.hack//OverLord   作:ヨツバ

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こんにちわ。またまたバルムンクとオルカの視点です。
彼らとナザリックに不慮の事故がおきます。それは一体?

では、始まります。


折れかけた武の心

.hackers陣営。

オルカ、バルムンクチーム。

 

ある男は武の心が折れかけていた。その男の名前はブレイン・アングラウス。

彼は今、長い銀の髪と真紅の瞳を持った非常に端正な面立ちをしている少女に対して負けていた。

自分自身が小物以下と思わされるくらいに負けてしまっている。目の前にいる少女はただの少女ではない。真祖としての吸血鬼だ。

その正体はナザリック地下大墳墓の第1~第3階層守護者のシャルティア・ブラッドフォールン。アインズの命により犯罪者の拉致を遂行しているのだ。

 

「この化け物……」

 

相手に聞こえないくらい小さな声を呟いた。彼はシャルティアに実力的に圧倒的に負けていた。身体がボロボロになる前に先に心がボロボロにされてしまっていた。

自慢の抜刀術も効かない。刀による斬撃も通用しない。ブレインは無意識に理解してしまった。今泣き出せば心は完全に折れる。しかし圧倒的な絶望に抗えない。

目から涙がポタポタと落ちる。硬い口が開き、心が折れるであろう声が出る……はずだった。

 

「おいおい大丈夫か!?」

「カラカラの死体がありえないくらいにあったから来てみれば……これはどういった状況だ?」

 

ブレインの武の心をわずかに留めたのは.hackersのオルカとバルムンクであった。

突然の2人の登場にブレインは心を折られずに済んだ。一方、オルカとバルムンクは現場の状況に混乱していた。

白い肌をした少女と、絶望感漂う表情の男を見ても状況は分からない。理解するには判断材料も無い。しかし死体がごろごろしていたため、良い状況ではないことは確かである。

 

「おやぁ。新しいお仲間さんでありんすか?」

「いや、仲間じゃないんだが。……まさかこの状況はお前さんがやったのか?」

「そうでありんす。そちらは武技を使えるでありんすか?」

「武技は使えないな」

 

武技。この異世界にて戦士の魔法とも言える能力である。オルカたちはこの異世界の出身でないため、当たり前のように武技は使えない。

 

「そうでありんすか。じゃあ始末は任せたわ」

 

シャルティアの眷属がオルカたちに襲い掛かる。それと同時にバルムンクが反撃する。

 

「鬼輪牙!!」

 

身体を回転しながら相手の攻撃を避け、横薙ぎの居合い斬りにてシャルティアの眷属を切断した。

その抜刀術にブレインは目を奪われた。自分よりも上の抜刀術。絶望から希望を見いだしたかのようにだ。逆にシャルティアは自分の眷属を簡単に切断した人間であるバルムンクがオモチャくらいにはなるのかもしれないと思った。

 

「ふぅん。ほんの少しはやるようでありんすね。なら少しは楽しませておくんまし。一方的にぃ」

 

シャルティアは余裕なままバルムンクとオルカに近づく。彼女は気付かない。彼らの実力がこの異世界では比類無いものに。

オルカたちは気付いてしまった。シャルティアがこの異世界の実力とは一線を越えているのに。

これはお互いにとって不慮の事故となる戦いであった。カイトとモモンガが同盟を組む少し前の出来事である。

 

「さあ、いつでもどうぞ」

 

オルカは大剣を構える。バルムンクも剣を構え直す。2人はこれまでの経験で理解していた。目の前にいるシャルティアが間違いなく強者であることをだ。だからこの異世界に来て初めての本気を出す。

逆にシャルティアはオルカたちの実力にまだ気付かない。先ほどまでブレインの相手をしていたため、人間に対してやはり下等な存在であると油断している。バルムンクがブレインと似た抜刀術をしていたからもう1度同じように片手で止める算段をしている。

 

(オレが先に仕掛けるからオルカは追撃を頼む)

(了解したぜバルムンク。フィオナの末裔コンビを見せてやろうぜ)

 

アイコンタクトでどう動くか決める。現況はブレインがシャルティアと対峙していたのと同じである。

そのブレインは一人の武人として戦いを静かに見ていた。心は折れかけていても実力者同士の戦いは武人として見逃す事が許せなかったからだ。

そしてバルムンクが動く。

 

「流影閃!!」

 

距離を詰めるように突進し、刺突攻撃を放った。

また抜刀術がくるとの予想がはずれ、異世界で初めて体感した、今までの中でも最も速い速度に少し驚いたシャルティア。だがまだ見きれる速度だと思って刺突を片手で受け止めようとする。

 

