さて、ついにカイトたちは第6階層に突入です!!
今回も新たな戦いの前の物語みたいなもんです。
では始まります!!
.hackers陣営
第6階層はジャングルだ。鬱蒼と広がる妖しい植物が自生している。上を見上げると美しい星空が広がる。なんと言えば分からないがアンバランスだろう。
「それが逆に良いのかもしれないけどね」
カイトはポツリと感想を呟く。彼の前にはブラックローズにミストラル。それに合流したガルテニアとレイチェルだ。
「それにしてもバルムンクはどしたん?」
「そういえばそうね。進行具合なら合流してもいい頃合いなのに。もしかしたら転移のトラップに足止めされてたりしてね」
「可能性はあるな」
彼女たちの予想は正解である。バルムンクは転移のトラップにより別の場所へと転移させられたのだ。しかも転移先にはセバスが待ち受けている。
「ならこのメンバーで進もう。まずは闘技場までだ」
「「「了解!!」」」
カイトたちはまたも爆走する。しかし、何事も上手くいくとは限らない。彼らの進行はここで止まり始める。
ナザリック組もおいそれと爆走は許さないのだ。
「うわっ、地震!?」
いきなり地震が起こる。そして次に襲ってきたのは大きな波ような大砂であった。
「砂!?」
大量な砂はカイトたちを分断するようにうねり上がる。避けるために後ろに跳んだのが失敗だった。
ガルテニアたちとブラックローズたち、カイトという組合せに分裂させられたのだ。彼らはそのまま大砂に流されるのであった。
「目指す場所は闘技場だ。そこで落ち合おう!!」
カイトは流される前に叫ぶ。ブラックローズたちと闘技場で落ち合う為に。
side変更
ナザリック陣営
アウラ、マーレチーム
「よーしよし。カイトたちの分裂は成功したね。さすがマーレ」
「うう……これで本当に大丈夫かなぁ?」
「何言ってんのよ。ここまで侵攻されたら待ち受けてるのは駄目。こっからは攻めていくわよ!!」
アウラの後ろに自慢のペットである巨大な狼のフェンリルと巨大なカメレオンのイツァムナーがいる。
「じゃあ行くよ。フェン、クアドラシル!!」
お気に入りのペットと共に.hackersの討伐に向かうアウラ。さらにジャングルにはアウラが選定したペットたちを放している。
もうジャングルは猛獣たちの巣窟である。
「アタシはガルテニアを倒してくるから。マーレはブラックローズをお願いね」
「うええ!?」
「カイトを相手するよりマシでしょー」
「ブラックローズさんもキツイよお」
ちょっと半泣きのマーレであった。しかしそんな彼も戦闘となれば容赦が無い。実力ならシャルティアに次ぐ強さなのだ。
「やるしかないのかあ……」
マーレも.hackersを討伐するために足を動かす。
双子の戦いが始まる。
「よっとはっと」
マーレは樹の枝をピョンピョンと跳んでいく。すると薔薇の花びらが散っているのが目に映った。
「薔薇の花びら?」
「やあマーレ」
「エンデュランスさん!?」
エンデュランスが薔薇を散らしながらマーレの前に立ちはだかった。いきなりの登場にマーレはビクリと反応してしまう。
「ボクの役目は君を倒すことだから覚悟してもらうよ」
「うええ……ボ、ボクだって負けない」
大量の砂がうねりを上げながらマーレの周りで蠢く。
エンデュランス対マーレの戦いが始まった。
一方、カイトは大砂の波から抜け出していた。
「ペペッ……口の中に砂が入った」
パンパンと服に付いた砂を叩いて現状を把握する。まずはブラックローズたちの状況を確認しなければならない。メッセージ会話を行うとみんなは無事のこと。ならば当初の目的である闘技場へと向かうのであった。
「きっとこの分断はアインズさんたちの作戦だな。これは各個撃破が目的か」
今はカイト1人だ。いつどこで狙われるか分からない。周囲を警戒しながら進まないといけないだろう。
「やっぱり簡単には進ませないってことだよね」
双剣を握り直して闘技場に進むのであった。
side変更
ナザリック陣営
アインズチーム
モニターよりカイトたちがマーレの魔法で分断されたのを見てアインズは「作戦通り」とニヤニヤしていた。
「どうやらアウラとマーレが上手くやったようですね」
「うむ。シャルティアとコキュートスは堂々と待ち受けて交戦したがアウラとマーレは違うからな」
彼女たちの戦いは第6階層のジャングルを利用したスタイルと言うべきだろう。
「2人は真っ向から戦わずに狩りをするように戦う。きっとカイトさんたちは苦戦するぞ」
アインズはワクワクしながらモニターを見るのであった。
シャルティアやコキュートスとの戦いは素晴らしかった。きっとこの戦いで成長するだろう。なれば、アウラやマーレだってこの戦いで成長するだろうと思っているのだ。
(これで階層守護者のみんなも人間に対して油断するなんてことは少し払拭しただろう)
チラリと横を見る。その先には脱落したメンバーが飲み食いしながら戦いの様子をモニターで見ていた。
「アウラ!! ここで一人でも倒さなかったら恥さらしでありんすよ!!」
「言うなあシャルティア」
「当たり前でありんす。階層守護者として当然!!」
「でも、もしアウラが2人以上倒したらドヤ顔するだろうな」
「……そこは黙ってろでありんすオルカ」
案外仲良く話しているオルカとシャルティア。
「お疲れさんだなコキュートス」
「砂嵐三十郎カ。傷ノ方ハ無事カ?」
「ああ。そっちこそ平気か?」
「アア」
「お前さんの戦いは凄かった。俺にとっては最高の勝負だったぜ」
「ソレハ同ジダ。マタ戦イタイゾ」
「今度は俺のリベンジ戦だな」
砂嵐三十郎とコキュートスもお互いを誉めながら会話をしている。
他のメンバーも良い感じに話しているのだ。
(最初の頃はギスギスしてたけど、今は少しくらいマシになった感じかな。これは良い変化だ)
人間対しての考えが少しでも変化したなら本当に良い意味で成長したのだと思うのであった。
モニターを見直す。戦いは後半戦に突入している。まだまだ気が抜けない。
「さて、そろそろパンドラズ・アクターにも動く準備をしてもらうか」
「出番ですかアインズ様!!」
「うおっいつの間に!?」
読んでくれてありがとうございます。
次回からはアウラとマーレの戦いになります。
.hacker組からはエンデュランス、ガルデニア、レイチェルです。
さあどうなるか!?
次回をお楽しみに!!
レイチェル 「やっと出番やあ!!」
エンデュランス「頑張る」
マーレ 「ぼ、ぼくも」