ほぼ失踪状態でしたが、なんとか書き上がったので宜しければどうぞ。
書いてなかった理由?
あ、後書きで……
13:30 PM 池袋
「……君たち、ちょっといいかな?」
先輩達と出口を探している最中、そうやって声をかけてきた女性、自称ジャーナリストのショウジと出会った。彼女曰く、今回の封鎖について話が聞きたいとのことだった。
「別に構わないですけど、なるべく短時間でお願いしますね」
「良かった、みんな自分のことで精一杯で、インタビューもままならないの。…ありがとう」
峯岸先輩が俺達を代表してインタビューに答える返事をした。……事前に封鎖が起こることを知っていた俺が口挟むと余計な事まで喋っちまいそうだから、黙っとこ。
そんなこんなで十数分間に及ぶインタビューの結果、かなり重要と思える情報が集まった。
1.今回の山手線内の封鎖は、予め計画されていたものであった可能性が非常に高いこと
2.首都高から地下鉄と繋がっている可能性があり、それが、赤坂トンネルのあたりである
3.この封鎖を実行した理由が怪物を逃がさないようにする為である
この三つが、ショウジさんとの情報交換で得ることの出来たものである。
この情報の中で、俺にとって特に有益だったのが、この封鎖が予め計画されていたことである、という点だった。……つまり、この封鎖を提案した存在──政府は、このタイミングで封鎖を実行させるに足る情報を得ていたということになる。これほどまでに万全を期した計画ならば、それ相応の信憑性が必要であり、こうして実行に移されている以上、その情報に確実性があったということだ。
………結論としては、政府は確実に悪魔の存在を確信しており、この封鎖は悪魔を閉じ込めるために準備されたものであるということだ。この事から鑑みるに、少なくとも翔門会の連中が悪魔を使役出来るという事は政府には筒抜けであったと考えられる。
「しっかし、赤坂トンネルから地下鉄に繋がってるなんて思いもしなかったな〜ハヤトは聞いたことあったか?」
「──いや、俺は聞いたこと無いですね。知ってたとしても所詮噂に過ぎないだろうって流してたと思います」
「だよなぁ……俺だって知ってたとしても確かめる気にはなれないだろうし」
ショウジさんからの情報を頼りに赤坂トンネルへと向かう途中で、アツロウ先輩が話しかけてきたので、返事を返す。そもそも、こんな非常事態にでもならない限り、トンネルの中なんか調べられないだろうし。
14:00 PM 赤坂
道中で見かける悪魔との戦闘をなるべく避けながら移動したため、それなりに時間がかかったが体力等を温存出来たのは御の字だろう。この後にラプラスメールによって悪魔との対決が避けられないと予知されている以上、体力や精神力の消耗は出来る限り抑えるべきだ。
「………って思ってたんだけどな〜」
今俺の眼前には、何台もの廃車となった車の残骸と、その原因であろう数体の悪魔がいた。それだけなら、速攻で殲滅したのだが、それ以上に厄介な事が目の前で起っていた。
「おい……あの悪魔、COMP持ってないか…!?」
そう、アツロウ先輩が叫んだようによりによって悪魔がCOMPを持っているのだ。人間相手に契約を持ちかけることが出来るほどに知能が発達している悪魔共がそんなものを所持してしまえば、結果は言わずもがな。
「ウソ……ッ!!悪魔が悪魔を喚び出してる……!!」
「このまま放っておくと不味いな、ここで仕留めるぞ!!」
峯岸先輩の掛け声に全員一斉にCOMPを取り出し戦闘態勢を整える。
俺もいつも通りフロストエースを喚び出し、ナイフを装備して悪魔の群れへと吶喊する。
ナイフの一閃で悪魔数体を処理し、襲い来る悪魔の攻撃をいなしながらその場に留まって俺の方へと注意を引きつける。先輩達もそこそこの力をつけてはいるものの、まだこの数を相手にしてもらうにはまだ不安が残る。その点で言えば、俺には【生命の泉】による回復がある為、囮としての役目を果たすには充分な能力がある。ただでさえ常人離れした膂力を持っているのだ。こういう場面で活かさなくて何に使うというのか。
そんなことを考えつつも悪魔をナイフや蹴りで殺していく。時々妙に効き目が薄い悪魔もいたが基礎能力の高さで強引に突破し、次々に悪魔を屠る。……しかし悪魔共も少しづつではあるが、強くなってきている。
