では始まります。
エ・ランテルの冒険者組合にて5つのチームが集まっていた。全てのチームがミスリルである。モモンの漆黒チームとカイトの.hackersチームもいる。
集まっているのはチームリーダーと組合長だ。なぜ集まっているかと言うと王都の領地内に凶悪な吸血鬼が現れたと報告があったのだ。そのために吸血鬼退治をするためにミスリルチームが集まったのだ。
そしてその吸血鬼はただの凶悪な吸血鬼では無い。その吸血鬼はモモンガの仲間であるシャルティアである。
現在、なぜかシャルティアがモモンガを裏切ったのだ。その理由はある特殊部隊によるワールドアイテムが原因だ。残念ながら今のモモンガは分からない。
「その吸血鬼の名前はホ……ホニョペニョコだ」
(モモンガさん……ホニョペニョコって(笑))
(お願い忘れてくださいカイトさん(汗))
モモンガは自分のネーミングセンスの無さに恥ずかしくなった。異世界の人間は気にしてはいないが、カイトは心の中で笑ってしまった。
やはり同じ地球出身者には分かってしまうのであった。ネーミングセンスにだ。
「その吸血鬼は私が長年追いかけた相手だ。それに倒す算段もある」
モモンガは魔封じの水晶を見せる。その水晶には第8位階の魔法が込められているという響きにカイト以外が驚く。
カイトはまだユグドラシルと異世界の魔法に関して詳しくない。だが、なんとなく上位魔法だというくらいは理解できるのであった。
(カイトさん。今回の討伐はどうやらオレのギルドの問題のようです。なのでギルド長として責任を果します)
(分かりました。じゃあボクは待機していますよ)
(お願いします。ここからはオレの問題ですので手出し不要です)
(でもモモンガさん。もしまたウィルスバグが現れたのならボクは動くよ)
今回の件でウィルスバグが関わっているとは思いたくないが、もし関わっているのならばカイトは使命のために動く。
それはモモンガも理解していた。もしシャルティアの件にウィルスバグが関わっていたならば、感染していたならばモモンガだけでは対処しきれない。
その時は同盟を組んだカイトたちの力を借りるつもりである。
(はい。その時はお願いします)
(その時はメッセージを送るか、撤退してほしい。いいですか?)
(はい。勿論ですよ)
カイトとモモンガはお互いに話を進める。この話は冒険者組合が知る由も無い。
(それにしてもホニョペニョコ(笑))
(本当に忘れてぇ……(恥))
side変更
ナザリック陣営。
モモンガチーム。
モモンガは部下の前だというのにブチギレていた。それはシャルティアの精神支配をした相手にと自分自身の甘さにだ。
シャルティアの精神支配を解くために超超レアアイテムを使用したが意味をなさなかった。この瞬間にモモンガは苦渋の選択を強いられたのだ。
(間違いなくワールドアイテムの効果だ。……ウィルスバグではないよな)
現在シャルティアからウィルスバグに感染した気配は無い。正確にはモモンガはウィルスバグに感染したかどうか分からないが、経験からみてウィルスバグよりもワールドアイテムの効果だと思っている。
態勢を立て直す為にナザリック地下大墳墓に戻るモモンガ一行である。そして宝物殿に向かって自分の黒歴史であるパンドラズ・アクターに心を抉られながら対シャルティア戦に備えた。
それにしてもハムスケに乗るよりも精神を大幅に削られる存在を自分で生み出した自分が恐かったモモンガであった。
(カイトさんには見せられない)
厨二病はある意味恐ろしかった。
「ところでアルベドよ。もしこの事件が片付いたらナザリックで歓迎の準備をしてほしい」
「歓迎ですか?」
「ああ。後ほど詳しいことを階層守護者全員に伝える」
モモンガはシャルティアの件が片付いたら.hackersをナザリック地下大墳墓に招待しようと考えていた。これからウィルスバグと戦うこととなるとしたらお互いの仲間のコミュニケーションは大切だ。
決定権が自分にあるとは言え、勝手に同盟を組んで仲間として戦えと言ってもアルベドたちは納得しない。だからまずは顔合わせが必要なのだ。しかし問題がある。
(カルマ値が最悪なんだよな……)
ナザリックの面々はカルマ値が最悪なのだ。値を示すと最悪でマイナス500はある。そんな彼らをどうやって友好的に顔合わせさせるのかが悩みなのだ。
(マシなのがコキュートス。友好的なのがセバスやユリだな。……デミウルゴスたちは論外)
モモンガ自身もカルマ値がアンデッドとして極悪であるが人間としては善だ。しかもカイトたちと出会ったことでカルマ値は善側に傾いている。だからより人間らしいアンデッドとなっている状態である。
そんな自分の状況は置いといて、歓迎する前には階層守護者たちには.hackersのことやThe Worldのこと説明しなければならない。どう説明すれば彼らが納得するかを考える。
