.hack//OverLord   作:ヨツバ

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ギルド対決最終戦の初戦です。
バトルシーンってやっぱ難しいです。

では、始まります。


英傑姫VS千変万化の顔無し

ブラックローズ・パンドラズチーム

 

 

「んでわぁ。勝負を始めましょうかお嬢さん方ぁ!!」

 

ハイテンションな声と共にスタイリッシュなポーズをとるパンドラズ・アクター。この行動に無心のブラックローズ側とナーベラル側。

どうやらハイテンションなパンドラズ・アクターについていける猛者はここにいないようだ。壁側の向こうのアインズは何故か胃が無いのに胃がキリキリしたのは精神的な問題だろう。

 

「歓迎の時に知ったけど・・・無駄にハイテンションね」

「まあ・・・それは否定しません」

 

ユリもため息を吐きそうな気分で言葉を出す。しかしパンドラズ・アクターはこういう奴なんでどうしようもない。

ここはパンドラズ・アクターをどう思っても仕方が無いので早速戦闘を始める。時間も残り少ない。

 

「もっとお話しがしたかったのですが仕方ありません。行きますよ!!」

 

全員が構える。そしてパンドラズ・アクターが指揮を執る。

 

「ユリ様とナーベラル様は前衛。エントマ様は後方で援護。私めは中間で攻撃をします!!」

「ミストラルは後方で援護をお願い。ガルデニアはアタシと一緒に突撃。なつめは・・・カオティックPKに覚醒しているのよね。じゃあ好きなように暴れて!!」

 

4対4のチーム戦の始まりだ。どのチームもバランスとしては悪くなく、良い勝負ができるだろう。

 

「チェイン・ドラゴン・ライトニング」

 

初っ端から上級魔法を放つナーベラルに対してミストラルはすぐさま援護補助魔法を放って更に魔法で攻撃する。

発動した魔法は物理魔法防御、物理魔法攻撃を上げる魔法だ。

 

「ファライローム!!」

 

雷の魔法がぶつかる。雷が弾けてバチバチと荒れるが全員気にせずに突き進む。始まりの合図としては申し分ないだろう。

 

「ギバクボルテクス」

「効きません!!」

 

炎の槍を振り回して範囲内にいるユリを攻撃。防がれるがガルデニアの槍捌きを無傷とは言えない。

重く熱い一撃は流石と思うしかなかった。だがユリも負けていない。

 

「鉄拳!!」

「防ぐ!!」

 

ユリの装備している「女教師怒りの鉄拳」は棘付きの凶悪なガントレットだ。ユグドラシルで言うところの課金アイテムなので強力である。

ガルデニアは槍で受け止めるがその威力は中々だと思いながら槍で突く。ユリは槍捌きをガントレットで受け流すが一瞬でも気を抜けば貫けられる。

どちらも瞬ぎできないくらい集中して攻防が続く。

 

「やるな」

「ガルデニア様こそ」

「隙ありです」

「隙なんで無いわよ!!」

 

ナーベラルがガルデニアを狙おうとした時、ブラックローズが横から突撃して突き飛ばす。

 

「この虫けら!!」

「誰が虫けらよ!!」

 

大剣が真横一閃。次に斜め一閃。そして縦一閃。ナーベラルも負けずに持ってる武器で同じように一閃。

ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン。金属音が鳴り響く。どちらも全力で武器を振るっているのだ。

 

「虫くらのくせにそんな大層な剣を振るうとは」

「うるさい。そっちだって中々の武器を振り回してるじゃない」

「ふん」

「はあ!!」

 

ガキィィィィィン!!!!

 

「私を忘れてもらっては困りますわぁ」

 

エントマは千鞭蟲という十メートルを超える巨大ムカデを何匹も召喚し、その内の1匹の頭に乗って残りの千鞭蟲に指示を出す。

 

「皆~ユリたちを援護してぇ」

 

千鞭蟲たちがユリたちに援護しようとウゾウゾと動き出す。

 

「させないよ┗(`・ω・´)┛」

 

千鞭蟲たちが援護させる前にミストラルが「バグドーン」を発動して邪魔をする。そしてなつめが双剣で1匹の千鞭蟲を切断してバラバラにする。

これにはエントマは「ウゲェ」と呟く。彼女が召喚した千鞭蟲はこれでも硬度は高い。なので切断してバラバラとはとんでもない切れ味だと冷や汗ダラダラである。

 

