魔法少女リリカルなのは ~現れた赤龍帝~   作:断崖

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早めの更新です。
少しでも楽しんでくれたら幸いです。


助けてやる

キャロサイト

 

 

「よ、避けてエリオ、キャローーーーーーーーー!!!」

 

ティアナさんの悲鳴のような叫びに私は意識を取り戻した。

 

「あ、れ?ここは…………?」

 

薄く目をあけた私は、ぼんやりとしたまま記憶を辿っていき。

 

「落とされたんだ私たち。」

 

いきなり現れた魔物群れ。

それは群れは次々になのはさんフェイトさんに襲いかかり、

私たちにも向かってきた。

エリオ君は私と二人ではあの数に対応できないと判断。

フリードに乗ってティアナさんたちと合流しようとした時、

敵の襲撃を受けて落下した。

状況を少しずつ思い出した私の耳に。

ヒュン!と風を斬る音がなり。

大きくて尖った鳥の爪が私たちの胸をめがけて落ちてくる。

 

「ーーーーーーッ!!このーーー!!」

 

ガシュン!ガシュン!ストラーダから薬莢が排出された。

隣にいたエリオ君がジャンプして、迫る鳥にストラーダを振るう。

 

「エリオダメーーーーーー!!」

 

「えっ、がはっ!!」

 

ティアナの警告も虚しく、

エリオ君は背中から迫ってきた巨大鼠のタックルに吹き飛ばされてしまう。

 

「キャロ逃げて!早く!」

 

ゴロゴロと転がりつつも、

覆い被さり噛もうとするネズミに抵抗しながらエリオ君は叫ぶ。

鋭い爪はすぐそこにきている。

 

「避げ………なか…き…………ゃっ。」

 

今の自分がどうなっているかはわからないけど、

空が見えるってことは仰向けになっているはず。

私は混濁する意識のなんとか繋ぎ合わせて、必死に体中に力をいれる。

 

「イタッ!」

 

力をいれた足に腕、いたるところが痛いくてとても動けない。

鋭い爪が迫せまってくる。

 

「ーーーーーない。」

 

魔法も痛くて集中力不足でつかえない。

フリードもダメージせいか小さな状態に戻り、疼くまってしまっている。

 

「ーーーーにたくない。」

 

逃げられない。怖くて涙がでてきた。

あんな大きな爪に刺された、

バリヤジャケットを着ていても串刺しにされたてしまう。

 

「死にたくないよ。」

 

押し潰されそうな圧迫感に目を瞑り、顔を反らす。

溢れる涙が頬を伝わり地面を濡らしていく。

なのはさん、フェイトさん、スバルさん、ティアナさん、エリオ君。

お願い、誰か、誰か助けて。

 

ガキン!!

 

甲高い金属音がきこえて一緒に圧迫感が消えた。

重たい頭をゆっくり横にずらしと目を上に向ける。

 

(……だ………れ…………?)

 

涙でぼやける私の視界に赤い鎧姿の背が映る。

鋭角なフォルムをした小さなドラゴンのような全身鎧。

誰だろう?と困惑する。こんな人いたかな。

背丈が高いからエリオ君じゃないよね。

 

「邪魔だ。」

 

ドゴン!!

風圧と共に何かはかってに吹き飛んでいき、大きな鳥が消えてなくなる。

風の音で声がうまく聞き取れなかったけど男性かな?

赤い人は私の傍に近寄り、膝をつく。

 

「手酷くやられたな。大丈夫か?」

 

鎧の人は私を優しく抱き起こし、傷を触って具合を確かめ始めた。

 

「これぐらいなら大丈夫かな?」

 

「…………貴方は誰ですか?どうして私を。」

 

「?なに言ってるんだキャロ、ーーーって言いたいが流石にわからないよな。」

 

カシュン

赤い人が兜のマスクを収納、素顔が見えた。

黒い髪、鋭い目付き、整った顔つき。

 

「藤田さん?」

 

「おう、藤田陸だ。びっくりしたか。」

 

こくこくと頷く私。

フェイトさんから神器のことは聞いてはいたけど、

こんな風にもなるんだ。すごいな~~~。

 

