もしも、あの男が残っていたら 作:パワプロ大好き男
アナウンス「4番キャッチャー山田君。」
山田太郎が左打席に入った。
1アウトでランナーなしだが、岩鬼正美に先制ツーランを浴びた茂野にとって精神的にキツい場面となってしまった。
山田(さて、お手並み拝見と行こうかな。)
茂野(なんだこのデブ、威圧感ハンパネェ………。)
茂野は山田の姿を見て驚いたのであった。
それもそのはず、とてつもない巨漢が左打席に入っているのだから、いつホームラン打たれてもおかしくないのであった。
佐藤(吾郎君、慎重にいくよ。)
茂野(あぁ、分かってらぁ。)
茂野は山田に初球を投げた。
山田は見逃した。
シュ、スパーン
球審「ボール!」
山田(危なかった、ストライクになってもおかしくないコースだ、それに今のはスライダーだ、習得したばかりとはいえ、かなりキレ味抜群だな。)
山田太郎は冷静に分析したのであった。
続く2球目もボールだった。
3球目もボールとなり、佐藤はタイムをかけた。
佐藤「吾郎君、大丈夫?」
茂野「あぁ、大丈夫だよ、心配すんな、ちっと力が入っただけだ。」
佐藤「スライダー、カーブ、フォークが入らないからストレート中心に行こう。」
茂野「いや、土屋から教わったシンカーとシュートをまだ投げてない、それにヤツらは完全に俺のストレートを狙っている、迂闊に投げたらまたスタンドまでまっしぐらだ。」
佐藤「分かった、ストレートは決め球としてとっておこう。」
佐藤はそう言った後、再び本塁に戻ったのであった。
茂野はシンカーを投げ、ストライクを取った。
シュ、スパーン
球審「ストライク!」
山田(なるほど、シンカーを投げてきたか、なかなか絞りづらいな。)
続く5球目もストライクとなった。
今度はシュートだった。
山田(シュートか、ストレートはどうやら来ないみたいだな、狙い球変えてみるか。)
山田太郎は狙い球を変えようとしていたその時だった。
ストレートがすっぽ抜け、真ん中に入ってしまったのであった。
山田(今だ!!)
カッキーン!!
山田太郎の打球はライトを守る土屋貴教の方へ飛んでいった。
貴教「マジかよ!!」
貴教は全力で走ったが、打球の速さの方が上回ったのであった。
ソロホームランで1点追加し、0-3となってしまった。
茂野(ちくしょう、決め球が真ん中に入ってしまった、俺としたことが。)
アナウンス「5番レフト微笑君。」
微笑三太郎が右打席に入ったのであった。
2ストライクまで追い込むも、3球目に投げたストレートがまた真ん中に入ってしまったのであった。
微笑(よし、行ける!!)
カッキーン
今度はセンター方向に打球が伸びていき、ホームランになってしまった。
4-0となり、海堂学園高校は苦しい展開となってしまった。
明訓高校のベンチは大盛り上がりであった。
茂野はその後、6番の上下左右太を三振、7番の蛸田蛸をショートゴロに打ち取り、3アウトでチェンジとなった。
大介「岩鬼、山田、微笑のクリーンアップ3人に打たれ、計4打点を献上したからといって落ち込むな、まだ1回の裏だぞ、こっから点数を取り返してこい!!」
全員「はい!!」
土屋大介監督の激に全員は返事をしたのであった。
アナウンス「2回の裏、海堂学園高校の攻撃は、4番キャッチャー佐藤君。」
佐藤は右打席に入った。
しかし、里中智の球威のあるストレートと巧みな変化球に翻弄され、三振となってしまった。
佐藤「ダメだ、彼はアンダースローだけあってタイミングが取りづらい。」
佐藤がネクストバッターサークルに入った貴教にアドバイスを送ったのであった。
貴教「俺に任せろ!!」
貴教は佐藤に力強く返事したのであった。
アナウンス「5番ライト土屋君。」
貴教は左打席に入った。
兄の大介は静かに見守った。
大介「頼むぞ貴教、突破口を開いてくれ。」
貴教は2球立て続けに見送り、ボールとなった。
3球目はファールとなり、1ストライク2ボールとなった。
里中は渾身のストレートを投げた。
貴教(テメェのストレートなんて怖くねぇんだよ!!)
カッキーン
貴教はホームランを放ち、1点を返したのであった。
ベンチは盛り上がり、大介監督も喜びを噛み締めたのであった。
これをきっかけに6番の薬師寺がヒットで出塁、7番の大場が長打を放ち、1アウト二・三塁のチャンスを作り上げた。
8番の石松はフォアボールを選び、満塁という絶好のチャンスを作り上げた。
アナウンス「9番ショート関君。」
レギュラー泉の代役、関が右打席に入ったのであった。
関はこれが初めての打席であった。
関は10球ファールで粘り続けるも、最後はダブルプレーをしてしまい、1アウト満塁から一気に3アウトとなってしまった。
関「ちくしょう………」
関は力のない声でベンチに戻ったのであった。
1-4と負けている海堂学園高校に逆転はあるのだろうか。