いきなり艦娘と提督が田舎に着任した件について   作:蒼白紅

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プロローグ


「な゛ー……今日も学校が面倒臭かったでござる。サボりたいでござるサボりたいでござる。今日も艦これやるかー」

 

収穫が終わり雪が積もって白銀の平野となっている畑が周りに広がる少し凍った農道を普通の学生服と少し着古された濃紺のダッフルコートを着た少年が学生鞄を持って歩いていた。もちろんこの少年も畑しかないような田舎に遊びに来たわけでも家出してきたわけでもない。ただ、この畑しかないような田舎に家があり、そこから登下校しているだけの事だ。只今の時刻はヒトナナマルマル、部活には入っていない少年が下校して約二時間程度、それでもまだまだ家の姿は影すら見えず白い息を吐きながら歩いているのだ。

少年はそんな状況でも背筋を伸ばしながらぶつぶつ小言を言うという地味に器用なことをやっていた。

 

「そこら辺の畑に艦娘とかがいたら面白いんだけどなーってな……いやいやいや、いくらなんでもそんなわけねぇだろ頭にウジ沸いてんのかもしくは遅めの厨二病か?」

 

シーン・・・と漫画であればそんなオノマトペが出るであろう状況で独り言を言っていて、どんどんと自分がみじめに思ってきた少年だ。とりあえずと、歩く速度を上げて早めに家に帰るようにした。

だが、少年がいつものように周りの景色を見ていると違和感が出てきた。本来なら何もないはずの雪原にいくつかの人の足跡がついていたのである。しかもこの季節にも田舎にも不似合いなローファーやらブーツやらそんな歩きにくそうな靴の種類である。そこで制服が雪にまみれるのも承知の上で様子を見に行くことにした。歩いてしばらくするとうっすらと人影が見えたので双眼鏡をのぞいた。声は幸いにも少年の方にも聞こえてきた。

 

「見てみて司令官! 雪よ雪! 白くてフワフワしてて冷たいわ!」

「提督、ここまで広いとは知るのにも十分だな」

「うぅ~、この格好でこれは寒いのね。提督? 人肌で温めてほしいのね♡」

「ああ、そうだね。でも、いったいここはどこだ……ほかに人の影は見当たらないし……」

 

少年はその光景を見て唖然とした。それだけでちょっとした学校が作れるのではというほどの人数の女性と一人の軍服を着た男性がいたからだ。いくら畑が縦横ともに広いといってもここまでいれば確かに違和感が出る。はてさてこの状況は一体全体何をすればいいのかとちょっとした現実逃避をしていた少年だが、一方あちらの方も少年がいる事に気づいたようだ。

弓道着のようなものを身につけた女性二人が片耳を抑えると少年のほうを見たのだ。少年はなぜこんな距離で気が付くとか思いながらもあきらめてその人影のほうに歩き始めた。一歩、また一歩と進むごとに一人、また一人少年の存在に気が付いていった。

やがて軍服を着た男性が気が付くような距離になってもひとまずは近づいた。男性は懐から九四式拳銃を抜いたのを判断しつつも少年は前進を続けた。なぜそんな知識を持っていると自分で突っ込み若いが故の過ちだとも心の中で答えた。そして、なるべく警戒心を与えすぎないようにバカみたいににへらと笑いかけて女性に話しかける。

 

「そんな怖い顔して怖いもの向けないでくださいよー。法律で銃や剣の所持は禁止されてるんですから持てないんですよ?」

「怖い顔は余計だ……? ちょっと待て銃や剣の所持が禁止されているとはどういうことだ、深海棲艦と出会った時のために所持は義務化されているはずだぞ」

「提督、彼のいう通り剣や銃といった反応は出ません。それに、今は右も左もわからない状況です。この少年に事情を話しておかなければ最悪提督は凍え死にます」

「……そうだな。君たちもそんな恰好では寒いだろうし……」

「お話は纏まりましたかぁ? とりあえず…………ここだと寒いので家に来ませんか?」

 

とても、それはそれはとても怪しかったがそれ以外にできることもないと判断した男性は少年についていく。ひとまず雪に覆われた畑を道路に出るまでひたすら歩き、そこからしばらく歩くと温泉旅館のような大きい建築物があった。




【速報】少年氏力尽きる



結局少年や提督の名前出せなかった……
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