「遅い………」
あれから一時間ほど車を走らせて南雲学園に着いて優衣達を待ってるが遅い……遅すぎる。
俺は携帯を開き優衣達に電話をかけようとすると銀我から電話がかかってきた。
「もしもし、どうした?」
『頼まれてたやつだけど80%はできたけど残りは間に合いそうもないから今から届けるから待っててくれ』
「待っててくれって結構距離あるぞ」
家からここまでは四時間以上かかる………
そんなに待ってたら間に合わない。
『残り5分で着くから待ってろ』
五分?今、五分ていったよな。
「おいおいどうやって五分で着くんだ?」
四時間を五分とか不可能だろ
『この音が聞こえないんだな』
銀我の発言を聞いて俺は耳を澄ますと……聞こえる……周期的にプロペラ音が電話から
「おいおいまさかとは思うけども」
『そのまさかさ!』
俺が上を見るとヘリが上空で静止していた。
「家のヘリ持ってきたんだ」
尚未がボソッと言った。
家にヘリって俺がいた時は知らなかったぜ。
ヘリを見ていると中から何か落ちてきている。
俺は目を凝らしてみると銀我が荷物を持って飛び降りてきている。
「パラシュート開けるのかあれで」
俺は銀我を指さして尚未に聞く。
「んー、できると思うよ」
ニコッと笑って答えを返してきた。
俺は銀我をまた見るとパラシュートが自動で開いた。
パラシュートをよく見ると中にワイヤーなどで強化されている部分がある。
あれも銀我が作ったようだ。
銀我が俺たちの上を差し掛かった瞬間
「兄貴!注文の品だぜ!」
箱に入った荷物を投げてきた。
「危ねぇだろ!壊れたらどうするんだよ!」
「そんときは自分で直すまでさ!」
そういい銀我は学校の校庭に着地してパラシュートを外しこっちに向かってくる。
「とりあえずは言われた通りにしたが、まだバッテリーが小さいから直ぐに電池が切れるぜ」
それは面倒だな
「どれくらいだ?」
時間が短ければ短いほど今回の作戦は難しくなる。
「お兄ちゃん、なんの話してるの?」
尚未が話に割り込んでくるが俺たちはそれを無視して
「五分が限界だ。それ以上は電池が足りない。だけど光で充電をするから明るいところに行けば少しは長持ちするぜ」
五分……それなら大丈夫か
「何の話してるの!!」
無視をしてたせいか尚未が声を大きくして少し頬をふくらませて怒ってるという仕草をする。
「隠し玉の話だよ」
俺は尚未を慰めるために頭を撫でてやる。
「後で教えてよね」
尚未は少し拗ねているけども無視のことは許してくれたみたいだな。
「今回の仕事は俺も手伝わさせてもらうぜ、兄貴」
銀我がそういうと俺らのバンに乗り込んで自分の武器の整備をし始めた。
銀我の持っている武器はMP7と言われる
「それは構わないけどもどうして急に?」
銀我は確かに強い。それは昨日の気配でわかる。
だが、銀我は今朝までは戦う気ではあまりなかった感じがしたがヘリから降りてきたときには戦う気でいた。
「護衛が必要だろ」
銀我がそう言って顎で俺たちのいる道路の反対側の道を指す。
俺はそっちの方向を見て少し耳を澄ますと足音が二つしかも走っている。
しばらくその方向をみていると
「ちょっと流石に疲れたよ〜……」
とアリスが少し息を荒くしながら走っていて、さらに
その隣には
「アリスがお昼にマック買っていこうって言って寄り道し始めたから遅れてるんでしょ!」
と怒りながらマックの袋を持った優衣が走ってきて
いる。
「咲黒〜、ごめんね〜、お詫びにマック買ってきたよ〜……ハァ、ハァ」
アリスが走るのを辞めて手を振ってこっちに歩いて来て、息を整えている。
「とりあえずは咲黒たちの分は買ってきたから中で食べていきましょ」
そういうと優衣がマックの袋をこっちに渡してきた。
「わかった。とりあえず後ろの座席に座っといてくれ」
そういって俺はバンの運転席に座る。
俺が運転席にいることに気づいたアリスが運転席の後ろに持たれかかって
「咲黒が運転するの?僕、命いくついるかな?」
などとからかってきたのでガコンッ!と椅子を後ろに倒してアリスの長い前髪に隠れた額にぶつけてやると
「ひゃっ!うぅ、イジメだ!イジメだー!」
と喚き始めたがアリス以外の全員がマックを食べ始めてもはや構ってやらんという空気になったのでアリスも静かにマックを食い始めた。
飯は全員食っているようだし、食い終わったら行くか。
そう思い俺は先に車のエンジンを入れておく。
