では、始まります!!
ナザリック陣営
王都の夜にて屋敷ではセバスがアインズたちにツアレの保護について報告した。その不始末としてツアレの殺害により許されると残酷さだ。
セバスは一瞬の逡巡の後にこれを実行しようとした。ツアレ自体もセバスに救われた命と思っているので彼になら殺されても良いと言う。
その悲しい手刀はコキュートスによって止められる。実は詰問がセバスの忠誠心を試すためのものだったのだ。
至高の主の慈悲に感動するのであった。その後はツアレの処遇に長い議論に至ったが最終的にはナザリックで働くことが決定。
「部下には彼女に手を出すなと伝えておこう」
「ありがとうございますアインズ様」
「お前の忠誠心による褒美だ。これからも頼む。そしてその人間の女……ツアレを守ってやれ」
「はっ。分かりましたアインズ様!!」
ツアレの件は一件落着である。これからナザリックに人間が住む。いろいろと大変だろうがセバスの救った命だ。大丈夫だろうと思うアインズだ。
それにアインズとセバスの庇護下にいるツアレはある意味安全なのだ。セバスとツアレの関係がどうなるかは分からないが良い結果になると深く思うのであった。
本当に一件落着かと思ったがそうは問屋が卸さないらしい。なぜなら八本指の手の者によってツアレは誘拐されたのだ。
この報告を受けたアインズは怒る。すぐさまツアレの救出と八本指の殲滅部隊の編成を即座に命じた。
せっかく助けた命を散らすわけにはいかない。最近は本当にアインズの心は善側に傾いているので人としての正義感が燃え上がる。セバスもまた怒り、必ず救うと決めた。
「デミウルゴスよ。お前に救出作戦と殲滅作戦のリーダーを任せる。出来るか?」
「任せてくださいアインズ様。必ず成功させます」
「うむ。セバスも必ずツアレを救うのだ」
「はい。必ずや救います!!」
アインズたちは王国の裏にて動き出す。
side変更
.hackers、蒼の薔薇陣営
カイトたちはある宿屋に向かった。その宿屋には蒼の薔薇という冒険者チームが待っている。
なつめから会ってほしいと頼まれて王国まで足を運んだのであった。それに同じアダマンタイト級冒険者チームとも会ってみたかったのもある。
「こんにちは。ボクが.hackersのリーダーのカイトです」
「君が『蒼炎』の。私は蒼の薔薇リーダーであるラキュース・アルベイン・デイル・アインドラだ。ラキュースと呼んでくれ」
お互いに握手をする。
この宿屋にはカイトを含め、ブラックローズ、ミストラル、ガルデニア、寺島良子、なつめ、ぴろし3という.hackersがそろった。逆に蒼の薔薇はラキュースを始め、ガガーランたち全員がいるのだ。
早速本題の話に移る。それは八本指という犯罪組織との戦いに仲間として加わってほしいとのことだ。それに関してはなつめから既に聞いている。
その報酬としてウィルスバグを見つけたら情報を提供するというのだ。それはとてもありがたいことだ。
それにカイトの性分からして断れるはずもなかった。ブラックローズたちもヤレヤレと言った感想だ。
「分かりました。ボクたちも強力します」
「ありがとうカイト。とても助かるわ」
この時をもって.hackersと蒼の薔薇による八本指殲滅チームが完成した。ラキュースは勝機が見えたと思う。
アダマンタイト級冒険者チームが協力するのだ。誰もが勝ちを思うだろう。
(でも油断しちゃダメよ。相手は王国の裏社会を牛耳る犯罪者組織だからね)
「じゃあもう1回自己紹介をしようか。さっきも言ったけどボクはカイト」
「アタシはブラックローズよ。よろしくね」
「ミストラルだよ~(^ー゚)ノ」
「……ガルデニアだ」
「寺島良子です。よろしくお願いいたします」
「もうご存じだと思いますが、なつめです。よろしくです」
「私こそがぴろし3だ。ジュワッチ!!」
.hackersメンバーの自己紹介が終わる。次は蒼の薔薇の番だ。
「私はラキュース」
「俺はガガーランだ。カイトは童貞か?」
「ティアだ。……美少女ばっかりで良い」
「ティナだ。君がカイト……もう少し小さかったら」
「……イビルアイ」
簡単な自己紹介は終わる。でも何か余計なことを聞いたカイトたち。これにはラキュースが注意する。
