「いいぞ。いいぞ。全て許す、赤のアサシン――――李書文だったか? それとの同盟も貴様の臣の礼も満足だ……この戦いこの我が王位を振るうにふさわしい大戦だ――ハハハハハハハハハッ!!! まさか、あやつまでおろうとはな!!」
「光栄の極みです。王よ――――」
何故か異様に機嫌のいい黄金の男に頭をたれる男性がいた。
その黄金の男は世界最古の英雄であり世界最古の国ウルクを治め法を作り秩序を作り善良を教え悪逆を振るった真の暴君であり賢王――――全ての英雄の頂点である至高の存在。
――――英雄王ギルガメッシュ。
赤のアーチャーとして遠坂家当主――――遠坂時臣が最強として呼んだサーヴァントだ。
時臣の勝利は確定と言える
しかも協力者として聖堂教会の聖杯大戦の監督官の友人の言峰璃正とその息子の弟子であり同じく友人の言峰綺礼……そしてそのサーヴァント――――中国の歴史において最強の武人――赤のアサシンの李書文。
言峰綺礼は教会の異端討伐の代行者として魔術師や死徒と苛烈なる戦いを潜り抜けてきた。
その実力は八極拳の格闘においてはもうもはや人の外にある。
だがそんな綺礼をして李書文の八極拳と比べれば最早、真似事だった。
何せ綺礼と璃正が八極拳を納めている知り組手を行い(勿論、李書文は手を抜いてだが)――赤子の手を捻るように倒しその後、修行を行っているくらいなのだから。
まぁ聖杯大戦中にやることではないと思うが…………。
そもそも綺礼にはアサシンの代名詞――――ハサンを呼び諜報をさせ情報を集めてもらいその後、英雄王に戦って楽に勝つ予定だった。
だが時臣自身が用意したハサンの触媒を使ったら出てきたのは全く違う英雄だったのだ。
そう中華の武人だったのである。
これには綺礼も驚愕していた。
まぁ時臣が一番驚いたのだが……なにせこの局面で遠坂家の命題――――うっかりが発動したのだから……。
何せ触媒をよく確認せず召喚させたのだから…………これは自身のミスだ。
李書文にも諜報はできるだろうがあの三騎士レベルのステータスと『圏境』と言う魔術では探知できない透明になるというあり得ない最強のアサシンだ。
これを使い潰すのは勿体無い。
まぁいい。まぁいい。強いのだから…………。強いので暗殺もできるし斥候も偵察もお手の物だろうし…………。
だが一番の問題は――――自分のサーヴァントの英雄王である。
何せこの英雄王は気位が異様に高く横柄の一言だ。
その場に留まらせることすら至難の技だ。
最近も夜にフラフラと外にでかけ周り時臣の頭痛の種だったくらいだ。
同盟にも余り乗り気ではなかったくらいだ。
まぁ李書文の王の礼には満足していたようだが…………あれを気に入る理由は時臣にはわからなかった。単純な実力だろうか?
だがそれは最初だけだった。霊基盤でサーヴァントの召喚を確認し黒のランサーが召喚されたと言いその次の日辺りだ……。
英雄王が大笑いし時臣の肩を叩きながら褒めあげ報奨として大量の宝石やら霊薬やらを渡してきたのは……あの時は嬉しかったが今はその喜びはない。
唐突に赤のアサシンに拠点の防衛をまかせ飛行宝具であらぬ方に消え唐突に戦い始めたのだ。
相手はエルキドゥだ。
何故、そんな奴をよんだ! と憤慨する時臣だがいるものは仕方ない。
もう始まっているのだから――――。
その戦いは多数の陣営に見られること受け合いだ。できればやめてほしい。だがここで止めたら怒りを買い首を跳ねられるかもしれない。これはもう静観するしかなかった。
「フハハハハハ――――ッ!!! どうだ!? 我の宝具の味は? 久しいか!?」
幾百、幾千の宝具が大地に振り落とされる。それを黒のランサーは大地の触手や槍で防いでいる。
その二人の暴虐は周りの地形を変えるには充分だった。
冬木市の外れの森の中にあった洋館は森は形もなく焦土と貸した。
だが運よく赤のアーチャーは軽い人払いの宝具を使い人を避けていた。それは何かの気遣いだろうか?
「あぁ。懐かしいよ。すごく挨拶としては丁度いい」
この暴虐の嵐を挨拶……これが言える英雄はこの戦いに何人いるのか?
そんな時臣の心の内など解る訳もなく戦いは続く。
――――――そして、、、
「目覚めよ! エアよ!」
「いきなりそれかい? まぁなら僕も合わせよう…………いくよ」
英雄王の手に原初の地獄が吹き荒れる。それを黒のランサーは神を縛り止める楔で受け止める。
「
「
空に光が吹き荒れた――――。
これは黄金の王の聖杯大戦――――それは英雄の王の裁定の場。
その果てに何が起こるのだろうか?