俺は今、非常に混乱していた。
(え?え?なんで宝石から人形が?)
あの宝石ってモン○ターボールだったのか…
「これを使え!」
俺がどうでもいい事を考えている間に魔理沙(?)はスマホのようなものをこっちに投げてきた。
「おっと。」
それを落とさないようにキャッチする。
「それを使って人形に指示を出せ!」
「これを使って?」
渡されたものを見ながら聞き返す。
少女説明中…
「成る程。」
どうやら、やり方はポケ○ンのゲームと似た感覚らしい。
「技は…二つか…」
スマホ?の画面を見ると、『陰の気力』と『陽の気力』の二つの技が表示されていた。
「どっちにしようか…」
俺が技に悩んでいると、ルーミア人形が攻撃を開始してきた。
「まずいっ!避けろ!」
声を上げて避けるように指示をするが、魔理沙人形は避けきる事ができず何発か被弾してしまう。
「くっ!」
(やっぱりポケ○ンのアニメみたいにはいかないか…)
くだらない事を考えてしまう。昔見ていて今なら出来るんじゃないかと思ったが、厳しいようだ。
「反撃だ!『陰の気力』!」
攻撃をするために技の指示をする。飛んでいった弾がルーミア人形に命中した。ルーミア人形も負けじと弾を撃ってくる。
「ちょっとヤバイか…」
しばらく戦っていると、借りていた魔理沙人形の体力も限界が近くなっていた。
「中々手ごわいな…お前じゃ倒しきれないか?」
隣にいた魔理沙?が小さく呟いた。確かに魔理沙人形はもうボロボロだし、後何発か攻撃を喰らえば倒れてしまいそうだ。
「いや、様子がおかしい。何か企んで…」
魔理沙がルーミア人形を見て呟く。さっきと様子が違うようには見えないけど…と思ってるとルーミア人形が俺に向かってゆっくり飛んできた。
(え?)
突然の事だったので固まってしまう。
(あれ?いくら人形とはいえ、食われるんじゃないこれ?)
人形とはいえ相手は人食い妖怪だ。一般人ではなす術も無く食われてしまうだろう。
(ここで俺の人生も終わりか…)
目を閉じて諦めかけていたそのとき、腹部に軟らかい感触が伝わった。
(何だろう?)
恐る恐る目を開けて自分の腹辺りを見てみると、ルーミア人形が抱きついていた。
(うあぁぁぁ!めちゃくちゃかわいい!!!ヤバイヤバイヤバイ!これは俺の精神が崩壊しかねない!あぁぁぁぁぁ!)
顔には出さずに心の中でキ○ガイみたいになっていると、魔理沙?が驚いた顔でこっちを見ていた。
「おかしいな…普通の人形は封印の糸を使わないと言う事を聞かないはずなんだが…人形が特別なのか?それともお前が…」
(ほっ…)
どうやらキ○ガイになっていた事はばれていないようだ。
「うーん…分からない事を考えても仕方ない。とりあえず神社に連れて行ってやるからついてきな。」
そう言って魔理沙?は歩いていってしまった。
「もたもたしてると置いてくぞ。」
「ま、待ってくれ~」
そうして俺は魔理沙?についていって神社の境内にたどり着いた。
「ここが博麗神社だ。とはいえ、裏山にいたんだ。さすがに知ってるか。」
魔理沙?がそう言ってくるが、俺は博麗神社の外見が綺麗になってる事に驚いていた。
「どうしたんだ?早く来いよ。」
「あ、あぁ。ごめん。」
驚いて立ち止まっていると魔理沙?が早く来るように催促してきた。
(魔理沙に凄い似てるな…)
ついていきながらそんな事を思っていた。
「邪魔するぜ~」
魔理沙?がそういって小屋?の奥の部屋に入っていった。遅れて俺も入ると、そこには青と緑が基調の巫女服を着た緑髪の女性がいた。どうみたって守矢の巫女早苗さんです本当にありがとうございます。
「あら、魔理沙さんじゃないですか。」
「早苗は相変わらずお留守番か?」
どうやら名前まで一緒らしい。
「あら、そちらの方は?」
早苗さんが俺のことについて聞いてきた。
「こいつか?こいつは神社の裏山にいたんだ。それを私が見つけてここにつれてきたってわけだ。」
「なるほど。それでこの方をここまでお連れしたということですね。」
「そういうことだ。」
(うん。大体あってる。)
「名前はなんていうんですか?」
「そういや名前を聞いてなかったな。名前は?」
魔理沙が名前を聞いてきた。
「俺は長嶋遊矢っていうんだ。」
「遊矢か。私は霧雨魔理沙だ。よろしくな。」
「私は東風谷早苗といいます。」
お互い軽く自己紹介を済ませると、早苗さんが魔理沙と何か話していた。
(何だろう?)
