ダンジョンに生きる目的を求めるのは間違っているだろうか   作:ユキシア

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神様ゲーム

「ゲームをしようじゃないか!!」

 

ある日、全員がいる居室(リビング)で神ヘスティアがそんなことを言った。

 

「急にどうしたんですか?神様」

 

私達を代表するようにベルが神ヘスティアに尋ねると神ヘスティアはチッチッチッと言いながら指を振るう。

 

 

「改めて【ファミリア】が出来てティア君や春姫君が来てくれてからもボク達がこうして集めることがなかったじゃないか」

 

確かに基本的に私達はダンジョンに潜っているし、神ヘスティアはバイトに行っている。

今日は探索は休みにしているし、神ヘスティアもバイトは休みでこうして全員で一日をゆっくりすることなんてなかったな。

 

「だからゲームで親睦を深めて行こうぜ!そうすれば皆のことがよりわかるはずだ。というわけで桜君、何かいい案はないかな?」

 

「丸投げですか・・・・」

 

親睦を深めるっていいこと言っているの肝心な内容は私任せとかそれはそれで・・・・いや、神ヘスティアらしいか。

というより、ゲームか・・・・・。

この世界にはテレビゲームなどはないけどチェス、将棋、トランプは存在していた。

だけど、チェスとかなら私が勝つに決まっているしそれでは面白くないだろう。

出来る限り平等で皆で楽しめるゲームといえば・・・・。

 

「・・・・・・神様ゲームなど、どうでしょう?」

 

「・・・・・・神様ゲーム?」

 

王様ゲームから神様と言い換えたゲームだが、首を傾げているベル達の様子からしてこの世界には王様ゲームも存在していないのだろう。

私は用紙を細長く人数分切ってから神様と番号を書く。

 

「ここから神様と番号が書かれた紙があります。そして、神様は番号を言って好きな命令を与えることができるんです。例えば、抱きしめろやキスしろと命令されたらそれは命令だから仕方がない・・・」

 

「やろうじゃないか!」

 

「やりましょう!」

 

「私もぜひ!」

 

説明にベルに惚れている三人は予想通り喰いついてきた。

合法で抱擁もキスも出来るチャンスがあれば喰いつくか、この三人は・・・・。

呆れながらも結局は全員で神様ゲームをすることになり、第一回神様ゲームが開催された。

それぞれ紙を引いて私も残った紙の番号を確認すると3番だった。

 

「ふふ~ん、ボクが神様だ!」

 

どうやら最初に一回戦は神ヘスティアが神様のようだ。

 

「どうしよっかな~、何にしようかな~」

 

ベルをチラ見しながら子供のように楽しそうにはしゃぐ神ヘスティア。

 

「神ヘスティア。一応言いますが番号を聞いたりするのはルール違反ですよ。それに関わることも駄目です」

 

「わ、わかっているさ!ボクだってそれぐらいはちゃんと守るぞ!」

 

だったら目線を横にせず真っ直ぐ私の目を見てから言いなさい。

 

「1番!神様(ボク)をぎゅーって抱きしめておくれ!」

 

ベルの方を見ながら命令を出す神ヘスティア。

だが、ベルは4番で1番ではなかった。

皆が番号を晒している中で一人だけ晒さなかったのが一名。

 

「・・・・・何でリリがヘスティア様を・・・・」

 

一番の正体はリリだった。

リリはぶつぶつ言いながら神ヘスティアを抱きしめるが神ヘスティアは本命(ベル)でないことに残念がっていた。

外れた残りのメンバーはどこかホッと安堵していたが。

そして、続けて二回戦。

 

「・・・はい・・・」

 

今度はティアが神様だった。

神ヘスティア達も安全地帯であるティアが神様で安堵と同時暖かい目でティアを見ていた。本当に欲望に正直だな・・・・。

 

「えっと・・・・2番さん・・・・」

 

「私だ」

 

私が二番であることを自白すると、ティアは私の膝の上に座って手を自分の頭の上に置いた。

 

「こうして欲しいのか?」

 

頭を撫でる私にティアは嬉しそうに頷く。

だんだん人に甘えられるようになってきたな・・・・。

そう思いながらしばらくティアの抱きしめて頭を撫でてやる。

そして、三回戦が始まる。

 

「お、今度は俺だ」

 

今度はヴェルフが神様だった。

職人気質であるヴェルフがどんな命令を出すのか予想できないがたまにヴェルフはベル達を弄るところもあるからな。

どんなことを言うのかと思案していると。

 

「んじゃ、5番。おかわりくれ」

 

「は、はい。今お持ちします」

 

コップを持ち上げるヴェルフに5番である春姫が茶を淹れに行った。

どうやら普通の命令というか、ヴェルフにはこのゲームは特に興味がないのかもしれないな。春姫がヴェルフにコップを渡してから四回戦が始まった。

 

「今度は私が神か・・・」

 

とうとう私に神様の紙がきた。

私が神様か、さて、どんな命令を出そうか・・・・。

このまま呑気に続けるのもいいけど、少し波乱を加えて可笑しくするのもありだな。

まぁ、最初の一回ぐらいは普通に命令するか。

 

「4番。神様に膝枕」

 

適当に番号を言う私に皆は番号を晒すと4番は――――――ベルだった。

 

「それじゃ、ベル。少し膝を借りるな」

 

「う、うん・・・・」

 

