もしも、あの男が残っていたら 作:パワプロ大好き男
神奈川県大会予選の2回戦が始まろうとしていた矢先、土屋貴教はトイレにいた。
貴教「こんな時に下痢かよ………」
その時だった、トイレに他の選手が入ってきたのであった。
貴教はそのまま耳を澄ました。
すると、その声は2回戦で対戦するパワフル高校の選手であった。
A「瞬鋭、大したことなかったな。」
B「ホントだよ、烏丸だっけ、口先だけ偉そうに喋ってたの?」
A「あぁ、アイツ独りよがりのプレーしてたからな、そりゃチームメイトも混乱するよな。」
B「あと、覇堂も天空中央も負けたらしいぜ。」
A「まぁ予想は出来てたよ、覇堂の木場なんかストレートしか投げてこないし、打ち込まれるのもムリないさ。」
B「それに天空中央なんか虹谷のヤツ、他の高校のマネージャーに手を出してるみたいだしな。」
A「バカだよなアイツ、女のケツばっかり追い掛け回すから天罰下るんだよ、ざまぁみろだ。」
B「あんなのストーカーに近いよな。」
A「ホントだよ、立派な犯罪だよ、何がレディがいないと気合いが入らないだバカ野郎、そんなんだから天空中央は強くなれないんだよ。」
B「女よりもチームを強くする方を優先した方が絶対いいよな。」
貴教がトイレでパワフル高校の2人の選手の話を真剣に聞いて思ったのであった。
貴教(なるほど、パワフル高校は昨年までは1回戦で負けるほど弱いはずなのに、ここ数ヵ月で実力をつけたみたいだな、ようし、絶対に勝つぞ。)
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2回戦が始まった。
スタメンは1回戦と同じだった。
パワフル高校の先発はエースの星井スバルであった。
彼の父はアメリカ人で、元メジャーリーガーであった。
下の名前がカタカナなのはそのためである。
彼の持ち味は落差のあるフォークボールである。
海堂学園高校は彼の前に苦しめられているのであった。
茂野「くっ…なかなか打てないな……」
試合は8回の表に2年生の遊撃手、小田切巧がタイムリースリーベースで3点を取り、茂野がツーアウトを取った直後に4番で3年生の一塁手、宇渡幹久にツーランを浴び、この回だけでも一挙に5点も取られたのであった。
茂野「すまねぇな寿……」
佐藤「大丈夫だよ、次切り替えよう。」
佐藤が茂野をなだめた直後、8回の裏にキャプテン貴教がタイムリーツーベースで2点を取り、5-2と差を埋めた。
そして、9回の裏に満塁の場面で茂野に打席が回った。
茂野は疲れている星井の渾身のフォークボールが甘く真ん中に入ったのを見逃さなかった。
茂野「ここしかない!!」
カッキーン!!
快音を残し、レフトスタンドに吸い込まれ、海堂はサヨナラ満塁ホームランで2回戦を突破したのであった。