物語は「ゲヘナ」に突入して激戦となります。
まあ・・・原作と違ってカイトたちもいますからヤラセ感がアリアリの作戦となっています。
カイトたちは「ゲヘナ」に巻き込まれる蒼の薔薇に申し訳ないと思っています。
自分で物語を書いていてなんだけど・・・
でも気にせず物語は始まります!!
カイト、モモンチーム
ついに悪魔と戦士の戦いが始まった。
カイトとモモンはヤルダバオトの向う場所へと走り抜ける。援護としてブラックローズ、ナーベ、イビルアイが追加される。
ゲヘナの炎を突っ切ると大悪魔ヤルダバオトと仮面を付けた5人のメイドが待っていた。まるでカイトとモモンを倒すために揃えた戦力と言わんばかりだ。
実際は戦いの演技をするために揃えられたプレアデスチームだ。
「来ましたね王国の戦士たちよ」
「ああ。お前たちを倒しに来たぞ」
大剣を2本構える。同じく双剣を抜くカイト。ブラックローズたちも武器を構えて戦う準備は完了である。
「お前たち。私は漆黒の大剣士と蒼炎の双剣士を相手します。残りは消せ」
モモンとカイト、ヤルダバオトは同時に跳び立つ。そして剣を打ち合いながらどこかへと向うのであった。
残ったのはブラックローズたちと5人のメイドたちだ。
「じゃあこっちはこっちで始めましょーか!!」
「そうですね」
彼女たちも分かれて戦うのであった。組み合わせは無意識に決まった。
ブラックローズ、ナーベラル対ソリュシャン、ルプスレギナ、エントマ。
イビルアイ対ユリ、シズ。
まずはブラックローズたちとの戦いである。
「で、どーすんの?」
「適当に戦うだけです」
適当な戦いが始まる。
とりあえずブラックローズは大剣でわざと外して地面をえぐった。その威力に「恐いですわ」と心の篭っていない感想が聞こえる。
「いくっすよー!!」
ルプスレギナが聖印を形どったような巨大な聖杖を乱暴に振り回すのに対してブラックローズは大剣で迎え撃つ。
ガキィン!!っと金属音が鳴り響く。反動で後ろに下がったのに追撃の軽い蹴りを繰り出す。
「ちょっ……痛いっす!!」
「我慢しなさいよ」
「式蜘蛛符で大蜘蛛を召喚~」
エントマは相当な大蜘蛛を召喚した。その大きさに「ウゲッ!?」と驚く。
一瞬驚いたが「サイクロン」にて大蜘蛛を細切れにして吹き飛ばした。
「はぁぁ……本当ならあの蟲殺しの魔法を使うマジックキャスターを殺したいですわぁ」
「でも、エントマの天敵とも言える魔法を使うのでしょう。なら相性的に勝てませんわよね」
「ソリュシャン~……でも悔しいよぉ」
適当に符を投げつける。それを適当に大剣で打ち払う。
適当に戦うといっても、この戦いも現地の人から見れば激戦と見えるだろう。やはり異世界にとって彼女たちの戦いは一線を越えているのだ。
「まだまだっすよー!!」
ルプスレギナもリベンジと言わんばかりにまた巨大な聖杖を乱暴に振り回しに来た。ならばと同じく大剣を打ち合わせる。
「うらうらうらうらっす!!」
「ちょっとアンタはマジで殺しに来てない!?」
「そんなこと無いっすよー」
ガキィン!!っと何度も金属音が鳴り響く。火花は何度も発生する。
その戦いを優雅に見るソリュシャン。今のところ戦う気配は無い。
「そろそろ私も戦った方がよろしいですわね」
「そうですね。ライトニング」
「ちょっと、いきなりですわね」
いつの間にソリュシャンの後ろに移動していたナーベラルが魔法を撃つ。もちろん当てるつもりは無い。
「後ろからは卑怯ですわよ」
「アサシンの貴女に言われたくありませんね。それに演技とは言え、戦うのが命令ですから実行しますよ」
この戦いはとりあえず演技をすることとデミウルゴスから命令されている。それもこれもアインズのためだ。
主のためなら絶対に守る命令だ。ナーベラルは真面目に戦うのであった。おしゃべりしながらだが。
「それは真面目に戦うって言わないですねぇ」
エントマも少し面倒になったのか適当に符をばら撒くのであった。その符はルプスレギナとブラックローズを襲う。
敵味方なんて関係無い。なので2人は同時にばら撒かれた符を全て叩き落す。
「ちょっと危ないっすよエントマ!!」
「ん~」
適当にまた符をばら撒く。
「うわわわわわっす!?」
「本当に危ないわね!!」
「ライトニング」
今度は雷の魔法が飛んできた。その狙いはブラックローズとルプスレギナの間である。
「ちょっとナーベラル。今のわざとでしょ!!」
「さあ?」
「この~!!」
「仲間割れですかぁ?」
ブラックローズたちの戦いはけっこうグタグタである。
一方、イビルアイ対ユリ、シズは本当に真面目に戦っていた。
