今回は第八階層です。戦い前の会話となります。
まあイベント会話みたいなもんです。
そして後半はスレイン法国となります。やっと『彼』?がちょこっと登場!!
カイト、アインズチーム
ギルド対決最終戦。
ここはナザリック地下大墳墓の荒野のエリア。ナザリックの最終防衛ラインであり、突破されたら負け確定の場所。今ここにアインズにアルベド、パンドラズ、ユリ、ナーベラル、エントマがいる。残りの戦力を集めたのだ。そして立ち向かうはカイトにブラックローズ、ヘルバ、なつめ、ミストラルである。
「ようこそ蒼炎の勇者たちよ!!」
闘技場では不発に終わった台詞だが今度こそ成功する。このまま魔王ロールで会話を始め、カイトたちもノリ良くロールに乗る。
「うん来たよ魔導王アインズ。ここで君を倒してみせる!!」
『魔導王』と言う言葉に納得するアルベドたちが頷いている。ここは一旦無視する。
「言い切ったな蒼炎の勇者カイトよ。しかし我々も負けるつもりは無い。ここで貴様ら全員葬ってやろう!!」
「その前に聞きたいことがある」
「何だ?」
「目的は何か聞きたい。例えば建国のこととか建国のこととか建国のこととか!!」
「・・・・・・・・・うむ。いいだろう!!」
建国について。大事なことだから3回も言う。何せ建国計画のおかげでギルド対決色中にワーカーが侵入してきたからだ。
「我々の目的はそのまま国を建国することだ。異形種が住める国だ。そもそもナザリック地下大墳墓を何時までも隠すことは不可能。ならば堂々と我が名を世界に轟かせる」
「なるほどね」
まず最初はナザリックに侵入させて不敬罪を帝国に被せる。強大な力を持つナザリックなら国を脅せることはできるからだ。そして国のトップと対談し、建国まで話を持っていくのだ。
勝手に建国くらいできるだろうが、それだと後々が面倒だ。だからこそ帝国に目をつけて利用する。
「強引だね」
「これでも一番穏便な方法だ」
(え、穏便?)
(部下たちが勝手にどんどん計画を進めるんです・・・)
アインズも苦労しているようだ。
「さて、では始めようか」
「うん」
全員が戦いの準備を始める。
カイトはアインズを相手に、アルベドはアインズを守るために、ブラックローズはナーベラルたちを相手にしようとそれぞれが思いを描く。
そんか中、ヘルバが一人行動を起こす。手元に小さな箱がある。その箱が開いた瞬間に緑の光が飛び出す。
「何だ!?」
「勝負を有利に面白くする策よ」
緑の光がカイトやアインズ、アルベドにヘルバたちを組み分けるように放たれる。そして光の壁で隔てられた。
「これは一体?」
「アインズ様ああああ!?」
「ヘルバったらやってくれたわね」
「これで邪魔されずに勝負ができるわけだね」
「そのようですね」
「これは隔離結界のようなものよ」
3組に分けられ最終戦が始まる。
side変更
スレイン法国陣営
漆黒聖典の隊長は廊下を歩く。先ほどまで一緒に居た番外欠席は新しく結成された第7の聖典のメンバーに会いに行くと言って走っていった。
第7の聖典とは漆黒聖典が任務の途中で遭遇した旅の者たちのことだ。旅の者たちなんて普段は気にもかけないが今回は違った。その旅の者たちからありえない魔力量を確認できたからだ。
第十二席次は相手の強さを正確に見抜く探知能力により、その旅の者たちを無視できない案件だと判断したのだ。もしかしたら彼らも隊長たちと同じように『神人』かもしれないからだ。
『神人』ならば無視なんかできずに保護するのが漆黒聖典として最大のできることである。
(最初に出会った時はまず驚いたな。ありえない魔力に・・・それに天使まで降臨しているとはガラも無く驚いた)
旅の者たちは全部で7人。儚げな少年に慈愛の天使、、褐色の大剣士、銀色の剣士、赤い衣の槍戦士、金髪の魔術師、青肌の大きな剣士。
全員が漆黒聖典並みの強さとなれば無視できない。もしかしたら隊長よりも強い可能性がある。だからこそ番外欠席が久しく感情を出したのかもしれない。
(上の者たちは新たな『神人』かもしれないと嬉しがっていたし、天使にも会えて興奮していた。特にニグンは天使を本当に崇拝していたな。天使様曰く人間らしいがあの純白の翼の説明がな)
