魔法少女リリカルなのは ~現れた赤龍帝~   作:断崖

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更新が遅れてすいません。
駄文ですが、楽しんでくれたら幸いです。


お兄さん

「ええっと、医務室はもう少し先か。

にしても、もう少し近い場所に造ればよかったんじゃねーか?」

 

「そーかな。十分近いと思うんだけど。」

 

明るく照らされた通路をはやてと歩きながら、モニターで隊舎の地図を確認する。

黒いアイコンの俺が動き回り、赤いアイコンの目的地に近づいていく。目的の場所までもう少しなんだが、やたら距離があるように感じてしまう。

速足になりそうな自分を抑えながら、隣を歩くはやてに聞く。

 

「ーーで、スバルたちの怪我は大丈夫なのか?結構な酷い奴もいたから、全治三日ってところか。」

 

「ん~~大丈夫やろ。陸君が言うほど酷い傷はなかったし。ヴィータが言うには治療事態は昨日で終わっているはずやから、医務室に泊まったのはあくまで念のためで心配ないよ。」

 

「まあ、無事ならそれでいいんだがな。」

 

俺が心配しているのは「体」だけではなく、「心」の方も心配だ。トラウマになっていなければいいんだが。

溜め息をつく俺を、はやてがニコニコ顔でこちらをのぞきこんでくる。

 

「…….…なんだよ。」

 

「いやー、陸君もそんな顔するんだなーーって。」

 

「そんな顔?」

 

窓ガラスに映るのはいつも通りの俺の顔だ。

至って変化はない。

はやてが口に手を当てて笑う。

 

「そんな顔しなくてもみんな大丈夫だよ。意外と心配性やな陸君は。」

 

「心配にもなるだろ、昨日の内容を考えればさ。」

 

昨日の初任務。

突如現れた上位神滅具二つとの戦闘は常人ならトラウマものだ。

死んでもおかしくなかった戦闘で俺以外のメンバーは大なり小なりの傷を負ったものの、

死者が出なかったのが不幸中の幸いだった。

急ぎヘリで機動六課に帰還したスバルたちをシャマルは魔法で医務室まで強制連行させた。

なのはは大した傷ではないと言い張っていたが、

シャマルの気迫に負けず結局は連行。

フェイトも同様につれてかれ、残ったのは俺も一応ついていき検査を受けた。

結果、なのはたちは一日の入院。

俺は何事なく部屋に帰宅したわけだがーーーー。

 

「つーか、そこまで酷い傷はないって連絡はしておいたのに、シャマルはなんであんなに慌てていたんだ?」

 

「嫁入り前の女の子に傷が残ったら大変やろ。だから早く治したかったんでしょ。」

 

「そんなもんかね。」

 

頭の後ろで腕を組み頷く。

一応納得したかのようにみせたが、はやては嘘をついている。

あの時、みんなの体を検査をしている時のシャマルは集中力は異常だった。

瞳が恐いぼどに真剣で掠り傷一つ見逃さず、機械で入念に調べていた。

まるで仲間を「失う」ことを恐れているように。

シャマルの過去になんかあったのか…………

おもいふけっていると、今度ははやてが溜め息をついた。

 

「そんで、私がこんな朝早く起こされた訳を聞いていいやろか。」

 

「今さらだな。忙しいはやてが唯一暇な時間は朝だけだろう?」

 

「それはそうやけど…..……。外は見てみて。」

 

はやてが指さす外を見てみる。

太陽の僅かな光が海を照らし、

海面が波打つたびにキラキラと輝くは景色は幻想的でもある。俺は頬を掻きながらはやてと向き直る。

 

「まあ、柄じゃないが綺麗だよな~~、ぐらいは思うぞ。」

 

「私もそう思う~~、って違う!!!いくら何でも早すぎる時間やって意味!!!」

 

はやては不機嫌そうにガオーと頬を膨らませる。

おお、ノリツッコミがきた。

怒り心頭のはやてがビシッと俺を指さす。

 

「しかも扉を壊してからに!どうしてくれるんや!!外から中が丸見えなんやで! 」

 

「カーテンでも引いておけば問題ないだろ?」

 

「問題ありすぎや!!!」

 

怒りのあまりはやての頭に角が見える。

扉を破壊した事がそんなに許せなかったのか?

