戦姫絶唱シンフォギアGinga S&GX    作:ベンジャー

1 / 16
やっぱり、零無がビクトリーになりました。
ちなみにエタルガーはアレーナがいなくてみ自力でウルトラマンを鏡に封印できる能力を持っています。


1Eve 『ウルトラギンガ作戦第一号』

惑星ジュラン……、そこは怪獣達と人間が暮らす平和な星……しかし、そんな平和な星に突如として謎の戦士……「時空の戦士エタルガー」と名乗る者がこの星の怪獣や人間たちを襲い始めたのだ。

 

無差別に攻撃を繰り返すエタルガーを止めるため、この世界の2人のウルトラマンはエタルガーへと戦いを挑むのだった……。

 

『シェア!!』

 

赤い姿の戦士……「ウルトラマンコスモス・コロナモード」はエタルガーに向けて蹴りを喰らわせ、怯んだところにさらにもう1人のウルトラマン……「ウルトラマンジャスティス・スタンダードモード」がエタルガーの胸部に向かって拳を放つが……エタルガーはそれを受け止め、ジャスティスの腹部にエタルガーは膝蹴りを叩き込む。

 

『グア!!?』

『ジャスティス!!』

 

さらにエタルガーはコスモスの首を掴み上げて持ち上げるとそのまま倒れ込んでいるジャスティスに向かって放り投げ、立ち上がろうとしたジャスティスはそのままコスモスとぶつかり、2人共々倒れ込んでしまう。

 

倒れ込んでいる2人に向かい、エタルガーは自分がこの世界に来る為に使用した空中浮く要塞……「時空城」から赤い光線を次々とコスモスとジャスティスに降り注がせる。

 

『『ウアアアア!!?』』

 

膝を突くコスモスとジャスティスだが……どうにか力を振り絞って立ち上がり、コスモスは両手にエネルギーを溜めて放つ「ネイバスター光線」を、ジャスティスは両手を前に突き出して放つ「ライトエフェクター」をエタルガーに向かって放ち……エタルガーは2人の光線の直撃をまともに受け、爆発したように見えたのだが……。

 

「フン!!」

『なに!?』

 

しかし、エタルガーは何事もなかったかのように平然とその場に立っており、エタルガーは不適に笑う。

 

「慈愛の戦士……ウルトラマンコスモス、宇宙正義の使い、ウルトラマンジャスティス……貴様等の攻撃はその程度か?」

『お前、一体なにが目的だ!?』

「私の目的はただ1つ、各世界のウルトラマンを9人封印すること……」

 

コスモスの問いに対し、エタルガーはそう答え、ジャスティスはなぜウルトラマンを封印するのかとエタルガーに問いかけるが……エタルガーは「これ以上答えるつもりはない」と言ってこれ以上のことは喋ろうとはしなかった。

 

「最も、各世界1つにつき、1人までしかウルトラマンは封印できんがな。 さて、それではトドメだ。 お前たち2人が最も恐れる宿敵を呼び出してくれよう」

『私たちが最も恐れる宿敵?』

 

するとどこからかどす黒いオーラのようなものが時空城よりも上空に向かって集まって行き、それが一カ所に集結するとそれは超巨大な機械兵器……「ファイナルリセッター ギガエンドラ」が姿を現したのだ。

 

『ギガエンドラ』

『ギガエンドラ……!? バカな!』

 

さらに、ギガエンドラだけではなく……。

 

『サンドロス』

『グローカービショップ』

 

 

「スペースリセッター グローカービショップ」と「異形生命体サンドロス」の2体が出現したのだ。

 

『グローカービショップに……』

『サンドロスまで……どうやら奴は、私たちが最も恐れる相手を実態として呼び出せるらしいな』

 

最初にサンドロスが念力でコスモスとジャスティスの動きを封じ、さらにそこからギガエンドラは目のような部分から放つ破壊光線「ギガズマスパート」、グローカービショップは頭部のモノアイから連続発射する光弾「ブレアビーム」をコスモスとジャスティスに同時に撃ち込んだ。

 

『『ウアアアアア!!!!?』』

 

直撃を喰らったコスモスはルナモードへと戻り、コスモスはジャスティス共々その場へと倒れ込んでしまう。

 