戦場は魔法や銃撃が飛び交う空間となっている。まさに本当の意味で激戦である。
「撃つ……くらえ」
「くらうか。クリスタル・シールド」
「私の拳をくらいなさい!!」
ユリの鉄拳がクリスタル・シールドを砕く。さすがはストライカーだろう。
だがイビルアイも負けていない。次なる魔法を撃ちだす。
「シャード・バックショット!!」
結晶の散弾が放たれる。だがユリに着弾する前に全ての結晶弾が弾かれる。それを成し遂げたのはシズである。
シズがユリに結晶弾が当たる前に全て銃弾で撃ち落したのだ。
「援護任せて」
「ありがとうシズ。やっぱり貴女は頼りになるわ」
「……クリスタルランス!!」
今度は水晶騎士槍を魔法で生成してユリと打ち合う。
「やりますね」
「そっちもな。だけどこの勝負は私たちの勝ちだ」
「……聞いても?」
ユリはイビルアイが絶対の勝利を確信している自信を聞く。そもそもこの勝負は出来試合に過ぎない。たしかにイビルアイ側の勝利だろう。
それでも一応聞いておく。
「簡単。そっちの親玉が相手にしている2人に敵うはずが無いからだ」
ヤルダバオト(デミウルゴス)が相手をしているのは.hackersのリーダーであるカイトと至高の主であるモモン(アインズ)だ。
普通に考えれば確かに負けるだろう。失礼かもしれないが、デミウルゴスがアインズとカイトのコンビに勝てることが想像できないのだ。
(それに関しては的を射ていますね)
「それにカイトは勇者だ!!」
「……は?」
「カイトはとっても強いんだぞ。かっこよくて強くて凄いんだぞ!!」
「……はあ」
カイトを思うとフルフルと興奮する。それが戦場であってもだ。イビルアイの恋は膨れに膨れ上がっているのである。
本当にカイトのことを思うと身体のイロイロな部分が反応するのだ。妄想は様々なことを思い浮かべる。
「私のカイトが大悪魔に負けるはずない!!」
「……そ、そうですか」
コメントの返しに困るユリである。
「アイツ、カイトに惚れてる」
「そ、そうみたいね」
真剣に真面目に戦いは続く。
side変更
オルカ、ブレイン、クライムチーム
オルカたちは王国の民を救いに倉庫区へ向かった。そこには多くの悪魔とシャルティアが資源を強奪していたところであった。
正確にはシャルティアが資源を運ぶ悪魔を空間ゲートに入れている状況である。
「お、お前は!?」
「ん……誰でありんすか?」
ブレインにとっては最大の敵。シャルティアにとっては本気で忘れた存在である。
「そうか……俺を忘れたか。確かに俺は弱かったからな」
(おいシャルティア。マジで覚えていないのか?)
(アイツは誰でありんすかオルカ?)
(マジで覚えてねえのか……)
覚えていないものは仕方ない。ならばこのまま話を進めるしかないだろう。
オルカはシャルティアにメッセージ会話にてヒソヒソと会話をする。この状況、何が目的なのか、何をすればよいのか。様々な説明をする。
(余計なことは話すなよシャルティア。俺ですらよく分かっていないんだから)
(分かってるでありんすよ。でもこれはアインズ様のため。そしてウィルスバグを探すためでもありんす)
(そーかい、そーかい。んで、王国の民はどこにいる?)
オルカたちの目的である王国の民がどこにいるかを聞く。ここでドンパチ戦うのも良いが今は民の救出が先なのだ。
(人間どもなら向こうの倉庫に放り込んでいるでありんす。本当なら攫うつもりでありんしたが、アンタらが来たら返すようになっているんでありんすよ)
(そうか。サンキュー)
オルカたちは民を救出に行きたいがどう行くか考える。
「ここは俺のリベンジだ。時間を稼ぐからクライムは早く行け!!」
「で、でもブレインさん」
「ブレインを残すわけには行かないからな。俺も戦うぜ」
オルカとブレインがシャルティアの前に出る。
(仕方ないから戦って隙を見て逃げることにしたぜ。合わしてくれよな)
(面倒……分かったでありんす)
「俺が先に出るぜ!!」
ブレインが刀を構えて抜刀の準備をする。恐怖が無いわけでは無い。しかし近くにオルカがいる。そして守るべきクライムがいる。
自然と恐怖の震えは無くなる。逆に刀の柄を掴む手が熱くなる。深呼吸をして心を落ち着かせる。
「いくぜ……」
「はいはい。来るなら来るでありんす」
武技の領域と神閃とガゼフの武技を見様見真似で再現した四光連斬の合わせ技が発動。
「爪切り!!」
ブレインの抜刀術は鋭い剣閃。今度は前とは違ってシャルティアの爪を切り落としたのだ。
シャルティア本人は驚く。絶対のレベル差があるのに爪を切り落としたからだ。ありえないが現実である。
