やっぱり間が開くから何とかしてしないと
朝日が俺の目に当たって俺は目が覚めると尚未が横で俺に抱きついて寝ていた。
昨日、一緒に寝ていたから当然だけど
「今、何時だ?」
携帯を開いて時間を確認するとまだ、朝の6時前だったので二度寝しようと思ったが仕事の準備をしないといけなかったので尚未の小さい腕をどけて洗面所に向かって顔を洗らう。
「おぉ!兄貴、今、起きたのか?」
後ろから銀我が軽く叩いて話しかけてきた。
「あぁ、そうだよ。てか、俺の銃返せバカ」
「あり?気付いてたか?」
「盗むの下手くそだなお前」
「うるせぇ!」
と言い俺の
おいおい、落ちて壊れたらどうすんだよなまじでよ。
「それにレーザーの装着とグリップの強化、トリガーを兄貴好みにしてそれと麻酔弾が撃てるようにしといたから」
「ありがとう。ついでにこの設計図の物を今日の夜までに頼めるか?」
「あ?半日あればできるに決まってるだろ。いいぜ作ってやるよ。できしだい届けてやるよ」
そう言い銀我は手を振って去る。
とりあえず尚未を起こしに部屋に戻り尚未に連れられて廊下を歩く。
「お兄ちゃん、抱っこ」
「小さい子じゃないんだし自分で歩け」
「けち……」
少し眠くて不機嫌そうな顔をして尚未が俺によって歩いてくる。
「けちで悪かったな」
大人気ない反応をし、少し歩き、昨日の部屋に入ると机の上に朝飯が準備されていた。
「お兄ちゃんはそこに座ってね」
尚未が指を指した所に座る。
「それじゃ私達は先に食べようね」
あれ?他は?
「家は先に来たら先に食べるんだよ。何か仕事に遅れたら大変だからっていう風習みたいなので」
尚未に心を読まれてあまり喋らずに置いてあった朝飯に手をつける。
「あっ、お兄ちゃんに聞きたいことあるからちゃんと答えてね」
飯を食べてる最中にいきなり尚未が何か思い出したらしく俺に笑顔を向けてくるがその目は真剣だったので仕事かと思い俺も真剣な眼差しで大丈夫だと返し、「何だ?」と真面目に返しとく
「お兄ちゃんは今回の仕事には何人でやるの?」
予想通り仕事の話だったか
「俺とお前、それに知り合いの優衣とアリスだけどそれがどうしたんだ?」
「その人数なら大丈夫かな。それじゃぁ、早く食べて準備してママに会いに行こう!」
あっ、話しそらしやがった。まぁ、追求しても意味無いだろうしやめとくか。
「そうだな……」
俺の母親ね………
記憶が無いのはこの家で何かあったからそれは確かだし親父は教えてくれないだろうから母親に聞くしかないか
「お兄ちゃん!急がないと間に合わないよ!」
尚未が時計を見て少し慌て始めたけども、正直、あんまり俺には関係ない。
「先に準備してろ俺は準備できてるし、それに用事があるからな」
「うんわかった。じゃあ、終わったら門の隣のガレージに来てね」
「わかった……」
広いから迷いそうだなここ広すぎるし
この家は小さな村くらいの広さがあるから門までは少し歩かないと行けないほどの広さだ。
とりあえずは先に用事を済ませるか……
そう思いその場を後にする。
「で?あの手紙は何だ?親父」
昨日、俺の布団の下に手紙が置いてあり中を見ると親父から『明日来い』と短くそう書かれていた。
「少し渡したい物があってな……」
親父が部屋の奥にあった箱からごそごそと何かを探している。
「お前は俺の後継者だ咲黒」
え?今なんて言った?後継者だ?
「は?………」
「そのままの意味だ。お前にはこの家を継いでもらう」
「急展開過ぎて笑えないぜ、急に家に連れて帰ってくるわでそれがこの家のしきたりか?」
昨日の件で少しは落ち着いたと思っていた自分の心がまたメラメラと燃え始める。
「現にお前は俺の名をもう持っている」
「そりゃあ、同じ霧崎だもんなぁ!」
俺が軽くわざとらしく霧崎という言葉を大きくいうが親父はそれを無視して
「違う、お前のもう一つの名だ」
と親父から一つ真実を伝えられた。
もう一つの名……まさか……
「
これしか考えられない……
親父は俺にもう一つの名と言った。これは不可能無き狼しか考えられない………
「その通りだ。不可能無き狼は俺の昔の名だ」
「俺の名は昔から受け継がれているのか?」
「不可能無き者は受け継がれ続けるもので、それを受け継いだ者は先代の者から受け取らないとならぬ物がある」
「受け取らないとならない物?」
何だ?証書とかそんなのか?
