魔法少女リリカルなのは ~現れた赤龍帝~   作:断崖

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更新します。
この駄文な作品を、少しでも楽しみにしていて。
楽しんで読んでくれたら、幸いです。


出会い

映画館から出ると日が傾き、空は茜色に染まっていた。

 

「くわぁぁ~~~~」

 

おもわず欠伸をしてしまう。

映画の内容は「つまらない」の一言だった。

始まってから終わるまでの二時間。

三頭身なデフォルメされた動物たちが騒いでいるだけ。

あんなんで大人気なのだから、世の中なにがヒットするのかわからない。

 

「くそ~~~~眠い。」

 

上映中、退屈すぎてねたかった。

だが、キャロが頻繁に話しかけてくる為、寝ることは出来なかった。まあ、キャロが終始楽しそうに笑っていたから、よしとしょう。

大きく伸びをする。

と、パキパキと小気味の良い音が身体中の骨からなって気持ちいい。

 

「ふう~~、映画は動けないから肩が凝るな。」

 

キャロはみんなにお土産を買ってきます告げて、近くのお菓子屋に行った。

 

「菓子で機嫌を治してくれたら良いんだがな…………無理か。」

 

覗き(事故)をして謝らずキャロを拐って逃走。

あげく今の今まで連絡一つ送らずに遊び回った俺たちをなのはたちが許すとは思えない。

うん、断言できるな。

深いため息をつく。自業自得とはいえ面倒くさいことになりそうだ。

そこで顔をあげると。

 

「?なにやってをだあいつは。」

 

映画館の前に噴水の周囲を、フラフラと歩き回っている奴がいる。

さっきからずっと。

頭からフードをすっぽりと被り。

紫色をした綺麗な髪が風で舞い上がり美しい。

伸長はキャロと同じぐらいで、歩き方からおそらくは女の子。

が、自動車が蛇行しているかのようにフラフラと歩く姿は危なっかしくて仕方ない。

こちらがハラハラしてしまう。

 

「誰かを探しているのか、あれは。」

 

体と一緒に視線は世話しなく動いている。

それが不気味差に拍車をかけ、それが周りの人は関わりたくない、と急ぎ足で通り過ぎていく。

嫌な予感はする。しかし、誰かが何とかしなければならないだろう。

 

『自分に言い訳するぐらいなら助けなければいいだろう。』

 

『余計なお世話だ。』

 

ドライグに一喝した俺は頭をぐじゃぐじゃと掻き、深呼吸を繰り返す。

よし、初対面の人と話す覚悟を決めた瞬間ーー

 

「ッてぇなこのガキ!どこみて歩いてやがる!!!」

 

無駄にデカイ体にちゃらい服装に眼にはサングラス、

金髪をした少年の三人がフード少女を囲う形で絡んでいた。

 

「……………………?」

 

胸ぐらを捕まれ少女の体が宙に浮く。

少女はなにが起こっているのよくかわからないのか、されるがままだ。

 

「なに黙ってんだよ、なんか言えよアアァ!

テメェ人様にぶつかっておいて詫びもねぇのかよ!!」

 

「ヤバくね、これ腕折れてるでしょ。マジで」

 

「慰謝料寄越せや、慰謝料。」

 

「……………………?」

 

前後に揺れる少女はなにが起きているのか理解できていないのか、

ポカンとしている。

反撃もろくに出来ない少女に暴力と恫喝で脅すとは、タチの悪い連中だ。

何処の世界にもいるもんだな。ああゆう人間のクズは。

周囲にいる人が巻き込まれることを嫌い、避けて、あるいは踵を返す。

俺はそんな流れに逆らい歩く。

親を呼べや親を、と言って少女の胸ぐらを掴んでいるリーダー格のリーゼント頭の肩に手を置き、

振り向かせる。

 

「あぁ!なんだよテメェは!関係ネェ奴は引っ込んでろや!!」

 

