形になっている理由は、晶がIS学園2年生の時にまで遡る。人的リソースが依頼斡旋業務に割かれてしまい、当時主力としていた3部門―――レスキュー部門・戦闘部門・宇宙開発部門―――に影響が出始めていたのだ。対応策として人が足りないなら増やせば良いという考えもあるが、依頼で扱う情報には高い秘匿性が要求される上に、情報というのは関わる者が増える程に秘匿が難しくなる。
よって情報の取り扱いを専属とする為に、“
そしてこれは当時予測していなかった副次効果を生み出していた。顧客が他の派遣会社を選べるようになったため、結果として全体的な依頼数が増加、業界そのものが活性化していったのだ。
更にカラードが5つの紛争地域に介入した時に、在野に埋もれた人材の活用手段として依頼受付システムが拡張され、スキルを持った人間が仕事を受ける為の窓口にもなっていた*4。
-宇宙軍
中核メンバーは
各キャラクターの詳細については「サブヒロイン16&17&18:カラードの艦長3人娘」の項目参照。
軍としてはまだ若い。出来立てホヤホヤであるため、色々と試行錯誤中。
主な運用艦はゴースロス×1、
+カラードレスキュー部門
部門長はモブ。
ISやパワードスーツをレスキューに使う部門。
依頼があれば地球圏内何処にでも行く。宇宙にも行く。
-チームalpha
モブさんチーム。
レビヤタン級駆逐艦2番艦が配備されている。
-チームbravo
モブさんチーム。
レビヤタン級駆逐艦3番艦が配備されている。
-チームcharley
織斑一夏・篠ノ之箒・凰鈴音・五反田蘭が所属している。
レビヤタン級駆逐艦4番艦が配備されている。
+カラード異常気象対応部門
部門長は更識簪。
地球の異常気象に対応する為の部門。
ただし行動方針として「異常気象を消滅させる」ではなく、「人的被害が出ない程度に弱める」というのがある。
これは異常気象を消滅させてしまった場合、本来その気象条件で運ばれるはずだった熱や風も全て止める事になってしまい、結果として他の地域に影響が出てしまう為である。
また気象コントロールは気象コントロール用IS単独で行うものではなく、「本社にあるスーパーコンピューターで精密演算が行われ、気象コントロール用ISでその通りになるように調整する」、という形で行われている。
因みにスーパーコンピューターで精密演算が行われているから、パイロットに気象に関する知識が無くても良い、という訳ではない。精密演算とは言ってもあくまで演算でしかないため、求められる結果を得る為に、現場でリアルタイム補正する能力が求められるのだ。
このため気象コントロール用ISのパイロットは、気象に関する学習を義務付けられている。
尤も気象を扱う部門である以上、他の面々も気象に関する知識を相当なレベルで持ち合わせているのが実態である。
気象コントロール用ISのパイロットは3名。
布仏本音(専用機は“九尾ノ魂”)
クロエ・クロニクル(専用機は“黒鍵”(生体融合型IS))
元3年1組のモブさん(専用機だが作中での記述なし)
この他に元3年1組のモブさんは6名所属。
つまり同部門に元3年1組のモブさんは7名。
+カラード宇宙開発部門
部門長は薙原晶が社長と兼任。
現場はシャルロット・デュノアが部門長代理として取り仕切っている。
宇宙進出を強く志向するカラードの宇宙開発を担う部門。
スターゲートハイウェイや月の積み替え用ステーションの管理・運用、各種のコロニー事業、テラフォーミング等々。
その影響範囲は多岐に渡る。
また月の衛星軌道にある全長10キロメートルサイズの巨大な整備艦(双胴艦)も同部門の管理下にある。本艦の詳細については「月の整備艦について」の項目参照。
+カラード電力部門
社長である薙原晶の直轄部門
自社の設備や各国へのエネルギー供給を担っている。
しかし同部門のオペレーターにも、アンサラーへの直接アクセス権限は与えられていない。が、中継衛星へのアクセス権限は与えられている。
なお中継衛星には設計段階から自衛能力の他に、強力な2つの機能が実装されていた。
以下、第181話より抜粋。
なお中継衛星には設計段階から自衛能力の他に、強力な2つの機能が実装されていたからだ*5。
1つは大容量高速通信システム。宇宙開発時代の基幹インフラとなる事を期待され、性能は世界中の海に敷設されたインターネットの主要な回線である海底ケーブルの全通信量を肩代わりして、なお余力があり一切の遅延を起こさないというレベルだ。
1つは既存の偵察衛星を遥かに超えた地表探査能力。製作者本人は「レクテナ施設に正確にスーパーマイクロウェーブを照射する為」等と言っていたが、当然のようにそれ以外の使われ方もしていた。
電力部門は上記2つの機能を駆使して、カラードの目と耳の役割も担っていた。
+カラード教育部門
指導責任者は織斑千冬。副責任者は山田真耶。
カラードの武力の質を確保する為に非常に大事な部門。
主にお世話になるのは「IS/パワードスーツ派遣課」の者達だが、他部門の者達も教導を依頼したりしている。
因みに山田真耶のほんわかな雰囲気に騙されて舐めた口を利くと大変な事になる。
クアッド・ファランクスの的にされた者がいるとかいないとか………。
+カラード広報企画室
番外編第11話にて設立された。
室 長:
副室長:マリー・インテル*7
設立の切っ掛けは晶の義妹達が、「情報の扱い方や分析、活用方法を学びたい」と言った事だった。
これに晶が答えた結果として、カラード広報企画室が誕生した。
義妹達は表向きアルバイトとして働きつつ、ここで情報の扱い方や分析、活用方法を学んでいる。
なお晶は、義妹達にこんな事を言っている。
以下、番外編第11話より抜粋。
「お前達が俺の役に立ちたいと思ってくれるのは嬉しく思う。ただ、1つだけ約束してくれ。情報の扱い方を学んで、そして多くの情報に触れていけば、使い方によっては容易く他人を破滅させられる情報が沢山ある事に気付くだろう。そして、それも情報の扱い方の1つだ。俺は元々物理的な暴力を扱う人間だが、こういう立場になってからはその手の情報を扱う事も増えた。だが、な。俺はお前達にそういう事をやって欲しくない。俺がお前達を引き取ったのは、誰かを破滅させる為じゃないんだ。だから情報を扱うなら、日々を普通に生きている人が助かるような、或いはフェイク情報に苦しんでいる人が助かるような、そんな扱い方をして欲しい。厳密な意味としては違うが、ホワイトナイトのような感じだな」
正しい意味でのホワイトナイトとは、企業の買収防衛策の事を言う。敵対的買収を仕掛けられた企業が、新たな
晶は義妹達を一度見回してから、言葉を続けた。
「あとは、そうだな。情報を扱っていけば、死んだ方が良いゲス野郎が沢山いる事も分かるだろう。そしてホワイトナイトのような活動をしていれば、障害と認識されてお前達自身がターゲットになる事もあるだろう。物理的な意味でも、情報的な意味でも。いや、だろうじゃないな。確実にあるから、そんな時の対処方法も学んでいかないといけない。それが情報を扱うっていう事だ。そして繰り返しになるが、もう一度言っておく。俺はお前達に、誰かを破滅させるような事を仕事とする人生を送ってほしくない。だからな。ブラックオプス………って言ったら分かり辛いか。非合法作戦を許す気はない。自衛も反撃も、あくまで真っ当な手段でやってくれ」
またカラード側の事情として、以下のような事があった。
以下、番外編第11話より抜粋。
今現在に至るまで広報を専門とする部署というのは存在していなかった。小さい発表であれば各部門が直接行い、大きい発表であれば晶や束が直接行い、社のホームページやそこに掲載する情報は秘書室が管理していたからだ。
会社が小さい時はそれで問題無かったが、カラードが大きくなるにつれて広報にもある程度の手間をかける必要が出てきた。そのある程度の手間が今ではとても大きくなり、各部門本来の仕事を圧迫しているのだ。このため各部門の負担を軽減するため、広報専門の要員を配置しようと考えていたところに、義妹達の話である。
カラードが大きくなるに連れて仕事が増えているため、そろそろ課に格上げされるかもしれない。
+星間国家の在り方を検討する委員会
厳密に言えばカラード本社内の組織ではなく、カラード直下の組織である。
しかし関係が深いので此処に記述する。
設立は第178話時点、
設立には様々な思惑が絡んでいるが、極々簡単に言えば、(この時点で国連はまだ解体されていなかった)巨大さ故に動きの鈍重な国連では
委員会を構成しているのは6ヵ国。日本・アメリカ・ロシア・イギリス・フランス・ドイツ。
そうして時間が経過して、活動が徐々に本格化し始める。
以下、第225話より抜粋。
“星間国家の在り方を検討する委員会”は、昨年の11月*8に束と晶の会見で発表された方針に従い、統一政府の土台作りに着手していた。解体された国連組織*9の人員を雇い、委員会下部の実行組織として再編成していたのだ。例えば
ここで公共組織について、ある程度の知識がある者は思っただろう。各国にも似たような機能を持つ組織はある。日本を例に上げるなら、保健を管轄してるのは厚生労働省だ。
この疑問に対する委員会の発表は非常に明快なものだった。
―――再編した組織の活動方針について―――
・地球内部
各国の情報収集を行う。
収集した情報の分析を行う。
希望があれば情報提供を行う。
希望があれば助言も行う。
助言を実行するかは各国の判断に任せる。
・地球外部(主に移民先を想定)
移民先の情報収集を行う。
収集した情報の分析を行う。
移民先に出先機関を設置して情報提供を行う。
現地政府と協力して、移民先の生活の安定に協力する。
―――再編した組織の活動方針について―――
小難しく書いてあるが極々簡単に言ってしまえば、地球の国に対して助言はするが介入はしない、移民先には情報提供して協力的な活動もする、である。
つまり主な活動場所として
しかし委員会は各国が独自に、かつ早急に移民政策を実行する可能性は低いと踏んでいた。理由は幾つかある。
まず委員会を構成する各国の世論として、カラードが移民を行うならその経過を見守り、ある程度の情報を得てから進めるべき、という意見が大勢を占めているのだ。カラード側が改善点等をフィードバックすると公言しているのも大きい。危ない橋を渡る必要は無いということだ。
次にテラフォーミングした星が使える、というのが現実的な選択肢として用意されているということ。束博士がテラフォーミングを進めている惑星は3つあるが、内1つは後4年程度で居住可能な気温と大気圧になる見込みと発表されているのだ。流石に防護服無しで出歩けるかは厳密な現地調査が必要だが、それでも4年後には新天地に降り立てる。ならばその時に備えて、準備に時間を費やせば良い。
またカラードのこれまでの動きや発表から考えるに、移民の生活環境や食糧事情には相当に気を配っている。このため恐らくだが、下手な移民計画を発表したら全力で潰しにくるだろう、というのは委員会内部の共通見解であった。
その他にも次のような仕事をしている。
以下、第231話より抜粋。
カラード社長室でセシリアと話していた晶は、ふと思った事を尋ねた。
「そう言えば、強化処置を普及させた後の公衆衛生とか衛生教育について触れた国って、まだ何処も無かったよな?」
「はい。私が知る限りは、まだありませんわ。何か気になる事でも?」
「いや、さ。強化処置で労せず健康な体が手に入るなら、公衆衛生や衛生教育、食育*10あたりの事なんて多少置き去りにしても良いって考える奴、絶対いるだろうなぁって」
「それは、確かにそうですわね」
セシリアは晶が何を危惧しているのか、すぐに分かった。
何故なら人の健康というのは公衆衛生や衛生教育、食育等ともセットであるため、病気になり辛いからと言ってその辺りを蔑ろにされてしまっては、結局病人が増えてしまう。いや、強化処置で無理が利く分、問題として表面化した時には、かなり拙い状態になっている可能性の方が高い。
物凄く簡単に言うなら、個人が如何に強力な免疫力を持つ健康体であったとしても、不摂生な生活や病原体だらけの汚染された環境にいれば病気になるということだ。
紛争地域への介入で、彼女はそれを嫌という程に学んでいた。
また個人的な感情としても、汚い世界を良しとはしたくない。
このためセシリアは地球を預かる者として、しっかりと仕事をする事にした。
「再編したWHO*11*12に公衆衛生、衛生教育、食育等の重要性を広く伝えさせます。強化処置は病気になり辛いだけであって、万能ではない。人が築き上げてきたこれらの重要性は、微塵も揺らぐものではない、とも」
「頼んだ」
「はい。頼まれましたわ」
こうして2人の話し合いで決まった方針は、再編したWHOから地球文明内に広く伝えられていく事となる。
カラードの各国の自主性を尊重する、という立場上直接的な介入は行われなかったが、委員会を構成する6ヵ国については何ら問題無い。こちらが方向性を示せば、それぞれの国内事情に合う形で実行してくれる、という下地が既に出来ているからだ。
そして他の国々についても、晶とセシリアは心配していなかった。主要各国は既に押さえてあるのだ。なら、遠からず他の中小国家も続いて来るだろう。
もしも独自路線を突き進むところがあったら? それはそれとして尊重されるが、扱いは他と少し変わるかもしれない。それだけの事である。
また同じく第231話で以下のような事も行われている。
晶は思った。
何故なら交換比率とは基本的に需要と供給のバランスで決まるものだが、地球が
再編したIMF*13*14に丸投げしても良いが、基本骨子は考えておかないと、金の亡者がどんなヤバイ事を捻じ込んでくるか分からない。
俺は面倒が嫌いなんだ。
思わず大好きな作品のワンシーンを脳内再生してしまう。しかし、やらねばならない。なにか、もっと、こう、単純に出来る良い案は無いだろうか?
(通貨、通貨ねぇ。ああ、そう言えばアーマードコアでは
面倒臭すぎて思考が横道に逸れ始める。
(確か1
ふと、何かが閃いた。
(なにも今存在している通貨との変換じゃなくても良いんじゃないか?