仕方ないだろ。部屋に行ったら入れなかったし、ノックしても返事がなかったんだから。

俺は仕方なく扉を破壊して寝ている彼女を拉致して連れてきた。

ハア~~ッと、はやてが廊下中に響き渡るほど盛大ため息をもらす。

 

「はやて、溜息をつくと幸せが逃げるって言うらしいから、しない方がいいぞ。」

 

「溜息をさせている本人が言いますか。」

 

はやてがガクリと肩を落とす。

 

「おっと、ここか。」

 

喋って歩いているうちに目的の部屋、医務室に到着する。部屋の前で立ち止まる。

 

「……………入らんの?」

 

はやての言葉にビクリと肩が揺れる。

 

「いや、寝ているところを起こしたら悪いかな~~と思ってな。

最悪声を聞いて無事だけでも確認できればいいし。」

 

「こんな朝早く人を起こして、扉まで壊した人がどの口で言いますか。」

 

グサリ!!!

ボソッと呟くはやての言葉の剣が胸に突き刺さる。

扉の前に立ったまま一向に進まない俺を、はやては邪悪そうにニヤァッとした笑いを浮かべる。

 

「ははん、もしかして緊張しているんか。最強の赤龍帝の陸君がお見舞いごときに。」

 

「 まさか、そんなことあるわけがないだろ。」

 

「本当かな~~~~怪しいな~~~~♪♪」

 

うりうりと俺の頬をつつくはやて。

その顔わかっていて言ってやがるな。

ダラダラと背中に汗が滝のように流れていく中、俺は苦笑いする。

見舞いにいくほどの友達……….….つーか友達自体がいなかったんだから、やり方がわかねーだよ!!

ボッチ嘗めんな!!

はやては俺を押し退けインターホンに手を伸ばす。

 

「陸君が入らないなら私が入るで♪」

 

「ちょ、ちょっとまて、まだ心の準備が出来てない!」

 

「んなもん入れば覚悟もきまるもんや。」

 

俺が止めるより早くインターホンが押される。

 

「ちょーーー」

 

「はやてやけど入ってええかティアナ?」

 

「はやて部隊長!は、はい、どうぞお入りください。」

 

緊張したティアナの返事に扉が横にスライドされた。

振り返ったはやては、俺の後ろに回り込む。

 

「ほらほら陸君も行くで。」

 

「お、おいはやて。」

 

嫌だな~~と思いながらも、観念した。

どのみちスバルたちの体の具合を確める必要はある。

俺はグイグイとはやてに背を押されるままに中に入る。

 

「「あっ」」

 

「えっ、ふ、藤田さん?」

 

ティアナと目が合い、互いに硬直する。

時が止まった。

着替え中だったらしい。

衣服の類いは一切着ていず、薄いオレンジ色のブラをだけ。

下も穿いてはいるが、スカート履いていない。いわゆる下着姿。見ては駄目だと顔を右に反らす。

 

「ふ、ふふふ藤田さん?」

 

「あっ!」

 

俺の体は再び停止する。

右側、カーテンで仕切られた場所からスバルとキャロが現れた。

二人も着替え中だったらしい。

おそろいのライトブルーの下着と靴下だけの格好のスバルと、フリルのついたピンク色の可愛いい下着姿のキャロ。

 

(.….………..ヤバイな、これは予想外の展開だ。)

 

これまでの人生で数えきれないほど似たようなイベントをこなしてきたが、これはその中でも最大級だ。

なぜか俺はこういうシーンの遭遇率が高い、赤龍帝の力のせいか?

動けない彼女たちとは違い、俺は冷静に状況を打破するすべを考える。

経験上、人がパニックから回復する時間は数秒ぐらい。

この短い時間をどう活用するかが生死を分ける。

さあ、最高の選択はどれだ?

 

一、後ろに下がって部屋から逃げる。

二、顔を手で覆い、見ていない事を伝えてから逃げる。

三、頭を下げて素直に謝って逃げる。

 

結局全部逃げんのかよ!!!

 

「「キッ」」

 

「陸君見ちゃアカン!!!」

 

「げっ!」

 

止った時が動きだす。

はやては平手打ちのために手を大きくふりかぶる。

ティアナとスバルは顔を赤く染めあげながら、しゃがみこむ。

同時にタオルで身を覆い隠すと、大きく息を吸い込む。

ヤバイヤバイ!!悲鳴をあげられたら、要らん誤解を招く!主になのはとフェイトに!

