はやてサイト
大爆発が発生した模擬戦フィールド。
岩、瓦礫、石ころ、
果てはビルの欠片が縦横無尽に飛び交う爆心地。
私とシャーリー、シャマルは爆風に乱れる髪を抑えながら、
爆発が発生した場所に目をむける。
「いくらなんでもやりすぎやなのはちゃん!
生身の人に「スターライトブレイカーー」を撃つなんて!!」
「なのはちゃん、以外と子供っぽいところがあるから。」
「んな悠長な事をいっている場合やないよシャマル!」
叫ぶ私に、あらあらと慈愛に満ちたほほえみ答えるシャマル。
陸はなのはちゃんとの会話のあと、
「赤龍帝の籠手」を装着して「スターライトブレイカー」を
受けとめて、耐えきれず呑み込まれてしまった。
いくら「非殺傷設定」でもあれでは…….….。
なのはちゃんの負けず嫌いが仇となってしまうなんて、
予想外の出来事。
死んでいないか不安な気持ちでいると、
「は、ははは、無事なんでしょうか陸さん?」
シャーリーは青白い顔をして呟く。
当たりまえやな。
機動六課にいる人達は、
なのはちゃんの「スターライトブレイカー」の威力を知っている。
あれは生身の人に撃つっていい魔法じゃないことを。
震える手足をプライドで抑えこみ、
動揺が伝わらないようにおちついて彼女達に指示をだす。
「シャマルは陸のバイタルをチェック!!
最悪の事態も考えて医務室に運ぶ準備してや!!」
「はい。了解だよはやてちゃん。」
「シャーリーはモニターで陸の姿を確認して、
危険な状態やったらフィールドを直ちに停止するから準備を。」
「は、はい、はやて部隊長!!」
仕事を始めるシャーリーとシャマル。
そんな二人に安心感を覚えながらも、私はモニターを見る。
爆発が生んだ砂煙は未だ辺りを包みこみ、
陸の姿は確認できない。
両手を体の前で合わせ、祈り願う。
「どうか、陸が無事でありますように。
…..….……最悪、死んでいなければいいですから。」
「スターライトブレイカー」が直撃したのだ。
奇跡でも起きなければあり得ないと知りつつも願ってしまうのは、
人としての性なのか。
次第に煙が無くなり晴れていく中、突然突風がはしる。
「な、なにがーーー」
風が砂煙を吹き飛ばしていき、
人影が見えた。
「嘘やろ」
その姿に私は呆然と言葉を紡いた。
はやてサイト終了
なのはサイト
「いくら陸君でもこれなら………………。」
スターライトブレイカーが直撃した。
空からもうもうと砂煙が立ちこめる大地。
陸君がいた場所を観ながら私は呟いた。
立っていられるはすがない。
「スターライトブレイカー」は私の最大の砲撃魔法。
非殺傷設定だから死んでしまうことはなくても、
ダメージは通ったはず。
どうな結果になったのか。
空中で待機している私にフェイトちゃんが訴えてきた。
「どうしてなのは!
なんで陸君にスターライトブレイカーを撃ったの!」
「どうしてって………………?」
「陸君は生身で、バリアジャケットすら着ていないんだよ!