そのまま暫し考えた晶は、考えた原案を再編されたIMFに持ち込んで本格的に検討させてみる事にした。
金の亡者がどんな事を捻じ込んでくるかは不安だったが、経済の専門家でもない自分が出しゃばって端々まで決めたりしたら、絶対におかしな事になる。なら専門家達に検討させて、出来上がったものを更識の者に要約させて、噛み砕いて説明して貰おうと思ったのだ。
決して、再編されたIMFに期待していた訳ではない。しかし再編されたIMF職員達の思いは全く違っていた。一言で言えば歓喜である。
何故か? 簡単だ。経済の専門家達から見れば持ち込まれた仕事は、今後の経済的なグランドデザインを描けと言われているに等しいのだ。しかもカラードという圧倒的な武力と経済力を背景にした、新規通貨の発行まで視野に入っている。
統一政府の名に相応しい大仕事だ。職員達のやる気スイッチが、カチッと入るのも無理からぬことであった。
▽カラード保有艦艇
第252話時点。
―――カラード保有艦一覧―――
・イクリプス(地球製)
→束の乗艦。
→スターゲート機能あり。
・アリコーン×4(地球製)
→0番艦はハウンドチームが秘密裏に運用中。
→1~3番艦は潜行戦隊にて運用中。
→スターゲート機能あり。
・ゴースロス×1(“翼の眷属”のジャンクヤードで購入後レストア)
詳細については「戦闘艦ゴースロスについて」の項目参照。
艦長はソフィ・シャリング。
・
詳細については「
1番艦の艦長は
2番艦の艦長はセーナ・ネアデス。
3番艦の艦長は未定orモブ。(元々はソフィだったが、ゴースロス艦長となったため)
・スコーピオン×4(“首座の眷族”製)*15
→1~3番艦の操艦はアリコーンからの遠隔操作。
→4番艦は保護した“翼の眷族”の2人に与えて外宇宙探査中。
→高性能ワープドライブ艦。
・レビヤタン級駆逐艦×5(地球製)*16
→1番艦は晶が月などに出張に行く時に使用。
→2~4番艦はレスキュー部門で使用。
→5番艦は機動特捜課で使用*17。
→通常のワープドライブ艦。
・300メートル級輸送艦×3(“獣の眷族”製)*18
→元々無法地帯での運用を想定された艦。
→シールド強度は高いが少々鈍足。
→一定レベルのワープ妨害耐性あり。
→通常のワープドライブ艦。
・ミミックボックス×3(宇宙製)
→400メートル級の中古輸送船を改造したもの。
→SDBMミサイル運用に特化した攻撃艦。
→SDBM以外の兵装は無い。
→流通量が多い400メートル級中古船を独自改良したもの。
→遠隔操作運用の無人艦。
→戦闘中の再装填は難しいが、240発の一斉発射は強力*19。
→アクティブステルス機能は無い。
→岩石の殻を被るというアナログな方法で周囲に溶け込む。
→通常のワープドライブ艦。
・400メートル級の中古の輸送艦×10(宇宙製)
→レンタル事業で使用している宇宙船。
→通常のワープドライブ艦。
・月の整備艦(“首座の眷族”製)
詳細については「月の整備艦について」の項目参照。
艦長という訳ではないが、主に担当しているのはキャロン。
―――カラード保有戦闘艦一覧―――
▽カラードの戸籍管理サービスについて
カラードが行う戸籍管理は、
以下、第192話より抜粋。
それは
―――各種ツール情報―――
・個人情報管理用データベース
氏名、生年月日、性別、年齢、家族構成、経歴、職業、年収など、個人に紐づくあらゆる情報が登録されるデータベース。
・個人認証用端末の設計図
外見はブレスレットやネックレスなど数種類ある。
入れ替わり対策として本人の髪や爪などが端末内部に保管され、疑わしい場合はゲノムチェックが行えるようになっている。
また電子マネーの支払い端末でもある。
・個人情報保管施設の設計図
個人の髪や爪などが保管される施設。個人認証用端末とセットで運用される事で、入れ替わり対策としている。
・政策立案支援システム
AIによる政策立案支援を行ってくれるシステム*20。
―――各種ツール情報―――
このシステムの投入を切っ掛けとして、イエメンは事実上カラードが直接統治する地となる。
以下、第192話より抜粋。
こうしてカラードは世界最貧国の1つ、イエメンの戸籍管理を請け負う事となった。
そしてこの決定はこの場で予想された通り、直接統治の切っ掛けとなる。戸籍登録促進の為に、先んじて整備が始まっていたインフラという生活基盤を戸籍登録した者から優先的に与える、としたからだ。世界最貧国という生きるだけでも大変な国において、これがどれほど登録を促進するかは誰でも分かるだろう。誰もが我先にと登録していく。管理者のシステムという、管理する事にかけては他の追随を許さないシステムに。結果として戸籍情報とインフラを握ったカラードは、人の流れ金の流れ情報の流れ物流の流れ、ありとあらゆる流れの掌握に成功する。
こうなれば、もう現地との力関係は歴然だ。全ての情報を握っているカラードから提示された政策が、そのまま現地の政策となっていく。無論、反対者がいなかった訳ではない。しかし、その声が大きくなる事はなかった。何故ならカラードはその統治において、あらゆる意味で特権階級というのを認めなかったからだ。例えば政治家や地元の地主などに代表される権力者。行っている事の重要性を建て前として特権を得ようとする者は多いが、全ての情報を握っているカラードに通じるはずもない。我が儘を言う大きな子供など相手にする必要はない。こちらの言う事を聞く相手にやらせれば良いだけだ。任せた相手が立場を利用して私腹を肥やし始めたなら、どのように私腹を肥やし始めたかを他人に知らせてやれば良い。それだけで、後は他人が勝手に動いてくれる。永く貧困が続いた地で抜け駆けしようとしたらどうなるか、身をもって周囲に知らしめてくれるだろう。
因みに、何故か大きく取り上げられなかった情報がある。
我が儘を言う大きな子供達と深い関係にあった武装組織や犯罪組織は、正体不明の武装勢力によって徹底的に刈り取られていた。秘密裏に、速やかに、何ら声を上げる事すら許されぬまま。依頼があった形跡はない。金が動いた形跡もない。にも関わらず、まるで入念な地ならしをするかのように、刈り取られていたのだった。
少しばかり未来の話になるが、こうしてイエメンを含めたカラード介入地域は直轄領と言われるようになり、復興への道を歩み始める事になる。
▽カラードの政策提案サービスについて
以下、第203話より抜粋。
政策の原案作成に使うAIは、
中略。
次いで、2人目が話し始める。
「先程話された幾つかの有料サービスは多くの小国にとって有用だと思うのですが、気になるものが1つありました。政策提案というのは何処までの内容を想定しているのでしょうか?」
「そうですね。これは実際に見せた方が早いでしょう」
晶が手元にあったタブレットを操作すると、背後にあった大型ディスプレイにとある国名が表示された。その後画面が切り替わり、現状、問題点、解決或いは軽減方法、その場合に予測される反動などが分かり易く表示されていく。しかしこの程度であれば、ある程度情報を知っている者なら作れるだろう。違うのは、ここからだ。
問題点に関係する利権、関わっている企業、どれだけの金が動いているのかの予測値、もたらされている功罪が羅列されていく。無論、これを只の予測と言って切り捨てる事は可能だ。しかし人と金の動きに興味のある者なら、表示されているデータが事実に近いと分かるだろう。
そして画面には表示されていないが、カラードが収集しているデータは多くの者が考えているより遥かに広く深かった。何故なら地球の静止衛星軌道に浮かぶ3機のアンサラーと、アンサラーから出力されるスーパーマイクロウェーブを中継する72機の中継衛星群は、そのまま地上を監視する天空の眼となっているからだ。これに加え中継衛星群とスーパーマイクロウェーブを地上で受信するレクテナ施設は、大容量通信ネットワークとしての機能も併せ持っている。既存の光海底ケーブルを遥かに凌ぐ大容量・超光速通信・安定性・対ハッキング性能で、
会場がザワつき、やがて静まる。
晶が続く言葉を口にした。
「これらは只の予測値で、外部からはこういう現状で、こういう問題があるように見える。だからこういう点を改善すると良いんじゃないでしょうか、という提案です。そして先程の話と少し繋がるのですが、外部からいきなり指摘されても受け入れ難いでしょう。ですからカラードとしては、提案するその国の人間を雇って、その国の人間に検証して貰おうと考えています。そして解説と検証過程はメディアを通じて一般公開していこうかな、と。因みに政府関係者が検証するのは当然の事なので、そちらにはタッチしません」
また第204話では以下のように記述されている。
先日カラードが始めた政策提案サービスは、各国の政治経済を劇的に変える劇薬に他ならなかった。
何故なら一個人が国家という巨大な存在の全体像を把握して、効率的に動かしていくのは大変難しい。そして個人で出来ないから多くの意見を出し合い議論してより良いものを作り上げる議会政治というシステムがあるのだが、議会を利権の場としか思っていない輩の台頭により、議論は進まず動きは遅くなり現実に追いついていないという現状があった。
しかし、カラードから政策提案サービスを受けた場合は違う。現状の良い点と悪い点が速やかに抽出され、良い点を伸ばす為にはどうしたら良いのか、或いは悪い点を縮小していく為にはどうしたら良いのか、というのが提示されるのだ。しかも政策提案サービスに使われているシステムは、
このため提示される内容は1ヵ国につき概ね3パターンあった。高い改善効率だが反動の大きいAパターン。改善はするが多少の反動が予測されるBパターン。大きく変わらないが改善効率も少しだけのCパターン。またいずれのパターンにおいても、人が検討して改善出来そうな項目が幾つか残されていた。人が自ら考え選んだと誤認させるためだ。
こうして作られた政策がカラードのホームページに掲載されると、多くのメディア系企業がこぞってダウンロードして、自社で企画した解説と討論番組を放送し始めた。無論、先日の会見で晶が言った“アースレポート・コーポレーション”もだ。
そして世間の反響は、利権を貪りたい議員や文句の言い合いに終始していた議員にとっては悪夢とも言えるものだった。これまでであれば「他との関係を入念に調査してから返答します」や「十分に検討してからお答えしたいと思います」と言って時間を稼げたが、影響する範囲や検討項目は、提案内容に含まれているのだ。つまり他の者からしてみれば検討するという返答は、提案に含まれている影響範囲や検討項目について考えると言っているに等しい。無論、違うならそれでも構わない。カバーされていない範囲も意図的にだがあるため、そういう事柄を見つけるのに注力するのもアリだろう。しかし確実に言える事は、政策提案サービスの出現は無能な議員の排除という流れを生み出し始めた、ということだった。
―――カラード社長室。
社長の椅子に座る晶は、空間ウインドウを展開してTVを見ていた。
義妹達が大株主をしている“アースレポート・コーポレーション”が企画した、政策提案サービスの解説と討論の番組だ。国別に作られているので日本版やアメリカ版といった複数のバージョンがあり、各国に配信されている。今見ている日本版では半円形のテーブルの中央付近に司会者と政策解説者が座り、その左右に招待された議員が座っていた。
『このような理由から、この問題に対してはこのようなアプローチが行われ――――――』
『その場合は――――――のような問題も有り得ると思いますが?』
『これによって発生する問題に対しては、このような形でフォローが――――――』
『それについては――――――』
要所要所で挟まれる質問や回答は、これまで真面目に政策の勉強をしてきた者と、そうでない者の差を際立たせるものだった。
無論、真面目にやっていても答えられないものはある。人間はコンピューターではないのだ。隅から隅まで全てを完璧に網羅して完璧に答えるなどできる筈も無い。大事なのは全体がどういう風に動いているのかを理解して、どういう方向性で動いていくのか明確なビジョンを持っていて示せること。そして非難の応酬ではなく建設的な議論である。
このため番組の司会者は冒頭で、「本番組の主旨は討論なので、建設的な意見のやり取りを臨みます」という言葉から始めていた。まだ始まって日の浅い番組だが、世間の反応を見る限り概ね好評と言えるだろう。尤も好評だから大丈夫と安心するのは危険で、質の低い議員が余りにも多いから相対的に良く見えているだけ、というのもある。
だから今後の動向に注意は必要だが、カラードから日本に対して何かを言ったりはしない。色々やるのは日本政府中枢に食い込んでいる更識家であり、
そして海外でも大なり小なり動きが見られているのだが、予想を遥かに超えた動きを見せているのが無数の小国だった。政策提案サービスはあくまで提案であって押し付けではないのだが、これをそのまま受け入れたところが予想よりも多いのだ。一定数はそういうところもあるだろうと思っていたが、それよりもずっと多い。何故だろうかと考えて動向をみてみれば、なるほど。納得だった。
支配者にとって議会というのは、“民主的な政治を行ってますよ”とアピールするための道具だが、同時に足元を揺るがせる有象無象が活動する場でもある。従って運営には一定の注意を払わなければならない上に、政治問題というのは真面目にやろうとすると検討内容が多くて面倒臭い。そこに100点満点ではないが、70~80点くらいの政策がポンッと提示されたらどうなるか? 使うだろう。市民が概ね不満を抱かない程度の統治を行えるなら、クーデターを心配する必要もない。政策にアレコレ難癖をつけてくる先進国にだって、提示された内容を使っている限り「私は真っ当な統治をしていますよ」と言い返せる。俗物的に更なる利益を求めて提示内容を歪めて政策を実行しようとする輩はいるだろうが、それはその国の問題であって、カラードが関わるべき問題じゃない。余りに酷ければ相手にとって不幸な事故が起きるかもしれないが、まぁケースバイケースだ。
ここで晶は思った。
(あー、なるほど。つまりアレだな。地方領主とか代官とか、そんな感じだな)
古き良きファンタジー風に考えると分かり易い。中央がカラード、地球の各国が地方。中央から政策が提示され、地方がそれを実行する。当然悪徳領主も出てくるだろう。で、余りに酷ければ必殺仕事人の出番だぞ、と。
(………水戸黄門プレイとかしたら面白いかなぁ)
ちょっと心動かされたが、現代社会でそんな事をしたら後始末がひっっっっじょうに面倒な事になる。よって却下。
▽ハウンドチームについて
所属キャラ3名については「▽サブヒロイン4&5&6:ハウンドチームの3人」の項目参照。
ハウンドチームにはアリコーン0番艦が与えられている。
そして0番艦には1~3番艦に搭載する前の実験兵装がよく搭載され、テストに使われている。
テスト相手? 世の中には消えた方が良い奴らもいる。そういう事である。
▽ハウンドチームが以前使っていた輸送機の性能(
以下、第154話より抜粋。
晶が以前、ハウンドチームの移動拠点として購入した輸送機は
物理装甲のみで対ISミサイルを凌げるという航空機としては破格の防御力に始まり、再設計されたメインエンジンは無補給かつ24時間以内に、地球上の如何なる場所にも到着可能な機動力を実現している。これに不整地での離着陸能力、イージスシステム並の探知能力、CIC相当の電子設備、小型のシールドシステムやチャフ、レーザー迎撃システム、小道具として使うガンヘッドやパワードスーツの運搬能力、狭くはあるが居住環境まで完備されているとなれば、空中要塞と言っても良いだろう。
▽ISパイロットが皆若く美しい理由。(第147話より)
束博士が発明したISには、重要な設定として以下がある。
「そうだ。晶には教えておこうかな。私がコア数を制限した理由を」
「発表後、愚かな使い方をされたから、じゃないのか?」
「それもあるけど、本当の理由は別にあるんだ」
「何なんだ?」
「表向きの発表では、宇宙空間での活動を想定して開発されたマルチフォーム・スーツ。でもこれはね、凡人にも受け入れられやすいように言っているだけで、本当の事を言い表してはいないの。私が元々考えていたのは、着る宇宙船。無限の宇宙を旅するのに、わざわざ大きな宇宙船を作っていくなんて面倒でしょ。だから身一つで行けるようにしたいって考えたんだ。で、ある程度の形になったから発表して、いずれコアの秘密も開示するつもりだった。でも人間は、私が思っている以上に幼かった。多分コアの秘密を開示したら、コアを巡って人類同士の大戦争になる。そう思ったんだ」
「その秘密って?」
「無限の宇宙を旅するには時間がかかる。ワープ技術はいずれ実用化するつもりだったけど、でも時間がかかるのは間違いない。だからね、詳しい理論は省くけど、パイロットの肉体を理想的な状態で維持してくれる機能を付けたの。これがどういう事か分かる?」
「年齢相応の肉体って意味じゃないよな? もしかして人間として、最盛期の理想的な肉体って意味なのか?」
「うん。幾多の権力者が追い求めた永遠の若さだよ。不死ではないけど、基本的に老衰っていうのがなくなる。そしてこの機能は、コアがパイロットをより深く理解する専用機の方が強く出るんだ」
「うわぁ………なるほど。確かにコアの秘密が知れたら戦争だな」
「だから増やしたくなかったの」
ISパイロット全員の肉体年齢が明らかに若いとなれば、必ず共通点として上がるISが疑われるのは間違いない。
つまりこの秘密は、いずれ必ずバレる。だが今は、増やさないと生き残れない。
▽強化処置について(第206話より)