こういう強面で声がデカイだけでも、気の弱い人間なら十分に威嚇できる。

 

「………………。」

 

じっと三人の観察する。

三人の実力はケンカ慣れした素人に毛が生えた程度、たいしたことはない。

問題は俺から暴力をふるえば自分が捕まってしまうのが厄介。

ならーー暴力を振るわずに鎮圧すればいいだけの話し。

 

「兄ちゃん、正義の味方がしたいなら余所でやれや!」

 

「……………………」

 

顔を近づけて凄むリーゼントを、俺は無言で睨みプレッシャーを放つと。

ピタリとリーゼント男の動きが止まり。

 

「い、いややややぁぁぁァァァァーーーー。」

 

体全身を痙攣させてながら悲鳴をあげるリーゼント男。倒れこむリーゼントを残った二人が支える。

「大丈夫か」、「どうしたんだ」、と声を必死にかけるが反応はなく。

 

「、….あ….….や」

 

サングラスはひび割れ白目をむく男は、ピクピクと痙攣していて完全に気絶してしまっていた。

そんな三人を見下ろして、

 

「失せろ、殺すぞ。」

 

「ヒッ!!!」

 

恐怖で表情をひきつらせ、

残った二人はリーゼント男を引きずり連れ去った。

小さくため息をつき、穏便に片付いてよかった、と安堵する。

下手に「気当たり」に耐えられたりすると、手を出さないといけなくなる。

そうなれば三人とも重傷は免れない。

俺が安心して振り返ると、

少女は、ぺたん、と座りこみ。

不思議なものを見たかのようにこちらを見上げて、

 

「…………….どうして助けたんですか?見ず知らずな人間ですよ。私は。」

 

と、助けたフード被った少女は感情のない瞳でこちらを見つめていた。

 

「助けたかったから「助けた」んだ。またアホに絡まれ前に家に帰れよ。じゃあな。」

 

キャロとの待ち合わせ場所に戻らなければ。

おざなりに手を振り立ち去ろうとすると、ぎゅっと服の袖が捕まれた。

 

「ここがどこか教えてください。」

 

「へっ?」

 

俺は顔を手で覆ってしまいう。

人探しじゃなくて迷子かよ。やれやれだ。

 

 

 

 

近場の公園のベンチに彼女を座らせて、ホットのジュースを渡すと。

よほど熱かったのか缶をお手玉する少女。

フードをすでに脱いでいる。

予想通り、綺麗な髪に整った顔立ち。十年間後には美人になであろう少女。

その隣に俺はどかっと座りこむ。

キャロは菓子決めに悩んでいるようだから、まだ大丈夫だろう。

 

「お前はどこから来た?名前は?保護者は?家の住所はどこなんだ。」

 

「………..….…………。」

 

チビチビとジュースを飲み無言を貫く少女。

言いたくないのか、言えないのか。判断に悩むやりかただな。

 

「じゃあ名前はなんて言うんだ。」

 

「それは……………」

 

口ごもる少女は下を向くが、やがて諦めたように顔をあげた。

 

「ルーテシア。」

 

「ルーテシアね。俺は藤田陸だ。」

 

「はい、陸。」

 

いきなり呼び捨てかい、別にいいけどさ。

ルーテシアは無表情にじーっと俺を見てくる。

 

「なんだ?なんか顔についてるか。」

 

「さっきの魔法はなに?」

 

「魔法?」

 

「なにもしていないのに人が倒れた。どんな魔法を使ったの」

 

「ああ、あれは魔法じゃない。たんなる気当たりだ。」

 

「気当たり?」

 

聞いた事のない単語に首を傾げるルーテシアの反応に、俺はがっくりと肩を落とす。

この世界は「魔法」ばかりを発展させて、

「武術」方面はあんまり発展していないみたいだからな。

 

「動物なんかは本能的に天敵の殺気を感じとったりするだろ。

人間もそんな能力が退化してはいるが、しっかりと残っているんだよ。

だから俺は殺気を放って相手をビビらせただけ。」

 

「…………………………わかりました」

 

うんうんと頷くルーテシアだが、絶対にわかっていない。

頷くまでに「間」がありすぎなんだよ!!はあっ、疲れる。

 

「じゃあルーテシア、もう一度聞くぞ。保護者はどうした。」

 

「今はいません。」

 

今はいない。どういうことだ?