「さて、封印するウルトラマンは……コスモスにでもしておくか」

 

エタルガーは時空城を操り、時空城から放たれた光線をコスモスが受けるとコスモスは時空城に吸い込まれるようにその場から消え去った。

 

『コス……モス……! きさ、ま……コスモスを、どこへ……!?』

「安心しろ、死んではいない。 あの時空城の中にある鏡の中に封印しただけだ。 さて、もうここには用はない。 ついでだから貴様とこの星をあのギンガエンドラを使い木っ端微塵にしてくれる」

『なに……!?』

 

本物のギガエンドラには6本の腕から発射する消滅エネルギーと中央から発射する1000万度の高熱の「イレイザーボール」というものがある。

 

その攻撃はまさに星をも簡単に破壊してしまうという恐ろしいものであり、エタルガーは恐らくそれを使うつもりなのだ。

 

「偽物とはいえ、この星とお前を消し去るくらいは簡単だ」

 

それだけを言い残すとエタルガーは時空上へとジャンプして飛び乗り、上空に次の世界に行く為の巨大な穴を空ける。

 

どうやらエタルガーはギガエンドラがイレイザーボールを発射する前に次の次元に飛ぶつもりらしい。

 

だが……そんな時のことである。

 

『そうは行くかよ!!』

 

時空の壁を突き破り……銀色の鎧を纏った新たなウルトラマン……「ウルティメイトゼロ」が現れたのだ。

 

「ウルトラマンゼロ!?」

 

ゼロは時空城にいるエタルガーに向かって突き進み、右腕に装着された剣……「ウルティメイトゼロソード」をエタルガーに振るうがエタルガーはゼロの右腕を掴んでどうにか攻撃を封じた。

 

「フン、俺の相手をしている暇があるのか?」

『なんだと!?』

 

ゼロは一度エタルガーから離れると上空でエネルギーをチャージしているギガエンドラの存在に気づいた。

 

『チッ、確かに先ずはあいつをどうにかするしかねぇか』

 

ゼロはエタルガーを無視してギガエンドラの元へと飛び立とうとするが……それを阻止しようとサンドロスとグローカービショップが同時に強力な光線をゼロに向かって放ってきたのだ。

 

しかし、それに気づいたゼロはゼロソードで光線を切り裂く。

 

『クソッ、まだ敵がいんのかよ!』

 

そうこうとしている間にエタルガーは時空城と共に穴の中へと消え、次の世界へと旅立ってしまった。

 

『お前も、早く逃げろ……あれが撃たれたら終わりだ……』

『オイオイ、水臭いこと言うなよ。 同じウルトラマンだろ! 諦めるな!! 誰かが言ってたぜ、最後まで諦めず、不可能を可能にする……それがウルトラマンだってな! ここは俺に任せろ!』

 

ゼロはサンドロスとグローカービショップに向き直るとゼロの身体が突然黄金に輝きだす。

 

『本当の戦いは……ここからだ!!』

 

挿入歌「ULTRA FLY」

 

黄金の輝きが収まるとそこには黄金に輝く姿となった「シャイニングウルトラマンゼロ」が立っていた。

 

『シャイニングウルトラマンゼロ!!』

 

グローカービショップは破壊光線「ブレアビーム」、サンドロスは口から放つ火炎弾「ギガレントラッシュ」をゼロに向かって放つが……ゼロは頭部に装着されてある「ゼロスラッガー」を2本手に取り、それをグローカービショップとサンドロスの放った光線に向かって投げつける。

 

ゼロスラッガーは2体の光線を切り裂きながらそのまま本体であるサンドロスとグローカービショップの両腕を切り裂いて破壊する。

 

『シャイニングエメリウムスラッシュ!!』

 

ゼロスラッガーが戻って来るとゼロは左腕を伸ばした後、額のビームランプから放つ巨大な光線……「シャイニングエメリウムスラッシュ」をサンドロスとグローカービショップに同時に喰らわせると2体は上空へと大きく吹き飛ばされる。

 

『ウルティメイトゼロソード!!』

 

ゼロは右腕にウルティメイトゼロソードを出現させ、上空へと吹き飛ばされたサンドロスとグローカービショップに向かって飛行して高速で接近し、すれ違いざまにゼロソードで2体を真っ二つに切り裂き、切り裂かれたサンドロスとグローカービショップは火花を散らして爆発した。

