不可能無き狼 〜Hunter・Wolf〜   作:しゃん丸

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第4話 狼VS狼 その2

「頭痛てぇ………」

俺は体を起こして周りを確認する。

さっき俺は撃たれた。

しかし、俺はギリギリのタイミングで銃弾を噛み止めた。

「おい、聞こえてるか?」

俺はインカムに手をやり優衣(ゆい)とアリスを呼びかける。

咲黒(ざくろ)くんか生きてたんだね。連絡が急に取れなくなって心配したんだよ」

どうやらアリスが出てくれたようだな。

「どれくらい連絡が途絶(とだ)えてた?」

標的(ターゲット)の位置がわからない今は時間だけが頼りだ。

時間さえ分かればある程度は敵の位置を予測できる。

「だいたい1時間くらいかな」

1時間かなら敵は完全に見失ったか。

「優衣は生きてるか?」

優衣が生きてるか生きてないかで戦況は大きく変わる。

頼むから生きててくれ

「生きてるわよ!」

インカムから優衣の声が聞こえた。

だけども大量の銃声も聴こえてくる。

「おい!そこはどこだ!今すぐ行くから座標を教えろ!」

優衣だけは守らないといけない。

たとえ何があってもな。

「ここはあんたの居るところから東に数km進んだ所よ」

少し距離があるな。

あそこにある乗り物を借りるか。

「わかった。何とか持ちこたえろよ。絶対に行くからな」

俺は近くにあった車に乗り込んで直ぐにエンジンをかける。

「おかしいなここら辺のやつらはほとんど死んでる……優衣がやばい!」

俺はこの状況を見てわかった。

標的は優衣の方に向かっている。

俺は慌ててインカムで

「優衣!そこから退避しろ!標的が向かってる!」

優衣に警告したが

「もう遅い!来てるわよ!しかも私を狙ってるわ!」

やばいぞ!急げ!

俺はアクセルを全開に踏む。

頼む!間に合え!

「優衣!急いで逃げろ!アリス!聞こえてたら優衣を逃がす為のルートを探せ!」

残り2分それまで何とかしてくれ。

「了解!優衣ちゃん!そこの建物に入って階段で1つ下の階に降りて窓から飛び降りて」

「わかった!」

インカムからいきなりバリン!という音がなった。

窓から飛び降りたのか。

「まずいわ!あいつもう私を見つけた!」

「ならそこから西に走って!」

「優衣!残り少しでそっちにつくから何とか逃げ切れ!」

間に合え!頼むから間に合え!

「見えた!ザクロ!私はすぐそこの角にいるわ!」

「了解した!」

俺は車から降りて角を曲がると………いた、優衣だ……それと居るな過去の俺がよ。

「見つけた!」

優衣が慌ててこっちに来る。

俺は優衣よりも後ろの光景に慌てた。

あいつが銃を構えてやがる。

「優衣!伏せろ!」

大声で優衣に叫び優衣の後に飛び出すと

ニタッと笑いやがったぞ、あいつ。

ダァン!とあいつの銃弾がやってくる。

狙ってたのかこれを

これは負けだな……………5年前の俺ならよ!

ガキン!俺は自分の手に付いていた鉄板で銃弾を弾く。

これには優衣と昔の俺も驚いた顔をしているな。

どうだ!見たか!これが俺の銃弾落とし(イナズマ)だ!

「優衣!合わせろ!狙撃銃(スナイパー)()てろよ!」

「えっ!あっ!わかったわ!」

大丈夫かよ、いくら何でも驚きすぎだろ。

「優衣、できるだけついてきてくれよ」

そう言ったと同時に俺は軽く飛び出す。

相手は俺を殴りに来たが

ガッ!と俺は相手の手首に手を当てて防御する。

もう反対の手で今度は優衣を狙っていたがこれも同じ方法で止めた瞬間に優衣が俺の腕スレスレを通して相手の顔に攻撃を食らわす。

一瞬、相手はよろめいた。

「優衣、その調子だ」

このままなら勝てるかもしれないな。

お互いに距離を取りあう。

ザッ!今度は向こうが先に仕掛けて気やがった。

「優衣!」

「わかってる!」

優衣と俺は二人同時に飛び出す。

ガシッ!ガッ!ガッ!とお互いに突きをくり出すしそれを手首を押され逸らされたり蹴りを放つがよ蹴られたりと一歩間違えば負けるという一進一退の勝負をしているが……このままじゃ勝てない。なぜならあいつは少しだけ早くなってきた、多分、俺達の動きに合ってきたんだろうな。

「優衣、速度上げるけどついてきてくれよな!」

と言い俺は少し攻撃の速度を上げると優衣はものともせずについてきた。

流石だぜ、優衣!

