内容が分かりづらかったらスンマセン。
では始まります!!
モモンガは超位魔法をシャルティアに放った。恐らくこれでHPの4割は削れたと予想している。しかし圧倒的の不利は変わらない。
(それでもオレの勝ちは揺ぎない。必ず勝つ!!)
他の階層守護者も見ている。みっともない戦いはできない。
モモンガはシャルティアと対話する。まず知りたいのはどこの誰がシャルティアにワールドアイテムを使ったのかをだ。
「アインズ様。なかなか痛かったですよぉ!!」
「……お前の今の主人は誰だ?」
「私の主人は……ジェミニ様です!!」
「ジェミニだと?」
「はい。ジェミニ様です……あれ? ジェミニ様って……誰?」
シャルティアは赤の他人を主人と呼ぶ自分に疑問を覚えた。しかし今シャルティアの頭を埋めるのは至高なるアインズと戦うということだけであった。
一方モモンガはシャルティアにワールドアイテム使ったであろうヤツがジェミニだという名前をしかと覚えた。
実際はスレイン法国の特殊部隊なのだがモモンガは知る由も無い。
(ジェミニか……しかと覚えたぞ。必ず報復してやる)
トゥルーヴァンパイアとオーバーロードの戦いが始まる。
side変更
???陣営。
???。
「いやぁ……あの吸血鬼は簡単に主人の名前を言うんですねぇ」
モモンガとシャルティアが死闘を繰り広げているのを遠くから月をイメージした仮面をつけた男は見ていた。
その戦いはこの異世界にとって歴史に名を残すような戦いだ。現地の人間が見ればそう思うだろう。
しかし、月をイメージした仮面をつけた男は驚きもせずにその戦いを見ていた。冷静に自分たちの脅威になるかどうかを考えていたのだ。
「ふむ。この異世界で初めて超位魔法や第7、8位階の魔法見ました。威力はなかなかですが脅威ではないですねぇ」
「あれにワクチンプログラムが加わったら流石にマズイかもしれないけどねぇ」
太陽をイメージした仮面をつけた男は戦いとは別の方向を見ていた。その先には双子のダークエルフがいた。
正確には双子のダークエルフが持っているワールドアイテムだ。男はワールドアイテムをどうにか利用できないかと考える。
ワールドアイテムが1つでもあれば大きすぎる力となる。誰もが欲しがるだろう。しかし男は戦力増大のために欲しがっているのではなくて1人の人間を殺すのに利用できないかと考えて見ている。
「ダメか。ワールドアイテムだろうが腕輪の前じゃ形無しですねぇ」
「黄昏の勇者はジワジワと殺す策を考えましょう」
不気味な笑い声が出る。
「さて、そろそろ決着がつきそうですねぇ。あのまま吸血鬼がガイコツを殺していれば墳墓の面々は総崩れだったんですが」
「でもガイコツが負けないことは策のうちでしたがねぇ。次が本番……イニスの出番」
「ではワタシはあの双子ダークエルフの相手をしましょう」
イニスの破片データを取り込んだウィルスバグはモモンガの許へ向う。太陽をイメージした仮面をつけた男は双子のダークエルフの許に向った。
「やあ、こんにちは。双子のダークエルフ」
アウラとマーレが急いで自分の背後を見る。そこには太陽をイメージした仮面をつけた男が立っていた。
彼女たちは自分の背後に人間を接近させていたことに気がつかなかった。そもそもそんな人間がいるとは思ってもいなかった。それにもしもの場合に考えて周囲の注意は怠らなかったのにだ。
「アンタ誰?」
「ワタシはジェミニ。先ほど消滅した吸血鬼の元主人ですねぇ」
「アンタが!!」
アウラは怒る。人間なんてどうでもよい存在と考えていたが、初めて人間に怒りを覚えたのだ。
シャルティアとは喧嘩ばかりしていたが死んでほしいとは思っていない。なんだかんだで大切な仲間なのだ。その仲間を洗脳し、至高なる御方であるアインズと殺し合いさせた。その張本人が目の前にいる。
すぐさま行動する。その行動とは目の前にいる男を殺すことであった。鞭を取り出して音速を超えた打撃が繰り出される。
そして首が吹き飛ぶ……はずだった。
「何かしました?」
鞭は確かに男の首に直撃した。しかし男の首は胴体と繋がったままであった。特に痛みも感じていない。
アウラは信じられない。マーレも信じられなかった。
「アンタは一体!?」
「さっきも言いましたよ。ワタシはジェミニ」
アウラの鞭は千切れていた。音速を超えた鞭が男に当たって千切れたのだ。普通なら男の首が吹き飛ぶはずなのだが、逆に鞭が千切れた。
普通に考えてありえないのだ。アウラは千切れた鞭を見る。
(鞭が千切れるなんて……って、これ千切れてる? 千切れてるって言うか何かに滲んで腐ったみたいになっている?)
