今回からVol.2へと移行しました。そして文章の形式も変えてみました。
そんでもってThe Worldとユグドラシルの関係性を独自に書いてみました。
では、始まります。
会合
八相の破片データ(スケィス)を取り込んだウィルスバグは消滅した。これで残り7体だ。だけど残りの八相も厄介なヤツばかり。
これからはより気を引き締めないといけない。でも今はゆっくりと休みたいのがカイトたちの本音だ。でも、まだ休めなさそうだ。
カイトの目の前には高級そうなローブを着たスケルトンと黒髪の美人がいる。ペテルたちから聞いた話だと黒髪の美人がナーベって人であり、フルプレートを装備したモモンって人はいない。
まさかこのスケルトンがモモンって人なのだろうかと予想する。しかしどこからどう見ても人間じゃなくて、アンデッドだ。
「あの、もしかしてあなた方がモモンさんとナーベさんですか?」
「そこにいる黒髪美人はナーベで正解だけど、隣にいるガイコツは知らないわね。誰よ?」
後から聞いたがブラックローズとミストラルはモモンとナーベと知り合っていた。その時のモモンって人の姿はフルプレートだったから顔までは見ていなかったそうだ。
「貴様ら……この御方をアインズ様と呼べ!!」
「さっきまでボロボロだったくせに威勢が良いわね。つーかせっかく助けたんだから感謝の1つくらい言いなさいよ」
「貴様ら下等種に頭を下げるつもりは無い!!」
「ちょっとせっかく助けたのに何よその態度は!!」
(あ、ブラックローズがキレそう。ナーベさんは既にキレてるけど)
急に空気が切り詰める。ナーベが怒りだし殺気を滲み出しているからだ。彼女はモモンではなくアインズという名前を出した。
目の前にいるスケルトンがモモンではなくアインズという名前なのは分かった。ならばモモンという人はどこにいったか分からなくなる。
まさかスケィスにやられたのか。それともアインズとモモンは同一人物なのか。
「止せナーベよ」
「しかし……」
「命令だ」
「は。申し訳ございません」
様付けをしているからおそらく、アインズはナーベよりも偉い人(アンデッド)の可能性が高い。それに話し方もどこか王の風格がある。
もしかしてアンデッドの王。オーバーロードだったりするのかもしれない。
「ナーベが無礼なことをした。すまない」
「気にしてないから大丈夫ですよ。それと貴方は、もしかしてモモンさんではないのですか?」
「この姿を見られてしまえば隠す必要は無いな。私の名前はアインズ・ウール・ゴウン。モモンは仮の名前だ」
カイトが予想していたことは正解のようだ。アインズとモモンは同一人物。人間社会に溶け込むアンデット。
敵なのか味方なのか分からない。本音としては味方だと嬉しいと思うのであった。
「カイトさんと言ったかな。我々を助けていただき感謝する」
「アインズ様っ……人間に感謝するなぞ――」
「黙っていろナーベ。相手が人間だろうが魔獣だろうが助けてもらえば感謝する。それに種族は関係無い」
ナーベが黙る。彼女にとってアインズの言葉は絶対のようだ。一応、感謝の言葉も言ってくれたが命令だから仕方なくって感じである。
何でそこまで敵意剥き出しなのかは分からない。人間嫌いと一瞬思ったけどそんな感じでもない。
(さっきの言動もそうだけど……ボクら人間を劣等種みたく思っている感じだな)
「カイトさん。相談なんですが私が人間ではないことは……」
「はい。内緒にしますよ。何で人間社会に溶け込もうとしているのか分かりませんが何か理由があるんですよね。なら深くは追及しません」
「ありがとうございます。話したいことはまだまだたくさんありますが、まずはンフィーレアを助けてエ・ランテルに戻りましょう」
その言葉に全員賛同する。まずは誘拐されたンフィーレアを助けるのが優先なのだ。
「こっちの神殿地下に発見したよ~」
どうやらいつの間にかミストラルがンフィーレアを発見したようだ。帰れば凱旋となる。
「殿~!!」
何やら目の前からデカイハムスターが走ってきた。
「そういえば忘れてた……」
