果てなき愛ゆえに…   作:かなで☆

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 第4次忍界大戦から年月が過ぎ、様々な困難はあったものの、世界はいまだかつてないほどの落ち着きを見せていた。
 火の国の木の葉隠れの里においても、ここしばらくは大きな争いに巻き込まれることもなく、穏やかな日々が過ぎていた。
 しかし、それでも里を治める立場の火影は日々忙しく、七代目火影に就任したナルトも多忙な毎日を送っていた。
 そして、今日も朝早くから、様々な書類に目を通していたのだった…


第一話  ~既視感《デジャヴ》~

 「あ~あ…こんないい日は家族でピクニックとか行きたいってばよぉ…」

 ぼそりとつぶやき、机の上に並べられた大量の書類の上につっぷしたのは、

 7代目火影『うずまきナルト』

 里を見渡せる火影室の窓から、ポカポカと暖かい陽気が、朝からあまりにも降り注ぐものだから、ついそんな言葉が出た。

 だらしなく伸ばした両手の先には、最愛の家族…ヒナタ、ボルト、ひまわりの写真が並べられている。

 「元気にしてっかな…」

 日々執務に追われ、この火影室に泊まり込むことも度々…

 特にここ最近は、中忍試験が近いこともあり、多忙を極め…数日家に帰っていない。

 ヒナタは毎日昼食を届けに来てはくれるものの、打ち合わせ中であったり、来客中であったり…と、まともに会えることは少ない。

 子供たちに関して言えば、この火影室から、里の中を友達と走り回っているひまわりの姿を見るか、任務の報告で訪れるボルトと数分会話を交わすくらいだ。

 はぁ…とこぼれる溜息。

 さみしい思いさせちまってるよな…

 「俺もさみしいってばよ…」

 ヒナタの写真を手に取るナルト。

 肩で切りそろえたサラサラの髪、優しい光をたたえた白い瞳、今日の日差しのように暖かい笑み…

 「くぅ~。やっぱかわいすぎるってばよ」

 くそぉ…ヒナタといちゃいちゃして~…

 さすがにその言葉は口にせず自粛する。

 しかし、どうしても気持ちが抑えきれず、ヒナタの写真に顔を…口を近づける…

 と、その時…

 「ナルト!入るぞ!」

 ばんっと、勢いよく扉を開けて、サスケが飛び込んできた。

 「うわぁぁぁぁぁ!

 サ、サスケェ?なんだってばよ!突然入ってくるんじゃねぇよ!」

 声を裏返して、写真を落としそうになりながらあたふたする。

 しかしそんな様子を全く気にせず、サスケはナルトに詰め寄り、これ以上にないくらい真剣なまなざしで言う。

 「サクラとサラダのチャクラを感知できるか?」

 その声には焦りの色がにじんでいる。

 「なんかあったのか?」

 こんなサスケは珍しい。

 一瞬にして部屋の中に緊張が広がった。

 「とにかく、二人のチャクラを確認してくれ!」

 「わかった」

 ナルトは意識を集中してまずサクラのチャクラを探る。

 しかし、感知できない…

 次いで、仙人モード…

 「だめだ…。

 かなり離れた場所にいるか…」

 …強力な結界の中…

 二人はハッとして顔を見合わせる。

 以前同じようなことがあった。 

 第4次忍界対戦を終えてしばらく(のち)、大蛇丸に写輪眼を埋めこまれたかつての実験体「シン」とよばれる者に、サクラがさらわれたことがあり、その時も相手の結界内に逃げ込まれ、サクラを感知できなかったのだ。

…まさか、また何者かが…

 「くそっ。この目が回復していればっ」

 ドンッ!とサスケが机をたたいた。

 サスケの輪廻眼があれば、さらに広範囲…そしてたいていの結界であれば、容易に感知できるだろう。

 しかし、つい先日、彼はその瞳の力を酷使しており、まだ力が戻り切っていないのだ。

 机の上のサスケの手が怒りと焦りで震えている。

 ナルトは、ただならぬものを感じ、チャクラを練った。

 足元から一気に金色(こんじき)の光が湧き上がり、ナルトを包む。

 火影の羽織がチャクラと同化して大きく広がり、全身に独特の模様が現れた。

 九尾の力を使った九喇嘛(くらま)モードだ。

 仙術チャクラも織り交ぜ、さらに感知エリアを広げる。

 その様子を固唾(かたず)を飲んで見守るサスケ。

 『どうだ…九喇嘛…。なんか感じるか?』

 なかなかサクラのチャクラを探れず、ナルトは九喇嘛に語りかける。

 『なんだ、久しぶりにただ事じゃねぇ雰囲気だな。

 あのサスケがこんなに動揺するなんてな』

 答えて九喇嘛は集中する。

 ほんの数秒後、二人はサクラのチャクラをかすかにだが捉えた。

 「見つけたってばよ!

 サラダのチャクラも感じる」

 「やはり二人とも!」

 サスケが声を荒げるのと同時に、部屋にシカマルが飛び込んできた。

 「ナルト!どうした!」

 どうやら九喇嘛のチャクラを感じ、火影室で何か起こったのかと、駆け付けたようだ。

 「っと、サスケ?

 …どうしたんだ…二人とも…」

 異様な緊張感を感じとり、シカマルの表情が固まる。

 ナルトは九喇嘛モードを解くと、さっと印を組み影分身を二人作り出す。

 「シカマル。悪ぃ…ちょっと出てくる」

 「え?お、おい!」

 何が何やらわからず慌てるシカマルをよそに

 「こっちは頼むってばよ」

 影分身に言葉を残し、ナルトはサスケとともに火影室を飛び出した。

 

  

 

 

 

 

 

 

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