いくら強くたって陸君でも危険過ぎるよ!! 」
フェイトちゃんに言われて気づく。
そうだった。
陸君が着ているのはただの服でしかない。
子供扱いされて、むきになり過ぎて、忘れてしまっていた。
走りだしていくフェイトちゃん。
私も空から地上に降りて、
陸君を探そうとーーー思った。次の瞬間
声が耳に届いた。
「おいおい、
まさかあの程度の魔力砲撃で俺を倒したーーー。
なんて勘違いしているんじゃあないだろうな。」
「えっ?」
「あれっ?」
私とフェイトちゃんの動きが止まる。
この声ってーーー。
私達が考えるよりはやく、
突然突風がはしり砂煙が四散していくと、
乱れる髪を抑えながらも、目をむける。
声の主の姿が見えて。
「………………嘘。」
「陸君!!」
フェイトちゃんは喜び、再び走りだした。
私は目から入ってきた現実が理解できずにいた。
無事だ。
陸君は何事もなかったかのように平然と立っている。
体に傷らしい傷なんてない。無傷。
あえて言うなら、長袖の服が肩から破れてしまい、
ノースリーブになってしまっていることだけ。
力が抜けてしまう。
「ほんと…….….どんな訓練をしてきたんだろう。」
独りで口にする。
きっと私達じゃあ想像も出来ないほど過酷で、
耐えがたい訓練をしてきたんだなぁと思う。
「リミッター」が施してあるとはいえ、
今ある私の全力を注いで撃ちだしたスターライトブレイカー。
手応えから倒していないとは予想していたけど、
まさか無傷とは予想外。
ここまで「力」の差を見せられれば、
「悔しい」とも思えない。ただ呆気になるだけ
ふう~~~と深呼吸をして
「レイジンハート、私達も行こう。」
パートナーに語りかける。
「OK」と返事をもらい。
バリアジャケットを解除する。
自分の周囲がピンク色の魔力に包まれていき、
白いバリアジャケットから管理局の制服に代わる。
地面に降りて、前にむくと
「陸君大丈夫?どこも怪我がしてない?
痛いの我慢してない?医療屋に行こうか?」
「大丈夫だっーの!怪我なんて一ミリもしてないし、
服が破れただけだよ!」
「ダメだよ。しっかりシャマル先生に診察してもらお。
怖いなら私もついていってあげるから、ね。 ね。」
心配した様子で陸君の体を心配するフェイトの姿と
慌ててすぎだと冷静に対応する陸君の姿見え。
相変わらず過保護だな~~フェイトちゃん。
でも陸君とフェイトちゃんって、
出会ったばかりの筈なのに不思議に呼吸が合う。
はたから観れば心配性の妹と不器用な兄。
そんな微笑ましい二人の光景、
私の胸がズキンと痛くなる。
「??」
僅に生まれた痛み。
「??なんだろ?」
胸をさわってみるけど痛みはもうない。
気のせいかな?
昔の傷は癒えていて、最近怪我した覚えはない。
「まっ、いっか。」
勘違いと判断した私は、言い争う二人に元に歩いていく。
なのはサイト終了
陸サイト
青い空に留まっていたなのはが地面に降りて、
こちらにに歩いてきた。
ようやく模擬戦は終了したようだ。
左手をあげて挨拶をする。
「よっ、お疲れなのは。
魔力を結構消費したみたいだが、大丈夫か?」
「ん、お疲れさま陸君。大丈夫だよ。
私だって鍛えているんだから。」
なのはは笑い笑顔を造る。
さっきのはゴメンなさい。
私、ちょっとむきになり過ぎちゃって…….…。」
暗い表情でうつ向くなのは。
どうやらやり過ぎてしまったと後悔しているらしい。
落ち込むなのはの背中を左手で、パン!!と景気よく叩く
「~~~~~っ、痛いよ陸君!いきなりなにするの!!」
余程痛かったらしい。
なのはは涙目にしながら訴えくるが、
俺はなのはを指さす。
「あれでよかったんだよなのは、お前が正解。」
「えっ?なんで?」
「始める前に言ったろ。
「魔導師」の「力」を見せてもらうって、
確かに見せてもらった。参考になった。ありがとな。」
礼を言う。
暗い顔をしてなのはは、
「そっか、ならよかった。陸君。」
俺の言葉に若干救われたようだ。
懸案事項が一つ減ったが、もう一つ残っている。
「フェイト、何時までんなことをやるっているつもりだよ?。」
はぁ~~と嘆息しながら右に視線を移す。
なのはも「にゃはははっ」苦笑した。
「いい加減諦めてくれないか。
いや、マジでさ。」
あくまで怪我を隠していると主張するフェイトの姿がある。
あるはずのない俺の怪我を体を触りまくりって調べようとするもんだから
俺は右手をつっかい棒がわりにして、
近づけないようにしている。
「陸君これじゃあ怪我の具合がわからないから。
右手をどかしてほしい」
「だから、なんども言うけど怪我してないから、
平気だから。」
フェイトは前進しながら、
両手をバタバタと動かすフェイト。
聞いていませんね。ええ、わかります。
飼い主にじゃれつこうとする小動物なみに可愛らしい姿だが、
眼が真剣すぎて恐すぎる。
「にしてもフェイト、
人様の体を許可なく触りまくりやがって痴女なかお前は?」
「ち、痴女って………………酷いよ陸君!
