Fate/zero ~英雄大戦~   作:赤石なちる

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7話『赤のライダー ~鮮烈なる大英雄~』

 

「ハハ、ハハハハハ! 素晴らしい! 素晴らしいぞ、黒のライダーよ!! 太陽の力を持つものよ! お前は俺を簡単に殺すことができるのか! ならば、俺とお前の戦いは宿命であるッ! おお、オリンポスの神々よ。この戦いに栄光と名誉を与え給え!」

 

「この状況でなに喜んでやがりますかー! だ、誰か助けてくれぇぇ!!!」

 

「ほう、ほう。面白い! 三騎どころか、貴様のみで余の“獣”と余を相手取って見せるか!

 我が威光、我が栄光のほんの一欠けらとは言え、万軍さえ屠る熱砂の獅身獣と余の太陽の船を!

 ――――いいだろう。ならば存分に駆け抜けて見せよ、速きものよ!」

 

 時計塔の生徒――――ウェイバー・ベルベットは人生において最大の後悔と理不尽と旋風と熱波を一度に浴びていた。

 

 そしてそれをなけなしの魔術師としての維持となけなしの魔術で己の身を守っていた。

 

 まぁ泣き叫んではいたが――だが生憎、自分のサーヴァントたる赤のライダーにそれは今は伝わっていなかった。

 

 トロイア戦争を峻烈に鮮烈に駆け抜けた駿足のアキレウスにとってこの己の不死身の体を傷をつける存在などなかなかおらずそしてその存在がいた挙げ句に圧倒的な強さとステータスと宝具を多量に持って目の前にいるのだ。

 

 それをこの男が見逃す筈もなかった。

 

 そんな状況を見てウェイバー・ベルベットは思う。

 

 どうしてこうなった? と…………

 

 そもそも始まりは半年前、自分の論文を時計塔の講師たるケイネスにバカにされたのが事の始まりである。

 

 その後、ケイネスが日本に渡り極東の魔術儀式に参加すると言う噂が時計塔内で流れ始めたのだ。

 

 ウェイバーはそれを興味本意で調べ見つけたのだ。

 

『聖杯戦争』――――七人の魔術師と七人の英霊達が誇りと奇跡を賭けた殺しあい。

 

 まぁダーニックとか言う時計塔にいた魔術師が儀式に何かしたせいで数が二倍になったらしいが…………何でもいい。

 

 これを見て素直に彼はこれに参加して勝利すれば周りの評価が変わるだろう。

 

 自分の沽券を示す。ウェイバーはそのことで頭が一杯だった。

 そこからウェイバーはなけなしの貯金をはたき古い魔力を貯めるに相応しい宝石をローン払いにして払い魔力を貯め始めた。

 

 召喚した英霊は魔力で動く。魔術師としては三流もしくは二流レベルのウェイバーは魔力の都合がなかなかできない。

 

 故の行動だった。これによりかなりの魔力を用意できた。

 

 だがウェイバーはここで一つミスをおかしていた。

 

 英霊の触媒を用意できなかったのである。焦りを覚えたウェイバーだったがここで彼に神が舞い降りた。

 

 ケイネス宛の小包をたまたま手に入れあけたらギリシャから神秘が強そうな触媒が入っていたのである。

 

 後は速かった。ウェイバーはそれを持ち日本に渡たったのだ。

 

 見事に泥棒である。まぁ嫌いなケイネスを困らせたらという子供じみた考えもあったが……まぁケイネスは確かに困った。

 

 誰かにアキレウスの触媒を盗られたと。

 

 余りの怒りにそれに並ぶであろう英雄の触媒を用意したからある意味ケイネスにとっては結果オーライだった何せアキレウスを呼んでケイネスと果たして仲良くできたことか?……。

 

 そんなことはウェイバーに余り関係ない事だが…………。

 

 何はともあれ彼は日本に行き拠点を用意し一般家庭に催眠を使い入り込んだ。

 

 そして鶏を盗み血を抜き触媒を置きサーヴァントを召喚したのだ。

 

 トロイアの大英雄――――駿足のアキレウスを…………。

 