仕方ない。騒ぎを鎮める為に全員を気絶させる。

握拳を手刀に替える。

「お兄さん♪♪」

 

「「キャロ?!?」 」

 

はやてのビンタより、ティアナたちが叫ぶより、

俺より速くキャロが動いた。

キャロは弾んだ声をそう言うと下着姿まま抱きついてきた。

 

「なっ!」

 

僅かに動揺はするが、無事にキャロを受け止める。

どこぞの主人公は一緒に倒れてラッキースケベ場面になるが、俺はそんな非力な男ではない!

ぎゃ~~と抱きしめられる。

体に感じる柔らかな感触を感じながらキャロを見る。

 

「ん~~~~~~~♪♪」

 

「ちょ、ちょっとキャロさんどうしたのかな?」

 

俺の胸に顔を埋めたキャロ。

どこぞの神父やハゲならイチコロな構図。

ティアナとはやてはいきなりすぎる展開に声をあげれず呆然している。

そんな三人をしり目に、

スリスリとキャロは嬉しいそうに俺の胸にほほずりをし始める。

 

「暖かくて気持ちいい~~~♪それに抱き心地も最高~~~~♪」

 

キャロは犬のようにくんくんと俺の体の匂いを嗅ぎ始める。

まてまてまて!起きたばかりだから汗臭いぞ。

「いい匂い安心する~~~。」

 

「するわけないだろ!」

 

キャロの行動に戸惑いながらも肩に手を置いて引き離そうとするが、 腰に手を回してぎゅっと強く抱しめて離れない。む、以外と力あるな。

 

「キャ、キャロ、まて離れろ、離れてください。」

 

「やだ~~~!」

 

「やだってお前な。」

 

子供だからと鷹楊(おうよう)と構えていたが、

ここまで密着されると流石に動揺してしまう。

華奢で小さな体の軽さと、肌の柔らかさを感じが、

この歳でも女の子であることを意識する。

キャロの髪から漂う甘い香りが、鼻腔をくすぐするが、それを精神力で押さえこむ。

抱きついて離れないキャロに俺は溜息をつく。

 

「わかったキャロ。そのままでいいから一つだけ、俺が聞きたい事に答えてくれないか?」

 

「うん。いいよ。なんでも聞いてください。」

 

「なんで俺を「お兄さん」って呼ぶんだ?」

 

「それはね~~~、えへへっ。」

 

キャロは満面の笑みで浮かべる。

 

「お兄さんがお兄さんだから!!」

 

「意味がわからんわ!!」

 

「えーーーーっ、なんでわからないの。 」

不機嫌そうにキャロはブーブーと文句を垂れる。

いや、わからんがな。

俺はテレパシー系統の能力は使えないし、ニュータイプでもないんだからさ。

キャロは俺に体を預けて語る。

 

「私ね、昔からお兄さんとお姉さんがほしかったんだ。」

 

「なるほどなるほど、それで。」

 

「お姉さんはフェイトさんがなってくれたから、

陸お兄さんは「お兄さん」なんだよ?」

 

「なるほどなるほど…….ん?」

 

首を傾げる。

始めは途理解出来たのに、途中で理解不能になった。

なんでいきなり俺がお兄さんなるんだ。

わけのわからない理論に頭を抱える俺にキャロが続ける。

 

「カッコよくて、頼もしくて、優しくて、何時でも私を助けてくれる。理想的なお兄さん。

私、陸さんみたいな「お兄さん」、ずっと欲しかったんです。」

 

一旦言葉を切ると、

キャロは俺の腕の中で薄笑いを浮かべながら、上目遣いでこちらを見る。

 

「だがら、お兄さんって呼んでいいですか?」

 

「キャロ………………。」

 

俺はドキッとして顔を逸らしながら頬を掻く。

子供の願いを叶えるのも男の器のみせどころだろう。

 

「いいよ。お兄さんでも兄ちゃんでも、好きなように呼んでくれ。」

 

「うん!!」

 

一層に抱きつくキャロ。

そんな彼女の背中に腕を回しながら、よしよしと頭を優しく撫でていく。

なのはといいフェイトといい、機動六課にいるメンバーは全員に辛い過去があるのかな、と内心思う。

こほんと、はやての咳払いが入る。

 

「いつまでキャロに抱きついているつもりなのかな?性犯罪(ロリコン)さん 」

 

はやての声に我にかえる。

いくら子供とはいえ下着姿のままにするのは危険な行為ではないかと。

グレーか黒かと言えば、限りなく黒いグレー。

自身の失態に気づきキャロを強引に引き剥がす。

同時にパサリと布が床に落ちた。

 