「あの、私ーーー」

 

「神滅具相手によく頑張ったな、偉いぞ。」

 

優しく笑い私の頭を丁寧に撫ではじめた陸さん。

時々固い金属が当たって少し痛い。

けど、とっとも安心できた。

優しさと温かさが伝わってきて、すごく心地いい。

まるで、暖かい大地に包まれている感覚に。

 

「う、う~~~~っ」

 

「よしよし、怖かったよな。けど、もう大丈夫だからな安心しろ。」

 

私は藤田さんに力いっぱいしがみつき泣く。

怖かくて潰れそうだった心に藤田さんの言葉が染み込み、

溢れる涙がとまらない。

藤田さんの胸にしがみつき声をだして泣く私を、優しい抱きしめ。

 

「必ず「助けてやる」から、あとは俺一人に任せておけ。」

 

ぽんぽんと背中を撫でて軽く叩いて立ち上がり、背をむけて歩きだす。

振り返らないそのおおきな背中にーーーードクン。

 

「?な、なに、この感じ」

 

顔が熱くなり高鳴る胸元に手を置く。

今までに感じた事ない感覚に戸惑いながらも、嫌じゃあない自分がいた。

 

 

 

キャロサイト終了

 

 

 

陸サイト

 

 

 

(やってくれたなコイツら。)

 

真っ赤に染まった灼熱右腕。

怒りで拳を強く握りしめつつ、心を落ち着かせ冷静に魔力を凝縮していく。

顔を巡らせれば、

何処で見たことのある魔獣が空に陸に大量にいる中で

周辺にいる仲間状況を観察。

手狭なリニアレールの上、俺とキャロを中心に前方にエリオ、

後方にスバルとティアナ。

みんな随分とやられているが、先ずはエリオからいくか。

 

「エリオ頭を下げろ。」

 

「えっ?」

 

エリオがいる前方の空間を右手で殴った。

ドン!!!拳圧が化けネズミの頭部だけを打ち砕く。

うむ、我ながら見事な手加減。

 

「はぁ、はぁ、藤田さん、助かりました。」

 

「礼はいいからこっちで休憩していろ。立っているのも辛いんだろ。

あとは俺一人で大丈夫だから。」

 

ガクガクとエリオの脚は細かく笑っている。

ダメージだけではない。

初めての任務でいきなり神滅具と戦ったんだ、怖くて当たり前。

生きてるだけでも上等な結果だ

 

「あ、ありがとうございます。よろしくお願いします。」

「おう、任せおけ。」

 

これでキャロとエリオの二人は大丈夫だな。

次は、ティアナとスバル。

 

「藤田さん!こっち、こっちにも景気よくお願いします!」

 

「スバル!余所見しないで!!」

 

魔獣に囲まれ応戦しつつ、ブンブンと手を振って助かを求めるスバルと、

魔力弾を放ちつつ、それを危ないと注意するティアナ。

……….……色々な意味でこれ以上は厳しそうだな?

 

「二人とも左右に二歩よれ。」

 

魔力弾を撃ち込み、二人の戦っていた魔獣まとめてを消し飛ばす。

 

「わわっ、ギリギリセーフ!!」

 

「ッ!!」

 

端のギリギリ、間一髪で避けた二人。

魔獣はすべて消滅。これでリニアレールには仲間以外居ない。

あとは上だけか。

 

「…………魔法陣がない。フェイトたちが破壊したのか?」

 

見上げた空に魔法陣はなく。綺麗さっぱりなくなっている。

「絶霧」が撤退したから他も逃げたのか……………?