 

『まずい、もう撃たれる!』

 

ジャスティスの言葉を聞き、ゼロはギガエンドラの方を見るとギガエンドラが丁度イレイザーボールを撃ったところだった。

 

『そうは……させるかぁ!!』

 

ゼロはゼロソードをウルティメイトイージスにし、巨大な弓矢型の「ファイナルウルティメイトゼロモード」へと変形させ、それをイレイザーボールに向かって構える。

 

ゼロはエネルギーをすぐにチャージすると巨大な光を纏ったイージスそのものを敵に向かって放つ「シャイニングファイナルウルティメイトゼロ」を放たれたイレイザーボールに向かって放つ。

 

『シャイニングファイナルウルティメイトゼロ!!』

 

シャイニングファイナルウルティメイトゼロはギガエンドラの放ったイレイザーボールとぶかり合うとそのままイレイザーボールをかき消しながら真っすぐギガエンドラに向かって行き……最後はギガエンドラに直撃させるとギガエンドラはそのまま遥か宇宙にまで吹き飛ばされていき、ある程度ジュランから離れるとそこで大爆発を起こし……完全に消滅したのだった。

 

『フィニッシュ!!』

 

ゼロの手にイージスが戻り、ゼロも元の姿へと戻った。

 

『大丈夫か?』

『あ、あぁ……お前は……』

『俺の名前はウルトラマンゼロ、エタルガーを追いかけて別の宇宙から来た』

 

ゼロは自分の名前を名乗ってジャスティスに手を差し伸べるとジャスティスはその手を取って立ち上がる。

 

『私はウルトラマンジャスティスだ』

『よろしく……と、言いたいところだが早く奴を追いかけないと……』

『エタルガー、凄まじい強さだ。 ゼロ、奴は一体何者なのか、分かるか?』

『さぁな。 だが、このままじゃヤバいってことだ』

 

一方、時空城の中にある鏡にコスモスは封印されてしまい、エタルガーは次のターゲット……「ウルトラマンギンガ」を封印するべくギンガの世界へと向かっていた。

 

しかし、その時だ……時空城の最上階に2人のウルトラマンが降り立ちエタルガーの前に立ちはだかったのだ。

 

「んんっ? 貴様等は……ウルトラマンマックスと、ウルトラマンゼノンか」

『お前が様々な世界のウルトラマンを封印しているという奴か』

『貴様が封印したウルトラマン達は、返してもらうぞ』

 

そこに現れたのは「ウルトラマンマックス」と「ウルトラマンゼノン」といった2人のウルトラマン、しかし2大ウルトラマンを前にしても余裕の態度を崩さないエタルガー、するとエタルガーは右手を前に突き出し……2人が最も恐れる相手を「エタルイマージュ」を使い召喚する。

 

『ゼットン』

 

黒い虫のような姿をした怪獣……「宇宙恐竜ゼットン」がマックスとゼノンの前に現れ、エタルガーは「そいつを倒したら相手をしてやろう」とマックスとゼノンを挑発する。

 

『ゼノン、ゼットンは私に任せろ。 君はエタルガーを』

『分かった』

 

マックスの言葉にゼノンは頷き、マックスとゼノンは肩を並べてエタルガーとゼットンを相手に駆け出して行く。

 

戦闘BGM「マックススパーク」

 

「そいつを倒してからだと言ったのに……話を聞かない奴等だ。 まあいい」

 

エタルガーはため息を吐きつつもゼノンが繰り出した蹴りを受け流し、ゼノンの腹部に強烈な拳を一発叩き込んでゼノンを怯ませ……さらにエタルガーは身体中から放つ光線をゼノンに向けて発射する。

 

『グッ!?』

 

ゼノンはそれをどうにかして空中に飛んで回避し、空中から腕をL字に組んで放つ「ゼノ二ウムカノン」をエタルガーに撃ち込むが……エタルガーは直撃を受けたにも関わらず埃を払うかのような動作をした余裕の態度を見せ、ゼノンは驚きの様子を見せる。

 

『なに!?』

 

するとエタルガーはその時驚いたゼノンの不意を突いて高速で接近し……すれ違いざまにその爪でゼノンの身体を斬りつけ、ゼノンは時空城の床へと身体中から火花を散らしながら倒れこむ。

