箱の中の少女は動かずに眠っている。
「死んでるのか……」
少女が着ている白いワンピースは少し焦げ後などがあるが大したことはなく、逆に少女は傷だらけで血のあとが大量にあり死んだように見えるが、
死んでいるとしても肌や唇はまだ濃いから死んでそんなには経っていない。
「兄貴、よく見ろよ。こいつは人間じゃないようだぜ」
銀我にそう言われよく見ると皮が少し切れていて中には機械部分が見えていた。
捨てられた機械人形か……持っていっても使えない……
でも可哀想だな………。
「銀我、こいつは動かせるのか?」
「多分いけるけど、こんなの連れていった所で邪……
仕方ねえな……兄貴は……」
銀我が邪魔と言いかけたが俺の様子を見て言うのを辞めたぽいな。
「お前は捨てられた……捨てられたら一人になる………
一人は冷たい……寂しい……だから一人にはさせない」
なぜ自分がこんな事を言ったのか全くわからない。
ただの
この子が昔の自分に見えたのかもしれない。
もしかしたらただの気分だって可能性もある。
だけども
「今はこいつを救ってやりたいって顔するなよな」
軽いため息をつきながら銀我はロボットを起動しようと準備を始めた。
「すまないな……」
「別に俺は構わないぜ。もしかしたらここの設備の情報をもらえるかもしれないしな。兄貴はとりあえずはドアの警戒を頼んだ」
「わかった」
そう言いドアやダクトに耳を済ませて静かに銀我が終わるのを待つ。
「兄貴、終わったぜ」
おおよそ5分程か早かったな。
俺は機械人形の方に目を向けるとパチッと目を開きこちらを見つめてきた。
「……?………ここはどこですか?あなた方は誰ですか?データには存在しません。」
高いアニメ声で俺たちに警戒をしながら質問をしてきたが体がまだちゃんと動けないせいで正座を崩した状態で全く動かない。
「お前、機械にしてはやけに声ができすぎているな」
銀我がボソッと気になることをいってきた。
確かに今のは完全に人の声だ。
今の日本、いや世界にはまだできない技術のはずだ。
だけでも今、目の前にいる少女は普通に喋れている。
「私はここの管理主の方に人から兵器に改造されましたので人の時の体の昨日はそのまま機能しています。」
「幸せか?」
銀我は人間兵器のことは当然知っていたらしく、そんなには驚かなかった。
「……私に感情は無いです。消されましたので」
なるほどな、完全に脳を弄り感情を消してより機械に近づけることで自殺などの行動を防いだんだな。
「本当にないのか?正直に言いな」
銀我は問い詰めるように聞き始める。
「はい。ですが、私はこれでいいのです。機械……いいえ、兵器には感情などあってはいけません」
彼女は何処か切なそうな目をしそう言った。
彼女には感情があるが、彼女はそれを認めていない。
いや、正確には認めさせてもらえないんだろうな。
「銀我、もういいだろ?」
「あぁ、いいぜ……」
どうやら銀我はあんまり嘘が好きじゃないらしいな。声が少し怒っている。
「名前を教えてもらえるか?」
俺は彼女の方に目を向けて名前を問う。
名前を覚えておかないとこれから必要になるからな。
「
彼女は今、自分で言った。「嫌いと」……それに気づいた彼女は少しやってしまったという感じで俺らから目をそらし始めた。
銀我は予備のコートを彼女に投げる。
「それを着ておきな、準備ができたら行くぞ。お前を作って捨てた人にご挨拶してやるよ」
銀我に言われた通り彼女はコートを着始める。
彼女がコートを来ている間に
しかしこの子の名前何にしようということを考え込んでいた。D-MK1だろ……MK………マキ……マキ!これだ!
