もしも、あの男が残っていたら 作:パワプロ大好き男
アナウンス「1回の表、海堂学園高校の攻撃は、1番センター草野君。」
ついに決勝戦が始まった。
先攻の海堂学園高校は草野が左打席に入った。
三塁側から大歓声が沸き起こったのであった。
球審「プレイボール!!」
球審が合図を送るとサイレンが鳴り響いたのであった。
草野(里中智君はアンダースローながらかなり速いからな、気をつけないと。)
草野は打席上で呟きながら、冷静に里中智を分析したのであった。
里中智はアンダースローながら150km/h近いストレートと複数の変化球が持ち味である。
スライダー、カーブ、フォーク、シンカー、シュートと5種類を持っている。
里中智は1球を投げた。
シュ、スパーン!!
球審「ストライク!」
草野(は、速い………)
草野は驚いたのであった。
ベンチも驚いたのであった。
茂野「何だアイツ!?」
佐藤「かなり速いね。」
貴教「電工掲示板見てみろ、145km/hだってよ。」
茂野「嘘だろ!?」
草野は2球目もストレートを見逃し、追い込まれたのであった。
里中智は3球目を投げた。
シュ、スパーン!!
球審「ストライク、バッターアウト!」
草野は空振り三振となってしまった。
ストレートがアウトローギリギリいっぱいに入っていたのであった。
茂野「草野が三振だなんて……」
アナウンス「2番セカンド渡嘉敷君。」
渡嘉敷が右打席に入った。
渡嘉敷(なんとしても打ち返さないと。)
渡嘉敷は気合を入れていたが、くしくも三振に倒れたのであった。
里中智はまだ6球しか投げていなかった。
アナウンス「3番ピッチャー茂野君。」
茂野が右打席に入った。
女子高生「茂野君~頑張って~」
女子高生から黄色い声援が聞こえたのであった。
貴教はムッとしていたのであった。
貴教「うるせぇな、野球なんかろくに知らなかったくせに、こんときだけは可愛い子ぶるんだよな、だから女なんて大嫌いなんだよ。」
佐藤「まぁまぁ………」
佐藤は貴教をなだめたのであった。
一方の茂野は追い込まれたのであった。
茂野(クソ……2球続けてインコースに投げやがって……)
里中智は9球目を投げた。
アウトローにストレートを投げたが、ギリギリ外れたのであった。
球審「ボール!」
茂野(あぶねー!!)
茂野はホッとしたのであった。
茂野(ここまで9球投げて全てストレートか、打席に立つとかなり速いぜ、やるな里中智。)
里中智は10球目を投げた。
シュ、スパーン!!
球審「ストライク、バッターアウト!」
茂野は空振り三振となってしまった。
茂野(ここで変化球かよ……)
茂野は里中智を見ながらベンチに入った。
佐藤「今の球は?」
茂野「フォークだよ、かなり落差があるぜ。」
貴教「マジかよ………」
すると三塁側のスタンドから女子高生が叫んだのであった。
女子高生「茂野君~次頑張って~!!」
貴教は不機嫌になった。
貴教「殺してぇー!!」
茂野「まぁまぁ落ち着け……」
茂野は笑いながら貴教をなだめたのであった。
一方、明訓高校のベンチでは盛り上がっていた。
山田「いいピッチングだね里中、この調子で行こう。」
里中「あぁ。」
岩鬼「やるじゃねぇか里中、あの海堂学園高校を相手に10球で片付けるなんて凄いやないかい!!」
殿馬「オイラも真似してみたいづら。」
微笑「この調子で行こう、絶対かつぞ!!」
盛り上がる一方で大平太平(おおひらたいへい)監督の代行、大平健一(おおひらけんいち)が言った。
大平「いいか、1回の表を10球で乗りきったからっていい気になるなよ、初回から点を取りに行け、いいな?」
全員「はい!!」
明訓高校ナインは大きく返事をしたのであった。
大平「ったく、太平は病気で入院するなんて情けないわい、ワシがコイツらを徹底的に鍛えてやる、元甲子園球児をなめるなよ。」
高齢になった大平監督は海堂学園高校のベンチを見た。
大平「大介のヤツ、28歳で海堂学園高校野球部の監督になりやがったか、地元・北海道から神奈川に転勤になるとは珍しいのう、しかも10歳年下の弟を海堂学園高校野球部に入部させるとは大したもんだ、あの頃はクソガキだったのが、今はすっかり別人じゃ、けど明訓高校野球部だって強いんじゃ、大介には負けん。」
大平監督は思い出に耽っていながらも、しっかり勝利を見据えていたのであった。
茂野「寿、頼むぜ。」
佐藤「了解、立ち上がり大事だからね。」
貴教「しっかり投げてこいよ。」
海堂学園高校ナインは守備についたのであった。
試合はまだ始まったばかりだ。
今までで一番長くなりました。
申し訳ありませんm(__)m