 アキレウスは単純な英雄だった。ウェイバーの子供のような願いを笑いながら受けとりこう言い放ったのだ。

 

「己の沽券を示す……いいじゃねーか。気に入った。この俺とお前で周りの奴等を黙らせてやろうじゃねーか」

 

 かなりの好感触だったのには驚いたがそれ以上に驚いたのはこの男があのアキレウスだったことだ。

 

 アキレウスを召喚できたウェイバーは自信がつき昼間はアキレウスを召喚した場所で眠りアキレウスの魔力を回復させ宝石の魔力をちびちびと貯めながら夜は街をサーヴァント探しに練り歩いた。

 

 ここまでは上手くいっていたしウェイバーは気分が良かった。

 

 何せアキレウスは違う世界線の騎士王の様に誇り高すぎる訳でもなければ英雄王の様に気位が高すぎる訳でもなく征服王のように言うことを聞かない訳でもなかった。

 

 あの大英雄が自分の誇りを示す為に戦ってくれなおかつ宝石に魔力を貯めておいた事を見所が言いと誉めた更には自分の言うことを最低限聞いてくれるのだ。

 

 これには誰かに余り認めてもらえなかったウェイバーから言わせるのなら見所のいい英雄なのだ。

 

 こうして二人は練り歩いた末に冬木市の端っこの架道橋の長い道路辺りでウェイバーでは到底はれないであろう広範囲に渡って強力な人払いの結界が張られそこに閉じ込めたのだ。

 

 そして人の顔をした獅子の化物が五匹も出てきたのだ。恐らくサーヴァントが呼んだ

神獣だろう。ウェイバーの予想は当たっていた。

 

 あれは黒のライダーのサーヴァント――オジマンディアスの宝具――熱砂の獅身獣(アブホル・スフィンクス)だ。

 

 まぁアキレウスにとっては結界は紙同然であり神獣は少してこずる使い魔扱いだったが……。

 

 ウェイバーは神獣を見て一度撤退を考えたがアキレウスは無視して戦車を出しマスターを乗せ自分も乗り一気に神獣を戦車で二匹ほどバラバラに架道橋まで登り上がりなんと唐突に挑発を始めたのであった。

 

「――何処にいる? 出てこい。俺の身を傷つけられる獣を用意したのは褒めてやるがあんな畜生では満足できん。

 真の英雄、真の戦士というものをその身に刻んでやろう――――!」

 

 大英雄の圧倒的な覇気と威圧感のある挑発――――その言葉に畜生と吐き捨てられた獣が怒りに唸りを上げそして空から黄金の太陽が舞い降りた―――――。

 

「ほう。余の威光の一欠片を見てなおその余裕そしてその覇気――――面白い。

 さぞや名のある英雄なのだろう。そしてライダーか……本当に面白い。だが余の身に傷をつけれるかな?」

 

 アキレウスはそのサーヴァントの姿を見て思わず狂喜する。

 あの炎を放つ船は神性の塊である……その一撃一撃が必殺であるのだ……最初から骨のある存在に出会えて喜んだのだ。

 

 ウェイバーは黒のライダーの余りの覇気と威圧感とステータスの高さとそして強力そうな宝具を見てここが死をとした戦場だと言うことを理解しこれから起きるライダーどおしの戦場を考えなけなしの暴風や圧力を軽減する魔術を使う。

 

 そして激戦が始まった。

 

 黄金の船から炎が打ち出され戦車が走り出した。

 

 炎の一撃で道路が砕けちり船と獅子が戦車が並んで空と大地を駆け巡る。

 

 それは道路を砕き空を焼く。獅子の神獣は戦車と船の速度に追い付けず後ろから熱波を吐き出すだが吐き出した時にはアキレウスの戦車はそれが届くときには抜き去り走り抜いている。

 

 そして砕けた道路が無惨に通った道を示すだけである。

 

 そして更に速度と破壊を広めながら戦場は走り出す。

 

 これは聖杯大戦の初戦。駿足の大英雄と若き魔術師の誇りを賭けた戦い。

 

 その果ては――――

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