魔法少女リリカルなのは ~現れた赤龍帝~   作:断崖

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遅くなりましたが更新です。


買い物

なのはとフェイト、

フォワードメンバーとの楽しい朝食(?)を食べおえると同時に、

休み時間が終わったのか、

食堂がにわかに騒がしくなっていく。

パタパタとあわただしく動き回り、

それぞれが仕事場に歩いていく人々。

スバル達もなのはと一緒に訓練場に行った。

これから午前の訓練があるらしい。

俺は小さな旗をパタパタと振りつつ、

がんばれーと声援だけおくる。

 

(相棒はこれからどうするんだ?

やはり、いつも通り修業するのか。)

 

(それもしたいんだが、

なのは達の訓練を見るのもいいかな~~とも思うんだよな。

一応は面倒をみるわけだし。)

 

カップに入った珈琲を飲みつつ悩む。

修業すべきか。見学すべきか。

どちらの行動をとるべきか考えていると、

影がおちる。

 

「ちょっといいかな陸君。」

 

「なんだフェイト。忙しいから少しだぞ。」

 

「えっとね、全然忙しそうには見えないよ。」

 

上からのぞきこむフェイトがちょっと困った風に笑う。

俺はカップをテーブルに置き話を聞く体勢をつくり、

フェイトの言葉をまつ。

ニッコリと笑ったフェイトが、

 

「お買い物にいこう♪」

 

「へっ?」

 

なんて言い出す。

誰と誰が?何処に?なんで?

いきなり過ぎた彼女の言葉に理解が追いつかないまま、

腕を捕まれ。

 

「いこ!陸君。」

 

「ちょっと、まっ、」

 

間抜けな声しかだせない俺を、

フェイトは強引に引きづりながら歩きだした。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「陸君、これもどうかな?

陸君に似合うと思うんだけど。」

 

パッと広げられるTシャツ。

訳がわからん生物のイラストがプリントされている。

正直、気持ち悪い代物なんだが。

 

「ああぁ、似合うじゃないか?センスがよくて。」

 

「そうだよね。

………………うん。これも買ってくる。」

 

笑顔でレジに向かって歩いていくフェイトを見送り、

見えなくなったところで肩を落とす。

 

「フゥ~~、女性との買い物は以外と疲れるもんだな」

 

仲間から女性の買い物には時間がかかるとは聴いていたが、

ここまでかかるとは予想外。

壁に表示されている時計を見ると、

ただいまの時刻は十二時三十八分。

車での移動時間を抜いたとしても三時間以上は経過している。

両方の手には時間と共に増えていく、

パンパンに膨らんだ買い物袋を見ながらドライグに愚痴る。

 

(なぁドライグ、

買い物後どれぐらいで終わると思う。)

 

(さあな、少なくとも直ぐは終わらないだろ。

我慢しろ相棒。)

 

(………….……我慢しろって言われてもよ。)

 

六軒めだぞこの店で。

ため息をつく。

陸君の服を買う。

それが今日の買い物の目的らしい。

確かに、服は元々着ていた服と、

ヴィータに貰った一着に管理局の制服ぐらいしかない。

流石にこれだけでは日常生活に支障がでかねない。

そんな理由でやってきたグラナガン最大のショッピングモール。

始めは珍しくて楽しかったが、

流石に洋服屋だけに三時間以上もいれば飽きてくる。

そもそも服装にたいしたこだわりもないし、

お洒落にも興味はない。

どんな豪華な服を着ても戦闘すれば破れるだけだ、

なら始めから安物の服をでいい。

 

(退屈だ~~~~、修行して~~~~~~。)

 

(……………一種の病気だな。)

 

失礼な!!

修業は生活の一部みたいなもんなんだよ!!

サボると若干落ちつかないだ。

壁に背を預けて欠伸をかみ殺してじっと待つ。

 

「お待たせ。」

 

紙袋を持ったフェイトが会計を終えて帰ってきた。

ざわめく周囲、

おもに男性達が。

改めてフェイトの格好を見る。

今のフェイトは管理局の制服姿ではなく、私服姿だ。

ノースリーブスの白いワンピースに、

薄い緑色をした透けたショールを羽織っている。

良いとこのお嬢様みたいな格好に、

騒がない男性がいるはずがない。

 

「どうかしたの?」

 

「いや、その、なにがと言うわけじゃないんだがな、

えっと、何でもないです。」

 

「??変な陸君。」

 

微笑むフェイトに、

恥ずかしさがこみ上げてくる。

「行くぞ」と歩きだす俺に、フェイトがついてくる。

 