カラードの中核メンバーには、強化処置がどんなものかが知らされていた*21。強化段階により差異はあるが、思考能力や身体能力が向上して健康寿命が延びる。数百年単位で。外見も殆ど変わらなくなる。地球の歴史で数多の人間が夢見た不老と言って良いだろう。今後10年以内に公開予定とは聞いているが、技術の公開ではなく、「こういう事が出来ますよ」という結果の公開なのだ。となれば成功例を拉致して、人体実験をして技術解明しようという輩が出てくるかもしれない。いや、必ず出る。もし拉致されずに過ごせたとしても、長い時間が経てば他人との違いから気付かれるだろう。そうなれば結局危険が迫ってくる。こんな未来が容易に予測できるだけに、安全に暮らしたいなら生活環境の確保に力を入れているカラードの元に居るしかなくなる。強化処置を受けた時点で、選択肢などないのだ。
▽宇宙の治安について(第240話にて)
そしてセキュリティランクの決め方にもルールがあるが、現場目線で見れば概ね次のような感じであった。
ホワイトなら星系内の交通監視システムが完成しているため、何かあればすぐに分かる。仮に海賊が不埒な行いをしたとしても、最速なら十数秒で部隊が駆けつけてくる。ワープ機関の発達した
グリーンなら到着まで数分。十分実用レベルであるし、並大抵の海賊なら即時鎮圧可能な火力と練度を持つ。
イエローからはセキュリティ系企業やバウンディハンターと共存という形になってくる。一番多いのは入植した惑星の周囲を治安組織―――大体の場合においては軍―――が護り、星系内の他の部分をセキュリティ系企業がカバーするといった具合だ。このためイエロー領域の安全の程度はかなり幅広い。
レッドは紛争地域や海賊多発地帯、或いはスターゲートネットワークの繋がっていない領域外に付けられるランクで、この領域に行くなら“自己責任”という言葉の意味を、強く噛み締めないといけない。
▽文明ランクについて(第178話にて)
文明のランクは低い順にF・E・D・C・B・A・Sの7段階に大別されている。
ランクFは、宇宙進出の極初期段階にある事を示している。辛うじて星の重力を振り切り、母星に極々近い場所でのみ活動する低レベルな文明という扱いで、
ランクEは、近隣の惑星にまで進出して開発が行われているレベルだ。なお母星の衛星の開発はレベルFの範疇である。
ランクDは、Eと同じ星系内において、更に遠くまで開発が進んでいるレベルだ。多くの文明において、この辺りでワープ航法の研究が本格化し始めている。
ランクCは、母星のある星系の外縁部付近まで開発が進んでいるレベルだ。多くの文明において、この段階でワープ航法が実現している。
ランクBは、幾つかの星系にまたがる星間国家が樹立しているレベルだ。この辺りになると兵器として十分な信頼性と実用性を持つ、重力兵器や空間破砕兵器が実用化されている。
ランクAは、幾つかの星系にまたがる星間国家が樹立しており、かつその影響力が銀河惑星連合でも広範囲に及ぶレベルだ。
そしてランクSは特殊ランクで、ここに分類される条件はただ一つ。文明、個体、群体、形状、種別も問わない。只々圧倒的な力を持っていることのみ。そして現在Sに分類されているのは僅かに2つ。“首座の眷族”と呼ばれる銀河中心核付近に母星がある超文明と、“星喰い”と呼ばれる惑星サイズの超巨大宇宙生物のみ。
▽ランクS文明“首座の眷属”について
+治安について(第240話から抜粋)
これらを踏まえた上で“首座の眷属”の領域を見てみると、主要星系は当然のようにホワイト。周囲も綺麗にグリーン。外縁部付近にイエローが相応にあるが、恒星系保有数2600という他文明を圧倒する領域の広さを考えれば、企業やバウンディハンターの活用は自然な発想と言えるだろう。
そしてスターゲートを通る前に毎回情報をチェックしているが、見事という他ないほど安定している。今回選んだ航路では“翼の眷属”の領域に入る直前でイエローになるが、出発前に支社を通じて調べた限りではイエローの中でも良い方だ。
+軍備について
何かしらの緊急事態に対応するため、自領域内なら命令が下ってから30分以内に1万隻の艦艇からなる緊急即応艦隊を派遣できる体制を整えている。
旗艦級を含む本格的な編成であるため、やろうと思えばこの艦隊だけで星間戦争が行えるレベルの編成。(第214話にて登場)
▽宇宙船の分類と価格の目安(船体価格のみ。武装は別売り)(第183話にて)
武装艦(全長)
100メートル以下:フリゲート
約50万IK
100~200メートル級:駆逐艦
約100万IK
200~300メートル級:巡洋艦
約1500万IK
300~600メートル級:巡洋戦艦
約5000万IK
600~900メートル級:戦艦
約3億IK
20~40キロメートル級:母艦
約200億IK
50キロメートル級:旗艦
約1000億IK
輸送艦(全長)
400メートル級
約100万IK
20キロメートル級
約20億IK
▽旗艦級の戦闘能力について(第214話にて)
一言で言えば化け物。
以下、第214話より抜粋。
束と晶は
まず防御力。ただ戦う為だけに生み出された全長50キロメートルを超える巨体を守るシールドは頑強無比。極々単純な事実として、平均的な戦闘力の巡洋艦*22~巡洋戦艦*23級で編成された艦隊なら、1000隻を超える規模で飽和攻撃をして、ようやくシールドの回復性能を上回り減衰させられるレベルなのだ。突破ではなく、減衰させられるレベル。しかも2人が入手した古い情報によれば、戦闘用の各種防御兵装を起動させていない通常状態で、だ。もし攻撃が途切れたら、たちまちの内に回復されてしまう。加えて旗艦級ともなれば、当然のように船体構造自体の自己修復能力も備えている。つまり完全破壊まで攻撃を当て続けなければ回復されてしまうのだ。
次に攻撃力。巡洋戦艦より更に上、戦艦級*24であっても大損害を免れない武装が船体各所にあるのは当然で、取り付き対策にアサルトアーマーに類似した兵器があるのも当然だが、旗艦級最大の恐ろしさはその主砲にある。文明によって正式名称は異なるが、地球の言語に翻訳するなら“
最後に移動力。旗艦級はその巨体故に運動性能は劣悪極まりないが、当然のようにスターゲート機能を備えている。
つまり旗艦級を擁する戦闘艦群を攻略するなら、この超火力・超防御力・環境改変能力を持つ艦の逃亡を阻止しつつ攻撃を当て続け、撃破しなければならないということ。周囲を固める艦隊の相手をしながら、だ。
▽旗艦級のワープ妨害能力について
以下、第214話より抜粋。
懐まで飛び込まない理由は、旗艦級が常に展開しているワープ妨害フィールドにあった。このフィールドはワープ機関の起動を妨害すると同時に、ワープ中の物体を強制的に三次元空間に実体化させてしまうのだ。速度0という完全静止状態で。下手に絡め取られたら射的の的にされかねない。また同フィールドはスターゲートの展開も阻害するため、内部への直接侵入対策として機能していた。シールドが消えてもこの機能が維持されているあたり、恐らく
▽ワープ妨害の方法は大別して2種類
以下、第222話より抜粋。
ワープの発達した文明において、ワープへの対抗策が生まれるのは必然である。今現在、その方法は2種類に大別されていた。
1つはワープドライブの起動そのものを妨害する方法。これはワープしようとする対象周辺の空間の安定性を乱す事で、ワープを行えないようにする方法だ。対象をロックオンして使う単体型や一定範囲に効果を及ぼす範囲型などがある。
1つがワープ状態の船を強制的に通常空間に戻す方法。これは範囲型ワープ妨害の副次的な効果だが、余りに強力な副次効果であった。なにせワープ中の物体が効果範囲内に入ると、速度ゼロの完全静止状態で強制的に通常空間に実体化させられてしまうのだ。
そして篠ノ之束博士は、ワープを実用化してすぐにこの2つを実用化していた。ワープへの対抗手段を確立しておかなければ、一方的に殴られるだけになってしまうからだ*25。
▽対ワープ妨害用の装備について
以下、第249話より抜粋。
天然のワープ妨害フィールドを形成している空間だったのだ。近くを通っただけでワープ空間から通常空間に、強制的に引きずり出されてしまう。当然、そこから再度ワープなんて出来ない。正確に言えば対ワープ妨害用の装備を積んだ艦なら可能だが、開拓用の船団にそんな装備は無い。対ワープ妨害用の装備は、センサー系への負荷が尋常ではないのだ。しかも装備の特性上、常時オンラインにしている必要がある。ワープの時だけのデメリットではないのだ。
第250話より抜粋。
天然のワープ妨害フィールドに居ても、ワープが絶対に不可能という訳ではないのだ。
▽ワープの種類別技術習得難易度について
第192話より抜粋。
本格的な外宇宙ミッションをする為には、星系内移動に用いる普通のワープドライブではなく、星系間を行き来できる高性能ワープドライブかスターゲート展開能力が必要になる。そして技術習得難度はワープドライブ<<難しい壁<<高性能ワープドライブ<<<<<非常に険しく難しいとてつもなく高い壁<<<<<スターゲートになる。
つまりワープドライブ技術習得の極初期段階にある人類が、カラード以外が外宇宙ミッションを行える可能性は無いのだが、抜け道が無い訳ではない。秘密裏に他文明から宇宙船の供与を受ければ、一応は行えるだろう。操船・目的地までの移動・展開・地球への帰還、あらゆる局面で不安しかないが、可能性としては有り得る。
+ワープの種類別説明
第222話より抜粋。
1つは普通のワープドライブ。単純にワープと言った場合はこちらを指す事が殆どで、主に星系内の移動に用いられる。しかし星系間を跳び越えるには、根本的に出力が足りない。
1つは高性能ワープドライブ。こちらは星系間を跳び越えられるが、普通のワープドライブよりも大型でエネルギー消費が段違いであるため、搭載した場合は同サイズの非搭載型に比べて、性能面で明らかに見劣りしてしまう。巡洋戦艦級*27以上に搭載したならある程度は緩和されるが、それでも緩和されるだけであって、同型の非搭載艦と1対1で戦えばまず勝てない。それでいて購入、稼働、メンテナンス、全てのコストが跳ね上がってしまう。
1つはスターゲート。単艦でも複数艦でも任意の地点に送り込める。オペレーション難易度を無視するなら、これが一番使い勝手が良いのは間違いない。しかし設置型スターゲートを高度な技術によって小型化しているとは言え、その大きさは戦艦級の積載量を以てしても無視出来ない程の負荷を船に与えていた*28。同サイズの船に比べて、性能面で明確に劣ってしまうのだ。コスト面での負担も、高性能ワープドライブ搭載艦の比ではない。
第248話にて設定追加
設置型スターゲートと艦船に搭載したスターゲートの跳躍距離は同じではない。
理由は設置型は高度な演算システムを潤沢に使って、かつ莫大なエネルギーを消費してゲートを安定させる事が出来る。これに対して艦船に搭載しているのは、船という限られた演算能力と動力源でゲートを開いて制御しているため。
+高性能ワープドライブについて補足
第228話より抜粋。
量産型の戦闘艦で軽量級から順に、フリゲート級で約50万IK、駆逐艦級で約100万IK、巡洋艦級で約1500万IK、巡洋戦艦級で約5000万IK、戦艦級で約3億IKだ。そして高性能ワープドライブは船への負荷が非常に大きい為、フリゲート級や駆逐艦級には搭載出来ない。船体側が耐えられないのだ。巡洋艦級なら辛うじて搭載可能だが、船としての性能は劣悪極まりないものになる。巡洋戦艦級以上なら船として使える程度の性能低下で済むが、同クラスの非搭載型と比べれば性能差は明らかだ。
加えて非常にお高い。巡洋戦艦級の高性能ワープドライブ艦なら5億IKがスタートラインになる。
+ステルスワープについて
第249話より抜粋。
アクティブステルスと光学迷彩で姿を消した上で、空間的な痕跡を残さない特殊なワープで星系内に進入している。
第250話より抜粋。
ステルスワープ―――アクティブステルスと光学迷彩で姿を消した上で、空間的な痕跡を残さない特殊なワープ―――で、白色矮星の裏側に回り込んだアリコーン。
補足事項。
非常に高度な技術力を必要とするワープ方法。
第250話時点で使っているのはアリコーンのみだが、ランクSやランクA文明なら可能であるため、間違いなく行える艦船は保有している。
▽地球製ワープドライブの生産数と性能について
+生産数
第253話時点で、人類の中でワープドライブの製造技術を持つのは束博士だけである。
このため束博士は月に3~5個程度のワープドライブを作って提供している。船ではなく、ワープドライブというパーツだけである。
提供し始めたのはIS学園卒業2年目の3月頃から*29。
+性能
第234話で、以下のように記述されている。
一般人が使っても事故を起こさないように、かなり強固な安全対策が施されていた。しかし性能が相当犠牲になっており、最も目立つのは
高速で敵味方の位置が入り乱れる
なお余談ではあるが、
また第235話で、以下のようにも記述されている。
ワープドライブ起動からワープインまで60秒。ワープアウト座標と艦の軸線が合っていない場合、更に増加。
▽宇宙で確保した水源/スターゲートハイウェイで行う水の販売/豊富な水を前面に押し出したレジャー施設“プラチナ・ドロップス”について
水源はペルセウス座にあるガス雲の中に存在する原始星L1448-MM。
以下、第229話より抜粋。
晶は
見ている惑星は分類用にL1448-MMという無機質な名前が付けられているが、惑星としての形はまだ殆ど無い。まだ誕生して約10万年程度と若く、ガス雲の中に存在していて、周囲のガスや塵の円盤から物質を引き寄せながら成長中の惑星なのだ。そしてこの惑星の面白いところは、自転軸の両極方向から宇宙ジェットと呼ばれる高速な噴流を放出しているところだ。放出される水量は毎秒アマゾン川の約1億倍で、噴き出す速度は時速約20万キロメートルにも達する。マシンガンの弾丸の約80倍の速度と言えば分かり易いだろうか?
この時点で束も晶も地球から水を持ち出す危険性を既に認識しており、以下のように考えていた。
ヒューマノイドタイプにとって水というのは使い道が多い。しかしこれまで、地球から水をスターゲートハイウェイに持って行って補給物資として販売する、という事はしていなかった。地球から持ち出すという事は地球の循環系から永久に無くなるという事であり、生態系への悪影響を避けられないからだ。もっと言ってしまえば、地球が水の星でなくなる可能性を考えなければいけない。
だがL1448-MMを水源として使えるなら違う。かなり甘い計算でも、この放出は千年単位で続く事が分かっている。
問題は時速約20万キロメートルで放出される水をどのように確保するかだが、
後はこの星系にスターゲートを設置して運べば良い。
第230話で使用する施設の大きさや数についての記述あり。
水浄化用施設の全長 :30km
→自転軸の両極に1つずつある。
レジャー用コロニーの全長:44km
レジャー用施設の全長 :15km
「十数キロサイズの小惑星3つを3日で準備。しかも外壁部分を綺麗に整えてとか。本当に地球人なの?」
既に“首座の眷族”や“獣の眷族”の企業が内装工事に入っているのだが、引き渡された段階で既におかしい。
正二十面体にカットされていて、カット面は凹凸が確認出来ない程に滑らかなのだ。
当人達は「ブレードで切っただけ」と言っていたが、どれ程の超高出力ブレードで切ったのだろうか? 加えて内部は掘削済みなのだ。
中略
建造中の施設は、遊ぶための施設だ。
そして遊びに見た目はとても重要で、如何に凹凸の無い滑らかなカット面であっても、岩石そのままでは少々味気ないだろう。
このため白銀の流体金属によって、完全な球形に外見が整えられていた。
加えて周囲にはキロメートル単位の超巨大空間ウインドウが幾つも展開されて、映し出される映像によって、
内部で楽しめるアトラクションが分かるようになっていた。
第231話にて以下の記述
全長44キロメートルのドーム型コロニーで、地球で運用しているような、遠心力で重力を発生させる骨董品ではない。
完全な重力制御によって、1G環境が再現されていた。
そして内部のイメージを一言で表すなら、浜辺のリゾート都市だろうか。
第234話にて以下の記述
比較対象として例を上げるなら、人類がL4宙域で運用している円筒形型コロニーの直径が6.4キロメートル、長さ36.0キロメートル。
日本の東京23区の北端から南端までが約17キロメートル、西端から東端までが約21キロメートル程度。
名前は第242話にて初登場。
名前の由来以下。
・44キロのドーム型コロニーを大きな水滴、周囲にある3つの15キロの施設を「プラチナの雫」に見立てた、宝石箱のような名前。(本文には未記載)
水の販売についてはスターゲートハイウェイの交通量増加と絡めて、第234話で以下の記述。
スターゲートハイウェイの交通量は、予想を超える勢いで増え続けていた。
既存の航路を大幅にショートカット出来る利便性。積み荷の乗せ換え作業が行い易いステーション。予め誘致されていた物流系企業による高速・大量輸送。海賊対策の行き届いた高い安全性。
物流や旅行業界の者達にとって、使わない理由は無いだろう。
そして今月、新たな理由が2つ追加された。
1つ目の理由は、スターゲートハイウェイで始まった水の販売だ。多くのヒューマノイド系にとって使い勝手の良い資源であり、かつ平均的な価格で安定供給が見込める、という好条件なのだ。補給や買い付けなど様々な目的で訪れる者が増えるのは道理だろう。
2つ目の理由は、時期を同じくしてオープンしたレジャー施設の存在だ。宇宙生まれ宇宙育ちにとって水を大量に使った施設というのは珍しく、かつリーズナブルな価格に抑えられているため、
これらの要因から、スターゲートハイウェイの交通量は1日4万隻を超えるようになっていた。4ヵ月程前の時点*1で1日2万隻を超えており、その後も徐々に増えていたが、水の販売とレジャー施設のオープンで一気に増えた形だ。
水の販売によって得られる利益についても第234話に記述あり。
スノーが篠ノ之束博士としっかりとした関係を築いていたお陰で、スターゲートハイウェイで始まった水の販売利益の20%が入ってくるようになった。交通量が1日4万隻を超えて今尚増加中の場所だけに、相当な収入となるのは間違いない。