「お前の場合は俺のこれだ」
ドスッ!と親父が箱の中から布を被ってる大きな物を出してきた。
「それは?」
何だか大きな物だが布のせいで何かはわからない。
「布を取ってみろ」
親父に言われた通りに布を取るとでかく美しいと思える程の白さをしている銃が現れた。
苦笑いしかできないなこんなのが出てきたら
「は……はは……
アメリカで作られたガトリングでヘリやガンシップ、戦車や固定型砲台などとして使われている超が付くほど重い重火器で重さは18kgもあるので人が普通に使うのは不可能に近く、仮に持てたとしても撃てば体が持たなくなるだろうってほど連射速度も桁違いだ。
「これが親父の……不可能無き狼が使う銃かよ……」
親父は何も言わずに静かに頷き、その場を去ろうと立ち上がる。
「親父……これは頂くよ。だけど聞かしてくれこの金属は何だ?俺はこんなの見たことないぞ」
触ってみて分かったがこれは普通の金属ではない。
何か特別な金属で間違いはないはずだ。
「それは自分で探し出せ、それが不可能無き者の最初の任務だ」
親父はそう言い、去っていった。
「けっ………自分で探せか………」
俺はミニガンを持ち上げてみると余りにも軽すぎることに驚くがこれは普通の金属じゃない時点で何でもありかと重い、ミニガンに付いていた肩掛けを通し背負って尚未の元に向かう。
尚未が言っていたガレージに何とかして着いたけど広すぎて人に道聞いちまったじゃないかよ。
「お兄ちゃん!遅い!」
尚未が俺の近くに来るとぷくーとほっぺたを膨らまして首を傾ける。
「悪い、悪い。ちょっと親父と話してた」
「パパと?まさかそれパパから貰ったの?」
尚未が俺の背負ってるミニガンを指す。
「あぁ、悪いけどその車に積んどいてくれない?」
尚未にそう頼むと
「えぇー!ミニガンって重いじゃん!重いのは嫌だ!」
腕で×を作り完全拒否をしている。
「分かった。じゃあトランク開けてくれない?」
「それぐらいだったら」
「ありがとう」
そう言って、尚未が開いてくれたトランクにミニガンを入れ込み、お礼に尚未の頭を撫でてやると「えへへ〜♡」と甘い声を出して俺に擦り寄ってきた。
「ふへへ〜……お兄ちゃんは人をやる気にさせる天才だね……ふふ」
そう言って、尚未は車のドアを開けて椅子に座るがさっきの事のせいかマタタビを嗅いだ猫のようにふらふらと酔っている感じだ。
「それでやる気になるのはお前だけだ」
俺も尚未とは反対のドアを開けてそこから入り尚未の隣に座る。
「で、この人は?」
俺は運転席にいる男を顎で指す。
さっきから俺と尚未の会話を聞いていたがまったく同時ず前をじっと見つめていた。
心が動いた感じがないな。まるでロボットだな。
「門下生の人で暇らしいから連れてきたの」
道場にいたやつを連れてきたんだな。
「喋らないんだな」
俺は運転している門下生の人に話しかけるが
「…………」
何も答えず前を見て運転を始めた。
「この子は無口で難しいんだよね」
尚未が苦笑いをしながらこっちをみる。
「とりあえず病院に行くんだよな?」
俺の母さんはどんな人なんだろうな…………
そう思いながら俺はのんびり窓から景色を見る。
「ママは超美人で優しいんだよ!怒ったらパパですら手をつけられないけど……」
あの底知れない親父ですら手をつけられないってどんな人なんだろうか、考えれば考えるほど楽しみだな。
「それは恐ろしいな早く会いたいぜ」
「お兄ちゃん、少し笑ってるぅ〜……ふふ………」
尚未が俺を見ながら笑った。
「病院に着くまでどれくらいかかるんだ?」
「三十分ぐらいかな」
三十分か……何してようかな……
少し考えたが何も思いつかなかったので体を伸ばして寝ようとするが「お兄ちゃん、私とお話しよう♪」と俺の膝の上にドサッと乗りかかってきた。
「はぁ……わかった……話そうか」
俺が渋々、了承した。
「ありがとう!お兄ちゃん、大好き!」
「あぁ、それで何話す?」
しばらく俺達はたわいのない話を病院に着くまでのんびり話し合った。
三十分後、俺達は病院の駐車場に着いた。
病院はとても大きく沢山の車が止まっていた。
当たりを見るとさっきまで生い茂っていた木は殆ど無くなっていて、スーパーや駅などがあり少し都会ぽくなっていた。
「ここか?」
「うん!ママに早く会いに行こ!」
尚未は笑顔で俺の手を強めに引っ張ってくる。
よっぽど会いたいんだな……それはそうか……尚未も会うの久しぶりらしいしな。