アインズのペットである。
エ・ランテルに戻ればそれはもう大喝采だった。カイトたちはもう英雄扱いだ。
ペテルたちからは更なる絶賛。エ・ランテルの人たちからは感謝感激雨あられ。歩けば尊敬の目で見られ、必ず感謝される。
その功績からか冒険者組合からは銅(カッパー)からミスリルへといっきに冒険者のランクが上がった。
ミスリルは冒険者ランクとして上から3番目だ。まさか1番下からここまでランクが上がるとは思わなかった。
そして今カイトたちはアインズとナーベと話し合いの場を作って対面している。話したいことがあるなら会話をするしかない。
内容はやはりスケィスのことかもしれない。補足だけど今アインズはモモンとなっている。
「改めて昨日の件はありがとうございました」
「それはお互い様ですよ。貴方のおかげでンフィーレアを助けられたんですから」
「いやいや」
「いやいや」
お互いに謙遜し続ける。アインズはアンデッドだけどまるで人間らしいアンデッドだ。
だから人間社会に溶け込めているのかもしれない。見た目はともかくだとしてもだ。
「あの……いくつか質問をしていいですか?」
「良いですよ」
早速質問がきた。スケィスのことだろうかもしれない。どう説明しようかと考え込むカイトたち。
ウィルスバグのことを説明してもきっと信じてもらえない。ならこっちの異世界に合わせて説明するしかないのだ。
異世界にとってウィルスバグは災厄そのものと説明するしかない。The Worldでもウィルスバグは崩壊を招く災厄だったのだから。
「……カイトさん。貴方はプレイヤーですか?」
予想外の質問が来た。アインズはカイトらの事を「プレイヤー」と聞いてきた。「プレイヤー」と聞いたら思いつくのがThe Worldのプレイヤー。
まさかアインズもThe Worldのプレイヤーなのか。まさか彼らもアウラにこの異世界に呼ばれたのだろうかと思うのであった。
「うん。ボクもプレイヤーだ。ブラックローズもミストラルもね」
「やっぱり……ナーベよ。カイトさんたちだけで話がしたい。席を外してくれ」
「なっ……それはできません!!」
「命令だ。それに大丈夫だ」
ナーベが渋々と部屋から出て行く。出来る限りアインズを1人にさせたくないのかもしれない。まるで王を守る護衛のようである。
(過保護なのかな?)
これで部屋に残ったのは4人。おそらく全員がプレイヤー。
「カイトさん。私のPCの本当のハンドルネームはモモンガって言います」
「ボクの名前はそのままカイトです。ブラックローズもミストラルもです」
人間くさいアンデッドかと思われていたが、実際には中身が人間であった。だから人間社会に溶け込めたのだろう。
それにしてもまさか.hackersのメンバー以外にもThe Worldから他のPCが転移しているとは思わなかったとカイトは心の中で驚く。
モモンガはThe Worldで有名なPCなのかもしれない。だからアウラにカイトたちと同じように転移させられた可能性がある。
(モモンガもアウラに呼ばれたのかな)
「いやぁ、それにしても安心しました。オレ以外にもこの世界に転移した人がいたんですね」
口調が優しく穏やかな風になる。モモンガである鈴木悟の本来の口調だ。アインズとしての口調はロールである。
それは理由は部下を失望させないためだ。本音としては疲れるようである。
「いきなりこの世界に転移した時はびっくりですよ」
「それはボクもビックリしました。気が付いたら目の前が草原だったから」
「そうなのよね。しかも現実的になっているし……触れるし食べられるなんて。もうリアルそのものよ」
今机に置いてある紅茶を飲む。ゲームでは味なんてしないが、この異世界では完全にリアルと同じ状態になっている。
そのため、紅茶の味、熱さ、香りの全てが感じられるのだ。
「でもモモンガさんもアウラからこの世界の目的は聞いているんですよね?」
「アウラから? いや目的なんて……そもそも何でカイトさんは階層守護者のアウラを知っているんですか?」
「え?」
「え?」