宇宙生まれ宇宙育ちをターゲットとして、潤沢な水を前面に押し出したレジャー施設も良い。旅行業界の活性化に繋がるというのもあるが、施設の中核メンバーに元2号支社の面々が全員入っているため、情報収集拠点として機能させる事ができる。スターゲートハイウェイという幾多の船が飛び交う場所のすぐ近くなのだ。この利点は計り知れない。そしてこの施設も、利益の20%が“獣の眷族”に入る。
星間国家の王が、公式に褒めるに足る成果と言えた。
また作中に明確な描写はないが、“獣の眷属”に利益の20%が入っているなら、“首座の眷属”にも20%入っていると思われる。
つまり地球側の利益は60%。
+プラチナ・ドロップスの外見と中身について(上記と重複するが、探し易さを考慮して記載)
第243話より抜粋。
カラードは先日、月のスターゲートハイウェイを越えた先にレジャー施設をオープンさせていた*32。
施設の名はプラチナ・ドロップス*33。本体は全長44キロメートルのドーム型コロニーで、周囲には直径15キロメートルのアトラクション専用施設が3つある。
なお大きさの比較対象として例を上げると、日本の首都圏で約994万人*34が住まう東京23区の北端から南端までが約17キロメートル、西端から東端までが約21キロメートル程度だ。人類がL4宙域で運用している
収容人数1000万人以上というドーム型コロニーの中身は、海の見える都市という作りになっていた。都市部や海の浜辺にはホテルがあり、客を飽きさせないようにファッション、雑貨、飲食店など、多様な専門店が入っている大型の商業施設が複数ある。
だがプラチナ・ドロップスを本当の意味で楽しむなら、周囲に3つあるアトラクション専用施設に行くべきだろう。小惑星をくり抜いた後、外見を白銀の流体金属で完全な球形に整えられた施設で、中には天災級の大津波を体験出来るゾーンや、山を再現してスキーを体験出来るゾーンなど、惑星上で言えば一地方という単位が必要な環境が、レジャーの為だけに人工的に整えられているのだ。
そしてこれらを稼働させる為の莫大な量の水は、原始星L1448-MMから採取されていた。毎秒アマゾン川の約1億倍という水量が
+プラチナ・ドロップス第1次改造について。
第252話にて、プラチナ・ドロップスには以下の改造が施されている。
基幹システムに通じる唯一の唯一の回路群に束お手製のハードウェア(縦横高さが15メートル程度の立方体)を接続して、リアルタイムで動きを監視出来るようにしている。
平常時は監視のみ。基幹システムに存在するバックドアが使われたり、特定の人物やコロニーの情報が調査される等々の動きがあれば、ファイアーウォールの起動やダミー情報へすり替える。
このような事をする理由は、基幹システムを束側で掌握しても開発元からのアップデートが入れば、また元に戻ってしまう可能性があるため。
この方法ならコロニーという土台を大きく弄らなくて良い上に、基幹システムに入る情報と出るをこちら側でコントロール出来るため、対処出来る範囲が非常に広い。
また幾ら基幹システムを押さえても、現場の防諜対策がしっかりしていなければ意味が無いため、カラードやプラチナ・ドロップス幹部要員専用のクリーンハウスが用意された。レジャー施設らしい形で。
プラチナ・ドロップス幹部要員専用のクリーンハウスの内装や外装は、住む幹部の希望通りというフルオーダーメイド。
カラード用に用意されたのは、浜辺のコテージ、都市部ビルの最上階フロア、森の中の屋敷の3つ。
なおクリーンハウスの性能は、シェルターや要塞と言って良い代物である。
以下、第252話より抜粋。。
なお用意されていたクリーンルームは、実際にはクリーンハウスとでも言うべき代物だった。
適当な浜辺に、南国のコテージ風の家がポンッと置かれたのである。ただし、仕様はガチである。ガチガチのガチである。
建造材はアーマードコアの物理装甲。窓はヘッドパーツのカメラアイ保護用バイザーと同等の強度。
まだある。対人制圧用装備のイングラムが数体だ。流石に殺傷用兵器は装備させていないが、ゴム弾拳銃、警棒、トリモチランチャー、ネットランチャー、催涙スプレー、スタングレネード、ECMボム、顔にお絵かき用油性ペン等々、対人制圧に必要そうな物は一通り揃えてある。ここはレジャー施設なので、血生臭いのは無しなのだ。だが、おちょくるのはOKである。
▽レジャー施設“プラチナ・ドロップス”にあるアトラクションについて
第230話にPV風の解説あり。
白い砂浜。どこまでも広がるような青い海と空。空は高精度スクリーンによる映像だが、施設内とは思えない程に広い空間を感じさせる風景。
古いパニックもののホロムービーにあるような、大津波を体験できるゾーン。個人携行型シールド装置や多数のステイシスフィールド発生器などの入念な安全対策あり。
スキューバを楽しめるダイビングゾーン。
小惑星内に山岳環境を再現したスキーゾーン。
などがある。
▽アンサラーの性能について
+概要
篠ノ之束博士が宇宙進出計画の要として作り上げた発電衛星。発電した莫大な電力を中継衛星を用いて地球圏内の如何なる場所にも送電することができる。また宇宙進出計画の要でもあるため、過剰なまでの自衛装置が詰め込まれている。
第209話で実用化されたスターゲート送電システムも組み込まれている。
+大きさ
傘を閉じた状態なら全幅は約1400m、全高約1900m。
発電用の傘を開いて、各種装置を稼働状態にしたら全幅約2700m、全高約2400m。
+性能
最大射程:起動当初は40万キロ。現在は不明。
どんな状況でも、確実に電力を安定供給する為に持たされた数々の防衛機構。
アクティブ・イナーシャル・キャンセラー(AIC)を応用した、物理兵器に対する絶対的な防御力。
空間制御技術を応用した、光学兵器や空間破砕兵器に対する理不尽なまでの防御力。
極限まで効率化された強力な光学兵器群。重力制御による重力兵器。
これに加え自己再生と自己進化能力。魔改造のソルディオス・オービット6機。
その他様々な機能が、アームズフォート級という巨体を利用して搭載されている。
+スターゲート送電システムについて
スターゲート送電で行われるエネルギーの供給量は、スターゲートを介さないスーパーマイクロウェーブで供給するよりも30%減の供給量となる。
第208話より抜粋。
「正解。流石だね。まぁ、その特殊なフィールドもエネルギーである以上、そっちにもエネルギーを割く事になるから発電効率はどうしても落ちちゃうんだけどね。でも実用的な発電効率は見込めるようになったと思うよ」
「なるほど。どの程度落ちるんだ?」
「スターゲート送電を行うと供給量30%減ってところかな」
中継衛星の公表されている偽装されている性能は、1機で人口1000万人規模メガロポリス級の都市の都市インフラを支えられる、というものだ。単純に当て嵌めるなら、スターゲート送電を使用した場合は人口700万人規模の都市インフラを支えられる程度、という事になる。
なおスターゲート送電は、地球文明の外では3ヶ所しか提供されていない。
以下、第209話より抜粋。
『宇宙そらに出たばかりの地球には、余りにも足りないものが多い。御二人はそれを理解して、様々な面で助けてくれました。なので、心ばかりのお礼です。エネルギーが欲しい場所を教えてくれれば、アラライルさんには2ヶ所、スノーさんには1ヶ所、供給を行います。受信用の衛星を配置しなければいけないので、機密が近い場所は避けて下さいね。疑われてはたまりませんから。あと、基本的に使用方法について口出しする気はありませんが、私達が叩いた海賊のように、あまりに酷い事に使うようなら殴りに行きますので。それは先に言っておきます』
▽アンサラーの運用・相互バックアップ体制について
第234話時点(IS学園卒業4年目の6月中旬~下旬)では8機体制。
1~3号機が地球の静止衛星軌道。
4~6号機が太陽の衛星軌道。
7~8号機が月の北極と南極。
第234話に以下の記述あり。
全てのアンサラーはスターゲート送電システムによってエネルギーを相互に融通し合えるため、全ての箇所を同時に攻撃されない限り、常に他のアンサラーから莫大なエネルギー供給を受けられるようになっている。つまり単機であっても理不尽な攻撃力と防御力を持っているのに、常に他からのバックアップがあるのだ。攻略者視点で見ると、清々しい程に反則的で理不尽の権化だろう。
しかし、完全無欠で完璧なシステムなど存在しない。
晶の脳裏に、ある言葉が思い浮かんだ。勝って兜の緒を締めよ。
▽スターゲートハイウェイと積み替えステーションについて
第219話より抜粋。
地球、“首座の眷族”、“獣の眷族”の3文明合同で行われている巨大事業は、地球では安直にスターゲートハイウェイ計画と言われていた。
内容自体は、難しいものではない。
月のハブ化されたスターゲート近郊に荷物の積み替え用ステーションを準備して、予め招致しておいた
言葉にすればこれだけだが、物流業界に少しでも理解のある者なら、これがどれほどの物事に影響を与えるか分かるだろう。
何故なら物流というのは、地球でも
人の移動、物流、軍事、あらゆる面で、極めて大きな影響がある。もっとハッキリ言ってしまえば移動と言う一面において、他の文明に対して明らかに優位に立てる。
故に“首座の眷族”と“獣の眷族”は、この計画に対する支援を惜しまなかった。とは言っても、文明間の力量差を考えれば信じられない事だが、行われた支援はスターゲートの出口設置場所の選定と許可、積み替え用ステーションの内装準備、ステーションに待機させる輸送業者の選定のみであった。最も手間がかかり面倒なスターゲートは束博士という個人によって順次造られていく事が決まっていたし、積み替え用ステーションの基礎構造体となる小惑星に至っては、僅か数日で3つが準備されていた。直径十数キロメートルの小惑星が3つ。適度に外部がカットされて形が整えられ、更に内部がある程度掘削された状態で、だ。
中略
そしてこの計画の目的には、文化的な事を通して地球の事を宇宙人さんに知って貰う、というのも含まれていた。このため積み替え用ステーションのオープンスペースには、地球各地から選ばれた文化―――当然、激烈なロビー活動があった―――が展示されていた。無難なところで音楽、民族衣装、スポーツ等だが、少し外れた場所には歴史紹介も行われていた。当然、良い歴史もあれば悪い歴史もある。一般人的な心情で考えるなら、良い歴史のみを紹介したいところだろう。だが束と晶は、悪い歴史もしっかりと展示していた。この類の事は隠していても絶対にバレる上に、アラライルやスノーのこれまでの対応を考えれば、相当な調査能力を持っている事は確実だからだ。なら始めのうちに出してしまった方が、傷は浅くて済むだろう。
この動きにアラライルとスノーは――――――。
『随分と思い切った判断をしたものです』
『本当にですね。反対意見も多かったでしょう』
2人が話しているのは直通回線で、いつもの三者会談で使われている回線ではない。
そして2人が眼前に開いている空間ウインドウには、展示用に編集された地球の歴史があった。カラードから送られてきたもので、人の正の面と負の面が取り上げられている。
これを見た2人が率直に思った事は、地球人のアンバランスさだった。知的生命体である以上、正の面と負の面があるのは当然の事だ。しかし、これは幅が有り過ぎる。正の面を見れば、まさしく聖者の名に相応しい行いをした者もいる。一方で負の面に目を向ければ、地獄絵図と呼ぶに相応しい血みどろの歴史だ。
事実は事実として大事だが、これは些か刺激が強い。
だがアラライルは、この展示を逆にチャンスだと思っていた。確かに地球は過去、同じ星で生まれた同胞に対してこういう行いをしていた。アラライルが仕事で調べた事は本星にも送っているので、横槍を入れたい者達がこの事実を使ってくる可能性はあるだろう。
スノーも同じように考えていたが、彼女は少しばかりのリップサービスを考えていた。いつもの会談の場で束博士に、「カラードは頼れる隣人であり友人ですね」という主旨の話をしようと思っていたのだ。これまでに行われた外宇宙ミッションの話をして、その流れで切り出せば不自然な会話にはならないだろう。
尤も完全なリップサービスという訳でもない。こういう発言をしておけば、万一何かがあった時に次の一手を打ちやすくなる。何も無いのが一番ではあるのだが………。
作中時間が進んだ第242話時点で稼働しているスターゲート及び、それに合わせて増やされた積み替え用ステーション数は以下。
稼働スターゲート数:15
稼働中の積み替え用ステーション:6
建造中の積み替え用ステーション:4
正確には第241話時点(IS学園卒業4年目の10月)で15。束博士はスターゲートを3ヶ月で1個造れるため、翌年1月16になる。
作中で描写されているスターゲートの接続先はIS学園卒業3年目の10月で以下。
・“首座の眷族”に4つ。
・“獣の眷族”に4つ。
・地球文明がテラフォーミング中の惑星に3つ。
作中時間が進んだ第248話時点(IS学園卒業5年目の5月)で描写された稼働しているスターゲート及び、それに合わせて増やされた積み替え用ステーション数は以下。(時間経過的には、第247話(IS学園卒業5年目の4月)時点で以下の数になっている)
稼働スターゲート数:17
稼働中の積み替え用ステーション:8
建造中の積み替え用ステーション:2
・開通しているスターゲートの内訳は以下。
→銀河中心核付近を自領域とする“首座の眷族”に4つ。
→“獣の眷族”に4つ。
→地球文明がテラフォーミング中の惑星に2つ。地球文明が新しくテラフォーミングを開始した惑星に1つ。
→残り6つについては作中描写なし。
・IS学園卒業4年目の7月で保有数は18になる。
▽スターゲートネットワークについて
ヒューマノイド系と非ヒューマノイド系文明が入植している星系の総数は約8400。
入植している星系にはスターゲートが接続されている。
つまりスターゲートを辿っていけば、基本的には入植している全ての星系に行ける。
この入植している全ての星系に行ける設置型スターゲートの繋がりをスターゲートネットワークという。
どのように繋がっているのかは公共情報としてスターゲートマップというのが公開されている。
以下、第240話より抜粋。
「でもこうやってスターゲートマップを見ると、
「なにを?」
「スターゲート。全部で8000ちょっとだろ。ヒューマノイド系、非ヒューマノイド系問わず入植している全ての星系をスターゲートで繋いで、ゲートを通れば全ての文明圏に行けるようにしてる。どれだけの労力があったのかを考えると、やっぱり凄いなって」
以下、第249話より抜粋。
因みにスターゲートネットワークとは、ヒューマノイド系と非ヒューマノイド系文明が入植している全ての星系を繋いでいるスターゲート網の事で、どのように繋がっているのかは公共情報として公開され、スターゲートマップと呼ばれている。
「稼働しているスターゲートと入植している星系数について」の項目にも同様の記述あり。
▽超光速通信について
以下、第249話より抜粋。
超光速通信は基本的にスターゲートを経由するため、スターゲートネットワークに接続されていないこの星系では使えない。スターゲートを経由しない超光速通信もあるが、非常に高価なため普通の船には搭載されていない。開拓船団とその護衛艦隊に1つずつの計2つしかなかった。
▽束博士の乗艦イクリプスについて
この世界では晶と束以外は知る由も無いが、
第136話で建造中。第193話でVer2.1に。そして第244話時点でVer3.1になる。
――――――イクリプスVer3.1 諸元性能値――――――
直径
500メートル
対応領域
空・海・
動力源
主機関1、補助機関2、スターゲート送電システム
ステルス性能
アクティブステルス
光学迷彩
空間潜行*36
機動性能
ブースターと重力・慣性制御の併用による大気圏離脱能力
ワープドライブ
ワープ妨害への耐性
スターゲート機能
防御性能
エネルギーシールド
低いレーダー反射率かつ高耐久の物理装甲
船体の自己修復能力
攻撃性能
アサルトアーマー(至近距離全周囲攻撃能力)
光学型CIWS×32
近接防御用ミサイル発射機×16
エネルギー衝撃砲*38
ワープ妨害フィールド(広域型と一点集中型との切り替え可能)
アクティブ・イナーシャル・キャンセラー
ECM発生機
選択式武装
船体下部の主砲を下記3つの中から選択可能。
ISの
・プラズマキャノン
⇒武装特性:中弾速・高威力・中連射・無誘導
・リフレクタービット対応型レーザーキャノン
⇒武装特性:高弾速・低威力・高連射・無誘導
リフレクターで反射可能。
・誘導レーザー
⇒武装特性:低弾速・中威力・中連射・高誘導
追加ユニット1
船体上部に特殊機密処理が施されたコンテナユニット。
どんな微生物も漏らさないとっても頑丈なコンテナ。
コンテナそのものは
しかし中身がある場合は
追加ユニット2
船体下部に巨大物体保持用のクローが着いた円盤状ユニット。
大きさはイクリプス下部の円盤状ユニットと同程度。
内部には検査・検疫用機材が搭載されている。
宇宙で拾った物を船体内部に入れなくてもその場で調査可能。
クローの握力は非常に高く、普通の船程度なら握り潰せる。
追加ユニット3
船体両横にハサミ状の巨大なクローアーム*40。
一対二本の作業用アーム。
普段は折り畳まれているが、使用する時に展開する。
物凄く頑丈で、とてもフレキシブルに動く。
ハサミの根本にはレーザーブレードがあり刀身は500メートルほど。
このため艦でありながら格闘戦(物理)が可能。
本装備は固定装備であるため、
搭載ドローン性能
護衛用メカ多数。
調査用メカ多数。
メンテナンス性
自己修復による自動メンテナンス
基幹搭乗人員
2名。
束1人でフルコントロール可能だが、全力戦闘するなら晶がいた方が良い。
備考1
備考2
晶が操艦している時のみ、ワープ不能領域であっても通常空間と同じようにワープやスターゲートの展開が可能。
ただしこれはイクリプスの性能ではなく、晶の能力依存の性能。