オルカは思う。この異世界ではやはりレベルの差だけで勝負は決まらないと。そして短期間で成長したブレインを心から称賛する。
彼は必ず強くなる。そう信じられた。
「今度は俺の番だ。うおうらあああああああ!!」
大剣で力強く地面をえぐり砕いた。その衝撃で岩石やら砂煙やらが舞い上がる。その隙に乗じて離脱する。
「ちょ……通り魔でありんすか!?」
シャルティアの感想は間違いでは無い。しかしシャルティアもただでは逃がさない。
せめてオルカにビンタをくらわしたのであった。
「痛ってええ!?」
「これくらいはお返しでありんす!!」
首が一周しなかっただけでも良しとした。
オルカたちはこのまま王国の民が捕まっている倉庫へと向かってスケイル・デーモンと戦闘に入る。勝つのはもちろんオルカたちだ。
王国の民を救うのであった。
side変更
バルムンク、ラキュースチーム
冒険者たちはバルムンクとラキュースのダブルリーダーの指揮の下、戦場で悪魔たちと戦っていた。
最初は敗色濃厚かと思われたが.hackersの活躍が大きく、スケイル・デーモンとの戦いも勝ちが揺るがない。
バルムンクやガルデニアたちが自慢の武器で容易く悪魔たちを屠る。その姿を見て蒼の薔薇や他の冒険者たち、王国の兵士たちは絶賛する。
「す、凄い」
「ラキュース後ろだ!!」
バルムンクがラキュースの後ろにいた悪魔を斬り倒す。それはまるで勇者が姫を助けるようにだ。それを見た寺島良子はカイトに助けられた時を思い出す。
「大丈夫か?」
「え、ええ」
「油断するな。一瞬の油断で命を落とす」
ラキュースを優しく降ろす。そしてすぐに悪魔との戦いに入る。
それを見ていたガガーランたちは思う。「ついにラキュースにも春が!!」と。実際にラキュースも一瞬イイと思ったのは否定できない。
しかし、今は悪魔との戦いだ。そんなことを思っているわけにはいかないのだ。
「私も助太刀します!!」
自身の背後に浮かぶ6本の黄金の剣を飛ばしてバルムンクの周りにいる悪魔を薙ぎ払う。まさに飛剣である。
ラキュースの援護にバルムンクは短く「感謝する」と呟く。そしてそのまま2人でコンビネーション抜群の如く悪魔を斬り払う。
「超技! 暗黒刃超弩級衝撃波(ダークブレードメガインパクト)ォオ!!」
「閻魔大車輪!!」
暗黒の斬撃波と刀剣によって無数に生み出された円陣の斬撃が悪魔たちを殲滅する。
「まだまだ行くぞラキュース!!」
「ええ!!」
2人は怒涛の攻撃を続ける。初めてのコンビだがバッチリと言う他無いほどだ。
「こっちも負けてられねえな」
「うん」
「援護は任せて~(*゚▽゚)/」
ミストラルは皆に全体に援護魔法が唱える。全体援護魔法は異世界にとってレアとも言える。ミストラルの魔法は冒険者たちの戦力強化で助かっているのだ。
しかも癒しの魔法まで使えて、後方の要となっている。
「ラプコーブ。ラプコーマ。ラプボーブ。ラプボーマ~!!」
「感謝する……崩天烈衝!!」
「オルアンゾット!!」
ガルデニアの槍捌きと寺島良子の魔法捌き。竜王国の時のように絶賛されている。
「なつめも頑張ります!!」
なつめも負けまいと戦う。
「無双隼落とし!!」
浮かした悪魔を高速で切り刻み倒す。
そして忘れてならないのがぴろし3。彼は槍を1突きするだけで悪魔を屠る。下位悪魔だからとも言えるが。
それでも他の冒険者や兵士たちにとってぴろし3の活躍を絶賛するし、士気も上がる。
「どうだあああああ!! 緋々威ィ!!」
雄叫びを上げながら悪魔の軍勢に突っ込むぴろし3はまさに一騎当千の戦士であった。
「無茶すんなぁぴろしの奴は……」
「さすが暑苦しい黄金戦士」
戦いの戦況は良い。さらにランポッサⅢ世が戦場に現れて士気をもっとあげる。ガゼフと戦士団も加わり、怒涛の反撃の狼煙をあげるのであった。<input name="nid" value="77987" type="hidden"><input name="volume" value="36" type="hidden"><input name="mode" value="correct_end" type="hidden">
読んでくれてありがとうございます。
この物語の「ゲヘナ」はカイトたちがいますから王国側は原作より被害は少ないです。
「ゲヘナ」に関してではですが。なぜなら次回から急に物語は加速します!!
次回からついに双子が動きだします!!
王国はどうなる!?
カイト 「ところでオルカ。その顔の紅葉は何?」
オルカ 「シャルティアにビンタされた・・・」
アインズ 「プッ・・・(笑)」
オルカ 「笑ったな!!」