久しぶりに変な考え事をしたな。てか、人に名前をつけるなんて初めてかな。まぁ、相手は人であって人ではないけどもな。
「お前のことをマキって呼ばせてもらうよ」
俺はそう言い頭をよろしくという意味を込めて軽く叩いてから撫でる。
「マキ……MKで適当に女の子らしい名前を考えただけのようですけど……うれしいです。後……撫でられるのも」
適当なのはバレたか頭いいな、こいつ。でも、最後の方はなんて言ったかは小さすぎて聞き取れなかったな。
まぁ、大したことはないか
「じゃあ、行こうか」
マキはこくりと頷き袖にあったボタンを押して透明になる。
「俺は先に行くぜ、兄貴は地図見てこいよ」
銀我は透明になる前にインカムの方のボタンを指さして透明になり先に行った(と思う)。
俺は銀我が指さしていたインカムのボタンを押すと目の前にドラゴンボールのスカウターみたいな感じの緑の液晶版が出てきた。それには俺のいる位置と銀我の位置を黄色で表示していてあり、更には中の地図まで表示されていた。
あいつ、あるなら先に言えよな。
そう思っている時間がもったいなかったので俺もボタンを押して透明になると
「言い忘れてましたが私は捨てられていません、修理です。ここに不用品と書かれているのは間違いです。私は確認をするためについて行きます」
マキは静かな声でそう言うと一番にドアを開けたようで先に向かった。
俺も直ぐに透明になってマキと銀我が向かったと思われる道を辿っていく。
数分程、研究所の入り組んだ廊下を歩いていると充電が残り一分程しかない事に気づいたので銀我にインカムで小さい声で「まだか?」と聞いたところ着いたぞっと言われ目の前の扉を見つめる。
「これか?人の気配が全くないけども」
直に銀我に聞く。
「ここのはずだぜ、こいつもそう言ってるし、アリスさんもカメラでここだって言ってたしよ」
あっ、アリスにさん付けしてるんだ。
ってそんな事よりもだな。
カメラではいるはずなのに気配がないってことは………罠以外に考えられないよな。
「どうするよ、兄貴?俺は兄貴にまかせるぜ」
銀我も考えは一緒だったらしく俺に一任してきた。
「とりあえずは俺が特攻す……!!」
特攻すると言いかけた瞬間、ドアが開いた。
誰も出て来なかったから間違いなくマキが中に一人で行きやがった。
「あのバカ………銀我はここで待機しててくれ。行ってくる。」
俺は慌てて中に入り隠れれる中にあった、ソファーの後ろに隠れて俺の反対側にいるマキの方を見る。
「マスター、いらっしゃいますか?」
マキは周りをキョロキョロ見始める。
「マスター!」
更に奥にあったドアから
志紀沼の体は写真で見たよりも筋肉質で女が見ると多分だけど惚れてしまうほどのイケメンだな。
てか、あれだな。気配を感じなかったのは奥にドアがあったからか。
「D-MK1か、どうやって起動した?お前は電源を落としておいたはずなんだがな。」
志紀沼は面倒くさそうに頭を書きながらマキに質問する。
「それは……」
マキは俺たちのことを言おうか言わないか迷っている。
「まあいい、大方、プログラムの失敗だろ。元が失敗作のゴミ以下のものだからな。」
あいつ、今、平気な顔をしてゴミ以下と言った。
「マスター?………」
「自分で始末するの嫌なんだよな。返り血とか洗うの面倒だし……まぁ、いいか。」
志紀沼は懐から
「どうして………ですか?……マス……ター」
掠れた声でマキがそう言うと
「お前には感情がある。アメリカから頼まれた物には限りなく遠い。だから失敗作のゴミだ。そして、粗大ゴミには出せないし専用の機械じゃないとお前を無かったことにできないからゴミ以下なんだ。だけども、殺すことは簡単だ。普通の人間のように死ぬからな。だから死んでもらう」
そこまで言うと志紀沼はカチッと
バァンーー!カバの発砲音が響いた瞬間にバァンーー!と
別の発砲音が響きカキン!と弾く音がした。
俺が無意識の内に発砲していた。
「志紀沼!」
俺は志紀沼に向かって大きな声で叫んだ。
叫んだ理由は母さんも有るだろうが、多分、マキに対する態度なんだろうな。
あぁ、自分が抑えられない。
「母さんを治すか死ぬか選ばしてやるよ」
俺はUSPを志紀沼に向けながらゆっくりと近づいていく
「母さん?………あぁ!霧崎家の子供か!」
志紀沼はやっと思い出したかのように手を叩く。
「挑発には乗らないぜ。」
「挑発じゃないさ」
「それ自体が挑発だろ」
駄目だ。抑えろ。自分を出すな。
「一応、聞くがお前を殺したら母さんは治るのか?」
「さあな」
会話をしていてふと疑問に思った。
どうしてこいつはこんなにも余裕そうなんだ?
「俺は、どんな時でも用心深いんだ。このゴミに呼ばれた時も殺されるという小さな可能性があるかもしれないからな。出てきていいぞ」
志紀沼がそう言うと、ガコンと言うダクトの蓋が外れる音がした。
「ったくよぉ!いつまでまたせんだかよ!」
中から俺と同い年位の男が出てきた。
「てめぇは、霧崎家の人間なんだよな!霧崎家は俺ん家と少しばかり仲が悪いんで殺したら親父が喜びそうだな」
そいつは笑いながらそう言う。
「お前は何者だ?」
俺はそう聞くとあいつは待ってましたかと言わんばかりの顔でこう答えた。
「俺は