「でも本当にいいの?全部私が決めちゃって。

陸君が着たい服とかない?」

 

フェイトが会話をふってきた。

困る。が返さないわけにはいかない。

 

「ないね。ついでに興味もない。

服なんて着れればいいだろ。」

 

「もー、そういうこと言わないの。」

 

呆れるフェイト。

つーか、

一軒目で選んだやつを「地味」だと言って却下したのは

フェイトだろうが。

喉まででかかった言葉を呑み込み。

違う話題にするためなにかないか周囲を模索していると、

ぐう~~と腹が鳴る。

 

「すっごいお腹の音。ぐう~~~~って。」

 

クスクスと笑うフェイト。

俺は腹を押さえながら反論する。

 

「仕方ないだろ燃費が悪いんだよ俺の体は。」

 

周囲に飲食店はたくさんあるが、

どれも人が並んでいてすぐに入れそうにない。

屋台物で我慢しよう思った矢先。

 

「お、フェイトあの店に入ろうぜ。」

 

空いているファミレスのような店が見え、指をさす。

 

「ちょうど空いているみたいだしさ。」

 

「あのお店ですか。」

 

俺が指した店。

看板には「地獄」と表示されている。

不吉な雰囲気がある店だが、この際しょうがない。

 

「いいから行こうぜ。待ちたくないし。」

 

「はい。そうしましょう。」

 

二人で店のドアをくぐる。

「いらっしゃいませ」とおきまりの挨拶を聞き、

テーブルにつく。

店員にハンバーグセットとパスタを注文する。

コップに入った水を一気に呑みほし、訪ねる。

 

「そんで、まだ服を買うのか?」

 

「う~~~~ん、そうだね。

これだけあるなら一ヶ月は大丈夫だと思うから、

後は生活用品を買って終了かな。」

 

フェイトがテーブルの下にある紙袋を触る。

なるほどね。

それだけなら後一時間ぐらいで終わりそうだな。

さらに質問する。

 

「金の方は大丈夫なのか?

服代だけでもかなりの額を使ったと思うんだが。

足りる?」

 

「それは平気ですよ。」

はやてからカードを預かっていますから。」

 

カードをみせてくるフェイト。

それってはやての自腹なんじゃ………………。

苦笑いで答えるとフェイトが言う。

 

「この後はどうしましょう。

買い物が終わったら陸君が寄りたいところ、

興味がある場所。

店内だけじゃなくて、近くなら図書館などの施設にもいけますよ。」

 

「寄りたいところねぇ~~」

 

椅子に背を預けて思案する。

早く終わったなら帰って修業するのも悪くはない。

だが、正直なところ興味がないわけではない。

ひかれる場所は車での移動中に幾つもあったし、

時間が許す限り外の施設を全部回ろうーーー

って言いたいところだが。

 

「ウィンドウショッピングをしようぜ。」

 

「ほえっ?」

 

「今日はこのショッピングモールを楽しもう。

「見て」驚いて、欲しい物は我慢せず買って、

遊んで、今日という日を楽しもう。

外の施設は次の機会に行けばいい。」

 

ポカーンとした顔をするフェイト。

数秒の時が経つとその顔が少しづつ綻んでいく。

 

「陸君もそんな顔できるんだね。驚いちゃった。」

 

クスクスと笑うフェイト。

 

「うん。いいと思うよ。

私もこの頃休んでなかったから、いい気分転換になると思うし。」

 

「よし!なら決まりだな。」

 

予定は決まった。

同時に「お待たせしました」と、

注文したハンバーグセットとパスタがテーブルに置かれた。

 

「「いただきます。」」

 

意気揚々と俺はハンバーグセットを、

フェイトはパスタを口に入れた。

瞬間ーーーーーー

 

「「!!!!!」」

 

コトリ、と互いがフォークを落とす。

理解した。

なぜ、この店には一人も客がいないのかを完全に。

口を押さえてトイレに走り出すフェイト。

涙目だ。

俺はなんとか飲み込み、

テーブルに突っぱねる。

 

(こ、この、て、程度の毒で俺を倒せると思ったか!!

俺を殺したいなら三倍は持ってこい!!)