「「「あっ」」」

 

顔をあげれば絶句するはやてたちは、徐々に顔を強張らせていきデバイスを持つ。

 

「藤田さんがそんな人とは思うませんでした。軽蔑します。」

 

「サイテー男。十歳の女の子相手に欲情して、服を脱がすなんて。」

 

「陸くん?お仕置きが必要見たいやな♪」

 

スバルは憐れみの顔、ティアナはゴミをみるような侮蔑の顔、はやては呆れ果てた表情で俺を見る。

 

「え、嘘。感動的な場面だろこれは。」

 

抗弁をする俺にはやてがキャロを指さす。

なんだ?と思いながら下を見てみる。

ーーーマジかよ。勘弁してくれ。

キャロのワンピースが脱げて下着がまる見えになっていた。

強引に引き剥がした時に指を引っかけてしまったようだ。

俺たちの反応でキャロもそれに気がついたらしい。

「キャッ」と慌ててしゃがみこむ。

血の気が引くのが分かる。

再び顔をあげると、三人は黒いオーラを纏いこちらを見ていた。

 

「ま、待て、冷静になって話し合おう。これは事故だ。人間話せばわかるだろ。」

 

「わかりあえないから戦いが起こるんやで。」

 

「最初から諦めるとはらしくないんじゃないか?根気よく話し合おうぜ。」

 

「ほー、ならなんで後ずさるや。まるで逃げるみたいやで?」

 

「はは、まさか。逃げる必要なんかないだろ。」

 

チッ!目敏く気づきやがった。

が、予定に変更はない。

窓ガラスを突き破り外に戦略的に撤退、

街でほとぼりが冷めるのを待ってから帰ればいい。

さりげなく体の重心を後ろ側に寄せつつ、キャロを抱き寄せた。

 

「キャロ逃げるぞ、この場所は危険だ。」

 

「あぅっ、耳に息をかけたらくすぐったいよお兄さん。」

 

キャロは耳を手で押さえる。

よほど恥ずかしいのか顔は真っ赤だ。

スバルたちに聞こえないようにするために話しただけなんだがな。

はやての表情が消えて、すっと手を振り上げた。

 

「はい、陸君に判決ーー有罪や。スバル、ティアナ。」

 

「はい。クロスミラージュ、セットアップ。」

 

「了解しましたはやて部隊長、マッハキャバーー、セットアップ」

 

はやての「有罪」という判決にティアナとスバルは素早く武装を装着した。こいつら本気でヤル気だな。

俺は前に手を出して反論する。

 

「まて待て、なんだその独裁的な裁判は!!再審を要求する!」

 

「却下や。お仕置きするから覚悟を決めい。弁解は後日私の部屋で聞きます。」

 

「チッ!」

 

ジリジリと近づいてくる三人に合わせて俺もジリジリと後退する。

 

「何か言い残すことは在りますか。聞くだけ聞きましょう。」

 

「ご馳走さまでした?」

 

御礼を言う。

ブチンと、ティアナの血管(?)が切れる音がした。

ティアナは顔を真っ赤に染めたまま、ワナワナ震える銃口をこちらに向ける。

彼女の周囲に無数の魔力弾が形成される。

 

「クロス・ファイヤーーッシューーーーート!!!」

 

撃ち出される魔力弾を俺はあえて避けない。

 

ドオォォォォオオオン!!!

 

魔力弾の爆発により俺は部屋の扉と一緒に外まで吹き飛ばされた。眼に映る景色が流れていくのが面白い。

吹き飛びながら自身の体勢を確認して、迫ってくる地面に無事に着地する。

 

「よっと。」

 

キャロを抱えて走り出す。

ティアナのアホ、キャロまで巻き込んでどうすんだ。

脇に荷物のように抱えられたキャロは不思議そうに眉をひそめた。

 

「お兄さん何処にいくんですか?」

 

「とりあえず都市にいく。ついたらどうするか考よう。」

 

撃ち込まれる魔力弾を避けながら答える。

後ろから聞こえるティアナの怒鳴り声を無視して、俺は並木道を駆け抜ける。

 




次は「おでかけキャロ編」です。
駄文、誤字脱字は気にせず読んで下さい。
感想がありましたら、ガンガン下さいお願いします。
でも、作者は心が障子紙より弱いので、誹謗中傷は勘弁してください。心からお願いします。
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