「もー。なんでぴろし3といい、なつめといい規格外ばっかりですぅ。鋼弾蟲!!」

 

体長3cm程のライフル弾そっくりな蟲が腕から相手に向かって射出する。しかしなつめは双剣で全て斬り落とす。

 

「んー私も活躍しますよ!!」

 

パンドラズがドッペルゲンガーとしての能力をフル活用。ある姿へと変身する。その姿は至高の41人のの1人である。

 

「あれは・・・ウルベルト様!!」

「え、誰?」

「我が魔法をくらうがいい!!」

 

ウルベルトの力を80%コピーしたパンドラズは強力な魔法を放つ。ミストラルは迎え撃つために魔法を放つ。

 

「やりますねミストラル様!!」

「そっちもねーo(・ω・´o)」

 

魔法攻撃がぶつかり爆発が起こる。

 

「おお。ミストラル様は凄いです。80%といえどウルベルト様の魔法を相殺するとは。それにまだ本気では無いです・・・ね?」

「そっちだって~」

「皆さん。エントマ様の巨大ムカデに乗るのです!!」

「分かっている」

 

パンドラズたちが一旦離れて千鞭蟲たちの頭に乗る。そのままブラックローズたちを逃がさないように周囲をグルグルウゾウゾと回る。

逃げ場が無い状況で総攻撃を繰り出す。

 

「チェイン・ドラゴン・ライトニング!!」

「鋼弾蟲!!」

「負けるか~(っ ` -´ c)」

 

ミストラルはブラックローズたちを守るように上級魔法を唱える。唱えた魔法は「クラケ・ファ」。

木の精霊を召喚し範囲内の敵を攻撃する最強の魔法だ。だか今回はミストラルたちに向かってくる魔法を全て相殺するために発動。

ミストラルが召喚した木の精霊は彼女たちを守るように大きな樹を生やして向かってくる魔法とぶつかった。また爆発が起こる。

 

「なんと・・・ミストラル様は精霊まで召喚できるのですね。これは素晴らしい!!」

「素晴らしいって言ってる場合ですかぁ!?」

「・・・確かに。ミストラル様は本当に凄腕のマジックキャスターのようです」

「関係無い。勝利をアインズ様に捧げる」

「ナーベラル様の言う通りですね。我が創造主であるアインズ様に勝利うぉ!!!!」

 

ボッ!!!!!!

枝分かれした樹木が隔離結界の中を覆っていく。

 

「おお。結界内が緑一色ですな!!」

「でもまあ・・・これなら私の千鞭蟲たちの独壇場ですねぇ」

 

千鞭蟲たちが樹木をウゾウゾと動く。

 

「そうですね・・・ってエントマ後ろです!!」

「ん~ってうわぁ!?」

 

双剣が振るわれる。それはなつめが振るったからだ。

 

「い、いつの間にぃ!?」

 

まるで幽鬼のようにエントマの背後を取ったなつめに本気でビビったと後にユリに語った瞬間であった。

「もう、本当に人間ですかぁ!!」と聞こえたブラックローズは「人間よ」と呟く。正直ブラックローズもなつめがいつの間にか移動したのは気付かなかったらしい。

カオティックPKというかなつめの覚醒が恐ろしいと言う他無かった。言動も「トライエッジ」とブツブツ呟いていてよく分からない。

 

「貴女トライエッジ持ってますか?持ってますね。じゃあ貰っちゃいます!!」

「そんなもん持ってないですぅ!!」

 

凶刃が勢いよく一閃。その一閃によりエントマの触覚は切断された。

 

「いやああああああ。触覚がぁぁぁぁ!?」

「エントマを援護します!!」

 

ユリが鉄拳をなつめにくらわすが双剣で受け止められる。力だけならユリの方が上なのか勢いのままなつめを吹き飛ばす。

 

「大丈夫エントマ?」

「うう・・・もうやだぁ」

「また来ましたよ」

「やだぁぁぁぁ!!」

 

ナーベラルの無慈悲な言葉が突き刺さる。エントマはこのギルド対決で良い事は1つもない。

最初はぴろし3に追いかけられ、今はカオティッPKに覚醒したなつめに襲われている。本当にエントマは今日ついていなかった。

 