「なにっ!?」

 

剣を受け止めるつもりが受け止められなかった。剣は片手を貫通し、そのまま顔面にめがけて迫る。

顔面に迫る剣の刺突を避けたが勢いのある突進による刺突技の流影閃により壁まで追いやられて、片手が磔の状態となった。そしてオルカの追撃が直撃する。

 

「奥義・甲冑割!!!!」

 

大剣で突き、力の限り振り下ろした。相手を砕くように切断したのだった。

勝負は一瞬であった。その一瞬の戦いを見てブレインは折れかけていた武の心が熱くなるのを感じた。

最初、人間は化け物にどうやっても敵わないと限界を思った。しかし目の前にいるバルムンクとオルカを見て人間の可能性はあると再度思い直したのだ。

彼らに声をかけようとしたが、その前に違う声が聞こえた。その声はオルカたちが倒したはずの声だった。

 

「時間……逆……行!!」

 

弱弱しいが怨念を込めたような声が聞こえる。そして切断された血だらけのシャルティアの身体が元の綺麗な姿へと戻っていく。

時間逆行。シャルティアが1日3回使えるスキルであり、時間を巻き戻して致命傷の傷さえ修復する。

 

「おのれ下等生物が!!」

 

シャルティアは怒りと屈辱に支配されていた。油断していたとはいえ、下等な人間にやられた屈辱は耐えがたかったのだ。しかも今は怒りで我に忘れていたため、大事なことに気付いていなかった。

自分の身体を切断した相手の実力に関してをだ。本来ならば撤退してアインズに報告するべきなのが最善な行動である。しかし怒りと屈辱でオルカとバルムンクを殺すこと以外頭になかったのだ。

 

「清浄投擲槍!!」

 

吸血鬼による聖なる大きな槍がオルカたちを襲う。その一撃は計り知れない。もしアンデッド属性だったら塵になっていたかもしれない威力だ。

 

「とんでもなく効いた……。それにしても吸血鬼が聖なる力を振るうとはな」

「オルカ大丈夫か!?」

「そうでもないな……」

「死ね!!」

 

次は大きな魔法が連発される。こんな狭い洞窟で大きな威力を持つ魔法なんて使用すれば崩れるのは当たり前だ。戦いどころでは無い。

そこから導き出される答えは洞窟からの脱出だ。

 

「このままここに居たら間違いなく魔法で殺されるな。ここは脱出するのが最善策だ」

「なら快速のタリスマン!!」

 

移動速度を上げてブレインと共に洞窟からの脱出する。

 

「逃がすかぁぁぁぁ!!」

 

血の狂乱が発動する。

 

 

 

side変更

 

 

 

???陣営

???。

高い丘の上にて高級そうな青黒いスーツに月をイメージした仮面をつけた男がいた。その男は開けた空間に佇む1人の少女を何か利用できないかと思いながら見ていた。

その少女は強大な力を持った吸血鬼であるシャルティア・ブラットフォールン。この異世界にとって計り知れない力を持つ存在である。しかし今はあるワールドアイテムの効果で精神支配をされているのだ。

そんな強大すぎるシャルティアを見ても男は恐怖を感じない。感じるのはどう利用できるかだけである。

 

「あれがあの墳墓の住人の1匹ですか……特に脅威にもならないですねぇ。なるのはやはり女神の部隊だけですね」

「でもアイツらむかつくんだよねぇ」

 

男に話しかけたのは赤黒いスーツに太陽をイメージした仮面をつけた男であった。色が違うだけで彼らはまるで双子のようである。

 

「そうだよねぇ……」

「殺ってしまいましょう!!」

 

双子は相手を排除するために最良の方法を画策する。 1つの頭脳より2つの頭脳。

 

「で、どうやって始末する?」

「あの吸血鬼を利用しましょう。黄昏の勇者を殺すことはできないでしょうけど仲間は殺せる。それには同盟を組むであろう墳墓の主も殺せる」

「一石二鳥ですねぇ」

 

双子の背後に黒い煙のようなウィルスバグがドロドロと浮かび上がる。そしてウィルスバグは黒い壁画のような形へと形成した。

 

「念には念を入れましょう。頼みますよ我が同胞。イニスの力を持ったウィルスバグよ」

 

黒い壁画はウィルスバグを滲み出す。




読んでくれてあるがとうございます。
感想などがあればください。

今回は謎のキャラが登場!!オリジナルであってオリジナルじゃありません。
分かる人は分かると思います。

一方オルカたちとシャルティアは・・・

シャルティア  「第二ラウンドォ!!」
フィオナの末裔 「狭い洞窟で上位魔法連発されたらさすがに死にます」
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