もしも、あの男が残っていたら   作:パワプロ大好き男

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第38話 突破口

アナウンス「4番キャッチャー山田君。」

 

山田太郎が左打席に入った。

1アウトでランナーなしだが、岩鬼正美に先制ツーランを浴びた茂野にとって精神的にキツい場面となってしまった。

 

山田(さて、お手並み拝見と行こうかな。)

 

茂野(なんだこのデブ、威圧感ハンパネェ………。)

 

茂野は山田の姿を見て驚いたのであった。

それもそのはず、とてつもない巨漢が左打席に入っているのだから、いつホームラン打たれてもおかしくないのであった。

 

佐藤(吾郎君、慎重にいくよ。)

 

茂野(あぁ、分かってらぁ。)

 

茂野は山田に初球を投げた。

山田は見逃した。

 

シュ、スパーン

 

球審「ボール!」

 

山田(危なかった、ストライクになってもおかしくないコースだ、それに今のはスライダーだ、習得したばかりとはいえ、かなりキレ味抜群だな。)

 

山田太郎は冷静に分析したのであった。

続く2球目もボールだった。

3球目もボールとなり、佐藤はタイムをかけた。

 

佐藤「吾郎君、大丈夫?」

 

茂野「あぁ、大丈夫だよ、心配すんな、ちっと力が入っただけだ。」

 

佐藤「スライダー、カーブ、フォークが入らないからストレート中心に行こう。」

 

茂野「いや、土屋から教わったシンカーとシュートをまだ投げてない、それにヤツらは完全に俺のストレートを狙っている、迂闊に投げたらまたスタンドまでまっしぐらだ。」

 

佐藤「分かった、ストレートは決め球としてとっておこう。」

 

佐藤はそう言った後、再び本塁に戻ったのであった。

茂野はシンカーを投げ、ストライクを取った。

 

シュ、スパーン

 

球審「ストライク!」

 

山田(なるほど、シンカーを投げてきたか、なかなか絞りづらいな。)

 

続く5球目もストライクとなった。

今度はシュートだった。

 

山田(シュートか、ストレートはどうやら来ないみたいだな、狙い球変えてみるか。)

 

山田太郎は狙い球を変えようとしていたその時だった。

ストレートがすっぽ抜け、真ん中に入ってしまったのであった。

 

山田(今だ!!)

 

カッキーン!!

 

山田太郎の打球はライトを守る土屋貴教の方へ飛んでいった。

 

貴教「マジかよ!!」

 

貴教は全力で走ったが、打球の速さの方が上回ったのであった。

ソロホームランで1点追加し、0-3となってしまった。

 

茂野(ちくしょう、決め球が真ん中に入ってしまった、俺としたことが。)

 

アナウンス「5番レフト微笑君。」

 

微笑三太郎が右打席に入ったのであった。

2ストライクまで追い込むも、3球目に投げたストレートがまた真ん中に入ってしまったのであった。

 

微笑(よし、行ける!!)

 

カッキーン

 

今度はセンター方向に打球が伸びていき、ホームランになってしまった。

4-0となり、海堂学園高校は苦しい展開となってしまった。

明訓高校のベンチは大盛り上がりであった。

茂野はその後、6番の上下左右太を三振、7番の蛸田蛸をショートゴロに打ち取り、3アウトでチェンジとなった。

 

大介「岩鬼、山田、微笑のクリーンアップ3人に打たれ、計4打点を献上したからといって落ち込むな、まだ1回の裏だぞ、こっから点数を取り返してこい!!」

 

全員「はい!!」

 

土屋大介監督の激に全員は返事をしたのであった。

 

アナウンス「2回の裏、海堂学園高校の攻撃は、4番キャッチャー佐藤君。」

 

佐藤は右打席に入った。

しかし、里中智の球威のあるストレートと巧みな変化球に翻弄され、三振となってしまった。

 

佐藤「ダメだ、彼はアンダースローだけあってタイミングが取りづらい。」

 

佐藤がネクストバッターサークルに入った貴教にアドバイスを送ったのであった。

 

貴教「俺に任せろ!!」

 

貴教は佐藤に力強く返事したのであった。

 

アナウンス「5番ライト土屋君。」

 

貴教は左打席に入った。

兄の大介は静かに見守った。

 

大介「頼むぞ貴教、突破口を開いてくれ。」

 

貴教は2球立て続けに見送り、ボールとなった。

3球目はファールとなり、1ストライク2ボールとなった。

里中は渾身のストレートを投げた。

 

貴教(テメェのストレートなんて怖くねぇんだよ!!)

 

カッキーン

 

貴教はホームランを放ち、1点を返したのであった。

ベンチは盛り上がり、大介監督も喜びを噛み締めたのであった。

これをきっかけに6番の薬師寺がヒットで出塁、7番の大場が長打を放ち、1アウト二・三塁のチャンスを作り上げた。

8番の石松はフォアボールを選び、満塁という絶好のチャンスを作り上げた。

 

アナウンス「9番ショート関君。」

 

レギュラー泉の代役、関が右打席に入ったのであった。

関はこれが初めての打席であった。

関は10球ファールで粘り続けるも、最後はダブルプレーをしてしまい、1アウト満塁から一気に3アウトとなってしまった。

 

関「ちくしょう………」

 

関は力のない声でベンチに戻ったのであった。

1-4と負けている海堂学園高校に逆転はあるのだろうか。

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