話が噛み合わない。お互いに頭の上に疑問符が浮かぶ。
勿論、カイトが言うアウラとアインズが言うアウラは違う。ただ名前が同じなだけである。
「アウラが階層守護者?」
「アウラに呼ばれた?」
まだ頭の上に疑問符が浮かぶ。お互いに頭の中で何個も疑問が浮かぶのであった。
「モモンガさんはアウラに呼ばれたんじゃないんですか? The Worldからこの世界に」
「ザ・ワールド? ユグドラシルにそんなのあったかな?」
「え?」
「え?」
一瞬空気が固まる。
「あの……お互いのことを整理して話しませんか? どこか話しが噛み合ってないみたいで」
「そうだね」
カイトたちはThe Worldというネットゲームから転移した。モモンガはユグドラシルというネットゲームから転移してきた。
同じネットゲームであるがタイトルが違う。そして転移した経緯も違う。
カイトたちはアウラの頼みによって異世界に転移した。モモンガはユグドラシルのサービス終了時にわけも分からず飛ばされたのだ。
「ユグドラシルなんてネットゲームあったかな?」
「The World……どこかで聞いたことがあるような。本当にユグドラシルを知らなんですか? 誰もが知っている超人気ネットゲームなんですが」
The Worldもユグドラシルもネットゲームでは超が付くネットゲームであり誰もが知っている。しかしカイトたちは知らない。逆にモモンガはどこか知っているようで知らない。
「まさかカイトさんたちって宇宙人とかじゃないですよね?」
「ボクたちはちゃんと地球人ですよ」
「ですよね(汗)。それにしてもユグドラシルを知らないなんて……2126年にサービスを始めてから莫大な人気を誇るのに」
「え、ちょっと待って待って。今何年って言った?」
ブラックローズが核心ともなることを聞く。モモンガは2126年と言った。
ユグドラシルは2126年にサービスを開始し、The Worldはfragmentのテストプレイを元に2007年にダウンロード販売でサービスが開始された。
このことから導き出される答えは簡単なものであり、信じられないものだった。
「モモンガさんって……未来人!?」
「カイトさんって……過去の人!?」
同じ地球に生きていてもカイトとモモンガの時代は100年も離れていた。
ならば約100年後にサービスが開始されたユグドラシルのこと知る由も無いカイトたち。
「そうだ思い出した!! 確かThe Worldっていうネットゲームはユグドラシルの前作となっている作品だ!!」
モモンガの時代ではThe Worldはユグドラシルの前身となった作品。タイトルは違うがある意味シリーズ作品である。
だからモモンガは知っているようで知らなかったと曖昧だったのだ。しかし思い出した。モモンガである鈴木悟はユグドラシルを愛していたため、歴史についても調べていたのだ。
そしてユグドラシルはThe Worldという作品から前身となった作品だと知ったのだ。
「も、もしかしてThe Worldで.hackersのカイトってあのカイトさん!?」
急に興奮するモモンガ。まるで歴史オタクが、過去の偉人である……例えば戦国武将に会えたかのような興奮だ。
「あの伝説のギルド.hackersですか!?」
「伝説かどうかは知らないけど.hackersではあるよ」
「おおおおおお!! あの、あの伝説のギルドですか!!」
モモンガの興奮が最高潮に達している。フルプレートで顔は見ないが全身が興奮で震えている。
「じゃあ、The Worldで誰にもクリアできなかった最後の謎を解いたってのも本当なんですか!!」
「よ、よく知ってるねモモンガさん」
凄い興奮による勢いでカイトたちは若干圧されている。
実はモモンガ、ユグドラシルの歴史を調べている中でThe Worldの歴史オタクとしてハマってしまったのだ。
ユグドラシルプレイヤーにとってThe Worldは知る人ぞ知る神話とも言える世界なのだ。
(ユグドラシルプレイヤーにとってThe Worldのプレイヤーって例えると現代人と昔の偉人みたいなものなのかな?)