時間をかけても良いなら束も行える。
備考3
本艦の
――――――イクリプスVer3.1 諸元性能値――――――
▽空間潜行艦アリコーンについて
元ネタは空のAC。
第180話より抜粋。
―――空間潜行艦“アリコーン”0番艦 諸元性能値―――
全長
495メートル
全幅
116メートル
全高
54メートル
対応領域
空・海・
動力源
主機関1、補助機関2
ステルス性能
アクティブステルス
光学迷彩
空間潜行*41
機動性能
ブースターと重力・慣性制御の併用による大気圏離脱能力
ワープドライブ
ワープ妨害への耐性
スターゲート機能
防御性能
エネルギーシールド
低いレーダー反射率かつ高耐久の物理装甲
船体の自己修復能力
攻撃性能
アサルトアーマー(至近距離全周囲攻撃能力)
光学型CIWS×32
近接防御用ミサイル発射機×16
多目的VLS×48
200mm連装型エネルギーキャノン×8
600mmレールキャノン×1
艦首無砲塔型荷電粒子砲×1*42
ワープ妨害フィールド(広域型と一点集中型との切り替え可能)
アクティブ・イナーシャル・キャンセラー
ECM発生機
搭載ドローン性能
バリアドローン×30(性能は備考3参照)
F/A37 ストレガ×12(性能は備考3参照)
無人型パワードスーツ多数
メンテナンス性
自己修復による自動メンテナンス
基幹搭乗人員
必要最低人数:1名
標準編成 :6名(2名ずつ8時間交代制)
メインパイロット役割:艦長・操艦・砲手
サブパイロット 役割:航法士・機関士・ドローン担当
備考1
本艦は専用機持ちが運用する事を前提としており、専用機と艦をフルリンクさせればワンマンオペレーションで戦闘も可能。
ただしパイロットの精神的疲労を考慮してサブパイロットを設け、8時間交代制で6人を標準編成としている。
備考2
船体サイズに見合う格納庫もあるので、物資の輸送や何らかの部隊を運搬する事も可能。
備考3
バリアドローン
重力制御で飛行する球体にバリア発生器を持たせた防御兵装。
艦本体のシールドには及ばないが相応の強度でバリアを展開
可能なため、味方や救出対象の防御にと幅広い使い方が可能。
EMP耐性が極めて高い。
F/A37 ストレガ*43
“アリコーン”用に束が新規に開発した戦闘機。
極々簡易なオプション変更でドローン運用と有人機運用を
切り替え可能となっている。
単独での大気圏突入・離脱が可能な上、地球製の戦闘機では初となるシールドシステムを標準搭載している。
EMP耐性が極めて高い。
武装については添付資料参照。*44
―――空間潜行艦“アリコーン”0番艦 諸元性能値―――
なお第241話にて電子戦用弾頭の存在が明かされている。
以下、第241話より抜粋。
尤もランクA文明クラスの船になると、自己修復用ナノマシンの働きで排除されてしまうため長くは持たない。
▽月の整備艦について
未だに名前が登場していない全長10キロメートルサイズの巨大な双胴艦。
大体は月の整備艦と言われている。
第193話で晶が発見。束と一緒に回収したもの。
発見時は右側面の機能はほぼ全損。主機関もブリッジも壊れているという船としてはほぼ終わっている状態だった。
アラライル曰く『随分と古い整備艦ですね』とのこと。(第198話の台詞)
外見は長方形が二つ並んでいるかのような双胴艦。(第198話にて)
それをキャロン・ユリニルとその直轄チームが年単位の時間をかけて、
正式な所有権と完全復旧した場合の性能。第219話より抜粋。
そしてアラライルの言葉には続きがあった。
『あと今更と言えば今更ですが、正式に宣言しておきたい事があります』
『何でしょうか?』
『いえ、束博士が戦争跡地から拾ってきた整備艦ですが、アレの所有権を正式にカラードへ移すという宣言です』
この場にいる者達にとっては、本当に今更の話だ。しかし、
如何に年代物の旧式艦とは言え、あの整備艦は全長10キロメートルサイズの巨大な双胴艦なのだ。その整備能力が十全に発揮されれば、今の地球では絶対に出来ない筈の整備が行える。束博士というイレギュラーな存在に頼らなくても、
1隻や2隻という話ではない。もしあの整備艦が完全復旧したら、戦艦級に分類される全長600~900メートル級の戦闘艦を、32隻格納して同時に重整備が行える。言い換えるなら、船体フレームが歪んでいたり主機関に深刻なダメージを負っている船でも復旧させられる。接舷させるだけで行える外装や武装の修復という簡易整備なら、その数倍の規模で行える。より小型の船、例えば巡洋艦に分類される200~300メートル級の戦闘艦なら、その数は更に数倍になる。
また単位時間あたりの整備能力も、地球人が考える整備とは次元が違っていた。メカニックが手作業で1つ1つのパーツを確認していく訳ではないのだ。高度に自動化された整備用機械群が船の状態を診断、復旧可能な部分はナノマシンに代表される各種修理用マテリアルによって修理され、余りにも損傷が酷ければパーツごと交換されていく。このため地球人の感覚で言えば、船体フレームの歪みや主機関へのダメージなど修理に数ヵ月単位だが、整備艦なら数日であった。
無論、これは運用する人員が整備艦の機能を十全に扱えた場合だ。カラードのキャロン率いるメカニックチームが整備艦について学習中だが、このレベルで扱えるようになるまで今暫くの時間が必要だろう。船体自体の復旧状況もようやく3割というところで、つい先日、どうにか月の衛星軌道をゆっくりと航行可能になった程度なのだ。まだまだ先は長い。
因みに“首座の眷族”で運用している同系統の艦なら、同じ損傷の船を修理したとしても、恐らく1日と掛からないだろう。
復旧状況について。第223話より抜粋。
月の整備艦と言えば、カラードが保有する全長10キロメートルサイズの巨大な双胴艦だ。束と晶が
発見当初は本当にボロボロで酷い姿だったが、キャロン*45率いるメカニックチームの頑張りと“首座の眷族”が修理に協力してくれたお陰で、今では
尤も、完全復旧した訳ではない。外装こそ綺麗に直っているものの、修理機能の稼働率は50%程度に留まっている。更に言えば、
しかし、今の地球にとっては十分であった。
そして第235話で復旧状況は以下のようになっている。
・10キロメール級の双胴艦(“首座の眷族”製)*46
→年代物の旧式の整備艦。
→元はボロボロだったが、外見の復元は完了。
→整備能力も8割方復旧。
→航行能力は移動が出来る程度。
→ワープ不可。優先する機能が多々あるため後回し。
第253話で復旧状況は以下のようになっている。
→復旧率は9割。
→ワープはまだ不可。
▽
元ネタはAC6より。
第235話より抜粋。
―――
型式番号
AS07
全長
800メートル
対応領域
空・
動力源
主機関1、補助機関2
ステルス性能
将来的にはアクティブステルス実装予定。
しかし現段階では未搭載。開発が追いついていない。
機動性能
ブースターと重力・慣性制御の併用。
1G程度の惑星なら単独かつノンオプションで離脱と再突入可能。
通常のワープドライブ。
→ワープドライブ起動からワープインまで60秒。
→ワープアウト座標と艦の軸線が合っていない場合、更に増加。
防御性能
エネルギーシールド
攻撃性能
艦 首:18連レーザー砲
船体上面:2連レーザー砲×4
近接防御用光学型CIWS×8
VLS×28
ステイシスフィールド発生装置×1
ワープ妨害装置×1
船体下面:大口径レールガン
24連ミサイル×最大6
VLS×28
ステイシスフィールド発生装置×1
ワープ妨害装置×1
搭載有人戦闘機
F/A37 ストレガ×16*47
→元々はアリコーン用の艦載機として束が開発した戦闘機。
単独での大気圏突入・離脱が可能。
地球製の戦闘機では初となるシールドシステムを標準搭載。
簡易変形によりホバリング可能。
EMP耐性が極めて高い。
基本武装
・バルカン
・レーザー
・荷電粒子砲
・レイブレッド(後方攻撃用)
・中距離対空ミサイル
・短射程空対空ミサイル
・バスターグレネード
搭載パワードスーツ及び
不知火 弐型、F-22 ラプター、EF-2000 タイフーン。
上記3機種の中から選択。
艦内にアセンブル用の設備あり。
搭載ドローン
未定
メンテナンス性
軽度な損傷はメカニックによる手動修復。
重度な損傷はユニットごと交換。
備考1
多目的用途の小型艇×4
備考2
束が発表した“シップコア規格”*48で造られているため、
主要な機能は全てパーツ交換でアップデート可能という
高い汎用性を備えている。
但し現時点では色々技術力不足で
―――
▽戦闘艦ゴースロスについて
元ネタは「星界の紋章」に登場したゴースロスそのまま。
第240話で晶が“翼の眷属”の領域に行った時にジャンクヤードで発見。勢いで買った。
その後第246話で以下のように仕様が固まる。
――――――ゴースロスVer1.0 諸元性能値――――――
全長
1282メートル
対応領域
空・海・
動力源
主機関4
ステルス性能
なし
機動性能
ブースターと重力・慣性制御の併用による大気圏離脱能力
ワープドライブ
防御性能
エネルギーシールド
攻撃性能
電磁投射砲×6(前方4門、後方2門)
ワープ妨害フィールド発生型爆雷×4
ステイシスフィールド発生型爆雷×4
純粋水爆核融合型爆雷×2
レーザー稼働砲×30
ワープ妨害フィールド発生装置
ステイシス装置
備考1:電磁投射砲について
初速は光速の1%。つまり秒速約3000km。
使用弾頭は純粋水爆核融合弾。
備考2:爆雷について
キャロンが開発したアタッチメント方式で機能を変更可能な爆雷。
ワープ妨害フィールド発生型、ステイシスフィールド発生型、純粋水爆核融合型はそれぞれ機能がパーツ化されているため、戦闘前であれば機能の入れ換えが可能。セッティングの手間があるため、戦闘中に行うのは非常に難しい。
備考3:ワープ妨害フィールド発生機について
束博士より基礎理論の提供を受けて実装の目途が立ったものだが、範囲は広くない。
キャロンの技術力では、精々が艦を中心として半径10キロメートル程度。
束博士の乗艦イクリプスなら半径100キロメートルだが、アレと比べてはいけない。
その他雑記
全長は後方に突き出た2門の電磁投射砲の長さを含んでいるため、本体の全長は実質的に900メートル程度。
主機関は4つ搭載と豪華に見えるが、地球製であるため1つ1つの出力が
物理装甲の耐久性は戦艦級としては並み。
――――――ゴースロスVer1.0 諸元性能値――――――
また
以下、第246話より抜粋。
つまり極論的に言ってしまえば、これらを満たせるなら艦を増やす必要は無い、という事だ。
ニヤッ、というわるーーーーい笑みが浮かぶ。
この世界に、ゲームのようなルールがある訳ではない。なら、艦にオプション兵装があったって良いじゃないか。
例えば、例えばだ。アーマードコア3に登場したD-C001、通称“大仏”の通常武装を取っ払って、ワープ妨害装置やステイシス装置をガン積みして、近寄って来た敵艦はそれで雁字搦めにして、動けなくなったところに電磁投射砲をブチ込んでやれば良い。
D-C001の大きさはどれ位だっただろうか? 確か公式設定は無かったはず。アーマードコアとの目測比較になるが、おおよそ40~50メートル程度だろうか? この大きさなら、地球文明でも造れる。まぁサイズまで再現する必要は無い。なんなら多少大型化しても良い。
運用方法も簡単にしよう。普段はゴースロスの左右に接続しておいてで、戦闘時は切り離して艦の左右に位置するようにする。所謂移動砲台のような扱いだ。
これなら艦の性能を落とす事無く、ワープ妨害とステイシス機能を強化できる。
考えを纏めた晶は仲間達にも意見を求め、この案をより練り込んでいくのだった。
▽ミミックボックスについて
以下、第235話より抜粋。
→400メートル級の中古輸送船を改造したもの。
→SDBMミサイル運用に特化した攻撃艦。
→SDBM以外の兵装は無い。
→流通量が多い400メートル級中古船を独自改良したもの。
→遠隔操作運用の無人艦。
→戦闘中の再装填は難しいが、240発の一斉発射は強力*49。
→アクティブステルス機能は無い。
→岩石の殻を被るというアナログな方法で周囲に溶け込む。
→通常のワープドライブ艦。
▽レビヤタン級駆逐艦
元ネタ及び外見はアーマードコア ラストレイヴンに登場するレビヤタン。
以下、第190話より抜粋。
そう言って晶は空間ウインドウを展開してお絵描きアプリを起動。懐かしくて何回かぶっ殺された記憶を思い出しながらイラストを描いていく。そうして完成したのは、
随分苦労した相手だが、宇宙文明基準に当て嵌めるとこいつの図体ですら駆逐艦扱いと思うと、何とも言えない気分になる。
「ふむ………もしかして、結構思い入れがある?」
「それなりに」
「分かった。かつての強敵を、私の手でリファインしてあげる」
少しばかり先の未来。このレビヤタンはデチューンVerの生産がキサラギに委託され、レビヤタン級駆逐艦として世に広く知られるようになる。優れた基礎設計のお陰で使い勝手と拡張性が両立された本艦は、カラード正式配備艦という知名度も手伝ってキサラギのヒット商品になっていく。また現場の要求に応じて幾つかの派生型が生産されたが、最も有名なのは機動特捜課に所属する上級刑事(仮称)達の乗艦として、特殊なチューンが施された機動特捜課仕様であった。フリゲートの機動性と巡洋艦の打撃力と防御力を併せ持つという恐るべき性能で、幾多の悪党共から“
なおブリッジの構造については、第240話で以下のように描写されている。
2人がいるブリッジは、窓から外を見る、という作りではない。恐らく全周囲モニター型のコクピット、という説明が一番近いだろう。半球状の部屋の壁面と床全てがモニターで、
中央付近に横並びでシートが配置され、
これはISと艦をリンクさせてワンマンオペレーションを行うなら必要無いものだが、レビヤタン級駆逐艦は将来的に一般人が運用する予定でもあるため、コントロール系を成熟させる為に2人の専用艦にも取り付けられていた。また同じ理由で、2人で操艦するなら必要無い航海員や通信員のシートも設置されていた。2人の後ろだ。
▽移民船クレイドルについて
テラフォーミングしている惑星に移民希望者を運ぶ為の宇宙船。
外見はACFAのクレイドルと同じ。
なお本作の独自設定だが、中央ブロックが高さ40メートル、横300メートル、長さ500メートル。翼に当たる部分の1ブロックはエンジンと連結フレーム込みで、高さ40メートル、横225メートル、長さ500メートル。完成時の全幅は約4キロメートルとなっている。(第159話より。第142話にも類似の記述あり)
また第247話にて移民希望者25万人を乗船させているが、出発の為ではなく試験の為である。
以下、抜粋。
テラフォーミング惑星への移民計画が、また一歩進められた。
衛星軌道に浮かぶ移民船クレイドルで、移民希望者に生活して貰うというものだ。実際に生活して貰う事で、内部環境、人員配置、人が動く際の動線など、様々な問題点の洗い出しを行う為だ。また移民が始まってから船内での集団生活に耐えられない者が出てくる、というケースも考えられたため、予め生活して慣れて貰おうという配慮でもある。
生活して貰うのは100人や200人程度ではない。移民船クレイドルの最大収容人数は50万人とされている*51が、今回の収容人数は25万人とされていた。これは一般人を宇宙で生活させた場合、ストレスから食事量の増大や気分転換の為のシャワー等で、ライフラインに対する負荷が増大する可能性があるため、必要十分な余力を持たせる為の判断であった。
なお移民船クレイドルの外見は、
『この形状の利点は機能拡張の行い易さです。翼がブロック単位で構成されていますので、建造後に新たな機能が必要になったら、新しいブロックを追加するだけで済みます。重量配分などの問題はあるでしょうが、規格は統一されていますので、配分が問題なら入れ換えで対処可能です。また将来的にテラフォーミングした惑星で高高度プラットフォームとしても使えるように、というのもあります。宇宙船としての合理性を突き詰めていくと、惑星圏内での活動には不向きな形になってしまいますので。将来的に重力制御や慣性制御の技術が進んでいけば、形に対する自由度もあがっていくと思いますが、現状ではこの形の方が色々使い易いのではないか、というのがこちら側の考えです』
これで多くの者が理解した。移民船クレイドルは移民者を送るだけのものではない。移民先での生活を支える資産なのだ。
移民先に行って、暫くはクレイドルから惑星の現地調査をして、下調べが済んだら地下都市―――今現在の予定は他文明との文化交流用都市―――を造り、徐々に活動範囲を広げていく。
また同じ第247話内で、雪は降らないが春夏秋冬の温度変化がある事が明かされている。
理由はケイトのリポートという形で以下のように述べられている。
『選ばせて貰った服は春夏秋冬の4パターン。はい。各季節のを1つずつです。皆さんお分かりでしょうか? クレイドルに雪は降りませんが、四季の気温環境は再現されています。春は暑いか寒いか分からなくて着る服に悩み、夏は暑くて、秋はこれから寒くなる感じで、冬は寒い。環境維持コストとしてはお高い筈ですが、カラードに質問を送ったところ、こんな答えが返ってきました。環境変化も人間性や文化を維持する大事な要因だと思っています、と』
その他、船内での衣類の買い物は店舗で立体映像を確認して注文するショールーミング型となっている。
▽稼働しているスターゲートと入植している星系数について
ヒューマノイド系と非ヒューマノイド系文明が入植している星系の総数は約8400。
入植している星系にはスターゲートが接続されている。
つまりスターゲートを辿っていけば、基本的には入植している全ての星系に行ける。
この入植している全ての星系に行ける設置型スターゲートの繋がりをスターゲートネットワークという。
どのように繋がっているのかは公共情報としてスターゲートマップというのが公開されている。