私は陸君を心配してるんだよ。」
「あー、はいはい。
心配してくれてありがとうございました。」
一応は礼言う。
前にも言ったかも知れないが、もう一度言おう。
基本な生活において、
ボッチだった俺は他人に心配される事自体に慣れていない。
こういった時、
リア充どもはどんな言葉をかけてあるんだろう?
「む~~~~っ。」
「まあまあフェイトちゃん、
陸君本人が大丈夫って言うんだから。ね。
大丈夫なんだよ。」
なのはが言うが、
ぶっきらぼうな俺の態度が気にいらなのか?
フェイトは頬をフグのように膨らませ不満感がバリバリだ。
なのはもこんな感じのフェイトは珍しいのか、
オロオロと迷っている様子みたいだし。
(なんとかしてよ陸君!陸君のせいなんだから!!)
みたいな目でなのはは俺を見つめてくる。
え~~~~~~っ、俺のせいなのかと見つめ返すと
コクコクと頷くなのは。
女性の機嫌良くなる方法なんてハードルが高すぎだろ!
彼女いない歴=年齢の頭で模索しても仕方なし!
態度でしめすしかない!
「えっ?」
驚くフェイトの頭を撫でる。
バカの一つ覚えだろうが、俺にはこれしかできない!
何度目になるだろう。
フェイトの艶やかな金髪をよしよしと優しく撫でている。
「妹」が癇癪をたてた時、
こんな風に頭を撫でると落ちついていった。
フェイトはどうだ!!
願うような気持ちで撫でていると。
「~~~~~~~~~~ッ!」
次第に頬を赤く染め始めるフェイト。
ダメか!
子供の妹には通用しても、
フェイトみたいに大人の女性は通用するほど甘くないのか?
絶望が脳裡にちらっく中、フェイトが
「~~~~ッ!次です!!
次にこんな危ない真似をしたら朝までお説教しますから!!」
なんて言い出した。
頬を赤く染めたまま彼女の叫ぶような宣言に、
「ああ、了解した。こんな事は二度しないと誓うよ」
と返す。
赤→紅に頬を染めるフェイト。
俺の手を振り払い、
壊れたロボットのような動きで外に向かって歩きだしていく。
「行こうなのは!!」
「あ、待ってよフェイトちゃん!」
なのはも慌てて彼女を追いかける。
俺も後に続こうと歩きだそうとした時、
硝子に写る自身の姿を確認してがっかりと肩を落とす。
「やれやれ、服が破れちまったな。」
部屋は一日も経たず破壊され、衣服は破れた。
そっと肩に触れると、
長袖だった衣服は肩の部分からなくなってしまっている。
「ーーにしても、俺が受けとめきれないとはな…………。」
拳を握り絞める。
「Boost(ブースト)」倍加を使わなかったとはいえ、
たいした魔力だった。
さっきの砲撃魔法に限定すれば、
堕天使の上位クラスに匹敵する威力だ。
フェイト、シグナム、ヴィータにはやて。
全員が「スターライトブレイカー」と同等の魔法を使えるなら、
神器には勝てるだろう。。
だが、もしも、これがなのは達の限界ならーーー
「残念だが、これでは神滅具には通用しない。」
断言する。
戦闘用の「神滅具」なら、
「スターライトブレイカー」程度の魔力砲撃は普通だ。
ドラゴンボールでいうなら「普通」のエネルギー波でしかない 。
そんな貧弱な攻撃で「神滅具」を倒せる筈がない。
「くそっ、貧乏くじだよな。」
言いにくい事ではあるが、伝えなくてはならないだろ。
でなければ彼女達に重傷者、最悪死者が出かねない。
俺は頭をかく。
なのは達にどう告げよう。
それだけを考えながらフェイトとなのはに続いた。
次は「顔合わせ」です。
ようやく陸がフォワードのメンバーと合います。
感想がありましたらガンガンください。
お待ちしています。
心が折れない程度で。