男の首を見ても傷は無い。何がどうなっているか分からない。アウラは初めて人間の男に対して怒りを覚えたが、次に不気味さを覚えた。
「お姉ちゃん。あれ何かな?」
「何がよマーレ」
「あの人間の首……」
アウラはもう一度男の首元をよく見る。よく見ると男の首に黒い煙のようなものが浮いていた。浮いていたというよりも首から滲み出していた。
「分かんない」
男が手で首元を隠したら黒い煙のようなものは消えていた。アウラとマーレは分からなかった。
そして2人は動けなかった。初めて人間を不気味と感じた男に対してどう動いていいか分からなかったからだ。
アウラとマーレは考える。もう一度攻撃するべきかワールドアイテムを使用していいかを。
「どうするお姉ちゃん?」
「アイツを殺す。それは変わらないわ」
「ワタシを殺すのは構いませんがねぇ……アナタ方の主人がピンチですよ」
「「アインズ様!?」」
2人は自分たちの主人であるアインズが黒い壁画に襲われるのを見てしまった。そして助けに行きたくとも不気味な男に遮られる。
アインズが黒い壁画に襲われているのを見ているのはアウラとマーレだけではない。
side変更
ナザリック陣営。
階層守護者チーム。
階層守護者であるアルベドたちは至高の主人であるアインズがシャルティアに勝利したことに心から安心した。そしてアインズの不利すらも跳ね返す頭脳と力に対して賞賛が止まらない。
「さすがはアインズ様です。こうも不利を覆すとは……至高なる御方はいつも驚かさせられます」
「ええ、アインズ様は約束をお守りになりました。必ずナザリックにお帰りになると……クフー!! さすがアインズ様!!」
「アア。コノ、コキュートス。アインズ様のオ力ヲ見レテ感動シタ」
デミルゴスが椅子から立ち上がる。今度はコキュートスに武器で止められない。
「では、シャルティアを復活させるための金貨5億枚を用意しましょうか」
「ええ。宝物殿にいるパンドラズ・アクターに用意させましょう」
「ム……何ダコレハ?」
「どうしたのコキュートス?」
「アインズ様ヲ見ロ」
コキュートスの言葉に耳を傾け、アインズが映し出されている画面を見るアルベドとデミウルゴス。画面にはアインズの前に謎の黒い壁画が現れていたのだ。
黒い壁画の登場にアルベドたち3人は頭にハテナマークを浮かべる。頭脳明晰と言われるアルベドとデミウルゴスですら、あの黒い壁画が何なのか分からない。
間違いなくユグドラシルの世界には無かった存在だ。アレがモンスターなのかアイテムなのかすら分からない。
「確かに何かしらね?」
「壁画のようにも見えますが……黒い煙も滲み出していますね」
2人は黒い壁画が何なのかを考察する。しかし、その考察はすぐさま消え去る。画面に映し出されている黒い壁画がアインズを襲ったのだ。
至高なる主人を襲った。それだけで階層守護者の考えは全て吹き飛ぶ。
「何よあの壁画は!? アインズ様を襲うなんて何考えてんのよ!!」
「確かに驚きましたが、落ち着きなさいアルベド。アインズ様はシャルティアとの戦いで深手を負わされましたが、あんな壁画如きに負けませんよ」
デミウルゴスも本音は今すぐ黒い壁画を叩き割りたがったが、あんな今すぐにも割れそうな壁画はアインズに塵とされるだろうと思っていた。
だからアルベド宥めるのであった。しかしデミウルゴスの予想はハズレた。
「何だと!?」
アインズと黒い壁画の戦いを見ていたがアインズが圧されているのを見てしまい、デミウルゴスも冷静を欠けていく。
シャルティアとの戦いでHPとMPが大幅に減らされていたとはいえ、アインズはまだ至高なる仲間の武器と上位魔法をまだ使える。そして黒い壁画にアインズは魔法を撃ち込んでいた。