「ガガーランは何を言ってんのよ!!」
「いやーすまんすまん。カイトが良い男だったからな。童貞かどうか確認しちまったんだよ」
これを聞いてブラックローズたちは警戒する。本気か冗談か分からないがカイトをガガーランと一緒にさせないほう良いと。
「カイトさんに何かしたらなつめは許しませんよ!!」
「分かってるって。はっはっはっは」
「信じられません」
皆がジト目で見るのであった。それを見てガガーランは汗をタラリ、「信用ねえな……」とボソリ。
「あんなことを言えばそーでしょうが!!」
「確か……ブラックローズだっけか。だってよお、良い男が居れば聞くだろ?」
「聞くか!!」
早くもツッコミをいれるのであった。案外仲良くなるのに時間はかからないのかもしれない。
他のメンバーも宿屋で食事をしながらコミュニケーションをとるのであった。その中で1人静かな者がいた。
彼女はイビルアイ。仮面を付けた少女であり、マジックキャスターだ。蒼の薔薇の切り札でもある。
「こらイビルアイ。貴女も会話に混ざりなさい」
「面倒」
「まあ、無理に会話に混ざらなくても良いよ」
「でもカイトさん」
「いきなり出会って仲良くってのは難しいからね。少しずつ会話して仲良くするのが一番だよ」
カイトの言葉は正論だ。誰もがいきなり仲良くなれるわけではない。人には人の距離の詰め方がある。
「分かるじゃないかカイトとやら。お前は良いやつだ」
「まったくイビルアイはいつも上から目線よね」
「ボクは気にしませんよ」
「そうそう。それなら昔のバルムンクで慣れてるしね」
ブラックローズも加わる。彼女の言葉からカイトも昔のバルムンクを思い出す。確かにバルムンクも上から目線であった。
昔の話である。懐かしいと2人は思うのであった。
「バルムンクってもしかして『蒼海』か『蒼天」のどっちか?」
「よく知ってるね。バルムンクは『蒼天』の方だよ」
「噂でね。とても強いと聞いている。彼らにも力を貸してもらいたいよ」
ラキュースからしてみれば仲間はいくらいてもほしい。王国の裏社会を牛耳る犯罪組織と戦うなら仲間の数がほしいのだ。さらにアダマンタイト級の実力者なら尚更だ。
「バルムンクもこの王国にいるよ。それに『蒼海』のオルカもね」
「本当!?」
「ええ。バルムンクとオルカは別行動でアタシたちと同じでこの王国に訪れてるのよ。今はある目的で離れてるけどね」
その目的はカイトたちと同じでウィルスバグの調査である。しかしバルムンクたちも八本指と関わっているとは思わないだろう。
しかも既に八本指の一角を潰しているのだ。その報告を後で聞いたカイトたちは驚く。
「ところで八本指ってどんな組織なのよ?」
八本指はその名の通り8部門から構成されている犯罪組織だ。
奴隷売買、暗殺、密輸、窃盗、麻薬取引、警備、金融、賭博がある。その全てが王国の裏を牛耳っている。その影響力は強大であり、このままでは王国は乗っ取られてしまうのだ。
だからこそ王国が八本指の対策の為に蒼の薔薇を雇ったのだ。
ブラックローズは八本指のことを聞いてため息を吐いた。
「うっわ何その組織最悪」
「その最悪な組織を壊滅させるのが我々である!!」
「ぴろし3。いつも通り元気だね」
「うむ。はーっはっはっは!!」
平常運転なぴろし3。
蒼の薔薇のメンバーは彼について聞いた。いつもこんな暑苦しい男なのかと。その答えにカイトたち全員は頷く。
「「やっぱりそうなんだ」」
ティアとティナが同時に納得する。
「ほら、なつめの言った通りでしょ。ぴろし3はいつも暑苦しいですよ」
「……そうだな」
ガルデニアですら肯定するのであった。
.hackersの中で誰が暑苦しいかと言われればぴろし3しかいない。それほどの強烈な人物なのだ。しかし悪いやつでなくて、寧ろ良い男である。
その正義感があるから黄昏事件でもカイトに力を貸してくれたのだ。だから彼を信じられる。
「ぴろし3は悪いやつを悪いやつだとはっきり言う男だからね。犯罪組織を壊滅させるなら力を貸してくれるよ」
「それにバルムンクも正義感が強いから、途中で合流して力を貸してくれると思うわよ」