恥ずかしそうに顔を赤くするベルの膝に頭を乗っけて横になる。

中々悪くないな、ベルの膝枕は。

このまま少し寝たいけど、神ヘスティア達が鬼の形相で睨んできている為それは止めておこう。

 

「いつまで桜君を膝枕させるんだい!?ベル君!」

 

「そうですよ、ベル様!セクハラですよ!?」

 

「ええっ!?僕が悪いの!?」

 

とばっちりを受けるベルは目で私に訴えてきたが私は拒否した。

 

「神様の命令は絶対。それに時間制限もしていないから私が気が済むまでこのままだ」

 

困るベルの顔を見て少し意地悪したくなった。

だけど、流石にずっとは出来ないから後一分間はベルの膝枕を堪能しよう。

 

「さぁ、次だ!次だよ!」

 

ベルの膝枕を堪能した後、五回戦が始まった。

 

「わ、私でございます・・・」

 

今度の神様は春姫。

 

「そ、それでは1番様の方・・・ここに・・・・」

 

自分の足をポンポンと叩く春姫を見てどうやら私と同じように膝枕だろう。

そして、春姫の膝枕を堪能出来る1番はまたしてもベルだった。

 

「えっと、失礼します・・・・」

 

そっと春姫の膝に頭を置くベル。

その頭を春姫は満足そうに撫でながら尻尾が凄い勢いで左右に揺れていた。

 

「ぐぬぬ・・・・どうしてボクじゃないんだ・・・・」

 

「次こそは・・・次こそはリリが・・・・・ッ!」

 

悔しがる神ヘスティアとリリ。

これは日頃の行いがいいおかげか?それともベルの『幸運』のおかげか。

まぁ、それはそれで盛り上がり始めて良かった。

しばらくして神ヘスティアとリリが我慢の限界が来てあっさりと春姫の膝枕は終わり6回戦が始まった。

 

「じ、自分です・・・・」

 

今度は命が神様か。

いい感じにバラけて神様になってるな。

生真面目な神様である命は何を言えばいいのか悩んでいるがしばらくしてから命令を出した。

 

「2番の方。5番の方の後ろから抱擁をお願いします」

 

2番は私だ。そして、5番はまたしてもベルだ。

よく当たるな、ベル。

でも、命がこんな命令を出すとは思わなかったな、精々ヴェルフぐらいの命令だと思ったが空気を読んでそう命令したのかな?

まぁ、とりあえずはベルを抱きしめるか。

ベルの背後に回って抱きしめる。

 

「あ、あああ、あの桜・・・・少し・・・」

 

「少しなんだ?」

 

くっ付きすぎと言いたいのだろうけど言わせない。

本当に面白い反応するな、ベルは。

でも、そろそろ終わろう。神ヘスティアとリリの顔が今にも血の涙が出そうなぐらい悔しがってるし。

ベルも神ヘスティア達の顔を見て青ざめている。

それからも盛り上がった神様ゲーム(特に神ヘスティアとリリ)は夕日が落ちるまで続いた。

流石に時間も時間で全員が疲れている為次で最後になった。

 

「フハハハハハハハ!最後はボクが神だ!!」

 

後半から既におかしくなっている神ヘスティアが神様ゲーム最後の神様になった。

 

「このままベル君とイチャつけないなんてゴメンだ!3番!ボクとチューだ!」

 

ベルが当たる七分の一の可能性に賭けた神ヘスティアはリスクも考えずにそんなことを言った。そして、神ヘスティアとキスする3番はベル。

――――――ではなく私だ。

仕方がないか・・・・。

私は神ヘスティアに近づいて肩を掴む。

 

「さ、桜君・・・・・?」

 

「私の初めてを主神に捧げましょう」

 

ゆっくりと唇を近づける私に神ヘスティアは顔を青ざめる。

 

「いやいやいやいやっ!流石のボクも子の、それも女の子である君の初めてを貰う訳にはいかないよ!」

 

「神の命令は絶対です。それに立案者である私が途中でやめるなんてことは出来ません」

 

「これはゲームだよ、桜君!?だからそんな難しいこと考えずに君の初めてはいずれ出来る大切な人にあげたまえ!」

 

「大丈夫ですよ、神ヘスティア。女同士は無効ですから。優しくしますよ?」

 

「お断りするよ!ボクの初めては既に予約済みさ!だからやめたまえ!」

 

必死に抵抗してくる神ヘスティアだが私の力には敵わず逃げ出せることができない。

ベル達も慌てふためいているが、私は神ヘスティアの顔に唇を近づけていく。

 

「さぁ、覚悟はいいですか?」

 

「い、嫌だよ!いくら女同士でもやめておくれ!?」

 

「命令したのは神ヘスティアでしょう?覚悟を決めてください」

 

涙目で叫ぶ神ヘスティアの唇と私の唇は重なり合う。

その寸前で私は神ヘスティアの額にキスする。

 

「へ?」

 

呆ける神ヘスティアに私は微笑む。

 

「どこにとは言っていなかったでしょう?だから額にチューしましたよ。どこにされると思っていたんですか?」

 

しばらく呆ける神ヘスティアは顔を真っ赤にしながら私を睨むが全く怖くなかった。

さて、夕飯の準備でもするか・・・・。

神ヘスティアのご機嫌を取る為に今日は神ヘスティアの好物でも作ろうとキッチンへと向かう。

 

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