「誰を歓迎するのですかアインズ様?」
「それも含めてシャルティアの件が片付いたら話す」
「……分かりましたアインズ様」
(アルベドもカルマ値が極悪なんだよな。カイトさんたちを歓迎したいけど一波乱ありそう……(汗))
アインズは最悪の可能性を考えるとアルベドとデミウルゴス、シャルティアが頭に浮かぶ。この3人がナザリックの中でもカルマ値が最悪の意味で筆頭だ。
アウラやマーレはコキュートスと同じでマシだと考える。そのことを悩みながらアインズは彼らたちに説明を考える。
(でも今はシャルティアの件が最優先だ)
モモンガはシャルティアの許へと赴く。必ず救う為に。
side変更
.hackers陣営。
ヘルバチーム。
飛空艇タルタルガの研究室にてヘルバはあるアイテムを調べていた。それは死の宝珠と言われていたアイテムだ。今は壊れておりガラクタにすぎない。
そんなガラクタを調べているのは理由がある。この死の宝珠にウィルスバグが感染していたからだ。
「ウィルスバグはこの世界のアイテムにも感染しているのね」
モンスターに感染している可能性は予想していた。だがアイテムにも感染しているのが分かった。このことからウィルスバグはどこに潜んでいてもおかしくないのだ。
不用意にこの異世界のアイテムを使うのは控えるべきかもしれない。実際にそれは問題ない。このタルタルガにアイテムは貯蔵してあるからだ。
「ヘルバ。そのガラクタの解析は終わったかね?」
.hackersの参謀である八咫が研究室に入ってくる。
「ええ。分かったのはウィルスバグがアイテムにも潜んでいるってことね。それ以外は収穫無し。このガラクタは処分しても構わないわ」
「そうか……しかしカイトから報告を聞いたときは少し驚いたな。ウィルスバグが八相の破片データを持っているとはうえ、八相そのものを再現するとはな」
「なら私が今作っているワクチンも少ししか効かないかもしれないわね。ただのウィルスバグなら効果覿面なのに」
「それでもワクチンは製作してくれ。敵は八相の破片データを取り込んだウィルスバグだが、増殖したウィルスバグには効果はあるからな」
「増殖。メイガスのことね」
八相のうちの1体であるメイガス。その能力は増殖。
メイガスは自らの体の一部を無限に『増殖』させて分離させることができる。ならばメイガスの破片データを取り込んだウィルバグはその能力を利用して自分自身であるウィルスバグを増殖している可能性があるのだ。
増殖したウィルスバグならデータドレインでなくともヘルバのワクチンで駆除することは可能である。
「ええ、それは予想していたわ。だから今大量に作っているわ。それに武器もね」
「ああ……あの槍か。既に1本試作品として渡していたな」
「レプリカに過ぎないけどウィルスバグに効果はあるわ」
「さすがスーパーハッカーと言うべきだな」
八相の破片データを取り込んだウィルスバグは全部で8体。先日カイトが1体駆除したから残り7体である。
しかしメイガスの能力を考えると増殖したウィルスバグは無限と言っていい。
「できればメイガスの破片データを取り込んだウィルスバグを早めに駆除したいところだ」
大量のウィルスバグが国を覆うイメージを考えてしまう八咫であった。
「もし大量のウィルスバグが出てきたら貴方にも前線に出てもらうわ。そしてエンデュランスも。貴方達2人はカイトの保険であり切り札でもあるわ」
「モルガナ因子か……」
八咫は自分の身体に浮かび上がる紋様を見る。カイトにもしものことがあったら自分が前線に出るのは予想していた。
「その時は戦おう。私もThe Worldを救いたいからな」
「ところでこの異世界に関してはまとめられたかしら?」
「それはカイトたちの情報で順調だ。この異世界の勢力とかも分かってきた。そして私も独自で調べていたが面白いものも見つけた」
「面白いものって墳墓のことかしら」
「何だ知っていたのか」
その墳墓というのはナザリック地下大墳墓と言って彼らの元の世界よりも未来のゲームのギルドとはまだ知らない。だが、もしかしたらヘルバは知っていたかもしれない。
「ええ。この異世界にとってレベルがかけ離れてる場所だったわ」
「今度、探索隊を編成して調べる必要があるかもしれないな。もしウィルスバグが造った場所なら駆除しなければならない」
「そうでないこと祈るしかないわね。もしかしたら仲間になるかもしれないから。フフフ」
「何か知っているのか?」
読んでくれてありがとうございます。
今回はヘルバたちも少し出てきました。本当に少しですね。
そしてパンドラズ・アクターの出番が無くてすまぬ。
パンドラズ 「私の出番はいつですか?」
アインズ 「カイトさんに見せられない」
カイト 「ドイツ語とか軍服とかカッコイイよね」
アインズ 「え」 ←同士を見つけた目をする