尚未に引っ張っられながらそのまま病院に入り、エレベーターに乗り込む。
「で?病室はどこなんだ?」
「100号室だよ。場所は十一階の一番奥の部屋だよ」
「眺めが良さそうだな」
「眺めはとってもいいよ!お兄ちゃんものんびりできちゃうかもね」
とたわいもない話をまたしていると目的の階に着いたのでさっさと降りて一番奥の部屋部屋の前に向かう。
「〜〜〜」
「〜〜〜」
「……声がする………」
部屋に着く寸前に部屋の中から聞いたことのある女性の声ともう一人別の人のこちらも女性の声が聞こえた。
声は少し聞き取りずらいが少し耳を傾けると
「おばさん、今日で咲黒はやっと思い出せるようになるんですよね?」
「ふふ、そろそろ来るから行きなさい。後は私が何とかするわ」
「わかりました。おばさん、信じてますからね」
という会話が聞こえたのと同時に窓が開いた音がした。
これは窓から逃げたのか………
これは聞かなかったことにしておくか……言ってもどうせ知ら切られるしな。
「お兄ちゃん、ボーッとしてどうしたの?」
尚未が心配そうな顔をしてこちらを見つめてくる。
「心が読めるんだから読めよ」
少し面倒そうに答える。
「私は人が大勢いる所では気分悪くなるから使わないの」
「心を読むのも大変だな」
少し心配してやると
「心配してくれるの?なら、なでなでしてほしいな」
上目遣いですりすりとこっちに寄ってきた。
「後でしてやるからとりあえず入ろう」
面倒だったので流しておいて、俺は病室のドアに手をかけてドアを開く。
ドアが開き中に入ると少し痩せ細った感じの綺麗な女性が窓の外の景色を眺めていた。
これが誰かは親父や銀我、尚未と一緒で本能でわかる。
「母さん………」
間違いない……俺の本能が何度もそう言う。
俺の声に気づいた女性が俺の方を向き
「いらっしゃい、咲黒」
そう優しく俺に声をかけた。
「ママ〜!来たよ〜!」
俺が一歩踏み出す前に尚未が走って母さんに抱きつく。
「あらあら、いきなりすぎるわよ、尚未。少しは落ち着きなさい」
母さんは尚未に笑いながら優しく怒る。
「ごめんなさい……でも……ママに会うの久しぶりだったんだもん」
尚未は少し拗ねた様な声をしながら母さんに更に強く抱きつく。
凄く見ていて落ち着くような感じだ。まるで何度も見たことある光景のように
「咲黒もボーっとしてないで入ってきなさい」
母さんに呼びかけられて俺は我に帰る。
「あっ……あぁ……」
「こっちに座って」
母さんは自分のベットにスペースを作りそこに俺が座るように促す。
「あっ……うん……」
反応しずらいな………相手が母親ってのもあるし
俺は母さんに言われるがままにベットの上に座る。
「尚未、離れてそっちに座りなさい」
母さんは尚未に俺の反対の方に座るよう指示する。
「はーい!」
尚未は元気よく返事して俺の反対側に座る。
「咲黒……」
母さんは俺の名前を呼んだのと同時にギュッと俺を強く抱きしめた。
「むぐっ!」
母さんの大きな胸が俺の顔に直撃して息がしにくい!
俺は少しもがいて顔を上に向けると
「ごめんね……寂しかったでしょ……辛かったでしょ………ごめんね……ごめんね……」
母さんが泣いていた。
あぁ………何だか……見たことある………
最初に思ったことはそれだけだった。
知っているけど知らないって感覚がずっとむず痒い気持ちになる。
「そろそろ教えてくれよ……俺を」
俺は母さんに確信を迫ることを聞く。
「そうね……ここまで来たんだもんね……」
母さんはそう言うと俺の額にキスをしてきた。
「何すんだ……よ……」
知っている……急に思い出した………
「あれ?……何した?……」
頭がクラクラするけど今まで分からなかったことが分かる。
「霧崎家には脳に軽いダメージを与えて記憶を消す技があるの。その技で忘れた記憶は忘れる前にされた事で思い出しすの」
母さんが解説をしてくれたが俺はそれが聞こえないぐらい混乱していた。
それを見た母さんが
「尚未、行きなさい。咲黒としばらく二人きりにさせて」
尚未に出ていくように指示する。
「はーい!」と尚未は走って部屋から出て行った。
「落ち着いた?」
母さんが優しく声をかけてくれる。
「思い出したよ、母さん」
脳内の整理が完了したので俺は顔を平然の状態にした。
「母さん………俺………頑張ってくるね……」
俺は母さんの足に触れる。
やっぱり腐ってる………しかも普通の感じとはまた違う腐り方だな
