.hack//OverLord   作:ヨツバ

45 / 78
ついに大墳墓の挑戦が始まります。
今回は挑戦前の話的な・・・です。

では始まります


挑戦

.hackers陣営

 

カイトたちはナザリック地下大墳墓の攻略について会議していた。ギルド同士の戦いはまた違う苛烈さがあるのだ。

 

「まず、こちらの切り札であるデータドレインは回数制限がある。無駄撃ちは避けるべきだ」

「分かっているよ八咫。データドレインを使うのは基本的にアインズさんたちがワールドアイテムを使用した時の迎撃だね」

「その通りだ。ワールドアイテムはやはり規格外だからな」

 

ユグドラシルのワールドアイテムはとんでもない。カイトたちも理解している。それにアインズたちもデータドレインを恐れている。何か対策を考えているだろう。

 

「チーム分けだがどうする?」

「今回はくじ引きは止めようぜ」

 

オルカの言う通り、チーム編成は練りに練って決定した。

第1陣がカイト、ブラックローズ、バルムンク、オルカ、ミストラル。

第2陣はガルデニア、砂嵐三十郎、エンデュランス、ニューク兎丸、レイチェル。

第3陣はぴろし3、なつめ、寺島良子、マーロー、月長石。

第4陣がヘルバ、八咫。

 

「この編成で大丈夫だろう。次に各階層守護者の討伐だ」

「それならオレとオルカはシャルティアの相手をしよう。元々、リベンジ戦だからな」

「おおともよ。勝つぜ」

「他に階層守護者を相手する人はいるか?」

 

今度は砂嵐三十郎が手を挙げる。彼の対戦相手はコキュートスだ。侍の魂を持つ者として武人のコキュートスと戦ってみたいのだ。もちらんコキュートスも同じ気持ちであるのだ。

 

「じゃあコキュートスは砂嵐三十郎に任せるわ」

「次はアウラとマーレ」

「マーレはぼくが相手するよ」

「では、私がアウラを相手しよう」

 

ガルデニアとエンデュランスに決定。

 

「デミウルゴスは私が戦う」

 

八咫がデミウルゴスと戦うのが決定。

だが、あくまでもの対戦カードだ。実際にナザリック地下大墳墓に挑戦してその組み合わせになるとは限らない。

 

「最後にアインズやアルベドたちは自由に動けるから鉢合わせた者が戦うことになるだろう」

「そうだな。向こうがどう動くか分からないからな」

「必ずしも戦うってわけじゃないよね。なら撤退もありかな(^^;)?」

「そうだね。ボクらの勝利条件はナザリック地下大墳墓の第8階層の突破だから無理に戦うことは無いね」

 

「向こうは逃がさないだろーが」とマーローが呟く。なにせ、アインズ側の勝利条件が時間内の防衛と.hackersの全滅だからだ。

 

「トラップも多くありそうだから気を付けるのだぞ」

「だね」

「勝つぜ」

 

.hackersは会議を続けるのであった。

 

 

side変更

 

 

ナザリック陣営

 

アインズたちもカイトたちと同じように対策会議をおこなっていた。

 

「これよりナザリック地下大墳墓の防衛作戦の会議をおこなう」

「「「はっ。アインズ様!!」」」

 

と言っても階層守護者のやることは今までと変わらない。自分の階層を守るだけだ。あとはトラップを増やしたりだ。

 

「シャルティアたちはいつも通り階層で待機し、カイトさんたちが来たら迎撃だ。もしくは自分の階層内を動いて自ら迎撃しても構わない」

「「「はい。分かりました」」」

「次にセバスとプレアデスたちは各階層を動き、カイトさんたちの討伐だ。尖兵として頼む」

 

セバスとプレアデスのメンバーも力強く返事をする。

 

「アルベドは私の側に。基本は私と二人一組で動くぞ」

「はい。アインズ様!! 私はいつでも一緒です!!!!」

 

ここ一番の良い返事である。二人一組と言う言葉に反応したのだ。

 