「そんなことよりも」

「そんなことよりもぉ!?」

「そうですね。ブラックローズ様たちも来ましたよ。迎え撃ちますよお!!」

 

パンドラズの言葉に仕切り直し。

 

「行くわよ!!」

「私がお相手しましょう!!」

 

パンドラズが仰々しく飛び向かう。立ち向かうはブラックロ-ズだ。お互いの援護としてミストラルにナーベラル。

 

「援護頼むわよミストラル」

「任せて~」

 

援護魔法を乗せて大剣を振るう。

 

「まだまだですよ!!」

 

パンドラズが変身する。その姿はアインズは信頼する白銀の騎士であるたっち・みーであった。

「たっち・みー様」とナーベラルが呟くがオリジナルでは無い。だがその姿からは懐かしさを感じる。でも今は闘いに集中だ。

剣がぶつかり火花が飛び散った。一閃、二閃、三閃と剣筋が煌く。さらにその剣閃の中にミストラルとナーベラルの魔法も交じった。

 

「接戦だな。こちらも行くぞなつめ」

「・・・トライエッジ」

「・・・無いぞ」

 

トライエッジとやらが何か分からないガルデニアだが今は関係無い。今は目の前の敵を倒さねばならない。

相手はプレアデスのメンバーに領域守護者である。しかもパンドラズは階層守護者並みの実力があり、その能力も強い。

80%しか力を出せないが至高41人の能力を使えるのでアインズにとってとっておきの存在であろう。

 

「いくぞなつめ!!」

「私たちも立ち向かいますよエントマ」

「はぁい」

 

ガルデニアは神槍ヴォータンを強く握り、狙いを定める。まずはユリを倒そうと考えている。ユリも同じようにガルデニアを狙っている。

神槍ヴォータンの力を開放すると刃の部分が蒼く光る。この槍は一撃必殺の槍であり、一突きさえすればこっちの勝利だ。

 

(一撃当てれば終わりだ)

(あれが神槍ヴォータン・・・アウラ様を倒した槍。この身が貫かれても刺し穿ちます!!)

 

ガルデニアとユリが接近する。お互いにまるで時間が止まったかのような感覚を味わうが実際は一瞬の攻防。

 

「いきます!!」

「来いユリ!!」

 

ユリはとくに策も無くガルデニアに突撃して鉄拳を振るう。その拳は全力の力を込めている。

 

「策も無い鉄拳など私には届かない!!」

 

鉄拳を避けてガルデニアはユリに神槍ヴォータンで貫いた。

 

「くうう!?」

「神槍ヴォータン!!」

「・・・・・これで良いのです」

「何?」

「これで良いのです。貴女の槍に勝てるなんて思ってません。しかし痛み分けなら確実にできます」

「肉を切らせて骨を断つか!?」

 

ユリは槍で攻撃されたまま両拳を握り、同時に突き出して両脇腹を攻撃した。その一撃は重く果てしない。

口から内臓が出るかと思うほどの圧力にして強力な拳力であった。だがガルデニア歯を食いしばり、そのまま槍を強くねじ込んだ。

 

「っ負けん!!」

 

木の枝から飛び降りて、そのまま地面へと落ちていく。

 

「ユリ!?」

「・・・・・」

 

エントマとなつめも追いかけていくように落ちていく。

 

「可愛い百足ちゃんたち!!」

 

千鞭蟲がギュルンと落ちていくユリを追いかけるがなつめによってバラバラに切断された。これにはエントマも「もぉー!!!!」と口にする。

だが、なつめは気にせずに一緒に落ちていって双剣を構える。狙いはエントマと負傷したユリ。その狙いが分かったのかエントマはなつめの顔を見る。

 

「落下中だけどここで倒すよなつめ!!」

「・・・トライエッジは?」

「だから持ってないですぅ!!」

 

落下中の状況はユリとガルデニアが一番下。その上がエントマで更に上がなつめだ。

落下に掛かる時間は十数秒。短時間の中で一瞬の攻防がまた始まる。最初に動いたのはエントマ。

 

「鋼弾蟲全弾発射ぁ!!」

 

