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次なる章へ。
八相の破片データを取り込んだウィルスバグはカイトたちの活躍により異世界から消滅した。
異世界は災厄から守られたのだ。しかし、これでカイトたちの物語は終わらない。
異世界に新たな脅威が放たれていたのだ。カイトやアインズたちはまだ分からない。
気付くのはもう少し先の話なのだ。
異世界の何処かで黒い斑点がボコボコと蠢く。虹翼を羽ばたかせるドラゴンは天空を翔る。異世界を崩壊させるほどの巨大な力を持つ黒髪の少年は旅をする。
そして、異世界に新たな強者が表に登場する。さらに新たな転移者も現れる。
side変更
スレイン法国にて。
「彼らを動かすのはどうでしょうか?」
「彼らとは?」
漆黒聖典の隊長は一呼吸してからある特殊部隊の名前を言う。
「紅衣聖典です」
「なるほど・・・紅衣聖典か。確かに彼らは漆黒聖典と並ぶ最強の部隊。良いかもしれん」
「しかし、彼らが言うことを聞いてくれるだろうか。彼らには彼らの信じる正義がある」
「確かに・・・時に紅衣聖典は我らと相容れないこともある」
彼らが言う紅衣聖典はスレイン法国の特殊部隊の中でもさらに特殊なのだ。しかし実力は本物であり、無下にはできないのだ。
「私が動いてくれるように伝えておきます」
「うむ。漆黒聖典の隊長が頼めば良い返事をするかもしれんからな」
「はい」
スレイン法国は密かに特殊部隊を動かす。
「『真なる竜王』の件も大事だが・・・『虹翼を纏いし罪竜』も大事だ」
「その通り。最近は『虹翼を纏いし罪竜』の目撃情報も出ている。これからはより一層警戒せねばならん」
「分かりました」
漆黒聖典の隊長は紅衣聖典を思い浮かべる。
「・・・では、ツカサとスバルに会いに行ってきます」
side変更
虹翼を纏った竜は天空を飛び立っていた。かの竜は雲の中に入り込み、姿を消す。
「「「………」」」
その姿を遥か下の地上にいる3人の謎の戦士が見ていた。
1人は紅い外套を着たマジックキャスター。もう1人は黒薔薇のイメージを彷彿させる女大剣士。もう1人は白銀の翼と鎧を纏う騎士。
彼らが何者かは分からない。彼らの目的も分からない。だが只者ではないことは確かだ。彼らがこの異世界に何をもたらすか。この時点では謎である。
side変更
黒い斑点はボコボコとある場所で人間たちを観察していた。彼らは単純に人の思考を知りたいのだ。
だから彼らは人間を観察し、より思考を知るために寄生しようとする。だが彼らの観察対象は人間だけではない。ここには人間以外にも面白い存在がいる。
人間以外にも知的生命体がいるのだから彼らの生物の思考をより観察したくなるのだ。
ボコボコボコ・・・ボコボコ・・・・・ボコボコボコ。
黒い斑点である謎の電脳生命体は知的生命体を求めて異世界に飛び出す。
side変更
何処かの場所。
黒髪の少年は鼻唄を歌いながら旅をしている。目的地なんてものは無く、気の向くまま、風の吹く向きに歩いているのだ。
少年はこの世界をどう思っているかは分からない。でも楽しいことがあれば良いと思っている。
今、この異世界は一旦、平和になっている。だからこそ今度起きる異変を楽しみにしているのだ。自分の反存在といつか対話できることを思いながら。
そのために少年はこの異世界を旅をして準備を開始する。いつか彼らと関わるために、対話するために、戦うかもしれないからだ。
「はやく会いたいなー」
side変更
ウィルスバグとの戦いは終わった。しかし物語が終わらない。
異世界から脅威は消えた。そう、1つの脅威が消えたのだ。だがまだ脅威は消えていない。
ウィルスバグが残してしまった脅威が3つ存在するのだ。その3つはウィルスバグが生み出したのか、それともウィルスバグと同じようにこの異世界に流れ着いたか分からない。
しかし、ウィルスバグと同じように異世界にとっては脅威だろう。
何が目的で、この異世界で何をするかは分からない。でもほっといていい存在ではない。
だからこそ、今度の物語はウィルスバグが残した3つの脅威の話となる。物語は終わらない。今度は新たな者も表世界に登場する。
次の物語は・・・.hack//OverLord:R2
次回は.hack//OverLord:R2!!