.hack//OverLord   作:ヨツバ

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こんにちわ。
今回の内容はタイトル通りです。どんな戦いになるかは読んで確認を!!

では、始まります。


フィアナの末裔VS真祖の吸血鬼

.hackers陣営

 

剣と槍が何度もぶつかり合う。

さすが真祖の吸血鬼と言うべきだろう。細腕なのに大きなスポイトランスを軽々しく振るってオルカの大剣と渡り合っている。

ナザリック地下大墳墓に金属音が鳴り響く。だが、まだお互いとも決定打は無い。浅い傷のみである。

 

「おらあああああああ!!」

「くらうか。パラライズ!!」

「うおっ危な!?」

 

麻痺られたら地味に厳しい。状態異常は戦闘において重要な攻防な1つである。

 

「虎乱襲!!」

「グレーター・テレポーテーション!!」

 

虎乱襲を瞬間移動にて避けてオルカの背後に現れる。スポイトランスで刺突しようとするがバルムンクに防がれる。

神速の抜刀術が閃き、斬撃が何重にも放たれる。その斬撃はシャルティアの防具に傷を付ける。

シャルティアの防具はゴッズアイテムでなければ傷を付けるのは難しい。だがバルムンクとオルカの攻撃はダメージを確実に与えてくる。

 

(アインズ様の言う通り……強い。人間がここまでの強さとは)

 

左手に神聖属性を持つ長大な戦神槍を出現させる。そのスキルはシャルティアのとっておきの1つである。

前回の戦いでくらったオルカはその威力を身に染みて理解している。危険なスキルだ。

 

「あのスキルがくるぞ。気をつけろ!!」

「ああ!!」

「清浄投擲槍!!」

「無影閃斬!!」

 

無数の斬撃と長大な戦神槍がぶつかり合って消滅する。

 

「どうだ」

「中々でありんすねえ。ウフフ」

 

何か含みのある笑いをする。気になるが分からない。

分からないのなら気にせずにまだ攻めるしかない。

 

「はあああ!!」

「くらええ!!」

 

槍と剣のぶつかり合いがまた始まる。その隙にオルカが突撃して横から大剣を振るう。その一撃でシャルティアを壁際までぶっ飛ばした。

だが向こうもただではぶっ飛ばされるつもりも無く、魔法のウォール・オブ・ストーンを発動していた。

本来なら防御に使う魔法だがバルムンクの足下に発動して突き飛ばしたのだ。

 

「大丈夫か?」

「ああ。平気だ」

 

純白の翼を広げてホバリングする。このまま地上と空中から攻めることをアイコンタクトで決定した。

剣の柄を握る力が強くなる。

 

「いくぞ!!」

 

オルカとバルムンクは同時に動き出してシャルティアに空中と地上から攻撃を繰り出す。

さすがはフィオナの末裔コンビと言えるだろう。連撃が絶妙であり隙が無い。

 

「クッ……うっとしい!! マキシマイズマジック。ヴァーミリオンノヴァ!!」

「くらうか!!」

 

オルカが大剣で防ぐが爆発で後方へと吹き飛ばされる。その隙にスポイトランスでバルムンクを突き刺す。

 

「ぐああ!?」

 

スポイトランスにはあるスキルが付与されている。それは相手の体力を吸って自分自身に還元することができるのだ。

 

「厄介な武器だな」

「ウフフ。チューチュー吸ってあげるでありんす」

 

スポトランスに付いた血をペロリと舐めている。「やはり吸血鬼か」と思うバルムンク。

 

「なかなか健康的な血でありんすね」

「そんなことまで分かるのか」

 

どうでもよい情報をもらったのであった。

背後をチラリと見るとオルカがユラリと立ち上がる。ダメージを負ったが無事のようである。回復アイテムの『癒しの水』のコクリと飲んでいる。

 

「ふ~……こいつは効いたぜ」

 

大剣を担いでスタスタとバルムンクの横に戻る。

 

(さて、どうするか。このままズルズル戦ってもジリ貧だぜ)

(ああ。ならばそろそろとっておきを使ってみるか)

(アレか……なら俺も使って捨て身で突撃して隙を作る。その時を狙え)

(分かった。頼むぞオルカ!!)

 

長々と戦っていても.hackersにとって分が悪い。なにせ時間制限があるからだ。

シャルティアにとっては悪くない状況である。しかし彼女にとってはリベンジ戦。時間稼ぎのつもりは毛頭無い。

 

(次は何がくるでありんすかね。でも全て打ち砕いてやる。スキルを駆使して倒す!!)