スレイン法国は彼らを保護して歓迎し、何とか自国に所属させようと奮闘している。一応、彼らも旅の者だから拠点を探していたようで完全に所属させるのは不可能でもスレイン法国に留ませることには成功。
そして国での自由を利に聖典入りさせたのだ。流石に彼らも怪しんでいたから完全な信頼は無いかもしれない。
(新たな聖典の名が・・・『紅衣聖典』)
この名前は彼らが付けたものだ。何でも過去に『紅衣の騎士団』に所属していたとか何とかと番外欠席から聞いた。
本当かどうか分からないが過去を探るのは失礼だろうと思って踏み込んではいない。それでも番外欠席は聞いていそうだが。
(・・・中でも儚げな少年が一番強い。彼からは何か特別な力を感じる)
その特別な力とは金色な精霊の力だ。彼いわく精霊でも何でも無いらしい。彼もマジックキャスターのようだが見たことの無い魔法を使う。そもそも彼らの使う魔法はこの大陸では見かけない新たな魔法だ。旅の者だから異大陸の出かもしれない。
(それにしても彼は本当に男なのだろうか。彼からはどこか女性の雰囲気を感じる)
隊長は恐らく自分のただの世迷言だと思っているが儚げな少年にどこか気になっているのだ。そんなのただの世迷言。自分はノーマルだと思い返す。
ただ気になるのは彼が自分と同じ『神人』であるかもしれないということと、異常な能力を持っているからだろう。
「・・・・・司か」
ポツリと彼の名前を呟く。
「呼んだ?」
「司ではないですか」
名前を口にしたら本人が来た。静かに廊下を歩いている。
彼こそが出会った旅の者であり、特別な力を持つ者であり、『紅衣聖典』のメンバーである。彼の名前は司。
「何でもないよ」
「何でも無いのに人の名前を呼ぶの?」
「そんな時もあるのです」
「ふーん。変なの」
なかなかの言われようである。しかし何を考えているか分からない上司である司祭よりかは好感が持てる。
ズバズバと本音を言われた方がまだマシだからである。それにしてもやはり儚い感じだと思う漆黒聖典の隊長である。
「何かあったの?」
「最近発見した『虹翼を纏いし罪竜』についてね」
「罪竜・・・か」
「何か知ってるのかい?」
「隊長が発見した罪竜と僕の知っている罪竜が同じか知らないけど聞いたことがあるだけだよ」
司が知る罪竜とは『ザ・ワン・シン』のことである。ただひとつの大罪と言われる竜であり、司の居た世界で伝説、攻略不可能と言われた竜のことである。
最もその『ザ・ワン・シン』を倒した伝説とも言われる剣士たちを知っているが、ここでは語らない。語ったところで意味は無いと分かっているからだ。
「『ザ・ワン・シン』。ただひとつの大罪ですか」
「一度見たんでしょ。どんなだったの?」
「虹翼を纏っていた。それに蒼く光耀いていたよ」
「・・・そう」
「そして気になったのが罪竜の近くに知らない者がいた。アレは人間かどうかも分からない」
隊長が遭遇した罪竜の近くに不気味な存在がいたのだ。その存在は第十二席次の相手の強さを正確に見抜く探知能力でも分からない程であったのだ。
分からないと言うのは正確では無い。正確には計り知れないらしいのだ。遭遇した後、すぐに謎の存在と罪竜は消えた。もし戦っていたら考えたくも無い。
「彼らは一体何か分からない」
「特徴は?」
「赤い外套をまとった者に翼の生えた白銀の鎧を纏った騎士。そして薔薇のような棘と大剣を持つ女剣士だ」
彼らはまるで幽鬼のような雰囲気を纏っていたと言う。その特徴を聞いた司はある人物たちを思い浮かべた。
「・・・そう」
読んでくれてありがとうございます。
次回にてついに最終戦です。まずはブラックローズチーム対パンドラズチームを構想中です!!
そんでもって後半はついに司が登場でした!!!!
何故彼らがいるかは内緒です。活躍はまだです。まだお待ちを!!
そして明かされた『ザ・ワン・シン』。隊長たちが遭遇した虹翼を纏いし罪竜は『ザ・ワン・シン』なのか!?
更にそして謎の存在である赤い外套をまとった者たちとは一体!?
(分かる人は分かります)
司 「ついに少し登場」
隊長「・・・男、女?」