 

「どこにいるんだよ。」

 

「さあ?」

 

「さあっておい………………じゃあどこから来たんだ?」

 

「アパートから来ました。」

 

「場所はどこなんだ。」

 

ルーテシアは目を瞑り考え込むと、北の方角を指さす。

 

「あっちの方にあると思います。」

 

「随分とアバウトだなおい!!」

 

ダメだこの娘は。俺じゃあ手に負えない。

 

「もういいから、お前、管理局の施設に行って道を聞いてこい。」

 

「それは、….………..ちょっと困ります。」

 

「ワガママ言うんじゃねーよ。俺にお前の相手はするのは無理だから。」

 

「そんなこといわないでください。」

 

上目遣いで聞いてくるルーテシア。

ーんなこと言われてもな。

さりげなく菓子屋に視線を向ければ、キャロはお土産を持ってレジにならんでいた。

時間がない。

俺は映画のチケットの半分に自分のデバイスの番号を書いて渡す。

 

「ほれ、道に迷ったらいつでも連絡していいから。」

 

「それでは、いまからテストで連絡してもいいですか。」

 

「…….…なんで、んなことするんだよ。」

 

「陸が偽物の番号を教えたかもしれませんから。」

 

「するかそんなこと!!」

 

ルーテシアは俺に背を向けてデバイスを操作するが、何もおきない。

 

「やっぱり偽の番号を教えたんですね。

その場限りの優しさを振る舞って私を騙すなんて、サイテーです。」

 

「パワーを入れて忘れただけだよ!人聞きの悪いことをいうな!」

 

デバイスのスイッチをいれた。

数分だけなら見つかる問題ないよな?

 

「これで大丈夫だ。やってみろ」

 

「また嘘をついたら人を呼びます。」

 

ルーテシアは再びデバイスを操作すると、俺のズボンのポケットが震えた。

 

『陸ってお人好しって言われませんか?』

 

『はいっ?』

 

『見ず知らずの人にデバイスの番号を渡すなんて、人が良すぎます。』

 

『うるさい。』

 

『言いそびれましたけど、私、アパートの場所わかりますよ。』

 

がくりと、ずっこけそうになった。俺は一体どんななんのためこいつに付き合ったんだ。

彼女はデバイスをポケットにいれた。

 

「ありがとうございました。楽しかったです。」

 

俺は全然楽しくなかったよ、と喉まて出てきたが、

無表情ながらも嬉しそうな顔を見ていると言葉に詰まる。

ルーテシアはベンチからゆっくりと降りると、僅かに微笑む。

 

「また会えるといいですね。」

 

「まあ、縁があればな。」

 

「さようなら、陸。」

 

丁寧にお辞儀までした彼女は、おぼつかない足取りで歩きだす。

 

「ーーーーーい。」

 

だが、一瞬だけ立ち止まった彼女がひどく小さな声で呟き。かるく会釈して去っていく。

 

「ごめんなさい?」

 

声は聞こえなかった。それを、読唇術で読みとる。

何を謝っているのか解らず。

訊こうとするが、少女の背は遠く離れれていた。

俺はその姿が見えなくなるまで見送ってから安堵の吐息をつく。

悪い奴ではなさそうだが。

 

「陸お兄さーーーん、お待たせしました。」

 

紙袋の荷物を持ったキャロがルーテシアと行き違いで到着した。

危なかったーー、ギリギリセーフ。

 

「?どうかしましたか。」

 

「いや、何でもないよ。ボチボチ帰ろう。」

 