「ほのはほこんらったらはんへほへきそうらね《このパソコンだったら何でもできそうだね》」
アリスがハンバーガーを加えながら喋ってパソコンを弄る。
「アリス、汚いよ。ちゃんと食べてから話なさいよね」
パクパクと優衣はバーガーを食って手を拭き始めた。
「ごめん、ごめん、とりあえず僕は目的地の衛星画像を入手するね」
とアリスはコーラをちゅーっと飲みながまたパソコンを弄り始める。
「とりあえず俺たちは」
「みんなの」
「「装備の整備だよな(ね)!」」
各々が飯が終わると余った時間でさらに準備をする。
「私は本でも読んでようかしらね」
と一人だけ仕事がない優衣は本を取り出して読み始める。
何というか各々が自由で面白い。
昔の時のように一人だけだったら絶対に見れない光景だ。
本当に瑠璃さんにはある意味で感謝だな。
「ある意味では恨んでるけど」
少し苦笑いをしてアクセルを踏んで車を動かす。
「俺たちの南雲学園は東京だから二時間ほどで着くとして少し急がないと」
移動時間を引くと20時間さらに準備の時間を考えると
18時間しかない。
俺はアクセルを踏んで少しスピードをあげて目的地に急ぐ。
おおよそ二時間半後、富士の樹海の近くの駐車場にバンを駐車して全員がそれぞれ荷物を背負い樹海の中に入っていく。
「思ったよりも時間かかったね」
アリスが笑いながら言うが遅れた理由はアリスに間違いなくある。
「だれだ?コンビニで飲み物買おうとか調子にのって紅茶を一気飲みして気持ち悪くなってトイレとかを繰り返したバカは?」
俺がアリスを軽く睨むとアリスが「そんなに怒らなくても」と言い優衣の後ろに隠れた。
「アリス、これは仕方ない」と優衣も呆れた感じで言い始める。
「うぐぅ……」と言う唸り声を最後にアリスは静かになった。
「お姉ちゃん、あんまり落ち込まない方がいいよ」
トントンとアリスの右側から背中を尚未が叩いて励まし反対側からは銀我が「そうだぜ、人間は誰しも調子にのることもあるんだからよ」と言って励ましている。
「ありがとう……二人とも優しいね……あの二人と違って」
慰めやれたアリスは最後に俺たちの悪口をさらっと言ったが聞かなかったことにしておこうと思い1歩踏み出すと地面から謎の違和感が現れた。
「全員ここから先は動くな目的地に着いたぞ」
ここは整備された道ではなく完全に誰も立ち入れないはずの場所からコンクリートの硬い感触がしたということは……ここからさきは敵の庭……それならここで拠点を作りアリスに
「アリス、テントを銀我は俺と周りの偵察、後は周囲の監視を頼んだ」
俺がそういうと全員が同時に
「「了解」」といい各々の持ち場に着いた。
俺と銀我は直ぐに500mほど離れた地点で足を止めた。
理由はというと
「
何重にも張り巡らされている警備を突破するにはあれしかないか
「確認するけどもこれは
俺は箱を指さして銀我に聞くと銀我は「誰の弟だと思ってる?」と鼻で笑った。
「それが聞けて安全だぜ」
俺は箱の中身を開けてコートの様なものを取り出す。
注文道理だな。
「昔に作ったのに似てたからパーツがあっただけであってなかなか手に入らねぇから壊すなよ」
「わかってるよ。」といい俺はそのコートを着る。
「時間は?」
「15分で切れてその後は光で発電する。
「それだけあれば大丈夫だな」
ジジジ……と音がコートからなる。
「完璧だぜ」と銀我がニヤッと笑う。
「どうだ?見えるか?」
「俺が作った
そう、俺が銀我に頼んだのは光学迷彩と言われている
しかし銀我はやっぱり自分の物に絶対的な自身があるな……
それが裏目にならないといいけども………
「じゃあ、少し先に言ってくるから拠点でアリスの手伝いと中にハックをしといてくれ」
俺はそういい残して走って奥に駆け込んでいく。
少し走りながら考えた。
不可能なき狼の前である自分に考えていた。
親父がいつも俺に技を教えてくれていて母さんはいつも俺に遊んでくれていて暇になると尚未と銀我と一緒に遊んだりしていた。
ここまでは覚えているが、逆にここまでしか記憶が残っていない。
俺の記憶のパーツはまだ何か必要なのは直ぐに分かるったがそのパーツが何かわからない。
俺に何か大切な人がいたのか、それとも場所か物か分からない。
分からないってのはここまで恐ろしいとはな。
ここまで考えたが考えるのは一旦中止になるな。
俺は目の前の小さな建物を見つめる。