以下、第240話より抜粋。
「でもこうやってスターゲートマップを見ると、
「なにを?」
「スターゲート。全部で8000ちょっとだろ。ヒューマノイド系、非ヒューマノイド系問わず入植している全ての星系をスターゲートで繋いで、ゲートを通れば全ての文明圏に行けるようにしてる。どれだけの労力があったのかを考えると、やっぱり凄いなって」
以下、第249話より抜粋。
因みにスターゲートネットワークとは、ヒューマノイド系と非ヒューマノイド系文明が入植している全ての星系を繋いでいるスターゲート網の事で、どのように繋がっているのかは公共情報として公開され、スターゲートマップと呼ばれている。
▽各文明の保有恒星系及び軍の総艦艇数について
保有恒星系であって総星系数でない点に注意。
軍の総艦艇数は、第242話までに時点で触れている“翼の眷属”のみ表記。
また軍の総艦艇数であって民間軍事企業や警察、傭兵等の艦艇数も含んでいない。
+“首座の眷属”
保有恒星系
2600
総艦艇数
作中で情報表記無し。
+“獣の眷属”
保有恒星系
400
総艦艇数
作中で情報表記無し。
+“翼の眷属”
保有恒星系
153(大規模内戦で喪失する前は170。1/10を喪失した。第239話で触れている情報)
総艦艇数
クーデター前の欺瞞情報では約22000隻。(実際には22215隻)
侵攻作戦の為に隠していた戦力を含めた実数は42411隻。
配備状況
自領域を12方面に分けて、各方面の定数は約1851隻。総艦艇数は約22000隻。
端数は状況によって割り振り。
差分の約20000隻が侵攻作戦に投入された。
つまり侵攻作戦の後も国内戦力は手付かずで残っている。
▽アースレポート・コーポレーション
番外編第09話で設立されたメディア系企業。
大株主は晶の義妹達8人。
ただしクロエ・クロニクルは大株主として受け取る筈の配当金を、全額社に返還して職場環境の福利厚生に使っている。
これはクロエの口座に配当金が入金された瞬間に機械的に処理されるようになっている。
公表されている理由は以下。
・ISパイロットにこの手の臨時収入を認めてしまうと、ISパイロットというネームバリューの高さから副業を行う者が多発して、パイロットの質の低下を招きかねないため。
・これが広がると利権まみれになってコーポレートガバナンス(企業統治)の信頼性が低下してしまうため。
それを心配するなら始めから配当金を受け取らない名目上の大株主とは言えならなければ良いとも言えるが、義妹達全員で考えて設立した会社なので、名前だけという形で名を連ねている。
設立目的:番外編第09話より抜粋。
『地球の地域ごと一般常識や文化といったものをデータベース化して、宇宙人さんが地球の事を理解し易くする会社なんて作ってみたらどうかしら? 将来、遠い未来か近い未来かは分からないけど、宇宙人さんが地球に来た時に、この会社のデータベースを見れば、ある程度は困らなく旅行を楽しめる。そんなデータベースなんてあったらお義兄様の助けになると思うの。だってほら、卒業式で言ってたじゃない。「できれば隣人と仲良くやっていきたい」って。そういうものがあれば、手助けになると思わない?』
という事で発案・設立された。
会社運営と発展状況:番外編第11話より抜粋。
「お義兄様や束博士の活動を支援する為の会社で、主な仕事内容は地球の地域ごとの一般常識や文化といったものをデータベース化して、宇宙人が地球の事を理解し易くする、というものになっている。そしてお義兄様と束博士が豊富な立ち上げ資金を出してくれたお陰で、多くの人を雇い人海戦術でデータベース化作業を進める事が出来ていた。結果は会社のホームページで公開されているが、まだ宇宙人さんが使ってくれているという話は聞こえてこない。しかしビジネス界隈で重宝されているという話は聞こえていた。加えて多くの国に人を送り込んでいる関係上、とても多くの取材情報が集まっているので、豊富な情報に裏打ちされた信憑性の高い記事という―――会社の活動的な意味で―――副業は、有料記事であるにも関わらず多くの購読者がいた。」
となっている。
宇宙人にも見られるように:本編第238話より抜粋。
「地球文明内の只の移民計画だった筈が、いつの間にか他の文明を巻き込んだ一大プロジェクトに変わってしまったのである。
そしてこの時、晶の義妹達が将来を見越して準備していたものが大変役に立っていた。
“アースレポート・コーポレーション”のホームページにある、各国の日常的なコミュニケーションをデータベース化したものだ。挨拶から買い物、ビジネス的な場面まで広く網羅した様々なシーンを動画で見る事が出来るため、“首座の眷属”と“獣の眷属”から派遣される予定の者達は、これを見て地球の事を予習していたのである。
使った者達の評価は上々であり、これによって「地球文明圏に行くなら、まずはあそこのデータベースを調べてみろ」と言われるくらいに利用されるようになっていくのだった。」という形で実を結ぶ事になります。」
という風になっていった。
因みにアースレポート・コーポレーションの社長は更識から派遣された者であるため、公平性を装いながら実質的にカラード側という立ち位置である。
文中での説明。番外編第15話より抜粋。
因みにアースレポート・コーポレーションは義妹達全員で設立した会社なので、クロエも大株主に名を連ねている。しかし彼女は
これはISパイロットにこの手の臨時収入を認めてしまうと、ISパイロットというネームバリューの高さから副業が本業のようになってしまい、パイロットの質の低下を招きかねないためだ。それを心配するなら始めから名を連ねなければ良いとも言えるが、義妹達全員で考えて設立した会社なので名前だけでも、という事から選んだ形だった。
尤も全ての副業が一律に駄目という訳ではなく、例えば隙間時間でモデルをしたりするのは認められている。ある程度の個人活動はOKなのだ。
ISパイロットを多数要する、カラードらしい
▽オルコット大公国
第244話でセシリアが大公となった際に与えられた領土。
イギリス最西端の
イングランド南西部コーンウォール半島にある、グレートブリテン島最西端に位置する切り立った断崖の景勝地。
セシリアはこの領土を貰う時に、以下の内容を文章化して遵守する事を確約させている。
1.イギリス王室はオルコット大公国領の管理人であると明言すること。
2.イギリス王室はオルコット大公国領でノブリス・オブリージュを実践すること。
3.イギリス王室はオルコット大公国領に人々が暮らしやすく学びやすい環境をつくること。
4.イギリス王室はオルコット大公国領で犯罪の抑止に努めること。
5.オルコット大公国領管理の最終責任はイギリス王室にあること。
6.イギリス王室はオルコット大公国領管理の報酬として、領内の税収の5%を得る。
7.税収の95%は、大公国領内に還元して発展に努めること。
8.オルコット大公国領の君主は、領内で得られた収益を受け取らない。
本人の言葉を借りるなら「簡単に言いますと、領地を貰ったところで私は管理する気などありません。なので、そちらが管理して下さい。その発展具合をもって、私への名誉とさせて頂きます。ただ、まぁ、一から行うのは大変でしょうから、領地が確定したならレクテナ施設を1つ設置します。私が行うのは、それだけです。後は全て、そちらでどうぞ」ということ。
なおセシリアがレクテナ施設の投入を明言しているため、多くの資金が流入して、結果としてイギリスを富ませる事に繋がっている。
多少後年の話になるが、港や空港が作られイギリスへの玄関口として使われると共に、契約通りに人の住みやすさを中心に領内のデザインが行われた結果、世界有数の住み易さと治安が両立された国へと発展して行くことになる。
またオルコット大公国領は、イギリス王室が統治を学ぶ場所、としての側面も持っていく事となる。理由は単純だ。契約事項の「5.オルコット大公国領管理の最終責任はイギリス王室にあること」という一文だ。決して他人のせいには出来ない責任で、他者の名誉を汚さないように統治する。これが出来ない者に、王室の一員たる資格は無いという意味だ。
現国王がそこまで意識していたかどうかは不明だが、結果としてそのように認識され、この行いがイギリス王室の質を確保するのに役立つようになるのだった。
番外編第16話にて、以下のように開発方針が決まった。
以下、抜粋。
オルコット大公国の開発方針が決まった。国土が
だが地下都市なら階層構造にする事で、ある程度の自由度を確保できる。災害にも強くできる。開発の初期コストは高くなってしまうが、この開発においてコスト制限など無いに等しい。
次に考えられたのが、開発する為の人や物の流れだ。必要なのは港と空港と街道。
港については
空港については大公国領内にランズ・エンド空港という小型機用の空港が元々存在していたため、こちらを大規模拡張して使う事となった。
街道も予想される巨大な物流量に耐えるため、大規模整備が行われる事となった。
これらは順番に行われるのではない。全て同時進行である。単独でも巨額の資金が動く大規模プロジェクトが、相互に影響しあって同時進行していく規模感は、国家事業という言葉が相応しいだろう。
中略。
そんな中で第二王子は、空気を読まないかのように言った。
「兄貴。
イギリス西側の海域は栄養塩が豊富で複雑な潮流が交わるため、多彩な魚種が集まる好漁場だが、外洋に面している為に波や潮流が非常に厳しく、漁獲量が安定しないという問題があった。
そこで考えられたのが、完全潜水型の養殖場と洋上風力発電を一体化させたマルチプラットフォームだ。海面の波や潮流が厳しくても、水深が深くなれば穏やかで、安定的な運用が可能という目算があったからだ。また養殖場で使う各種機器の電力は、洋上発電で賄うという考えだ。一般的に知られているプロペラ型だと暴風で破損の可能性があるが、日本企業が開発した
何をどう考えてもイギリスの為になるこの計画を、第一王子に任せるというのだ。自身の手柄にする事も出来たのに。アッサリと。
後にこの一手は、名君の一手と言われる。
王族同士の決定的な仲違いを防ぎ、かつイギリスの食糧事情にも多大な貢献をする事になるからだ。加えて、王家の直接収入という点も無視出来なかった。何故ならセシリアとの取り決めで、オルコット大公国の領内の税収の5%は王家の直接収入になるのだ。つまり養殖場が完全稼働して魚介類を販売出来るようになった場合、その収入の5%が持続的に王家に入る事になる。無論運用費用等で出費はあるが、十二分に黒字を見込めるだろう。
▽L4宙域で稼働しているコロニーの一覧
+“首座の眷族”から貰った円筒形型の旧式コロニー
第246話時点では以下の8基。
・畜産業用に4基
・造船用に2基
→1つのコロニーにつき造船ラインは3つ。
・宇宙の訓練施設兼レジャー用に1基
・学園用に1基。
第246話にて造船用に同型のコロニー10基を追加購入。
また全てのコロニーと宇宙農園用にシールドブースターという防御用装備を追加購入している。
-学園用コロニーにある学科
第192話で以下3つの科は立ち上げが明言されている。
・メカニック育成用の整備科
・宇宙船パイロット科
・船外活動用パワードスーツパイロット科
その他に、各国から2つ希望されている科がある。
・宇宙軍用の士官学科
→カリキュラムに異文明の戦史研究を入れる方向で調整されていた。
・宇宙文明研究科
→生活に密着した文化に特化させる方向で調整されていた。
→第203話時点で、この科は地上で先行稼働させる方向で動き始めた。
→学園用コロニー稼働後は、そちらに移動。
-造船用コロニー
1つのコロニーにつき製造ラインは3つ。
当初は2基だったが、第246話で10基追加購入したため計12基。
第253話時点では製造ライン建造中。
-畜産業用コロニー
以下、第204話より抜粋。
“首座の眷族”から貰った円筒形型コロニーには、居住している生命体が飢えないように、オプションとして農業プラントが付属していた。とは言っても本体と同じく、大気組成、気温、湿度、風などといった環境調整機能しかないので、どんな内部環境にするのかは扱う者が決めていかなければならない。勿論、設定を誤れば内部環境は生命体にとって致命的なものになる。
なお農業プラントは太陽光を取り入れるミラーの付け根側にあり、ミラーの影に隠れない半径14.35kmの円周上にドーム型の物が30個配置されていた。その生産能力はコロニー居住上限である1000万人の年間消費量を賄える程だが*53、栄養的に賄えるというだけで、食の多様性を求めるなら輸入が必要になる。
「現在稼働している農業プラントは1つですが、これは束博士が提供してくれた
-宇宙の訓練施設兼レジャー用
訓練施設の他に、富裕層向けのホテルがある。運営期間は5年程度。客入りが良ければ伸びるかもしれない。期間限定で、時間と暇を持て余した人向け。更に言えば期間限定にしているのは、初めから撤退が視野に入っているため。また富裕層向け以外のホテルは、修学旅行などにも対応している*55。
+“首座の眷族”から買った円筒形型の旧式コロニー
第246話時点では以下の3基。
・将来的に移民先に移動させる予定の食料生産用コロニー2基
・企業に貸し出すレンタル用コロニーが1基。
▽L5宙域で稼働している宇宙農園
アステロイドベルトから持ってきた小惑星をくり抜いて、中を農園にしてレンタル事業に使っている。
数の明確な描写は作中でしていない。
▽シールドブースター
以下、第246話より抜粋。
シールドブースターとは、束が約10ヶ月程前に設計したコロニー用の外部オプションパーツだ(第233話 レジャー施設の視察&訓練(後編)(IS学園卒業4年目の5月~6月上旬)にて。)。
地球の設備では生産出来ないため、“首座の眷族”と“獣の眷族”に生産や販売が委託されている。
形状は縦長な八面体で、コロニーの外周に等間隔で6つ配置されるタイプが多い。配置ユニットを増やせばそれだけシールド強度を上げられるが、エネルギー効率とは完全にトレードオフの関係であった。そしてこの防御兵装は基本とされる6つ配置ですら、稼働に莫大なエネルギーを必要とする。常時稼働させるなら軍用施設レベルの主機関か、スターゲート送電が必要な程だ。このため他文明の一般的なコロニーでは、購入しても稼働させるのは緊急時のみ、という運用が多くなっていた。
防御能力はシールドとステイシスフィールドを多積層展開して、攻撃の威力を段階的に減じていくという仕様上、エネルギー兵器よりも対物理に強くなっている。
尤も基本出力が通常の艦艇とは桁違いなので、一般的な兵器を相手にしている限りは、エネルギー兵器に対しても強くなっている、という認識で問題ない。
以前行われたデモンストレーションでは、約7.9km/s (=28,400 km/h)第一宇宙速度で迫る直径約300メートルの隕石10発を無傷で防ぎきるという結果を残していた。かなりざっくりとした計算だが、破壊力に換算するとTNT火薬で612メガトン分の衝撃だ。地表に向けてこの速度で落すと、幅4.3キロメートルで深さ457メートルのクレーターができる程度だ。
宇宙そらで暮らす者達にとっては、非常に有益なものと言えるだろう。尤もこれは、宇宙そらの世界に強力なシールドシステムが無いという意味ではない。単純に出力の暴力で強力なもの。空間歪曲場を展開してシールドとしているもの。色々ある。だが得てしてそういう強力な物は、様々な制限に引っ掛かって民間では使い辛いのだ。
しかし束博士が設計した物は違う。シールド技術とステイシス技術。多積層展開という少々面倒な制御が行われているが、宇宙そらに出た文明なら大体持っているものばかり。そしてコロニー用とする事で大型化を許容し、エネルギータンクを仕込んでエネルギー消費量の増大に対応し、本体をコロニーに取り付けない非接触型とする事で、どんなコロニーでも使える汎用性が確保されていた。厳密に言えばコロニー側の改装も必要だが、非接触型のエネルギー伝達ラインを増設するだけなので、大工事が必要な訳ではない。
簡単に言ってしまえば、使いやすい品なのだ。
▽カラード1号支社について
第5回外宇宙ミッションの報酬として“首座の眷属”に要求した結果認められ、“首座の眷属”の領域に設立された。
以下、第215話より抜粋。
すると束はニッコリと笑って答えた。
『方針を御理解頂きありがとうございます。そして実を言いますと、既に決めているのです』
『ほぅ? それは?』
これは出発前に、晶から提案された内容だ*2。
『“首座の眷族”の領域に、支社を出すのを許可して欲しいと思います。ただ、地球から人を派遣する訳ではありません。雇用は現地の人で、選考基準もお任せします。そして目的は2つ。1つは、他の文明の人々が日々をどんな風に過ごし、どのような文化なのかを知る為です。我々地球人にとって、他の文明の人達はまだ遠いので。1つは危険宙域や賞金首の情報を得る為です。今後地球人が活動範囲を広げた時に、この手の蓄積情報が無いと危険ですので。あと先に言ってしまえば、非常にスパイ活動が疑われ易い性質のものである事は理解していますので、こちらに送る情報は検閲しても構いません。むしろ、責任を持って検閲して下さい。その方が下手な横槍が入らなくて済みますので』
これにアラライルは、数瞬の内に様々な事を考えた。許可の権限は本星にあるので、この場では返答できない。が、恐らく許可は下りるだろう。地球人を送り込む、だったなら判断の分かれるところだが、現地人の雇用なら100%こちらのコントロール下だ。送る情報だって検閲して欲しいとまで言っているのだ。下手な情報が送られる心配は無い。
しかし、アラライルには一抹の不安があった。カラードがこれまでに行った外宇宙ミッションが脳裏を過ぎる。相手を殴る事も救助する事も高レベルで行えるカラードが支社を出したとなれば………。だが、悪くない。危険宙域と賞金首の情報を要求しているのだ。政治的に送り付けなくても、自発的に送り付けてくれる人が沢山いるだろう。
そんな結論に落ち着いたアラライルは、束と同じようなニッコリとしたイイ笑顔で答えた。