今の状況を軽く整理しているうちに二人の話が終わったようだ。
「コホン。今の遊矢さんの状況について説明させていただきます。」
早苗さんの説明が始まった。説明も何も裏山で迷子になった俺を助けてくれただけじゃないのか?
「ここは遊矢さんの住んでいる所とは結界で隔離された場所。幻想郷というのですけれど…」
「幻想郷!?」
「あれ?ご存知なんですか?それなら話が早いです。」
「今、何故か幻想郷は人形で溢れかえっています。原因は分からず、あまりの数に私達も対応しきれていない状況です。とりあえず結界を強めて外の世界には影響が出ないようにはしてたはずなのですが…遊矢さんが迷い込んでしまったという事は、完全ではなかったということですね。しかも厄介な事に、結界が強いままだと遊矢さんは元の場所に戻れないはずなんです。結界をつかさどる霊夢さんも異変解決のために出払っていますし…」
「ま、そんな不安そうな顔するなよ。私がパパッと解決してきてやるからさ。」
「誰がパパッと解決するですって?」
魔理沙がすぐに解決してきてやる!と息巻いたところで、紅白の巫女服を着た黒髪の少女が部屋に入ってきた。
「げ、霊夢…」
どうやら、この人が結界をつかさどる霊夢という人らしい。
「あら、また外来人?久しぶりね。」
霊夢さんが俺を見て『外来人』と言った。
「外来人は外の世界から迷い込んできた人のことよ。」
不思議そうな顔をしている俺に霊夢さんが教えてくれた。
「まぁ、今は帰れないし観光でもしていったら?」
「霊夢がやさしくするなんて珍しいな。」
「何かいったかしら?魔理沙?」
「いや、なにも…」
霊夢さんがそう言った。それに魔理沙が口を挟むと、霊夢さんが笑顔(目が笑ってない)で返すと魔理沙は必死にごまかしていた。それを見て、『幻想郷だなぁ』とつくづく思った。魔理沙がごまかしてる間に早苗さんが霊夢さんに俺について説明してくれた。
「へぇ、私と紫で強化した結界を越えて迷い込んだ…その上、初めて会った人形が懐いた…珍しいケースね。強化した結界を越えられる人間はいないはずなのに…」
霊夢さんが早苗さんの説明を反芻する。
「まぁいいわ。私の邪魔をしなければ自由にしてかまわないわ。でも、私の邪魔をするようなら全力で叩き潰すから、覚悟しなさい。」
(こえぇ~)
「さて、説明会は終わったかしら?私は疲れてるのよ。さっさと部外者は外に出て頂戴。」
そう言って三人とも追い出されてしまった。
「追い出されてしまいましたね…」
早苗さんが困った顔でそう言った。
「さて、さっきも言ったけど、私がすぐに解決してやるからお前はここで早苗と日向ぼっこでもしてな。」
「えぇ~…」
それもいいけど、どうせならいろいろまわりたい。鈴蘭畑とか霧の湖とか…
「なんだ?お留守番じゃ不安か?やめとけやめとけ。お前に出来る事なんて…」
魔理沙がそこまで言って急に言葉を切った。
「そうだ。お前についてきた人形と私の人形を戦わせるんだ。とはいってもおまえは初心者だからな。準備時間ぐらいはやるよ。逃げるのは無しだぜ?」
そう言って俺が逃げ出せないように鳥居の前に移動した。
「まじかよ…」
とりあえず魔理沙と戦う事になった…
オリジナル設定交えてます。