落下中で空中ならば逃げ場は無い。なつめも理解しているのか双剣を振るって斬り防ぐ。

次の攻撃は『雷鳥乱舞符』。『雷鳥符』より小さいが数の多い雷の鳥が飛ぶ。同じようにまた斬るために双剣に紫電を纏わせる。

バチバチと電撃が空中で走るが気にせずになつめはエントマまで落ちていく。「接近戦!!」と言いながら剣刀蟲を装備する。

なつめとエントマが攻撃に入る。エントマは理解していた。それはなつめと接近戦で戦っても勝ち目が低いことを。

そもそもエントマは接近戦に適した職業ではなく、札術士なのだから不利なのは当然だ。だからこそちょっとした作戦を考えた。

 

「くるですぅ」

「天下無双飯綱舞い」

 

煌く斬撃がエントマを襲うがユリと同じように気にせずに耐える。そして口が開く。

出てきたのは麻痺毒の入った注射器のような蟲だ。なつめが技を打ち終わった瞬間を狙って口から発射。普段なら効かないかもしれないが一瞬の隙を突く。

蟲はなつめの首筋に刺さり、麻痺毒を注入される。身体は痺れてきて自由がきかないがなつめは気にしないで動く片腕だけでエントマをさらに攻撃する。

 

「こんのぉ!!」

「トライエッジ」

 

なつめたちは引き分けながらも地面に落下した。

 

「ガルデニア、なつめ!?」

「ユリ様にエントマ様ぁ!?」

 

地面に落下したガルデニアたちを見てすぐさま助けに行くブラックローズとパンドラズ。

 

「引き分けですか・・・強いですね」

「変身能力にナーベラル魔法のコンビは案外強いわね・・・ミストラル。こっちもコンビ技で決めるわよ!!」

「オッケー!!!!」

「どんな攻撃が来ようとも我が魔法で屠りますよ。くらえ」

「私も最後の変身です。我が創造主。アインズ様!!」

 

ナーベラルとパンドラズの魔法が合わさり、強力となる。

 

「こっちもアレ行くわよ!!」

「アレだね!!」

 

ブラックローズとミストラルの装備が変化する。Xthフォームである。

ブラックローズの軽装備が重装備になり、剣は更なる大剣となった。そしてチャームポイントなのか角が生えている。

ミストラルは更にファンシーな服装となり、杖も更に神秘てきになった。

 

「なんと。貴女方も変身するのですね!!」

「アンイズ様から聞きました。Xthフォーム・・・!!」

「反撃よ!!」

「まっかせて!!」

 

杖をファンシーに振るう。

 

「GOGO!!それー!!!!」

 

ブラックローズの大剣が勢いよく燃え上がる。燃え上がりは隔離結界に納まりきらない程である。

巨大な炎の大剣と言っても過言ではない大剣をブラックローズはいつもと同じように全力で振るった。振った瞬間に斬撃が飛び、隔離結界内にいるパンドラズやミストラルが魔法で生やした樹木、エントマが召喚した百足を全て切断した。

巨大すぎる大剣がいつものように振るわれるのはとても脅威だ。巨大な剣がいとも簡単に普通に振るわれれば避けるのは難しい。雨を避けろと言っているようなものだ。

 

「天晴れです!!」

「・・・・・負けるかああああああああ!!」

 

ナーベラルは脅威すぎる状況でもブラックローズに突撃する。ボロボロでも突撃してくるとは相当なガッツがあるようである。

 

「面白いわね。掛かって来なさい!!」

「くたばれ!!」

 

お互いに攻撃が交差した瞬間に隔離結界がいきなり割れた。

 

「隔離結界が割れた!?」

「アインズ様!?」

「んアインズ様ぁぁぁぁぁ!!」

「カイト!?」

 

すぐさま彼女たちは自分たちのダメージなど気にせずにカイトとアインズの元へと向かった。

 




読んでくれてありがとうございました。
感想など待ってます。

頑張って戦闘シーンを書きましたがどうでしょうか?
この勝負の結果に様々な感想があると思いますが生温かい目で読んでってください。
次回はアルベドVSヘルバです。
チートの女王が戦う!!

なつめ    「トライエッジは?」
エントマ   「そんなの持ってません!!」
ブラックローズ「そろそろ元に戻れ!!」

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