「ごめんね。また迷惑かけるわ」
「大丈夫、息子を信じて」
俺はそう言って立ち上がり
「大好きだよ、母さん」
そう言い残し部屋から去る。
病室を出ると尚未が出てきた俺を見て
「おかえり、お兄ちゃん」
と言ってきた。前の俺なら絶対にわからなかった言葉だが今ならわかる。
「ただいま。でも、今はそれどころじゃないだろ」
俺は記憶も全て家に帰って来れた。
だが、今は話してる暇が惜しい。
「ママの足見たんだね」
「見てない。触ったらわかった」
尚未が悲しそうな顔をして言った言葉に俺は正直に答える。
「いつまでだ?」
俺が母さんに残された時間を聞く。
「残り24時間切ってる。」
「治す方法は?」
俺は歩き出しながら次の情報を尚未に求める。
「あの写真の男を殺すか解除させるしかない」
殺す…………か……
少し嫌な感じになるけどそこは堪えるしかないか。
「とりあえず仲間に連絡するから先に車に戻っとけ」
俺は携帯を取り出して
『もしもし、咲黒?』
さっき、みつけた地図を見て直ぐに
多く見積もって1時間ぐらいか
「優衣、1時間以内に学校に集合してくれ」
『わかった。学校、1時間後ね』
「あぁ、頼んだ」
短い会話をして電話を切った。
「さて、次はアリスだな」
アリスに電話をかける。
『もしもし?』
アリスの声が電話から響く。
「俺だ」
『オレオレ詐欺かな?それなら僕じゃなくて他を当たってくれない?』
こいつ、絶対に電話越しでにやにや笑ってやがる。
「咲黒だ。1時間後に学園に集合」
『咲黒ならそう言ってよね。1時間後に学校だね』
「じゃあまた後で」
俺が電話を切ろうとした瞬間
『待って!まだ報酬の話ししてない!』
と大声で呼び止める。
「報酬?後でじゃ駄目か?」
『今じゃないと嫌だ!』
わがままだなおい。なんて言ったら絶対に怒るから言わないでおくか。
「わかった。何が欲しい?」
どうせ新しく何かが欲しいとかだろうな。
『明後日、出かけるから付き合って』
「は?」
何だ?その程度でいいのかよ。少し考え込んで損した。
『え?ダ、ダメだった?……』
アリスが少し困ったような声を上げた。
「あっ!いや大丈夫だ。明後日だなわかった!」
俺は慌てて了承をして電話を切る。
「とりあえずこれで大丈夫だな」
俺は階段で一階に降りて尚未を探すが
「車がない………」
さっきまでここで止まったいた車が無い。
ここで嫌がらせか何かか?
しばらく辺りを見回していると
「お兄ちゃん!こっち!こっち!車変わったよ!」
尚未の声がしたので振り返ると黒いバンの窓から尚未がちょこんと顔を出して手を降っていた。
「早くー!早くー!」
尚未が大声でずっと手を振って呼び続ける。
だいぶ焦ってるな……
残り時間も少ししかないからか。
母さんのことを全て思い出したからか俺も嫌な汗が止まらない。
焦るな……焦ると判断力が鈍りミスが生まれる。
俺は軽く深呼吸をして尚未の元に向かう。
「急に車を変えるのはなしだろ。流石にわからんぞ」
中を見ると後ろの席に移動していてパソコンを弄っている尚未だけがいる。
さっきの人はどこいったんだ?
「帰ったのかさっきのは」
「うん、ここからは私達の時間だからね」
ここからは仕事を請け負った俺達だけだから関係のない者は巻き込まないようにしたんだな。
まったく母さんに似て優しいやつだな。
しかし、これが尚未の仕事の時の目か…
「で、誰が運転するんだ?」
俺は制服だから無理だろうしかと言え尚未は身長的にバレるだろうから無理だろうからな。
「もちろんお兄ちゃんに決まってるじゃん」
あぁ、知ってた。そんな予感はしてたけども
「警察に見つかったらどうするんだ?」
「見つかっても私の顔を見たら警察であろうが軍隊だろうが帰っていくよ」
なるほどな確かに俺の家ならそれくらいできるもんな。
「それより問題はお兄ちゃんが車を運転できるかなんだけどね」
「誰だと思ってる?」
「かっこ良すぎて惚れ直しちゃった」
尚未がこっちを見てニコッと笑う。
可愛い笑顔だな本当によ。
「じゃあ行くか」
俺は運転席に乗ってエンジンをかけて母さんの病院から南雲学園に向う。
残り時間は約24時間……絶対に助けるからな母さん……
今回は霧崎咲黒の母親が登場、名前はまだ出てませんが近いうちに出します。(決して書くのを忘れたんじゃないんだからね)
それと咲黒の記憶は次のお話に出す予定です。
それではSee you again