「ダクトが一つあるが、人じゃ入れない。警備は外に見回りが六人でカメラが八台。ドアはカードでのみ開くタイプのようだ」
とりあえずカメラに何枚か収めたし戻るか
とさっき来た道を帰っていく。
拠点に戻るとテントが張られていてその周りには回線が少し雑目に散らばっていた。
「入るぞ」と一言掛けて入ると優衣と銀我それに尚未がいくつか印がついている地図を見ながら相談していてアリスは暇そうにマンガを読んでいた。
いち早く俺の存在に気づいた優衣がこっちに来いと合図をしてきたので向かう。
「情報はどうだったの?」
「俺が見つけた限りではUAVが三台が大まかに敵を察知して取りこぼしてるところを偵察ドローンが四台ほどで見てる。それと監視カメラは正確な位置と数は不明だが木とかの中にあったりするのは確かなようだ」
俺はカメラに撮った写真を優衣達に見せながら手にいれた情報を話す。
「それくらいなら問題ないだろうからとっととおっ始めようぜ!」
銀我が少し興奮しているとみせかけて焦っている。
時間が無いんだな……
「銀我くん、興奮しないの」
優衣が銀我を宥めがそれは意味ないぞ
「お兄ちゃん、お姉ちゃん……私はもう準備できたよ」
尚未が初めてニタッと恐ろしい笑を浮かべる。
「それでも早すぎるわよ!」
優衣が俺たちを説得しようとするが
「済まないな優衣。始めさせてもらうよ。戦争を!」
悪いな優衣、俺たちは我慢できないようだ。
「銀我は俺と中にアリスはここで全員の支援を優衣と尚未は二人で狙撃地点に移動して合図があるまで待機」
全員に指示を出しアリスと銀我と尚未は同時に頷いたがただ一人納得いかなさそうに優衣が考え込んでいる。
「済まない、今は時間が無いんだ。理由はまたいつか話すから今は言った通りにしてくれ」
頭を撫でながら優衣に済まなさそうに言うと優衣は少し大きなため息をついてから自分の装備に手をかけた。
「咲黒、これで大したことない理由だったら怒るから」
ありがとうな優衣。
「あぁ、わかってる」
と軽く返事をして充電が溜まった光学迷彩コートを着て装備の確認をする。
「兄貴、コートの予備が二つあるけどどうする?」
銀我が余ったコートを俺に見せつけながら聞いてきた。
「一つは銀我が持ってもう一つは俺の
「了解した」といい銀我はコートを一つ投げつけてきて直ぐに自分の装備の確認をし終えて周りを見回している
「全員準備が出来たようだぜ、兄貴」
「よし!作戦結構だ!」
俺がそう言った瞬間に各々が自分の向かうべき方向に走り去っていく。
銀我は俺と全く同じ速度で優衣は尚未にペースを合わしてもらい走っている。
まだ優衣には早かったかなんて考えてももう遅い。
俺は優衣を信じるしかない。
「ったく……真剣にやれよな………」
銀我がボソッと呟くが今のは最もな意見だな。
「すまない。それと残り50mで目的地の施設があるから優衣達に準備ができたか聞いておく」
「あぁ、頼む。俺は先に何人か絞めとくは」
と銀我は先に行った。
そして俺は近くの木の影に隠れて優衣達にインカムから連絡をとる。
『もう見えてる』
俺が連絡を取った目的をわかってたのか何も言ってないのに答えてきた。
「わかった。奥の2人と巡回から戻ってきたやつを眠らせてくれ」
軽く周りを見て優衣に支持をおくる。
『了解』
優衣は静かにそう言い無線を切った。
俺はそれを確認して直ぐに近くにいた人間の首を絞めて気絶させて持っていたカードキーをもらっていく。
そして施設の扉の前に行くともう警備をしていたやつら全員が伸びていた。
「仕事が早いな」
そう呟くと
「兄貴が遅すぎるだけじゃないのか?」
と真後ろからいきなり声が聞こえたので少し驚くが直ぐに平常心に戻して
「鍵は手に入れてるから入るとするか」
「そうするとするか」
カードキーを中に差し込んでドアを開けて中に忍び込むことに成功する。
『咲黒、監視カメラの映像にハッキングして一時間前のを無限に再生させてあるからしばらくはバレないと思うよ』
「わかった。ありがとうなアリス」
それだけ言い無線を切って銀我にそこの部屋に入れと指示をして暗い部屋の中に入り電気をつけると
廃棄物と書かれた箱の中に小さな女の子が体育座りで眠っていた。
あけましておめでとうございます。
今年も一年この不可能無き狼をよろしくお願いします。
期間は長くなってしまいましたが頑張って投稿していきたいと思っておりますので応援よろしくお願いします