 

「ディバイン・バスターーー!!」

 

「ハーケン・ザンバーーー!!」

 

魔獣の群れをなのはのピンク色の砲撃が突き抜け、フェイトの翔ぶ斬撃が切り裂く。

二人の魔導師は魔獣の数を順調に減らしていく。

 

『以外とできるな、あの娘たちは。』

 

(まあな、…‥…だが、時間がかかりすぎだな。)

 

なのはとフェイトは頑張っている。

時間をかければ全部倒せそうだが…………魔獣の数が多する。

あのままの撃破ペースでは二十分はかかってしまい、

キャロたちの怪我が悪化する恐れてもある。

チンタラしてはいられん。

 

「聞こえるか二人とも。」

 

「陸君!」

 

「無事だったの。」

 

モニター越しに映る彼女たちに、ぐっと親指をたてる。

魔獣の無駄に数が多くて時間がかかってしまったが、それだけだ。

 

「今からデカイのを撃ち込むで敵を一掃する。二人とも上手く避けてくれよ。」

 

「ほえっ?ちょ、り、陸君」

 

「デカイのって何をーー」

 

戸惑うなのはとフェイトの質問を遮り、目を瞑り深呼吸。

あの日開発して以来使っていないモードだからな、あんまり使い慣れていない「力」。

暴発しないようにイメージを頭にしっかりと叩き込む。

それは何物にも止められない最強の弾。

それは万物を貫く無双の矛。

それは天を穿つ閃光。

 

「『砲撃(ブラスター)』モード起動。」

 

ズン!!

地面にアンカーを射し込み、体がぶれないように固定。

俺の体中に赤い魔力が集まり形をなしていく。

創られたのは背中のバックパックと、

肩に腰、腕、太股、体のいたる箇所できた大小様々なキャノン。

ブゥゥゥゥゥ…………。

静かな鳴動が始まり、魔力がすべてのキャノンの砲口に集まっていく。

時間がかかり、魔力の消費も激しいこのモード。

使い道がないと思っていた『力』が役にたつ日がくるとは、人生わからんもんだ。

 

「…………なのは、あれって。」

 

「避けるよフェイトちゃん!」

 

砲撃の射角上から急ぎ外れた二人。これで遠慮なく撃ち込める。

キャノンにエネルギーが溜まった。

 

「消・え・ろーーーーーッ!!ドラゴンブラスターーーフルバーースト!!!! 」

 

「『Boost 』(ブースト)『Boost』(ブースト)」

 

ズバァァァアアアアアア!!!

体中の砲口から極大の魔力弾が放射されていく。

地面からアンカーが外れそうになるほどの勢いに、

脚に力を込めてなんとか踏ん張り堪える。

放出された莫大なエネルギーが魔獣の塊を容赦なく呑み込んでいく。

 

「ーーーーーーーーーーーーーーーー」

 

悲鳴はない。っーかできない。

黒い塊は空を穿つ赤い魔力の奔流に中で消えていく。

 

「…………こんなもんかね?」

 

「ほえ~~~っ、すご~~~~~い。」

 

「ーーーーーーうそでしょう。」

 

スバルとティアナは驚きながらも感想を口にする。

広がる青空には魔獣の姿はない。

エネルギーが空の彼方に消え、俺は体中のキャノン砲をパージ。

パージされたキャノン砲は淡い光になって霧散した。

 

「随分鈍っているなこりゃあ、我ながら情けない威力なってやがる。。」

 

頭をかき、ため息をつく。

訓練をサボっていたせいか、イメージが完璧ではなかったのか。

威力が大分落ちていた。

二回も『Boost』(ブースト)を使ってこの威力。

昔なら倍はあった。

 

「陸君!!」

 

「わかってるよフェイト。」

 

フェイトの鋭い言葉に思考を中断して頷く。

まだ油断は出来ない。

強制的に移動させられる「絶霧」に、白龍皇の得意な「空間跳躍」もある。

何処から新しい敵が現れても不思議じゃない。

空ではなのはも周辺を警戒している。

 

「ほっと、」

 

赤い魔力を薄く放出。

自身の周囲数十キロに結界を拡げ探知領域内に「魔力」「気」「歪み」、がないか調べる。

普通の人間を探すには向いてない方法だが、

「特定」の人間、「特殊」な移動方法の兆しを察知するだけならなんとかなるはず…………

 

「……….…………………………。」

 

敵の捜索に集中する俺の前をそわそわと動き回り、落ちつきのないフェイト。

 

「どうかな?」

 

「………………いないようだ。敵は完全に撤収したらしい」

 

「そう、よかった~~~~。」

 

フェイトは安堵の息をもらして安心する。

これ以上の戦闘はないだろう。

俺は禁手を解除。鎧は淡い光になり消えていく。

 