俺はそう思い相手に突きをくり出すがガッ!と逸らされた、その、逸らされた腕を思いっきり相手の方にやるが受けられる、すると優衣がガッ!ガッ!ガッ!ガッ!とあいつに大量の攻撃を加えた。

俺と優衣は攻撃を加えた瞬間に離れる。

「はぁはぁ……」

「はぁはぁ……」

二人とも肩から息をしていた。

だが、それは相手も同じだ。

それは、そうだよな、ほとんど休みなく本気でギリギリの戦いをしたんだもんな。

「優衣、足を狙ってくれ……」

最後の指示をだすと

コクンと頷いた。

最終ラウンドだな。

俺と優衣と向こうが同時に飛び出し、さっきの戦いがまた始まる。

俺は足技をくり出すとあいつは乗って俺の足を足場にして俺の後に行きやがった。

だけども、終わりだぜ。

そう、これは罠だよ。

優衣が相手の足を着地寸前に蹴り横転させてそのまま手足の動きを全身で封じた。

ジャキッ!俺はナイフを取り出した。

「終わりだぜ!狼!」

と叫びナイフを心臓にめがけた。

ザシュッ!と音を立てて昔の俺の心臓に刺さった。

「はぁはぁ……」

終わった………ここの時間にして約4時間になる戦いは終わったんだ。

「すごい!すごいよ!」

インカムから声がアリスの声が聞こえる。

俺は地面に座り込むと優衣も力尽きたみたいに座り込みお互いに背中を押し付けあった状態になった。

「すまねぇ……死ぬほど疲れてるからここを出てからにしてくれ」

「わかった。なら、そろそろ戻ろうか」

「どうやって戻るんだよ」

「私達、今は動けないからそっちで何とかしてよ」

「多分、残り1,2分で帰れるよ」

「わかった」

と言い俺は少し目をつぶった。

優衣は俺に合わせられる………完全に息があった。

「チームも悪くないな」

「そうね」

「戻ったら何か(おご)ってやるよ」

「それならクレープお願いね」

クレープかあんまりいい店知らないな。

「わかった」

「それと………あの……助けて………くれたの……かっこ………」

なんだ?声が急に小さくなって少し顔を赤くしたりしやがってよ。

「おい、いきなり声小さくなるなよ」

「うるさい!」

とぽかぽかと殴られる。

「痛い!痛い!やめろ!」

あぁ………だめだ……急に眠く………戻るの………か

ドサッ!と二人同時に倒れる

 

「ん………ん〜……」

目が覚めるとさっき寝た椅子に座っていた。

「うぅ、体が少しだるいな」

「まっ、その分の疲労を脳に送ったからね」

と隣の部屋から出てきたアリスが話してくる。

「ん……んん………ここは………戻ってこれたのね………」

「おはよう、優衣ちゃん」

「おはよう」

「さてと帰るかな」

俺は立ち上がり体を伸ばす。

「私も行くわ、クレープ奢ってもらう約束だし」

「ならボクもお願いね」

と二人とも鞄を取る。

「はぁ……やれやれてやつかな」

ドアを開けて先生に挨拶をして降りてきたエレベーターに三人で乗る。

何か甘い匂いがすごいな。

アリスからは少しバニラの匂いがして優衣からはいちごのような匂いがする。

さっきまで気にならなかったのに……

「そういえばさ、名前決めようよ」

「名前?何のよ?」

「この三人のチーム名を」

名前か……

「リーダーも決めないといけないとだめだしついでに決めちゃおうよ」

それなら優衣に押し付けるか

「それなら、ゆ………」

「咲黒にしましょう」

俺の言葉を優衣が遮った。

「面倒だから嫌だって言ったら心臓突きを絶対にうつ!」

「わかったよ」

軽くため息をつく。

「なら、次は名前だね」

アリスが軽く前に出た瞬間、エレベーターのドアが開いた。

「行くぞ」

「了解、リーダー」

アリスが敬礼をしてきた。

「からかうな」

「ごめん、ごめん」

はぁ、まったく……

「とりあえず、早く行くわよ」

「ぼくはケーキがいいなぁ」

「なら、1人で行きなさいよ」

「まぁ、でもクレープも好きなんだよね。ぼく。」

「何なのよあんたは」

「でもさケーキもよくない?」

「クレープの方がいいに決まってるでしょ」

「ケーキだって」

俺はこのチームで生きていくんだな。

はぁ……これから楽しくなりそうだぜ……まったく……

俺は苦笑いをして優衣とアリスの口論を聞いていた。

 




今回も不可能無き狼を見てくださり誠にありがとうございます!!
これから咲黒、優衣ちゃん、アリスちゃんの3人を見守ってあげてください
それと、もしもよろしければアドバイスなどをくださるとありがたいです
それではまた次回にお会いいたしましょう。
See you again!
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