 

シン……と静かになる。最初に動いたのはバルムンクであった。

 

「破魔矢の召喚符」

 

目標までの直線上に放たれ光属性大ダメージを与えるアイテムである。知らないシャルティアはスポイトランスで切り落とすが何十枚も投げられてくる『破魔矢の召喚符』を全て切り落とせない。

一枚の『破魔矢の召喚符』が直撃した瞬間に危険を理解する。

 

「神聖属性の符か!? それにアンタ符術士だったの!?」

「斬刀士だ」

 

オルカとバルムンクが同時に飛び出す。

 

「「うおおおおおおおおおおおお!!」」

 

『破魔矢の召喚符』で作った隙で2人はシャルティアに十字斬りをくらわす。剣閃が煌き、その斬撃は全てを切断する。

 

「ああああああああああああ!?」

「やっ……てねえよな」

「時間逆行!!」

 

シャルティアにくらわした致命傷も一瞬で修復する。彼女のとっておきの1つであるスキルだ。厄介なスキルだが回数制限はある。

 

「お返しでありんす!! 清浄投擲槍!!」

「また相殺する……って何!?」

 

バルムンクが自慢の剣技で相殺しようとしたができなかった。

実は清浄投擲槍にはMPを消費することで必中効果も付与できるのだ。最初の1発目は必中効果を付けずに放って油断させる。そして2発目は必中効果付きで放ったのだ。

 

「これは……予想外だな」

「大丈夫かバルムンクか!?」

「ああ……何とかな。だが大ダメージは確かだ」

 

今度はシャルティアが攻める番だ。とっておきの切り札を発動する。

グニャリと白く発光する物体が現れてシャルティアの姿へと形成した。

 

「エインヘリヤル!!」

 

シャルティアの分身体は直接戦闘しか出来ないが武装や能力値は本体と一切遜色が無い。

 

「行け我が分身体!!」

 

エインヘリヤルによって形成された分身体は突撃してくる。その威力は本物と大差が無い。

本物で無く分身体ということで攻撃方法もムリヤリで攻撃してくる。分身体の強みはダメージを恐れない事だ。

怒涛の攻撃が2人を襲う。その状況を見てシャルティアはニヤリを笑う。

 

「トドメだあああああ!!」

 

シャルティアは清浄投擲槍をもう一度発動して放つ。彼女は自分の分身ごとバルムンクたちを貫く。

追加でMPを全て使いきって強力な魔法を連続で発動した。

 

「マキシマイズマジック。フォース・エクスプロージョン!!」

 

第3階層が大爆発によって吹き飛ぶ。全力で戦えとあるがこの惨状にはアインズも少しだけ後悔した。

 

「やったか!?」

 

大爆発によって砂煙が舞い上がる。まだ何も見えないが手応えはあった。

砂煙が晴れていく。そしてシャルティアは驚いた。

 

「何だと!?」

「さっきのセリフはフラグだぜ……まあこっちも相当危なかったけどな」

 

オルカは蒼い鎧を身に付けている。その姿は蒼海を体現しているようである。逆にバルムンクの純白の翼は4枚となり、鎧は輝く。その姿は蒼天を切り裂いて現れる翼の剣士のようである。

彼らだけのXthフォームだ。強さが溢れる姿である。

 

「時間が無いからな。決着をつけるぞ!!」

「俺が先に行く。蒼海の剣をみせてやるぜ!!」

「何だと!?」

「うおおおおおおおおおおお!!」

 

オルカは雄叫びを上げながら闘気を膨れ上げて放出する。その闘気の大きさは有り得ないくらいデカ過ぎる。

戦士の出す闘気を超えている。オルカはまだ雄叫びを上げる。

 

「おおおおおおおおおおおおおおお!!」

「ぐ、ぐうう……私はナザリック地下大墳墓の第1階層から第3階層の守護者だ。退いてたまるかあああああ!!」

「こっちだって負けられねえんだよ!!」

 

超速でオルカは突進して大剣を振るってシャルティアを切断するが『時間逆行』ですぐに修復する。

 

「まだまだ!!」

 

大剣にエネルギーを集束して蒼海の精霊を2匹召喚する。蒼海の精霊は巨大な高エネルギー体だ。

威力は計り知れない。その危険性にシャルティアもさすがに察知する。

 

「蒼海の剣をくらえええええ!!」

「くらうか不浄衝撃盾ぇぇぇ!!」

 

高エネルギーの赤黒い衝撃波と巨大な高エネルギー体である蒼海の精霊が激突する。

激突の余波は凄まじく、またも第3階層に負荷を与える。衝撃の余波でナザリックに揺れを作るほどである。

 