 

(なら三杯食べて試してみてみたらどうだ。)

 

(……………………)

 

無言で椅子を立ち上がりレジに向かい、

途中でフェイトと合流。

レジにいる店員にお金は払い「地獄」を後にした。

そして、誓う。

二度と「地獄」に行かないことを。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

後あと屋台の定番の品のフランクフルトを購入して、

安心な味に落ち着きを取り戻した俺とフェイト。

生活用品の買い物を先済ませ、

気になる店に入り見学する。

百円ショップで珍しげ物を見て回り。

古本屋でのは勉強になりそうな本を買い込み。

ペットショップで可愛すぎる動物達とふれ合い、

癒された。

大通りにある次々と店を制覇していく中、

フェイトがある一軒店で立ち止った。

 

「どうかしたか?」

 

「ううん。なんでもないよ。」

 

そう答えるものの、

フェイトの視線は横に長いガラスケース、

その一箇所に釘付けになっている。

中にはピンクの首輪に小さな鈴がつけた、

白猫のぬいぐるみがある。

 

「欲しいのか?なら買えばいいじゃないか?」

 

「うん。でもこれ値段がないの。」

 

フェイトがぬいぐるみを指さす。

本当だな。

値段どころか値札すらない。

かわりに「1」とだけ書いた紙が張ってある

 

「お客様。その商品は景品となっています。」

 

ニコニコと営業スマイルをした女性店員が話しかけてきた。

 

「「景品(ですか)?」」

 

「はい。

あちらにあるゲームの優勝者に渡すことになっております」

 

店員が示した先にあるのはゲームセンター。

クレーンゲームにメダルゲーム、レースゲーム、

ダンスゲーム等々、たくさんのゲームの筐体が建ち並び。

大勢の人達が遊んでいる中で、一際賑わっている筐体がある。

 

「………………パンチングマシーン?」

 

ドン!!

グローブを着けた男性が殴りつける。

軽快な音が流れ、パンチ力が提示られた

156キロ

男がガッツポーズを決め、

ワーーーワーーー!!と騒ぐ野次馬達。

 

「あれって高い方なのか。」

 

「ベスト5ですね。

あちらに1から5の記録が呈示してあります。」

 

トップの記録は223キロか。

高いか低いか判断しづらい微妙な数字だ。

しかし、あの程度ならいけそうだ。

 

「どうかな、「猫」取れそう?」

 

不安そうに横から俺を見上げてくるフェイトに俺はO.K.サインをだす。

ラクショーだ。

普通の人より多少強めに殴ればいいだけ。

歩きだす俺をーーー

 

「ちなみにチャレンジャーは後二人だけです。

どうですかやってみませんか?」

 

「いえ、私じゃあとても、100もいかないと思いますし。」

 

素通りして店員はフェイトを誘う。おい、なんで俺に言わないの?

そんなひ弱に見れたりするの俺。

 

ドゴン!!!!

 

振動と爆発音が床に響く。

ショックを受けていた俺が筐体に視線を向けると、

一人のガタイいい男がいた。

顔はイケメンで、

Tショッとジーパンだけのラフか格好。

身長はニメートル前後はある長身に、

Tシャツ越しでもわかるほどの分厚い筋肉が全身を覆っている。

 

(なんだアイツ?)

 

警戒する。

パンチングマシーンがだした記録は875キロ

段違いの数字に反応もできずに黙りこくる野次馬達。

男は首を回して一瞬だけ俺を見てから、

そのまま人込みにまぎれた。

 

「凄かったねあの人。運動選手か何かかな?」

 

「だといいんだがな………………。」

 

フェイトに予想に疑問を感じる。

あれはスポーツで鍛えた体じゃない。

明らかに「戦う」為に、

「敵」を「殺す」ことを目的に鍛えた体だ。

それにあの魔力はどこかでーーーー

 

「 あのどうかしたの、顔が強張っているよ。」

 

「あ、なんでもない。」

 

袖を引っ張る感触と、

フェイトの声で我にかえる。

男の姿は既になく、魔力も感じ取れない。

 

「あの男性が気になるんですか?」

 

視線の先に気づいたフェイトが言うが、

俺は首を横に振る。

 

「いや、

どれぐらいの力で殴ればマシンを壊さずに一位をとれるか、

を考えていただけだ。」

 

「ダメだよ壊しちゃあ、はやてに叱れるちゃうよ。」

 

自信の腕を交差させて×マークを作り、

注意を促してくるフェイトに頷きかえす。

 

「だよな。俺も長々と叱れるのは勘弁だから、」

 

肩を回しながら筐体まで歩き、

コインを投入する。

 

「しっかり加減して殴るよ。」

 

軽快な音流れ、拳にグローブをはめる。

深く深呼吸。

 

(イメージしろ。体をイメージ通りに動かす。

壊さないように…………これぐらいか?)

 

踏み込み、拳を目標に叩き込む。

トガン!!!!!!