だがアインズの魔法が効いている様子は無い。さらにエリアを高速移動しながら攻撃している。
「ナンダ、アノ、モンスターハ?」
コキュートスがモンスターと言った。モンスターかどうかも分からない形だが、アインズを襲うならモンスターなのだろうとデミウルゴスは決め付けた。
それよりも至高の御方である主人が訳も分からない黒い壁画に圧されている姿を見て冷静にいられない。
「アウラとマーレは何をしている!?」
「ウムム……信ジラレン。深手を負ッテイルトハイエ、アインズ様ヲ苦シメルヤツガイヨウトハ」
「…………」
アルベドがブツブツと何か呟いている。普段ならば激昂していてもおかしくは無い。覗いて耳を傾けると聞こえてしまった。
アルベドが怨嗟の声を出していることに。
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!」
「今すぐ出動の許可を!!」
階層守護者が動こうとした時にアインズを映し出している画面に新たな3人の人間が映った。
「コイツラハ?」
side変更
ナザリック陣営。
モモンガチーム。
精神支配されていたシャルティアを倒し、モモンガは一息ついていた。そして静かにジェミニとかいうヤツに報復すると心から決めていた。
家族とも言えるシャルティアを自身の手で殺させたことは許さない。どんな方法を使っても必ず報復させる。それがモモンガの今の気持ちであった。
「さて、アウラとマーレと合流してナザリックに帰るか」
新地となった場から離れようとした時に中心からドロドロとした黒い煙が滲み出してきた。それはウィルスバグ。世界に災厄をもたらす存在。
「なぜこんなところにウィルスバグが……カイトさんにメッセージを!!」
ウイルスバグは黒い壁画へとなった。モモンガは目の前にいる黒い壁画を知っていた。正確には情報を得ていた。
目の前にいる黒い壁画は禍々しき波の1体であり八相。
「惑乱の蜃気楼イニス……!!」
カイトたち.hackersと同盟を組んでから八相について情報を得ていたのだ。これからウィルスバグを戦うにあたって敵の情報は必要である。
(でもまだオレはウィルズバグに対する手段を持っていない)
イニスが高速で移動して衝撃波を繰り出す。やはり威力は高いがスケィスと比べて低火力である。しかし今のモモンガはシャルティアと戦っていたため、深手を負っている。
状況はもともと不利だが、一層不利である。心少ないMPを消費して上位魔法を撃つが効いていない。
(カイトさんの言ったとおりイニスは魔法耐性があるから魔法は効かないか)
魔法が効かない。ギルメンの武器を使えば接近戦で戦える。しかしイニスを倒すデータドレインが使えないモモンガは戦っても負ける。ならば今できるのは撤退しかない。
(撤退するしかないな)
アウラとマーレ今すぐ撤退するようにメッセージを飛ばす。何か重要なことをいっているが今は撤退が先決である。モモンガは後でアウラとマーレから話を聞くことにした。
「さて、オレも撤退しないとな」
苦笑いしながらイニスを見る。相手は高速移動をしている。撤退できる可能性は低い。速さならスケィスに負けていないイニス。
銀色の鎧をもう一度装備する。そして荒々しい日本刀も装備し直す。どちらも信頼するギルメンの装備だ。
撤退戦の始まりだ。
「もしくはカイトさんが来るまで耐えるまで。今のオレができるのはこれだけだ」
カイトたちが来るまであと少し。
読んでくれてありがとうございます。
シャルティア戦はまさかのカットです。詳しくは原作かアニメで(笑)
今回の話はシャルティア戦後のオリジナルとなりました。
シャルティア 「出番が・・・(悲)」
アインズ 「アニメでたくさん出番があっただろう」
カイト 「そう言えば、今回ボクら.hackers組も出番無いね」