普通ではありえないそれこそ旅館のような大きさの家に大人数で入り、これまたありえないような大きさの広間に全員ゆとりを持った上で招き入れる。
広すぎるがゆえに奥まで声が届かないため、マイクを使って説明を始める少年。そこかしこで酒を求めて暴れる人や眠っている人もいるが無視するあたり、スルースキルが高いようだ。
『ん”ん”っ、えー、それではこの状況に対する説明は不肖この私、
「提督の
『両親はしばらく帰ってきませんよ。向こう十年程度は。あの人たちは世界一周旅行~船を使ってゆっくりいちゃラブへ~に行っちゃってますしおすし』
「商戦改造型空母、隼鷹でーっす!よろしくなぁーってそうじゃないか。んじゃあしっつもーん。酒はあるんだろうね!? なかったらあたしゃあどうすればいいんだい!?」
………………その他、この世界の歴史、情勢、食料状況について説明をしていった。後お酒。そこで名前がわかった艦娘は6人。戦艦霧島、駆逐艦時雨、軽空母鳳翔、重巡洋艦青葉、正規空母赤城、そして隼鷹。誰がどの質問をしたかはだいたい察して欲しいところ。
そして話はこの地域の周りについてに移り始める。
「軽巡洋艦、大淀です。今もこの国は法治国家のようですが、私たちのような大勢の無戸籍者を居候させてよろしいのでしょうか?」
『はい、大丈夫ですよ。この地域は東西と北を険しい山に囲まれ、南は慣れた人でないと通ることすら難しいほど岩礁地帯が多くある海に塞がれています。唯一の比較的簡単な空路も山の影響で乱気流が発生しやすく気軽に来れるわけではないため、一ヶ月に二回、いろいろな物資を持って自衛隊…………あー、今の日本軍の人たちが来る程度です。村の皆には既に連絡を取っていますから、村では大手を振って出かけても大丈夫です』
「……なるほど。返答ありがとうございます。わざわざ詳しい部分まで説明していただきありがとうございますね」
そう。艦娘と提督が現れて小禄の住んでいる村は四方を厳しい環境に囲まれており、そのせいでインフラ整備もろくに済んでおらず交通の便も悪いグンマー帝國以上の魔境とかしているのだ。救いなのは携帯用の電波塔やWi-Fi整備が済まされていることか。それ以外はコンビニがなにそれ美味しいの状態になっていたり服屋もなく大体を自給自足で済ますしかないのだが。
――――――――千鳥村村民概要――――――――
養蚕
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製糸、機織
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畑作、水田
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畜産
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漁業
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加工、修理他
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村長.
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『これにある通りの職業となっており、酒造りもうちの担当で何種類か溜めてあるので《あまり飲みすぎず》限度を持って飲むのならば蔵から出すこととします。というかうちの担当って要は雑用ってことなんですけどねー、タハハ。あ、そこの方どうぞ』
「ども、重巡、青葉ですぅ。この書類を見る限りでは教育関係の方がいないようですが、教育はどうしているのでしょうか?」
『基本的にこのノートパソコン……映像と音声を同時に配信できる機械を通した通信教材を使用したもので義務教育として当たり前のことを、その他道徳やこの村の歴史などについては村人が共同で教えることになっています。ついでに言うならば通信なので制服といったものはありませんのでこの服は自前で加工してみました。布は余り物を自然な感じで継ぎ接ぎして』
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その他基本的なことを語り尽くした小禄は、100%林檎ジュース(自家製)を飲みながら宴会のようなものが始まった大広間を見つめていた。
とある所ではヒャッハーとうるさくしていたらビッグセブンにたしなめられていたり、とある所では海外重巡が服を脱ごうとして姉に止められていたり、駆逐艦が眠っているところに行こうとする酔った提督の肩を掴んでニッコリ笑顔を浮かべながら引きずっていく軽空母がいたりとなかなか混沌とした空間が出来上がっている。
「あの妄言が現実になるとはねぇ……ま、なんとかうまく付き合っていきますか。はぁ、演技が大変だな」