カイトが思ったことは強ち間違ってはいない。
実際にモモンガは歴史的に過去の偉人に出会えたように興奮しているのだ。ネットゲームの歴史に刻まれる程の有名人なら同じようなものであるからだ。
たかがゲーム、されどゲームであるがモモンガにとってはカイトたちは有名人なのだ。
「それにしても100年後の未来でThe Worldはユグドラシルって名前を変えていたんだ(驚)」
「そうなんですよ!! 実際にThe Worldにかけているのかワールド級なんて言葉がユグドラシルに色々とある程なんです!!」
ユグドラシルの運営は何でも世界(The World)という言葉に強い思い入れがあったらしく、名を冠する敵、職業、アイテムなどは、かなり強く設定されている。
それは前身ともなったThe Worldから取っているのではないかと噂されているらしい。
「そうなんだ。タイトルは違うけど100年以上も続くなんて凄いわね」
「ね~ビックリΣ(゚∀゚*) 」
カイトたち全員が驚いている。それは驚く。人気を誇っていたネットゲームがタイトルを変えて100年も続いていたのだから。
そしてカイトたち.hackersも、ネットゲームの歴史として100年後に刻まれている事にも驚いている。
「カイトさんをリーダー筆頭に.hackersのメンバーも有名なんですよ。全てのメンバーはなぜか公開されていませんでしたが、その中でも4人、超が付くくらい有名なプレイヤーがいるんです!!」
その4人が蒼炎のカイト、蒼天のバルムンク、蒼海のオルカ、英傑姫ブラックローズ。
「アタシって未来じゃ英傑姫って呼ばれてるの!? 何か恥ずかしいんだけど」
「似合ってるよブラックローズ」
「からかっているわねカイト」
「まあまあ(^―^)」
「あ、あのThe Worldについていくつか聞いてもいいですか!!」
興奮するモモンガを落ち着かせながらThe Worldについて説明していく。逆にカイトたちは未来のネットゲームであるユグドラシルを聞く。
異世界で元の世界の話。しかも過去と未来の話をするのはとても貴重な体験である、その内容がネットゲームであってもだ。
「感激ですカイトさん」
「ボクも未来のネットゲームについて聞けて感激ですよモモンガさん」
カイトたちはネットゲームについて話に話し合った。シリーズは違うが同じネットゲーム好きとして意外にも話は合ったのだ。
もう何時間も経っているがここで本題とも言える話題に戻る。
「あの、オレはわけも分からずこの異世界に飛ばされましたが、カイトさんたちは目的があって転移したって事は聞きましたが、何でですか?」
カイトは説明するか悩んだ。彼は本来、ウィルスバグとの戦いには無関係だ。しかし既に八相の破片データを取り込んだウィルスバグ。スケィスに襲われている。
このまま何も話さないのは彼が納得しないだろう。そう思いカイトはこの異世界での目的を話した。信じてもらえるかは分からない。それでも誠実に話した。
「この異世界にウィルスバグが……」
モモンガもウィルスバグくらいは知っている。リアルでコンピューターやネットワークに感染して全てに異常をきたす存在である。その存在はコンピューター関連にとって災厄とも言えるのだ。
この異世界をネットワークという世界で例えるならウィルスバグはまさに災厄だ。その危険性はモモンガもすぐに理解できた。
「ではあの墓地で現れた黒い石人形のようなモンスターはウィルスバグなんですか?」
「うん。そうなんだ。しかもただのウィルスバグじゃない。ある仕様外のデータを取り込んだ強化ウィルスバグでもあるんだ」
「ある仕様外データとは何ですか?」
「八相。禍々しき波と言われる存在です。The Worldの仕様外プログラムであり、一般のプレイヤーじゃ絶対に倒せないモンスターです」
「八相……禍々しき波。もしかして黄昏の碑文ですか!?」
「黄昏の碑文を知っているんですか?」
ユグドラシルと言う世界に歴史の1つとして刻まれているのが「黄昏の碑文」。
The Worldを知る人ぞ知るユグドラシルプレイヤーはいつしか、ユグドラシルには「黄昏の碑文」に関係するイベントがあるのではないかと都市伝説のように噂されていた。
斯く言うモモンガも噂とは言え、信じていたプレイヤーの1人なのだ。だから「黄昏の碑文」に登場する八相について聞いた事ぐらいある。