「だが、場合によってはアルベドにも迎撃に向かってもらうからな(汗)」

 

もしかして2人きりはイロイロと危険かもしれない。

 

「シャルティアよ。リベンジ頑張るのだぞ」

「はいアインズ様。必ずや勝利の華を捧げるでありんす!!」

「うむ」

 

シャルティア対フィオナの末裔。

激戦になるだろうと思うのであった。

 

「コキュートスは全力で剣を振るうのだ」

「ハイ。コノ、コキュートス。全力デ戦イニ望ミマス」

 

コキュートスは砂嵐三十郎との戦いを思い描く。彼とは良い戦いができるだろう。

 

「アウラとマーレも頑張るのだ」

「はい。アタシたちは迎撃に向かいます!!」

「えぇ……待ち受けてようよお姉ちゃん」

「何言ってんのよマーレ。第6階層まで来たらこっちから迎撃に行かないとダメよ」

「ハハハ。それは任せるぞ」

 

2人の頭を撫でる。撫でられている時の2人はやはり年相応の子どもである。設定的にはアインズ(鈴木悟)よりも年上なのだが。

 

(それにしても、アウラは良いとしてマーレまで頬を赤くしてるな。これで男なんだよなあ)

 

彼女たちを造ったぶくぶく茶釜はどんな思いで造り上げたか気になるのであった。

 

「デミウルゴスは最後の門番のようなものだ。お前の知力に期待しているぞ」

「お任せください。私の策にて防衛してみせます」

 

やはり頼りになるデミウルゴスだ。彼の策は素晴らしい。やりすぎのところもあるのだが。

後に聞いた話だが、最初に冗談でこぼした世界征服を本気にしていたのは予想外だ。

 

「セバスやプレアデスたちは油断するな。相手は歴戦の猛者だからな」

「はい。アインズ様。このセバス、全力で戦う所存であります」

「うむうむ。期待しているぞ」

 

プレアデスのメンバーもやる気が出ている。彼女たちが.hackersとどこまで闘えるかも見物である。

 

「勝つぞ!!」

 

アインズたちも会議を続けるのであった。

 

 

side変更

 

 

ワーカー陣営

 

依頼を受けたワーカーたちが集結する。

少数精鋭のフォーサイト。

歴戦の戦士が揃うヘビーマッシャー。

伝説の老公が率いるグリーンリーフ。

不敗剣士のワンマン経営の天武。

 

彼らは期待と欲望を混同しながら謎の大墳墓の調査に繰り出す。

だが、彼らは知らない。大墳墓が凶悪なダンジョンであり、自分たちじゃ調査もままならない。自ら棺桶に足を突っ込むようなものだと。

 

彼らは知らないからまだ笑顔なのだ。

その笑顔が歪む日は近い。

 

仲間を思う者。

必ずや調査を成功させると思う者。

慎重に動こうと思う者。

簡単に片付けると自信が有りすぎる者。

ワーカーたちはそれぞれが実力を発揮しようと思っているのだ。

 

それが全て崩れ去る。

彼らワーカーたちは本当に運が悪い。

しかし、運はマイナスでは無い。まだプラスであるのだ。地獄を見るのは確定だが希望はあるのだ。

 

知らないところで、調査対象の大墳墓にて黄昏の勇者たちが挑戦しようとしているのだ。

ワーカーたちは黄昏の勇者たちに出会えれば、悪夢のような大墳墓から生還できるかもしれない。

だからまだ希望は残っているのだ。

 

彼らはまだ知らない。

 

 

これより、三つ巴の物語が始まる。

大墳墓に挑戦する者たち。

大墳墓を防衛する者たち。

大墳墓に侵入する者たち。

様々なことが起こるだろう。




読んでくれてありがとうございます。
内容通り、次回から三つ巴の物語が始まります。
どんな展開になっても生暖かい目でお願いしますね!!


アインズ  「そういえば何か忘れてる気がするけどいっか!!」
ワーカーたち「侵入しちゃうぞ!!」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。