「はん。こんなものでありんすか!!」

「それはどうかな……捕まえたぞ!!」

 

オルカはシャルティアを捕まえる。絶対に離さないように両腕でガッチリと締め付けたのだ。

今の彼女はMPを使い果たしたから転移魔法は使えない。だからこのまま逃がさないようにしているのだ。

 

「離せ変態!!」

「誰が変態だ!! 今だバルムンク!!」

「おう。離すなよオルカ!!」

 

バルムンクは翼を大きく広げて飛び上がる。空中で旋回してオルカが捕まえているシャルティアへと飛び進む。

 

「蒼天の剣を見よ!!」

 

超神速で飛んで剣が振るわれる。

 

「こんのおおおおおおお!!」

「蒼天の名は伊達では無い!!」

 

フィオナの末裔VS真祖の吸血鬼の勝負は決着。勝者はバルムンク。

 

 

side変更

 

 

ナザリック陣営

 

バルムンク、オルカ対シャルティアの勝負は終わった。勝者はバルムンクだ。

ここでオルカの名前が挙げられないのは理由がある。彼の容態を見ればすぐに理解できるのだ。

 

「大丈夫かオルカ?」

「うう、血が足りない……」

「なかなか美味しかったでありんすよ。下等な人間でも強者ならば美味いんでありんすかねえ」

 

オルカは貧血になっていた。

シャルティアも階層守護者としての意地がある。ただでは負けるつもりは無く、バルムンクの剣が届く前にオルカの腕に噛み付いて血を啜った。

さすが吸血鬼なのか一瞬の攻防の中でもオルカを貧血にするくらいの血の量を啜ったのだ。これではもう動けない。

負けたシャルティアの気持ちは悔しすぎるの一言だが、最後の最後にナザリック防衛作戦に貢献したのだ。

 

「俺はここでギブアップだ。後は頼むぞバルムンク」

「せいぜい進んで絶望するといいでありんす!!」

 

オルカ、シャルティア脱落。バルムンクは第4階層へと進む。

 

「オルカの分まで闘うさ」

 

 

脱落したオルカとシャルティアは玉座の間に転移する。

玉座の間にはアインズたちがいた。モニターが複数あるのでここで監視しているのかと思うオルカであった。

 

「シャルティアよ。よくぞ戦った」

「アインズ様……申し訳ございません。不甲斐無い姿をお見せしました」

「そんなことは無い。フィアナの末裔コンビに見事な戦いであった。私は高く評価するぞ!!」

 

アインズはシャルティアの頭を優しく撫でる。

 

「ア、アインズひゃま!?」

(蒼海のオルカさんを脱落させたんだ。痛みわけ……いや、カイトさんの左腕を倒したんだ。上々!!)

 

勝負はまだ始まったばかりだ。どんなことが起こるか分からないものだ。

 

「オルカさんも大丈夫ですか。回復アイテムと副料理長の料理を用意しました。どうぞ」

「すまねえなアインズさん」

 

料理を齧りながらアインズと共にモニターを見る。オルカの出来ることは応援だ。

 

(がんばれよ)

「こっちだって負けませんよ」

 

オルカの内心が分かったのか、呟くのであった。

 

「ところで聞きたいことがあるんだが」

「何ですかオルカさん?」

「向こうでアルベドに頭を撫でられたことを自慢をするシャルティアがいるだろ?」

「いますね」

 

アルベドとシャルティアが争うのはもう慣れた光景である。

 

「そのシャルティアに吸血されたんだが……俺は大丈夫なのか?」

「あー……」

 

回復アイテムを使用したから大丈夫なはずだが不安もある。

 

「どうなんだよシャルティア?」

「さあ……どうでありんしょ?」

「おい恐いぞ!!」

 

本当は大丈夫だが負けたのが悔しいので仕返しに不安にさせるのであった。

 

「大丈夫ですよオルカさん。たぶん(笑)」

「不安しかねえよ!!」




読んでくれてありがとうございます。
どうだったでしょうか。勝者はバルムンクの1人勝ちとなりました。
オルカもシャルティアも脱落しましたが強さを見せ付けるように頑張って書きました。
Xthフォームもそれとなく発動しました。
「う~ん」と思う感想もあるかもしれませんがご容赦を・・・
そして挑戦はまだまだ続きます!!

オルカ   「血が足りない」
シャルティア「強者は血が美味しいでありんすね」
アインズ  「その理論だとカイトさんたちの血は全員美味いことになる」

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