.hack//OverLord   作:ヨツバ

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こんにちわ。
今回は第5階層のお話です。

まあ、短いですが戦い前の会話集みたいなもんだと思ってください。

では、始まります。


第5階層

.hackers陣営

 

カイトチーム

 

ナザリック地下大墳墓の第5階層は氷河である。その名前に見合うように多数の氷山で埋められているのだ。

そして寒い。ブラックローズは肌が露出している装備なので「寒っ!?」と開口一番に発している。

 

「さ、寒い寒い!!」

 

ガチガチと歯を鳴らしてしまう。両腕で自分を抱くようにして熱を逃がさないようにする。

 

「確かに寒い。息まで真っ白だ」

 

息を吐くと白い息が出る。

この第5階層には冷気ダメージや行動阻害エフェクトがある。早く突破しないとジワジワ苦しまされる。

 

「早く第5階層を突破しないとね~(・・;)」

「そ、そうね。寒すぎてリタイヤしそうだわ」

「なんならカイトに抱かれて暖めてもらえば?(^3^)/」

「ミ、ミストラル!?」

 

ブラックローズの顔が急に真っ赤となる。寒いのなんて何処かに飛んでいく。

 

「ミストラルの前でできるわけないじゃない!?」

「ツッコミ所はそこなんだ( ̄▽ ̄;)」

 

今のブラックローズの言い方だと、ミストラルが居なければヤれると言っているようなものである。

 

「ああ。もしやるならボクはやるよ。命に関わるからね」

「カ、カイト!?」

「よく寒い場所だと裸で温め合うって聞いたし」

 

真っ赤になってオロオロするブラックローズをからかうミストラル。そして真面目に答えたカイトの図の完成である。

 

「ボクは変なことを言ったかな?」

「また鈍感力を発揮してる( ̄▽ ̄;)」

 

寒さを忘れてゴチャゴチャと会話をしていると後ろから声が聞こえた。

声の主はガルテニアとレイチェルだ。

 

「ガルテニアにレイチェル。無事だったんだね!!」

「ああ。だが砂嵐三十郎たちとははぐれてしまった」

「そっか。向こうもただでは進ませないってわけね」

 

.hackers組の第1陣と第2陣が合流。ここで戦力が変化するのであった。

寒い第5階層を進む一行。進むとまた開けた場所に出る。そこには階層守護者のコキュートスが仁王立ちをして待ち受けていた。

 

「来タカ。待ッテイタゾ」

「コキュートス」

「ム……砂嵐三十郎ガイナイヨウダナ」

「うん。まだ来てないよ」

 

ガチャリと武器を持つコキュートス。戦闘態勢に入っている。

 

「砂嵐三十郎ガイナイノハ残念ダガ、仕方無イ。ココカラ先ハ通サヌ!!」

 

ゴオオ!!

コキュートスから闘気が溢れる。

 

「うわわっ、これは強いで!?」

「レイチェルのいう通りだ。タダでは通してくれそうに無い」

 

ガルテニアが槍を構える。

 

「まあ待て」

 

急に声が聞こえる。その発声源はカイトたちの後ろだ。

声の主は砂嵐三十郎であった。

 

「砂嵐三十郎カ!!」

 

プシューと白い息を噴出するコキュートス。好敵手が来て興奮しているのだ。

 

「ここは俺に任せてもらおう。お前らは先に行け」

「頼むよ砂嵐三十郎」

 

カイトたちが先に進もうとしたがコキュートスが立ちはだかる。

 

「悪イガ簡単二通スワケニハ行カヌ」

「なら俺が無理矢理道を作ろう。その隙を見て走れ」

 

砂嵐三十郎が構える。

 

「ココデ凍ッテモラオウ」

 

コキュートスが『フロスト・オーラ』を発動する。全てを凍らすオーラがカイトたちに迫る。

 

「させるかよ」

 

燃え上がる刀を抜く。

 

「牙烈火!!」

 

燃え上がる灼熱と絶対零度の冷気がぶつかり、爆発する。蒸気がエリアを充満するのであった。

 

「今のうちだ。行けカイト!!」

「ありがとう砂嵐三十郎!!」

 

カイトたちは第5階層を突破する。

 

「ムウ……突破サレタカ。ダガ、砂嵐三十郎ハ通サン」

「悪いがコキュートス。お前を倒して通させてもらうぜ」

 

第5階層にて戦いが始まる。

 

 

side変更

 

 

バルムンクチーム

 

バルムンクは第5階層を進んでいた。早くカイトたちと合流せねばと思いながらモンスターを斬り倒す。

 

「寒いな。流石は氷河のダンジョンと言ったところか」

 

息を吐く色は白い。寒すぎる証拠だ。

 

「確かここの階層守護者はコキュートスだったな。今ごろはカイトたちが戦っているころか」

 

走っていてはらちが明かない。翼を広げて飛ぼうかと思った矢先、目の前に誰かが立ちはだかっていた。

 

「セバスか」

「バルムンク様。ここからは私がお相手致しましょう」

 

バルムンクの前にはセバスが姿勢正しく待ち受けていた。だがその身から闘気が鋭く発せられており、ピリピリと肌で感じ取れる。

 

「お姿が変わりましたね」

「まあな。新な力だ」

 

バルムンクも同じく闘気を発する。言葉にしなくともお互いに言いたいことは分かる。

 

「まさかバルムンク様と闘うとは思いませんでしたが、闘うならば容赦はしません」

「それはこっちも同じことだ。セバス相手に気を抜く闘いなどしない」

 

フッと軽く笑う。手加減や気を抜くなんてことはしない。全力で容赦なく闘うつもりだ。

 

「さて、長話も良いが時間が無いからな。行くぞセバス」

「こちらも準備万端です」

 

剣を抜いて翼を広げるバルムンク。己の拳を強く握るセバス。

 

「.hackers所属。蒼天のバルムンク」

「ナザリック地下大墳墓が執事長。セバス・チャン」

 

正義の剣と正義の拳が交差する。

 

 

第5階層では2つの大きな戦いが始まったのだ。

 

 

戦いの現状報告をしよう。

 

カイトたちは順調に第6階層に突入し、鬱蒼と広がるジャングルへと足を進める。

メンバーはカイトを含め、ブラックローズ、ミストラル、ガルデニア、レイチェル。

 

第5階層にて砂嵐三十郎はコキュートスと寒く熱い戦いを始める。

 

第5階層にてバルムンクはセバスと正義の戦いを始める。

 

第4階層を突破したマーローと寺島良子は第5階層を目指す。負傷した月長石は少しだけ休憩。

 

なつめ、カオティックPKに覚醒して第4階層を爆走する。ぴろし3はエントマに攻撃されながら追いかけっこ。

 

八咫とヘルバは静かに第3階層を進む。

 

アインズは玉座の間にてワクワクしながらカイトたちと部下の戦いを楽しむ。そして勝つ策を練る。

 

フォーサイトの面々は奇跡的にまだアインズたちに気付かれずにナザリック地下大墳墓を攻略していた。それはカイトたちが先に攻略している恩恵とも言えるだろう。

 

後半戦は更なる戦いになる。




読んでくれてありがとうございます。
次回は砂嵐三十郎対コキュートスとなります。まさに武人同士の戦いですね!!
そして、バルムンクはセバスと熱い戦いになる予定です。

次回をお楽しみに!!

コキュートス 「勝負ダ!!」
砂嵐三十郎  「かかってこい!!」

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