「後はレリックを安全に確保すれば任務は終わり。

疲れていると思うけど、もう少し頑張ろ。」

 

「「「「は~~い。」」」」

 

的確な指示をだすなのはに、

返事をしたスバルたちが弱々しくも歩き出していく。

スパルタだな。

年長組の二人はは良いとしても、

年小組は少しぐらい休ませてもいいと思うんだかな。

 

「ーーーーキッ!!」

 

一瞬だけ睨みつけてきたティアナ。

 

「「藤田さん!」」

 

「ああっ」

 

パァン、上げられたスバルとエリオの手にハイタッチを交わす。

 

「藤田さん。」

 

「ん、なんだキャロ?」

 

キャロだけが俺の前で立ち止まった。

あれ、スバルたちと一緒に行かなくていいの?

 

「あの時は助けて頂いて、本当にありがとうございます。」

 

ぎこちなく帽子を取り外し、頭を下げたキャロ。

フリードもペコリてお辞儀。

 

「礼なんて要らん。俺は当然の事をしただけで特別な事をしたわけじゃない。」

 

「そんな事ありません!藤田さんが助けてくれたから私は無事なんです。

なにかお礼をさせてください。」

 

「いや、いらんてそうなもん。」

 

ぐいぐいっと顔を寄せて興奮気味なキャロに押されて俺は下がる。

いつになく強気だ。こっちとしては怪我のほうが心配なんだが。

 

「ヘリでも言っただろ。ピンチの時は何時でも

「助けてやる」「教えやる」「なんとかしてやる」ってな。」

 

「でも藤田さんーーーいたっ!」

 

しつこく迫るキャロの額にデコピンをかます。

膝をおり、いたい~~と半泣きで呻くキャロに目線をあわせ。

 

「でもも、かかしもねーよ。

お前たちはまだ子供なんだからもっと大人(俺)に頼っいいんだからさ。」

 

「藤田さん………………。」

 

「頑張ったな偉いぞキャロ。」

 

「………………はい、ありがとうございます。」

 

グリグリとキャロの髪を撫でまわす。

頬を微かに赤く染め「ん~~」っと気持ち良さそうに目をつむる。

女の子特有の柔らかい髪は触っているこっちも気持ちいい。

小さくても女の子なんだな~~と関心してしまう。

 

「キャロ~~~置いてくよ~~~?」

 

「あ、わかりました。今、行きます!」

 

スバルに呼ばれて名残惜しそうに俺を見つめた後、

ペコリとお辞儀して走っていく。

 

「陸君ってロリコン?」

 

「違うわ!!」

 

断じて違う!

なんでも「ある」に越したことはない!!

謂われもない罵倒に振り替えると。

 

「陸君お疲れ様です。」

 

キラキラと眩しいほど笑顔のフェイト。

 

「お、おう、お疲れ。お互い無事でよかったよ。」

 

「はい。陸君のお陰です。」

 

「ちがうよ。みんなが頑張って戦ったからだろ。」

 

初任務でいきなり神滅具は戦い、死なずに生き残っただけで上出来だ。

相手が手加減していたとはいえな。

 

(しかし、相手に神滅具が三つもあるとはな。)

 

「白龍皇」「絶霧」「魔獣創製」どれも強力な神滅具であるに関わらず、

「白龍皇」は「アレ」だし、「絶霧」の使い手が安倍晴明の転生体。

「魔獣創造」も一癖ありそうだな。

 

『上位の神滅具が揃い踏みだな。油断したら殺されるぞ相棒、気を引き締めろ。』

 

(当然だ。死んでやるきなんてさらさらない。)

 

ドライグの言葉に頷く。

そうだ、まだ死ぬわけにはいかない。

「あいつ」との決着がついていなんだから。

 

「陸君、どうかしました?」

 

「別になんでもないよ。」

 

首を傾げて不思議そうな顔するフェイトを横目に、空を仰ぎ見る。

何はともあれ、初任務は終了だ。

 




次は「呼び方」です。
次もなるべく早く更新していきたいです。
感想がありましたらガンガンください。
障子より脆い作者より。
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