「そっか。それなら心強いわ」
明日にはカイトたちのことをラナーに報告しようと思う。ラキュースたちは最高の戦力を手に入れたのであった。
蒼の薔薇は.hackersと共に八本指を壊滅させる準備を始める。
side変更
オルカ、バルムンク、ブレイン、ガゼフチーム
娼館の襲撃後、バルムンクたちはガゼフの館に戻っていた。帰るとガゼフが食事を用意しており、夕食を食べながら今日の出来事を話していた。
セバスという強者の出会い。王国の裏犯罪組織の襲撃。八本指に反撃として娼館の襲撃。八本指の一角の捕縛。
話せば長くなるのであった。
「八本指か……それは私も頭を悩ませていた組織だ。それの一角を潰すとはな」
「まあな。だがオレだけの功績じゃない。バルムンクやオルカたちのおかげでもあるさ」
白パンを齧る。
「何言ってんだ。俺なんか出番無かったぜ。それに大物のサキュロントだっけか。そいつを倒したのはブレインだろーが」
「オルカの言う通りだ。自分の功績は誇りに思う事が大事だぞ」
オルカとバルムンクはブレインの功績を心から称賛する。武の心を砕かれかけていた男が成長を見せたのだ。褒める以外ないだろう。
2人の強者から褒められれば武人としてブレインはガラも無く照れてしまう。それを隠すように肉に齧り付く。同じくオルカも肉を食べる。
「でもアイツに比べればまだまださ。だからオレはもっと強くなる」
そのアイツとはシャルティアのことだなとバルムンクは思う。その圧倒的な吸血鬼であるシャルティアがその後、バーで飲んだくれていたなんてブレインは想像できないだろう。
彼女のためにもバルムンクはワインと共に秘密を胃の中に飲み込んだ。
「まだ勝てないだろうけど、オレは必ずリベンジするさ」
「そうか……ならもっと修業が必要だな。時間があればオレも鍛錬に付き合おう」
「助かるバルムンク」
これからまた修業が始まる。腕をもう一度最初から鍛えなおそうと思うのであった。その姿を見てガゼフもまた同じことを思うのであった。
最近の出来事だが、ガゼフも圧倒的な強さを持つ者に出会ったことがある。その人は命の恩人である。その恩を返すためにもっと強くなる必要があるのだ。
「なあブレイン。お前さえ良ければ私の隊に入らないか?」
「ガゼフの部隊にか?」
「ああ。一緒に強くならないか?」
「それも悪くないかもしれないな」
ライバルと共に競い合う。確かに悪くない提案であった。
夜は更ける。明日は激動となるのをまだ彼らは知らない。
side変更
ウィ#ル%*グ陣営
第?相ゴ$チーム
太陽と月のイメージした仮面の男たちは暗く、深い地下にいた。
周囲を見ると黒い煙のようなものが大量に蠢いていた。それはウィルスバグ。そこは王国の地下だ。
「ウィルスバグは順調に増殖してますねぇ」
「それもメイガスの能力のおかげですねぇ」
蠢くウィルスバグの中心には12枚の黒い葉を付けた魚の骨のような存在がいる。まさにソレがメイガスの破片データを取り込んだウィルスバグである。
「増殖の能力は重宝物ですからねぇ」
「でもぉ……もうすぐ終わる。もうすぐ我々の考えた策が実行される」
不気味に笑う。双子の策はカイトたちを襲うものである。
「八本指には我々の策が実行されるまでの囮になってもらいましょう」
そのために双子は六腕を動かしたのだ。勝負にもならないだろうが時間稼ぎくらいにはなるだろうと思うのであった。
「作戦名はどうします?」
「何でも良いですよぉ」
「じゃあ墳墓の住人どもがこの王国で何か仕出かすみたいですから……その作戦名を参考にしましょうぉ」
「確か『ゲヘナ』でしたねぇ」
ゲヘナと聞いて双子は思いつく。
「偶然かですかねぇ。アレのスキルと似た名前とはぁ……」
「どうでもいいですがねぇ」
「「くはは&gか%+‘@ハハハ!!」」
不気味に笑う双子。双子の作戦名が決まる。策の実行は明日。
読んでくれてありがとうございます。
アインズや蒼の薔薇たちは八本指を倒すために準備を始めます。
そして不気味な双子も策を実行させようとします。
ナザリック 「必ず」
.hackers 「八本指を」
蒼の薔薇 「倒す!!」
八本指 「何これ・・勝ち目無い」