『分かりました。ですがすぐにはお答えできないので、一度本星に伝える形になります。今回の件も加味されての判断になるでしょうから、恐らく悪い返答にはならないと思います』
こうして会談が終わった後日のこと。
“首座の眷族”は拍子抜けするほどアッサリと許可を出した。束自身が言った通りスパイの可能性は当然のように検討されたが、支社で雇用する者達は“首座の眷族”側で好きに選んで良いとなれば、何を心配する必要があるのか。加えて束が言った「むしろ、責任を持って検閲して下さい。その方が下手な横槍が入らなくて済みますので」というのが決定的だった。これでスパイなど許したら、体制云々以前のもっと深刻な問題だ。
また実務的な事を取り決めとして、選ばれた人員の給料はカラード持ちであり、支社の建造や運用にかかるモロモロの費用もカラード持ちだ。当たり前と言えば当たり前だが、“首座の眷族”側に費用的な負担は殆ど無い。
ただカラード側も無制限な出費は防ぎたかったので、支社の準備をするにあたって多くの事を任せる“首座の眷族”に、次のような要望を出していた。
・支社の社屋はコンパクトサイズ。
・人員は少数。情報を送ってもらうだけなので10名以下。
・社の方針として人材は人財なので福利厚生は手厚く。
・お給料は平均より上。中の上くらい。
・事務員扱いであって戦闘要員ではない。
・その他希望があれば随時相談。
“首座の眷族”にしてみれば断る理由の無い要望だったため、僅か数週間で社屋が準備され、同時進行で募集されていた人員が幾度かの選考を経て社員となった。人類初、他文明の社員の誕生である。
因みに支社が出来たのは今回惑星遭難がコールされた星であり、初めてカラードに送られてきた情報は、大気層に突入しながら巨大な破片を処理する潜行戦隊第1戦隊の6名*3、AICが可視化するほどオーバーロードさせて巨大な破片を抑え込むラウラ、ラウラを背後から抱き抱えて姿勢制御を行うシャルロット、そしてNEXTN-WGⅨ/ISのエネルギーシールドが赤く赤く赤熱化していて、完全に大気圏に突入している中で放たれたラストシューティングであった。
緊急事態ではあったが衛星軌道プラットフォームが破壊された訳では無かったので、今回の活動は多くの者が目にしていたのである。
因みに第217話にて、1号支社の初期メンバー10名は以下のように描写されている。
・インテリ眼鏡な女性
・中肉中背の普通っぽく見える元傭兵
・妙に色っぽい女性(後のナユ)
・ちょっと小太りなおっさん
・すこーし気位の高そうなロリっ子
・ヒョロガリな男
・恰幅のいいおばちゃん
・如何にもエリートっぽいオールバックの男(眼鏡)
・THE・普通っぽい娘
人混みに紛れたら埋没してしまいそうな没個性が最大の個性。
髪形セミロング。顔普通。スタイル普通。何が悪いという訳ではないTHE・普通。
一般生活では役に立たない個性だが、とある業界において非常に重宝されそうな個性である。
・初老の男性(元退役軍人)
なおこの10名は第233話にて、
1号支社には新しい者が雇われて業務を続けている。
▽カラード2号支社について
第217話にて設立された。
以下、第217話より抜粋。
こうして合同事業についての話を進めた束は、次の話題として“獣の眷族”の領域に支社を置きたい、という希望を伝えてみる事にした。支社を置く目的は2つ。1つは他の文明の人々の日常を知る事で相互理解の礎とするため。1つは危険宙域や賞金首の情報を得るためだ。後者については今後地球人が活動範囲を広げた時に、この手の蓄積情報が無いと危険というのもある。以前アラライルに話した通りの内容だ。
但しデリケートな話題でもあるため、スノーが僅かでも難色を示したなら引く気だった。だったのだが――――――答えは即答だった。
『良いですよ。むしろ、いつその話をしてくれるかと思っていました』
『え?』
少しばかり予想外の返答に、束は思わず変な声を出してしまった。
『アラライルさんにだけ話して、私の方には音沙汰無いんですもの。仲間外れにされていると思ってしまいました』
『ええ?』
冗談っぽく拗ねたような表情を見せるスノー。束が何かを言う前に、彼女は続けた。
『まぁ、それはさておき、第5回外宇宙ミッションのイレギュラーな事態は聞いていましたので、後片付けなど色々な事情があるのだろうと思って待っていました。雇用条件等は“首座の眷族”に出した内容と同じ、と思って構いませんか?』
“首座の眷族”側に出されていた条件とは、以下のようなものである。
支社で雇用する者達の人選は相手側に一任。選ばれた人員の給料はカラード持ち。支社の建造や運用にかかるモロモロの費用もカラード持ち。
ただカラード側も無制限な出費は防ぎたかったので、次のような要望を出していた。
・支社の社屋はコンパクトサイズ。
・人員は少数。情報を送ってもらうだけなので10名以下。
・社の方針として人材は人財なので福利厚生は手厚く。
・お給料は平均より上。中の上くらい。
・事務員扱いであって戦闘要員ではない。
・その他希望があれば随時相談。
かなり相手側に有利な内容だが、支社は運用方法を間違えばスパイ機関を疑われかねない、という危険性がある。なので支社を置く目的を始めにハッキリと伝え、それ以外はいらないとばかりに割り切ったのだ。
スノーの言葉に束は、目をパチクリとさせて意外そうな表情を浮かべながら答えた。
『え、ええ』
というのも、他の文明圏に支社を出す、というのは相当にデリケートなのだ。目的に疚しいところは無いが、地球内の別の地域に支社を出すのとは訳が違う。先日支社の検討を開始してすぐに“首座の眷族”の領域に支社を置けたのは、第5回外宇宙ミッションで惑星ごと助けた―――正確に言えば協力して助けた―――という結果があったからだ。“獣の眷族”の領域に同じように置けると考えるのは楽観的過ぎる。
束と晶はこのように考えていたので、様子を見つつ今というタイミングだった訳だが、スノーの立場からすると少々違う。相応に良好な関係を築けていると思っていたのに、アラライルにだけ話が行き、こちらには来ない。もう少し待って話が来なければ、こちらから切り出そうと思っていたところだった。
なおこの場では言葉にされなかったが、“首座の眷族”に出されたのと同じ条件であれば問題無いと、本星側の確認は取れていた。
『分かりました。では、早速準備をさせましょう』
こうしてカラードは早々と、他の文明に2号支社を出す事に成功する。そうして得られた情報は、地球人の宇宙進出に役立てられていくのだった―――。
第221話にて、2号支社の支社長は以下のように描写されている。
犬耳黒髪ロングのストレートヘアに真紅の瞳を持つ若い女性だ。着用しているのはカラードの制服だが、支社が惑星上の多少気温の高い地域にあるらしく、新たにデザインされた
第238話にて名前はアキと明かされている。
なお2号支社の面々も第233話にて、
2号支社には新しい者が雇われて業務を続けている。
▽宇宙文明における星系の領有権について
以下、第176話より抜粋。
宇宙文明において星系の領有権を主張するのに有効な手段は2つあり、1つはスターゲートの開通で、1つは星系内の何処かの惑星をテラフォーミングしていることだ。尤もテラフォーミングは適した惑星が無ければ行えないため、実際にはスターゲートの開通と一定以上の経済活動がある、という事で判断される場合が多い。無論、現実的には様々な諸事情から、同一星系のAという惑星とBという惑星では統治している文明が違うという事もあるが、上記2つを独力で行っているのであれば、勢力圏と主張すること事態は何ら問題無かった。しかし主張できるだけであって、現実的に統治できていなければ、地球の国境問題と同じく浸食される可能性は常にあった。
▽ホットドロップ戦術について
以下、第249話より抜粋。
地球人にとってホットドロップ戦術は、スターゲートを惑星表面に開いて強襲すること、というイメージが強い。カラードが第3回外宇宙ミッション*56で行ったからだ。
しかし、正しくは違う。スターゲートを使う事で距離という概念を無視して、ピンポイントで戦力を投射することだ。惑星表面や
▽浮遊島について
第218話で造られたカラード専用の保養地。
以下、第218話より抜粋。
束は先程見ていたウインドウを晶の前に移動させた。内容を確認してみる。なるほど、力業だ。
使用されているのはスターゲート送電システム、抗重力機関、エネルギーシールド発生装置、気象コントロール装置を組み合わせた複合機関。
概要を極々簡単に言うなら、地下に巨大な茶碗状のエネルギーシールドを直接発生させて大地から切り取り、抗重力機関で浮かせる。浮かべた大地周辺は気象コントロールで人が快適に過ごせるように環境調整。戦闘機動する訳ではない=座標はゆっくりとしか変わらないので、必要なエネルギーはスターゲート送電システムで賄う、という考えだ*57。
ここで晶の脳裏に、悪魔の閃きが走った。どうせ専用の保養地を造るなら、束を含めて彼女達の水着姿が見たい。水着を着せる為には何が必要か? 水が必要だ。大量の水。出来れば海を再現して砂浜もあれば尚良い。
「なぁ束。仮に浮島を造ったとしてさ、海の上に浮かべて、海から大量の海水を島の上にまで上げる事って可能かな」
すると何かに気付いた束は晶に近づき、上目遣いに見ながら言った。但し色っぽいではなく、若干ニヤニヤしている。
「ふぅ~ん。何を考えているのかは聞かないであげるけど、出来るよ。嬉しい?」
「ちょー嬉しい」
男なら当たり前だろう。ちょっと想像しただけでこの世の楽園と分かる。そして他の野郎に見せるのは嫌なので、浮島という環境は非常に良い。
「正直者だねぇ」
「当たり前じゃないか。お前相手に隠す理由が無い」
普通ならちょっとはオブラートに包めというところだが、この2人にとっては今更の話だ。
「じゃあ試作品にちょっと手を入れるから、色々準備しといてね」
「オッケー。全力でやっておく」
「気合い入れ過ぎ」
中略
計画は密かに、そして大胆に進められた。
建物の建築資材は全て事前に調達。同時進行で幾つかの候補地をリストアップ。入念な吟味の後に購入。浮遊島の心臓部となる複合機関を持ち込み設置。起動によって直径2キロメートルという半球状の大地が、地球から切り取られ空へと舞い上がっていく。
この間、僅かに2週間程度。当然の如く世間は大騒ぎになったので、いつものホテルで会見が行われた。
説明する晶の隣には束もいる。
「―――という訳であの浮遊島は、社員がゆっくり羽を伸ばす為の保養地として使います。普通のコテージの他、水上や水中コテージでのんびり、という感じですね」
会場にいる記者達は最早何から突っ込んで良いか分からなかったが、取り敢えず再起動した記者の1人が質問した。
「あの、今“水中”とか“水上”という言葉が聞こえてきたのですが、空に浮かぶ島に、どうやって大量の水を運ぶのでしょうか?」
「浮遊島は本社近郊の海上に留置しますが――――――概要図を見せた方が早いですね。こんな感じです」
晶が手元のコンソールを操作すると、背後にあった大型ディスプレイに簡易図が表示された。それによれば浮遊島の真下に、AIC*58に類似する力場操作系の技術で無色透明な垂直トンネルを形成して、海水を引き入れるとなっていた。
因みに規模が大きいので超技術が使われているように見えるが、原理的には井戸の手押しポンプと同じであるため、形成された垂直トンネル内には常に海水が満ちている。また水というのは停滞していると腐るため、循環させる為に浮遊島の外縁部から放水されて、海に戻されるようになっていた。
このため実際に稼働した場合、浮遊島と海が巨大な水柱で繋がり、更に島の外縁部からは滝が流れ落ちるという、中々ファンタジーな光景になるだろう。
「なるほど。ありがとうございます」
すぐに、次の記者が質問してきた。
「これは新たなレジャー施設として大きな可能性を秘めていると思いますが、そのような事に使う予定はありますでしょうか?」
「ありません。これは先程も言った通り、社員がゆっくりと羽を伸ばす為の保養地として使う予定なので」
この返答に会見を見ていたレジャー業界の人達は安堵すると同時に残念に思った。こんな物をポンポン造られては商売上がったりだが、浮遊島にホテルを構える事が出来れば、圧倒的な集客力間違いなしだからだ。しかし社長がやらないと言っている以上………いや、羽を伸ばす社員向けに店を出す事が出来れば………と考える商売人は多かった。
「分かりました」
間を置かずに次の記者だ。
「社員が羽を伸ばすためという事ですが、何かしらの店を誘致する気はありますでしょうか?」
多くのレジャー関係者が期待していた質問だが、返答は無情だった。
「必要そうな物品を常備しておく気はありますが、人を配置しての営業活動という意味の店でしたらありません。そういう寛ぎ方をしたいなら、そういう店を使って下さい、という事です」
「そうですか。恐らく期待した人は多いと思うのですが、残念です」
今度は会場の端にいた記者だ。
「多分大丈夫だと思うのですが、気にする人がいると思うので聞きます。浮遊島をもう1つ造って基地化するお考えはありますか?」
「貴方は確か、軍事関係で記事を書いていた人でしたね。なら分かると思いますが、基地というのは手間もコストも掛かります。何かしらの理由があって必要なら選択肢には入りますが、現状その気はありません。試算したらすぐに分かると思いますが、全ての物資搬入と人の出入りを空輸に頼った空中基地なんて、手間暇を考えただけで眩暈がします。その手間暇を呑み込んでまで実用化する理由が、今の地球にあるとは思えません」
記者はニコッと笑って答えた。
「ありがとうございます」
隣にいた記者が口を開いた。
「社員が対象という事ですが、部外者は一切入れないという事でしょうか?」
「身内くらいまでならOKにしようと思ってますが、無論事前審査はさせてもらいます。あとレジャー施設のような面白さを期待されても困るので先に言っておきますが、食事等は全部自前で用意して貰う予定です。先程ゆっくり羽を伸ばす為の保養地と言いましたが、それは何かしらのサービスを使ってくつろぐという意味ではなく、自宅以外のゆっくり休める場所を提供する、という意味です。なのでもし身内の人に連れて行ってと言われても、のんびりする以外は何も無い、という事は先に言っておきます。何かレジャー的な事をしたいのでしたら、個人で持ち込める範囲でですね」
ちょっとしたテニスコートやバスケットコートなど、宿泊者当人達が使うようなものは作る予定だが、あくまで当人達が使うものでサービスを受けるという類のものではない。
「分かりました」
手前の方にいた記者が尋ねてきた。
「浮遊島の使い方についての質問です。今思ったのですが、これってテラフォーミング中の惑星でなら結構な使い道があると思うのですが、その辺りはどうでしょうか?」
これについては束が答えた。
「確かに色々な使い方が考えられますが、入植初期で言えばクレイドルの方が設備は整っているでしょうし、中期以降であれば地上拠点の方が何かと使い易くなっているのではないかと思います。なので使うとしたらむしろ、テラフォーミングしていない星で少数の人間の生活拠点としてでしょうか? 移動効率などを考えたら宇宙船を改装した方が使い勝手が良さそうな気がしますが、まぁそのような場合かと」
「なるほど。新しい物が常に適している訳ではない、という訳ですね」
「そういう事です」
会場の左端にいる記者が口を開いた。
「浮遊島は読んで字の如く空にある訳ですが、寒さ対策などどのように行われるのでしょうか? 生活空間をドームで覆うような感じになるのでしょうか?」
これにも束が答えた。
「気象制御技術の流用でエアシールドを展開して、内部の気温を少し弄ろうかと。考えているのは常夏の島、くらいの感じでしょうか。なので生活空間をドームで覆うような圧迫感は無いかと思います。因みに外部から中は見えないようにしておきますので、メディアの皆さんにとっては残念かもしれませんが、ヘリで上空を飛んでも良い映像は撮れないでしょう」
この言葉に晶が続いた。
「あと、一応言っておきます。この浮遊島は社員の保養地なので、色々珍しいとは思うのですが、ヘリや船で周囲を執拗に巡回したりして、休む為の環境を乱すような事はして欲しくありません。大多数の人は大丈夫だと思うのですが、特ダネの為には他人のプライベートなどどうでも良いという人もいますので。ある程度は言葉で言って穏便に退去して貰うつもりですが、分かって頂けない場合は………多分ヘリや船はレンタルでしょうから、使用中に何かあれば修理費用はレンタルした本人持ちでしょうかね?」
些か穏便ではない言葉だが、こういうのは最初にハッキリさせておいた方が良いという考えからだ。なにより仲間達がゆっくり羽を伸ばす場所に、不埒な輩を近づけたくない。このため晶は周囲を巡回する無人機、欲を言えば航空母艦のような物があったら良いなぁ等と思っていた。何やら電波を受信して“アーセナルバード”という単語とイメージが浮かんだが、実用化されるかどうかは状況次第だろう*59。
記者の1人が鋭く尋ねた。
「強行手段も辞さないと?」
「場合によっては」
「記者を萎縮させるおつもりで?」
「言葉や映像は物理的な暴力に勝るとも劣らない暴力になり得る事を自覚して下さい、という事です。言論の自由や報道の自由を叫べば何をしても許されると思っている輩がいるでしょう。真面目にやっている人達が迷惑を被るのは、そういう人達の相手を顧みない姿勢という事もあるでしょう。無論、他の原因が無いとは言いませんが」
「………なるほど。貴方の自制心に期待しましょう」
「ではこちらは、メディアの自制心に期待しましょう」
こうして束と晶は、会見で様々な質問に答えていったのだった。
中略
この浮遊島は都市近郊高度4000メートルの位置にある。
▽ギガベースについて
以下、第72話より抜粋。
メインディスプレイの表示が切り替わり、完成予想図とそのスペックデータが表示される。
もしここに晶が居たなら、何と言っただろうか?
