もしも、あの男が残っていたら   作:パワプロ大好き男

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第37話 初回

アナウンス「守ります、海堂学園高校のピッチャーは茂野君、キャッチャー佐藤君、ファースト大場君、セカンド渡嘉敷君、サード薬師寺君、ショート関君、レフト石松君、センター草野君、ライト土屋君。」

 

1回の裏に海堂学園高校野球部は守備についた。

アナウンスでコールされる度に女子高生の黄色い歓声が沸き起こったのである。

貴教はイライラを隠しきれなかった。

 

貴教「あぁ~イライラするー!!」

 

そして、明訓高校の攻撃が始まったのである。

 

アナウンス「1回の裏、明訓高校の攻撃は、1番セカンド殿馬君。」

 

殿馬一人は右打席に入った。

かなり小柄である。

 

岩鬼「頼むぞ殿馬ー、出塁してくれわい!!」

 

里中「粘れよー!!」

 

ベンチから殿馬一人に対して応援の声が上がったのであった。

 

殿馬(たまにはよ、ホームランを一発かましてやりたいところだが、茂野吾郎はストレートが速いで有名だからな、それに変化球も強烈らしいからな、うちの里中と全く一緒のタイプだけど、彼はオーバースローだからな、気をつけないといけないづら。)

 

茂野は殿馬一人に対して1球投げた。

 

シュ、スパーン!!

 

球審「ストライク!」

 

殿馬(速ぇな、ソフトボールで言うライズボールみたいづら。)

 

殿馬一人は茂野のストレートに驚いたのであった。

ベンチにいる明訓高校野球部もビックリしていたのであった。

 

岩鬼「な、なんやあれ!?」

 

里中「凄い速さだ……」

 

岩鬼「あんなの打てるわけないやんか!!」

 

山田「かなり球威もあるぞ、155km/hも出ている。」

 

岩鬼「155km/hもあるんかいな!?」

 

微笑「これは凄いな……」

 

岩鬼「現実におるんやな、そんな速いヤツ。」

 

すると大平監督は言った。

 

大平「バカ者、そんなごときでビビるな、たいていああいうピッチャーってのはバテると甘い球が来やすい典型的なパワーピッチャーだ、そのうち球威も落ちてくる、そうなれば流れはこっちのもんだ、構わず攻めてこい!!」

 

全員「はい!!」

 

返事をすると再び応援したのであった。

一方の殿馬は2球目を見逃し、2ストライクと追い込まれてしまった。

 

殿馬(ダメだ…振っても当たる気がしないから、バントで出塁するしかない…)

 

殿馬一人は茂野の3球目をバントした。

 

コン!!

 

打球は三塁線ギリギリだった。

佐藤はファールになると予想し、茂野に取らないよう指示したが、ギリギリフェアとなってしまった。

 

佐藤「ゴメンネ吾郎君……。」

 

茂野「気にすんな、俺もファールだと思ったぜ、お互い様さ。」

 

茂野は佐藤をなだめ、肩をポンと叩いたのであった。

 

アナウンス「2番ショート高代君。」

 

2年生の高代知秋が右打席に入った。

高代は迷わず、送りバントを決めたのであった。

 

アナウンス「3番サード岩鬼君。」

 

明訓高校の主将である岩鬼正美が右打席に入った。

 

岩鬼「ぐわらきーん、花は桜木、男は岩鬼、海堂学園高校のエース茂野吾郎からホームランをぶちかましてやるわい!!」

 

岩鬼の代名詞である雄叫びをあげると一塁側のスタンドから大きな歓声が沸き起こったのである。

が、球審から注意を受けたのであった。

 

球審「君、相手を挑発するような発言は慎みなさい。」

 

岩鬼「すみません………」

 

岩鬼はバットを高々と構えた。

茂野は佐藤のサインに頷き、投げたのであった。

 

シュ、スパーン!!

 

球審「ストライク!」

 

岩鬼(ホォ~、ワイに対して初球は変化球から入っていきやがった、しかもスライダーか、いいキレ味やないかい。)

 

2球目はカーブを投げたが、ボールとなった。

3球目はフォークを投げてストライクを取ったのであった。

 

岩鬼(2ストライクと1ボールか……)

 

岩鬼は大平監督を睨み付けた。

 

岩鬼(ったく、なんでワイが3番なんや、神奈川県大会決勝戦に限って土壇場になってオーダー変えやがって、確かにワイと山田と微笑の3人はホームランバッターだし、クリーンアップに入ってもおかしくはないけどもよ、ワイは1番の方が気持ちいいんや、変なプレッシャーを感じながら打席に立つより、先頭打者アーチを放って打つ方が気が楽や!!)

 

岩鬼は茂野の4球目を怒りに任せて降るスイングしたのであった。

 

岩鬼「ストレート、貰ったー!!」

 

カッキーン!!

 

岩鬼の打球はレフトスタンドまで運んだのであった。

明訓高校が先制ツーランを放ったのであった。

 

岩鬼「いよっしゃー!!」

 

岩鬼は二塁上を回ったところでガッツポーズをしたのであった。

ベンチでは明訓高校野球部が盛り上がっていた。

 

大平「フン、岩鬼のヤツやるじゃねぇか、やはりアイツを3番にしてよかったわ。」

 

大平監督も安堵したのであった。

一方、茂野は岩鬼の打球の行方を見て驚いたのであった。

 

茂野「なんちゅうパワーだよ……。」

 

佐藤も同じだった。

 

佐藤「僕のせいで吾郎君が……。」

 

佐藤はあの時、殿馬一人のセーフティバントの判断ミスしたことを悔やみ、責任を感じたのであった。

 

貴教「明訓高校にとんでもないヤツが来たな、恐ぇな。」

 

貴教も動揺を隠しきれなかった。

一方、明訓高校野球部のベンチでは祝福がやまなかった。

 

山田「よく打ったな岩鬼、さすがキャプテンだよ。」

 

岩鬼「いや~ワイも嬉しかったワイ、変化球は、はなっから打てないって分かってたから、ストレート1本に絞ってやったワイ、速かったが打ててよかったワイ、まぁ凄く痛かったけどな。」

 

微笑「ちなみにその時のストレート156km/hだったよ。」

 

岩鬼「ホンマかいな、どうりで痛ぇと思ったんだよ、イヤ~大したもんや!!」

 

明訓高校は喜びに浸ったのであった。

先制を取られた茂野、果たして初回を乗りきれるのだろうか?




かなり長くなりました。
申し訳ありませんm(__)m
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