俺はキャロが持っていた紙袋をさりげなく奪いとると、代わりにもって歩く。

キャロは少しビックリしていたが、満面の笑みをみせた。

みんなに話す土産話が一つ増えたと思いながら、俺たちは、彼女とは反対の道を歩きだした。

 

 

 

陸サイド終了

 

 

 

ルーテシアサイド

 

 

 

隣の車道を耳が痛くなるほどの速度で車が通り過ぎ、遠ざかっていく。

夜になるにつれて、気温が下がってきているのか肌寒い。

私は今は使われていない寂れた街道をとぼとぼ歩いていると、

デバイスが点滅する。

送信者の名前を見ながら耳に当てる。

 

『はーい、ルーお嬢様、気分はどうですか?』

 

『クアットロなにかよう。』

 

『分かっている癖に~~、データですよ。データ。送ってくださいな。』

 

『…………分かった。』

 

デバイスを操作してクアットロにデータを送る。

 

『…………こんな事までする必要あるのクアットロ。』

 

疑問をぶつけると、クアットロの笑い声がデバイス越しにも響き。

 

『ありますよ~~。赤龍帝の弱点を探る為なんですから。』

 

『私じゃなくて違う人でも。』

 

『またまた、迫真の演技だったじゃないですか。

あの赤龍帝を騙すなんて流石ルーお嬢様! 』

 

『……………………あなたの指示通りに話しただけ。』

 

常にクアットロと念話をしていたので気分が少し悪い。

 

『謙遜なさらなくても良いのですよ。』

 

ズキリと、痛む胸に手を当ててゆっくりと瞼を閉じる。

 

『終わった。』

 

『はーい、こちらでも確認しましたーー。ありがとうございます。「次も」宜しくお願いしますね。』

 

『次?次ってなに?』

 

私はクアットロから発せられた予想外の言葉を聞き返す。と、横合いから伸びた自動車のハイビームに射すくめられた。

 

「お嬢ちゃん、どこの子供だい?ダメだよ、こんな遅い時間にであるいちゃ。 お家はどこ。」

 

ばたんとドアの開閉音がして、車から人が降りてきた。

咄嗟に掌で顔だけは隠したけど、

車の上にある赤い回転灯がついているのを見て、状況に報告する。

 

「クアットロ、どうしよう。局員に声をかけられてしまった。」

 

夕日は沈み、夜といってもおかしくない時間帯なのが良くなかった。

どうやら私を家出した少女かなにかだと勘違いしているらしい。

 

「顔を見られてしまいましたか~~。」

 

「ううん…………」

 

「ならお逃げください。ここで騒ぎをおこしてしまう訳にはいきませんから。」

 

一歩後ずさると、局員は体の重心を移した。

言うのは簡単だがやるのは難しい。

そもそも子供と大人では走る速度には埋めがたい差がある。逃げきるのはできない。

魔法を使えば簡単に逃げきれるんけど。

 

「大丈夫ですよ、ルーお嬢様。近くに私の妹、セインがいますから。」

 

逃げ方に悩む私にクアットロが愉しげに告げた。

 

「セインが。」

 

「はい。ですからルーお嬢様その場所から動かずに、

シールド等の自動防御魔法も解除してください。」

 

「わかった。」

 

自分に張っていた魔法を解く。

局員は動きを止めた私に逃げる気がないと判断したのか、手を伸ばしてくる。

肩に触れようとしたその直前ーー大地に波のような波紋が生まれ、

 

「お待たせしましたルーテシアお嬢様。」

 

地面から水色の髪をした女性が飛び出した。

「なっ!」いきなり現れた驚く局員を無視して私に抱きつき、再び地面に沈んでいった。

 

 

 

 

 

 

 




次は「戦う理由」です。
感想がありましたら、ガンガン下さい。
作者のヤル気が上がります。ただし、誹謗中傷は勘弁してください。
作者の心は障子紙より脆いので。

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