その形は、AC世界のギガベースとうり二つだった。
タンカーを2隻繋いだ双胴船のような外見。400mに迫る全高。全身に配置された兵器群。中でも全長500mを超える超々長距離狙撃砲の存在は圧巻だった。加えて、キャタピラと電磁誘導推進装置を組み合わせた事により、陸海問わず運用可能な万能性。
これだけでは無い。
巨体という圧倒的な積載量を生かして、パワードスーツ母艦としての機能まで併せ持っている。
まさしく、動く要塞だった。
▽RAIJINについて
以下、第78話より抜粋。
全長50.7m、全幅180.8m、全高30.5m。米軍の
搭載兵器は大型プラズマ砲×1、近接防護用レーザー砲多数、ミサイルコンテナ多数。航空機というよりは航空要塞とでも言うべき重装備だ。だがこれに加え、亡国機業の開発部門が仕事をした結果、更に3つの装備が追加されていた。
1つはこの巨体をほぼ完全に覆い隠せる光学迷彩。偵察衛星の高密度探査やISのセンサーを誤魔化せるほどではないが、既存兵器の通常索敵程度なら、まずすり抜けられる。
1つはType-D No.5に搭載されていた、シールドシステムの小型軽量化。ある程度耐久限界が下がってしまったが、これにより航空ユニットとしては破格の防御性能を会得している。
1つはBTシステムを応用したビット兵器の搭載。これにより、巨大兵器の弱点でもある死角の多さ・小回りの利かなさをカバーしていた。
▽惑星遭難コールについて
以下、第214話より抜粋。
惑星遭難コール。
可及的速やかに外部からの助けが無ければ、惑星の生命体が死に絶える可能性が高い時に使われる緊急コール。
逆にコールされない程度の危機としては、カラードが行った第2回外宇宙ミッションが例に挙げられるだろう。気象コントロール装置の故障で時間をかけて風速1000m/sになる程度なら、依頼やその他の手段で対応が可能だからだ。
なお、
▽カラードが行ってきた外宇宙ミッションについて
+第1回外宇宙ミッション
第183話~第185話で描かれたミッション。
この外宇宙ミッションのみ「アラライルからの依頼」というタイトルになっている。以降は全て第〇回外宇宙ミッションとなっている。
依頼内容はFBN504115という表向き未開発惑星となっている星の地下にある違法薬物生成施設を制圧。他文明が神経を尖らせている薬物で非常に毒性が強い。また協力者1名が施設内に潜伏しているため、この人物の救出も合わせて依頼された。
潜行戦隊アリコーン1番艦と黒ウサギのパワードスーツ部隊が投入されミッションは無事成功。
+第2回外宇宙ミッション
第189話~第190話で描かれたミッション。
依頼内容は銀河辺境の有人惑星フィスフィリスの気象コントロール装置が故障して異常気象が発生してしまったため、気象コントロールをして欲しいというもの。既に予備機と修理用の人員は手配中されていたが、同時期に別星系でコントロールの必要な事案が発生してしまったため、代替手段が到着するまで、地球時間で1週間前後掛かるという事情があった。
そして対処せずに放置した場合、異常気象が悪化して惑星全土で風速1000m/sになるというシミュレーション結果も出ていた。
気象コントロールは布仏本音が担当し、結果は問題無く成功した。
また依頼内容的に救難事案の多発が予想されたため、レスキュー部門のチームCharley(一夏・箒・鈴)を同行させて救助活動に当たらせていた他、空間潜行艦アリコーンに搭載されている無人艦載機F/A37 ストレガ×12や無人パワードスーツ1個大隊=36機、無人型ガンヘッドも投入されていた。特に無人艦載機は広域の被害調査に使われ、派遣された星の救助活動に大いに貢献していた。
更にこの一件によって、カラードが気象コントロールという極めて専門性の高い分野にも対応可能だと、他文明にアピールできたのだった。
+第3回外宇宙ミッション
第198話~第201話で描かれたミッション。
カラードという辺境文明の組織を
依頼はアラライルの仲介を受けたスノーからのものだった。
依頼内容
あなた方は以前FBN504115に存在していた違法薬物生成施設から、我が文明のエージェントを救出してくれました。
そのお陰で調査が進み、複数の拠点に分散保管されている情報を繋ぎ合わせる事で、隠されている大規模拠点の座標が分かる事が突き止められました。
このため各方面で部隊を展開させていますが、警戒網に不審な艦影が頻繁に見え隠れしています。
恐らく展開中の部隊を後方から狙う為の下準備、偵察でしょう。
探知頻度や確認された艦種、その他様々な情報を分析した結果、複数の宙域が偵察拠点となっている可能性が浮上しました。
こちら側から偵察部隊を出しても良いのですが、相手もこちらの動向には注意を払っています。何かあればすぐに偵察拠点を変えてしまい、再補足が難しくなってしまうでしょう。
なのでこちらは間違った分析に基づいて間違った宙域を偵察しているように見せかけます。
その間に、恐らく相手が注意を払っていないあなた方に偵察をして欲しく思います。
可能な限り、奴らの動きを暴いて下さい。
色良い返事を期待しています。
これに策謀の匂いを感じた晶と束は、盤面をぶっ壊す事に決めた。
スノーがカラードを嵌めようとしている、という単純な話ではない。
こちらを使ってスノーを嵌めようとしている、というものだ。
この時点で2人のスノーに対する感情は可もなく不可もなくだったが、カラードを利用しようという思惑が透けて見える事が、束と晶の逆鱗に触れた。
当時、束はこんな事を言っている。
そして腹立たしいね。推測が本当だった場合、この私達を利用しようっていう訳だ。新しい友人が出来て、さぁこれから進んで行こうっていう時に、自分達の都合で汚そうという訳だね。スノーさんを叩くだけじゃない。私達をこういう風に使うって事は、失敗の原因として追求して責任を被せる準備も出来ているだろうね。――――――ああぁ、なんて腹立たしい。
これが後に、あらゆる悪意を内包した悪徳の都の完全消滅と奇跡の救出に繋がる。
辺境のとある星系にある海賊の大規模拠点は、あらゆる悪意を内包した悪徳の都であった。海賊によって攫われてきた多種多様な種族の額には洗脳装置が取り付けられ、ありとあらゆる負の感情をぶつけられる
宇宙文明においても、このような行いは許されていない。地球人類と同じような倫理観があった。実際、過去には正義感のある者がこの事実を突き止め、どうにかして救出しようとした事があった。しかし全て無駄に終わってしまった。意図的に残されていた希望がトラップとなり、闇に葬られてしまったのだ。
その希望とは、洗脳装置を取り外せれば元の人格に戻る可能性があるということ。外科的な手術を用いての埋め込みではなく皮膚の上から取り付けるタイプであるため、取り外せば元の人格を取り戻せる可能性があるのだ――――――が、救出を考える者にとって、その希望こそが最も厄介であった。数多の悪党がいる拠点の中で数万人にも及ぶ多種多様な種族の額から洗脳装置を取り外して、惑星表面という重力の底から連れ出すなど、必要な手間暇を考えただけでのた打ち回る難題だろう。無論、先に強制的に確保して連れ出して、後からゆっくり取り外すというのも検討されたが、完全な洗脳下にある者は自身の命を顧みない。死ねと命令されたら何ら躊躇う事なく自殺してしまう。故に取り外しが先なのだが、数多の悪党がいる拠点で、万人単位の者から、秘密裏に、洗脳装置を取り外すなど不可能だ。
カラードはこれを、更なる理不尽で上書きした。
1つは地球の遥か先を行く先進文明ですら、最高難易度に分類している強襲戦術。惑星表面へのホットドロップ。光年単位の遥か彼方から、悪徳の都を直接強襲したのだ。
1つは布仏本音の専用IS“九尾ノ魂”による気象コントロール。強襲に気付いた海賊共が都市のエアシールドを解除して
1つはセシリアの専用IS“ブルーティアーズ・レイストーム”による必中の魔弾。レーザーの通り道さえあれば、ロックオン出来さえすれば絶対に当たる魔弾で、
1つは
そうして59862人を救出した後、都市のメインリアクターをオーバーロードさせて完全消滅させたのである。
この救出と殲滅ミッションは束と晶、元3年1組の面々だけで行われ、カラード中核メンバーの武力がどれ程のものかを示したのだった。
また武力の他にも
救出した者達への対応だ。
イクリプスやアリコーンというスターゲート艦を使って速やかに
これが切っ掛けでカラードは
+第4回外宇宙ミッション
第207話で描かれたミッション。
内容は保護惑星で違法ハンターに対処する地上ミッション。
黒ウサギ隊パワードスーツ部隊がメインのお話で、この頃に使っていたのは黒い
初期型に毛の生えた程度の生体装甲と戦闘になるが、これで黒ウサギ隊のパイロットが1人死にかける。(ギリギリ助かったので治療後に復帰してる)
そしてこれが切っ掛けでパワードスーツの更なる高性能化が要求される事になる。
またこれを切っ掛けとして対生体装甲の戦術ドクトリンが構築された。
初級の生体装甲が相手なら部隊火力を集中して撃破、中級の生体装甲と相対した場合は重砲のキルゾーンに誘い込む、というのがスタンダードになっていく。上級が相手なら? 即時撤退かIS戦力の投入である。
+第5回外宇宙ミッション
第213話~第215話で描かれたミッション。
所謂巻き込まれ系ミッション。
元々はテラフォーミング促進用の補助パーツとして、“首座の眷属”から中古の設置型の気象コントロール装置を購入。現地で受け取って持って帰ってくるだけの予定だった。
しかし帰還の途につく直前で、惑星遭難コールを受信する。
“首座の眷属”が入植している惑星の近くに、
船体を覆っている筈のシールドは消滅しており、物理装甲も損傷度80%だ。加えて旗艦級には必ず随伴している筈の随伴艦隊も無し。状況的に、何処かの誰かが戦闘艦群を処理しようとして失敗、逃亡を許してしまったのだろうというものだ。
尤もこれだけなら、惑星遭難をコールする必要などない。周辺星系の艦隊を集めて叩けば良いだけだ。にも関わらずコールされた理由は、出現した旗艦級が惑星へと進路をとっており、阻止限界点への到達が30分後なのだ。そのラインを越えてしまったら、どうやっても自重で惑星へと落ちる。全長50キロメートルの質量体が、5億という人々が住む星に落ちる。SF好きな地球人に対してなら、コロニー落としと言えば被害は容易く想像出来るだろう。
束と晶以下カラード一行は、自分達を護衛してくれていた“首座の眷属”の護衛艦隊が行う時間稼ぎに協力する。
“首座の眷属”の緊急即応艦隊という精鋭中の精鋭が到着するまで30分。5分も歩みを遅く出来れば、後は緊急即応艦隊の火力でどうにかなるからだ。
そしてこのミッションにおいて晶、シャルロット、ラウラ、その他元3年1組のモブISパイロット達は、自壊して数多の質量弾と化した旗艦級の残骸を大気圏に降下しながら破壊し、惑星への被害をゼロにする事に成功している。
なお本ミッションにおいて
この一件が“首座の眷属”の領域に、1号支社を出す切っ掛けとなった。
+第6回外宇宙ミッション
第222話で描かれたミッション。
アラライルからの依頼で、“翼の眷属”の友人を“翼の眷属”の領域から脱出させるミッション。
友人が住んでいる場所からの脱出そのものは“首座の眷属”の部隊が担当。
カラードは脱出ポイントまで来た部隊をアリコーンのスターゲート機能を使って離脱させるだけ。
所謂協力ミッション。かつ存在を気取られてはいけない秘密ミッション。
多少の戦闘はあったが、問題無く終了。
+第7回外宇宙ミッション
第227話で描かれたミッション。
内容は“翼の眷族”穏健派筆頭の私兵No.005、レイシーから依頼された護送ミッションで、護送対象は穏健派筆頭の孫娘であるクラレス。
クラレスが潜伏している場所は、“翼の眷族”の領域最外縁部の更に外側。常設型スターゲートが開通していない、どこの勢力圏にも属していない未開発領域にあるとある惑星。
晶が“翼の眷族”強硬派の捜索部隊との遭遇戦を懸念した為、相応の人員が投入された。
これに加えて黒ウサギ隊パワードスーツ部隊
遠隔操作運用の無人艦スコーピオン。光学迷彩と425mmレールキャノンを8門を装備。
ミミックボックス試作1号艦。
結果としてこの判断は当たりであり、強硬派の捜索部隊との遭遇戦となる。
そして現場判断で敵を完全殲滅。かつ地上の戦闘跡地をSDBMミサイルで跡形も無く消し飛ばし、あらゆる情報を隠蔽した事で“翼の眷属”のクーデター政権に、カラードが関与した事を隠し通す事に成功していた。
+第8回外宇宙ミッション
第239話~第242話で描かれたミッション。
束、晶、
事の切っ掛けはアラライルとアラライルの友人が“翼の眷属”の行動に違和感を抱いたこと。
しかし束の行動理由は全く別で、アラライルの話に出てきた
『少しばかり繊細でデリケートな方法なので、独力で行いたく思います』
彼女を知る人間なら、絶対に碌でもない事を考えていると分かるだろう。
そうして遊びに行った“翼の眷属”のジャンクヤードでシステムハック。データをゴソッと頂き、“翼の眷属”が戦争の為に準備していた物資を満載した20キロメートル級の超大型輸送艦5隻が自沈させられた。
これは当時別の場所で作戦行動を開始しようとしていた“翼の眷属”第13艦隊が予想していた物資消費量の実に50%相当だった。
そしてこのお陰で“翼の眷属”は、当時目標としていた17星系のうち、14星系しか奪還出来なかった。
歴史にifはつきものだが、もしも束達一行が超大型輸送艦を発見できずに合流を許していたなら、“翼の眷属”は17星系全ての奪還に成功していた。5隻分の補充物資が無かったお陰で、最後の一押しが出来なかったのだ。
因みにお買い物では、晶がゴースロスを発見して購入している。
+第9回外宇宙ミッション
第249話~第251話で描かれたミッション。
“獣の眷属”の開拓船団が正体不明の敵に狙われピンチに。
依頼は無かったが、“獣の眷属”への協力行動の一環として自発的に動いた。
ミッションが行われた場所は、赤色巨星と
重力が極めて不安定で天然のワープ妨害フィールドを形成され、かつ星全体が放つエネルギー(光度)は太陽の何百~何万倍にも達する環境だ。
そこで潜行戦隊第1戦隊が“獣の眷属”の宇宙艦隊に協力。更に後半に出現した全長19キロメートルの敵軽空母撃破の為にカラード宇宙艦隊(ゴースロス×1、
結果としてSDBMミサイル総数720発と純粋水爆核融合弾6発という、人類基準からするととてつもない火力で軽空母を撃破して、“獣の眷属”開拓船団の救出に成功する。
そしてこの一件でカラードは、宇宙船の竜骨と装甲材の製造方法を入手する事に成功する。
完成品を渡されるのではなく、自らの手で作れるようになる製造方法。無論、最新ではない。何世代も前の枯れた技術だ。生産設備を自前で作らなければならない手間もある。しかし地球単独では何百年かかったか分からないような、確立された製造方法を手に入れたのだった。
“獣の眷属”は生産設備の購入も、前向きに考えてくれている。