衝撃が筐体を貫き、後ろにいた人達が吹き飛んでいく。

 

(げ、力を込め過ぎたか!!)

 

出来るだけ手加減して殴ったつもりだったのだが、

加減が難しいな。

 

「ーーーーーーーーーーーッ」

 

フェイトが真剣な表情でモニターを見つめ、

パンチ力を計るメーターが記録を表示。

998キロ

ギリギリイッパイだ。

グローブを手から外して、

冷や汗を拭いマシンを壊さずにすんで事に安堵する。

 

「やってね、陸君スゴい!!」

 

「ざっとこんなもんですよ。」

 

パチーンとハイタッチを俺とフェイトに、

店員が紙袋を持ってきた。

 

「おめでとうございます。

こちらが景品になります。落とさないでくださいね。」

 

フェイトが店員から大きめの紙袋を受け取とり 。

ドサッ。

猫の一体が床に落ちて、コロンコロンと転がる。

 

「落ちたぞ。」

 

「………….………‥…。」

 

「?どうかしたのかフェイト。猫拾ってやれよ。」

 

なんだ?どおかしたのか。

その場から動こうとしないフェイトの代わりにヌイグルミを拾い、

手で汚れを払う。

 

「大変だよどうしょう陸君。」

 

「だからなにが大変なんだよ?」

 

俺の問いかけにクルリと振り返るフェイト。

 

「ゲッ!」

 

唖然。

開いた口が塞がらずない。

フェイトが抱えているパンパンの紙袋には、

様々な模様、色をしたヌイグルミが山のように積まれていた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「可愛い猫さんなのです~~。

ありがとうございます。大切にしますね。」

 

「そうしてやってくれ。そのほうが猫も喜ぶ。」

 

「は~~~~い♪」

 

青猫のヌイグルミを

抱きかかえ上機嫌で通路を飛んでいくリィン。

紙袋に溢れるほど入ってたヌイグルミもいまので後一つになった。

あの後ショッピングモールから帰った俺達は、

大量に貰ったヌイグルミをどうするかを協議した結果。

みんなに配ることにした。

まずはフェイト。

次に食堂で食事をしていたスバル達に、

医務室で喋っていたヴィータ、シグナム、シャマル。

隊長室にいたはやてと、

通路に浮いていたリィンに渡していき、

最後はなのはに渡せば終了だ。

何処にいるのか探る。

 

「訓練場にいんのかあいつは、こんな時間までなにしてんだか。」

 

魔力波動を感じとりが彼女がいる方向に歩く。

建物を出て、暗い夜道をしばらく進む。

…………………いたな。

芝生に座っているなのはを発見。

 

「よっ、なのは、

遅くまで御苦労様だな。」

 

「………………………………。」

 

「仕事はそろそろきりあげて休もうぜ、明日もあるんだからさ。」

 

「…….………….……。」

 

反応が返ってこない。

不信に思い膝をおって、彼女の顔を覗くと、

すやすやと気持ちよさそう寝ていた。

 

「~~~~ダメだよフェイトちゃん~~~

それは~~~~みんなが寝静まってからじゃないと~~~~~~。」

 

訂正、気持ちよさそうに寝ながら変な寝言を呟くなのはがいた。

 

(どんな夢を見てんだかこの子は。)

 

ニュフフフと不気味に笑うなのはに、

一瞬このままスルーしよいかとも考えたが、

風邪でも引かれたら目覚が悪い。

 

「よい……….しょっと。」

 

抱き上げ、部屋を目指す。

「女性の体は羽根のようにかるい」なんて昔は言われていたが、

女性とて人間、それなりに重い。

だが、武術を極めつつある俺なら全然重くはない。

むしろ軽い。

あっさりと部屋についた俺は、

今朝シグナムに縦に斬られたドアを左右に開け、

奇跡な確率で被害を免れたベットになのはを寝かす。

 

「むにゃむにゃ、フェイトちゃ~~~~ん♪」

 

枕をムニュ~~と抱きめるなのはにドン引きだ。

 

「一体どんな夢を見ているだよ。」

 

苦笑しつつシーツを被せ、

ヌイグルミを側におき部屋の外に足をむけ、

 

「おやすみなのは。」

 

「お休みなさい陸君。」

 

なのはの寝言を聞き、

抱きしめられた枕とヌイグルミを横目に、部屋をでた。

 

 

 




感想がありましたら、ドシドシください。
でも、作者の心は障子紙よりもろいので加減してくれると、
助かります。
次は「修業一」です。
修業が終われば次は「ファーストアラート」原作に入ります。
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