「まさか黄昏の碑文までユグドラシルに受け継がれていたんですね」
「じゃあ……あの黒い石人形は八相のうちの1体なんですか?」
「そうなんだ。アレの名前は死の恐怖スケィス」
「アレが……」
モモンガは冷静に考える。なぜ黒い石人形である死の恐怖スケィスに敵わなかったのかをだ。それは簡単な事だった。相手はウィルスバグで仕様外のプログラム能力を持つ存在だからだ。この異世界にリアルに転移したとしてもネットゲームの能力にとって天敵とも言えるウィルスバグに効くはずがない。
こっちの異世界をネットゲームと置き換えるとモモンガというキャラが魔法を撃っても成す術が無いのと同じだ。
(レベルとかスキルとか関係無いじゃないか!? それに仕様外のデータも取り込んだウィルスバグがもしナザリック地下大墳墓に感染したらお終いだ)
相手がウィルスバグで、しかも仕様外のプログラムなら間違いなく負ける。ナザリックの軍勢を全て注ぎこんでもウィルスバグに感染されて一巻の終わりなのだ。
「ボクらはそのウィルスバグを倒すためにこの異世界に来たんだ」
「ウィルスバグを駆除する方法があるんですか?」
「うん。この黎明の腕輪がウィルスバグを駆除するためのキーアイテムなんだ」
「黎明の腕輪ですか」
カイトの右腕にある「黎明の腕輪」は八相の破片データを取り込んだウィルスバグに対抗する手段の1つだ。この腕輪で残り7体であるウィルスバグを倒さないといけない。
それにこの腕輪だけが唯一の対抗手段では無い。カイトの仲間には八相の力、モルガナ因子を持つ仲間がいる。
(確かヘルバがエンデュランスと八咫は保険って言ってたな)
「カイトさん。相談があります」
「何ですかモモンガさん?」
モモンガは考えた。災厄とも言える存在を確認してどうするかをだ。このまま現状を維持していたら間違いなく、いずれウィルスバグに感染され全てを飲み込まれる。
ナザリック全ての戦力でウィルスバグに立ち向かっても100%負ける。どんなに戦略を考えても絶望しかないのだ。
仲間たちと創り上げた思い出のナザリック地下大墳墓を失いたくない。仲間たちが創り上げた家族とも言えるNPCを失うわけにはいかない。このことからモモンガはカイトたちにこう伝えた。
「オレたちと同盟を組みませんか?」
モモンガにとって最善の策を伝えた。災厄に対抗する手段を持つギルドと同盟を組むことが1番の最善策だ。
(ナザリックを守る為にはこれが最善策だ。……それに時代は違うけど同じ人間として仲良くなりたい。それにそれに伝説のギルドだからもっと話がしたい!!)
「ありがとうモモンガさん。ボクからもよろしくお願いするよ!!」
「はい。よろしくお願いしますカイトさん!!」
お互いに握手して今ここに.hackersとアインズ・ウール・ゴウンという、異なる世界の2つのギルドの同盟が結ばれた。
「ところでオレってアンデッドなんだけど大丈夫ですか?」
「気にしないよ。種族差別はしないからさ」
「じゃあ今度自慢のギルドに招待しますよ。カイトさんに見てほしいんです!!」
「ボクもユグドラシルのギルドを見てみたい。それにボクの他の仲間も紹介するよ!!」
この時モモンガは忘れていた。ナザリックの部下達のカルマ値が3名以外マイナスな事を。カイトたちは知らない。モモンガの部下達が一部を除き、人間に対して下等な存在だと見下している事を。
「そういえばアルベドからメッセージが来ていたな」
『アインズ様。シャルティアが離反しました』
「……え?」
「どうしたんですかモモンガさん?」
ナザリック地下大墳墓への招待はまだ先になる。
読んでくれてありがとうございます。
今回は独自設定でThe Worldとユグドラシルがシリーズもので繋がっていることにしました。実際は関係ありませんがワールドという言葉でつなげた形となっています。
案外用語だけでも多少なりともThe Worldとユグドラシルとの繋がりがありそうでなさそうな感じなんですよね。
そしてカイトたちはモモンガたち未来人にとってネットゲーム世界で偉人扱いです。
だからアンデットとしてのモモンガではなくて人間としてのモモンガは興奮します。
モモンガ「.hackersスッゲー!!」
カイト 「未来だとそんなに有名なの?」