先輩達は最初が弱かった分、戦えば戦うほどに成長を遂げている。先輩達が使役している悪魔も、オークションや悪魔合体などでより強い悪魔へと変貌させることが可能だ。だが俺は違う。あのクソジジイの影響かは定かじゃないが、最初から高い能力を持っているために先輩達程の成長はしないし、悪魔も限られた手札しか使えない。何かしら解決策を見出さないと、この先、ひいてはアマネに巣食っている薔薇の悪魔を殺せない恐れがある。とはいえ現状では解決策など何も思い当たらないのでどうしようも無いのだが。
悪魔との接敵から十数分、全員特に怪我もなく殲滅に成功し、改めて赤坂トンネルの調査に向かおうとしたが、悪魔殲滅と時を同じくして トンネル内から数名の自衛隊員らしき集団が現れる。しかもこっちに向かって銃を構えるオマケ付きでだ。先輩達は大慌てで退散し、俺もそれについていく。逃げる途中に後ろを見ると、オレンジ色の髪の女性と、その横にいた女性の上官らしき人物が目に付いた。……なんかあの2人とはまた出会いそうな気がするな。
16:30 PM 芝公園
ラプラスメールの予報時間に程近くなり、先輩達と共に芝公園へと訪れた。ぱっと見ではまだ悪魔が現れた様子は無かった。ラプラスメールでは、芝公園に悪魔が襲来するのは17時頃、ラプラスメールの予報が絶対ではないと分かっているため、念を入れて早めに来ておいたのだが、それは杞憂で済んだ様だ。
「今の所、悪魔の姿は影も形も無しと。……今までの行動でラプラスメールの内容が変わっててくれれば万々歳だけど、そう上手く行かねぇよな〜」
「まぁその辺で悪魔を狩る程度で未来が変われば苦労しないでしょうよ……確定された未来を変えるのが大変だってことは、俺より先輩達の方が身に染みてるでしょう?」
「それはそうだけどよ〜。ここまで苦労して何の成果も無しじゃ気が滅入って来るのも仕方ないってもんだろ?」
「気持ちは分からなくも無いですが……っと、どうやらゆっくりするにはもうひと苦労する必要がありそうっすよ」
アツロウ先輩とラプラスメールに対して愚痴っているそばから、悪魔の集団が現れ始めた。それだけならまだしも、その悪魔に追われる様に幾人かの人々が悲鳴を上げながらこちらへと向かって来ているのだ。このままでは、彼らが襲われるのも時間の問題だろう。
「このままじゃ不味いっすね……俺が先行します、先輩達は逃げてくる人達を頼んます!!」
「おう!!無茶すんなよ、ハヤト!!」
先輩達へと声をかけると、アツロウ先輩からの忠告が飛んでくる。……言ってることは最もなのだが、肉弾戦に特化している俺に無茶するなというのは些か無理があるだろうに。
まぁそれでも心配されているってのは悪くない。せいぜい無謀にならない程度には自重するとしますか。
目の前に立ち塞がる悪魔共を薙ぎ倒しながら、逃げてくる人達を追い抜く。そこに居たのは、翼の生えた老人の姿をした悪魔だった。その手には砂時計を持ち、燕尾服に身を包んでいる姿は翼さえ生えていなければ老紳士にしか見えなかっただろう。
……だが、こいつは明らかに
『おやおや……随分と強力な力を持った人の子ですねぇ……君ほどの力の持ち主に会うのは随分久しぶりです』
「お褒めの言葉どうも……お前もただの悪魔じゃねぇよな?力の質とでも言うべきものがその辺の悪魔とは違う。陳腐な言い方になるが、ボスクラスって感じだ」
『ふふふ……確かに低俗な呼称ではあるが、的は得ている。──如何にも、今この場にいる悪魔はすべて我が配下にあります。アレらを排除するには、私を打ち倒すのが最善策と言えるでしょう』
最も、私を倒せる程の実力者であれば、ですけどねぇ?と言葉を付け足す悪魔。──この悪魔の言う事が真実であるというのなら、此奴さえ倒せば周りの悪魔は蜘蛛の子を散らす様に……とまでは行かないだろうが、それでもいい方向へと進む筈だ。──問題があるとすれば、それはただひとつ。
「上等……ッ!目に物見せてやるッ……!!」
俺よりも遥かに強い此奴を本当に倒せるかという事だけだった。
はいどうも約1年半は放置してた馬鹿者、作者です。
更新がここまで遅れた理由としては、執筆意欲の低下及び学業の多忙化、あと1次小説の設定を練ってたりしたからですね。書き溜めもない状態なので次がいつになるかわかりませんが、待っていただけるのであれば、お待ちいただけると幸いです。