 

『ゼノン!』

 

一方でゼットンと戦うマックス、するとゼットンはゼノンに気を取られて隙だらけになったマックスに向かって波状光線を放つが……マックスは横に飛んで回避し、すぐさま頭部に装着されているブーメラン「マクシウムソード」をゼットンに向かって投げつけるが……。

 

ゼットンは全方位にバリアを張り巡らせてマクシウムソードの攻撃を塞ぐのだが……マックスはマクシウムソードを時空城の床の中へと潜り込ませ……ゼットンはそのマックスの行為に首を傾げるが、その直後ゼットンの足元からマクシウムソードが飛び出てきてゼットンの身体を一閃。

 

「ゼットーン……!?」

 

まさかバリアを張られていない地面から来るとは予想できていなかったためにゼットンはダメージを負い、その隙に左腕のマックススパークにエネルギーをチャージして腕をL字に組んで放つ光線「マクシウムカノン」を発射……ゼットンはマクシウムソードで斬られた直後ということもあってバリア展開が間に合わず、マックスの光線の直撃を受け……火花を散らして爆発した。

 

『ゼノン!』

 

マックスはすぐさまゼノンの元へと駆け寄り、マックスは空中に飛び上がって急降下しながら跳び蹴りをエタルガーに向けて放つがエタルガーはマックスの足を掴みあげて地面へと叩き付ける。

 

『ウアッ!?』

 

続いてゼノンが横からエタルガーに殴り掛かるがエタルガーはゼノンの拳を掴みあげて近距離からの赤い光線を放ってゼノンに喰らわせ、さらには腹部に膝蹴りを喰らわせてゼノンを吹き飛ばす。

 

『グウ!?』

 

ゼノンはマックスの元にまで吹き飛ばされて倒れこみ、マックスの手を借りながらもどうにかして立ち上がる。

 

「フン、貴様等はどうやらメビウスとは違う世界のウルトラマン達のようだな。 ならば手間が省けていい。 どちらかを倒し、封印してくれる」

『そうは行くか!』

『あぁ、私たちはお前を倒し、絶対に他のウルトラマン達を救って見せる!!』

「やれるものならやってみるがいい!!」

 

そしてマックスとゼノンの2人は頷きあい、エタルガーに向かって再び戦いを挑むのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、エタルガーが目指していた世界の宇宙……そこでは月の落下を阻止し、世界を救った「ナスターシャ」教授の遺体とフロンティアの異端技術を回収したスペースシャトルが地球へと向かっていた。

 

しかし、そのスペースシャトルはシステムトラブルが発生、後ろから炎をあげながら地球へと墜落していたのだ。

 

「システムの再チェック、軌道を修正しせめて人のいないところに!!」

「そんなの分かってますよ!」

 

シャトルのパイロットの男性2人はどうにかシャトルの軌道を修正し、せめて人のいない場所に向かおうとするのだが……その時、シャトルのレーダーにミサイルが接近してきた。2人は自分たちを撃墜するために国がミサイルを撃ち込んだのかと思い、片方のパイロットは「致し方なしか……」と諦めの声をあげるが……。

 

『へいき、へっちゃらです! だから、生きるのを諦めないで!』

 

そんな時、1人の少女の声が聞こえ……パイロットの1人は驚きの表情を見せる。

 

挿入歌「RADIANT FORCE」

 

するとその時、3人の少女の歌声が宇宙へと鳴り響いた……。

 

そしてシャトルに向かっていたミサイルが分解され、中から3人の少女……「歌」を力に変える「シンフォギア」と呼ばれる物……「ガングニール」を纏った「立花 響」、「天羽々斬」を纏った「風鳴 翼」、「イチイバル」を纏った「雪音 クリス」という少女達が中から現れたのだ。

 

先ず、最初にクリスが巨大なミサイルを出現させてその上に響と翼が飛び乗り、クリスはミサイルを発射、続けて自分もミサイルを発射すると同時に素早くその上に飛び乗る。

 

「まるで、雪音のようなじゃじゃ馬っぷり!」

「だったら乗りこなしてみて下さいよ、先輩!」

 

翼の言葉にクリスが不敵な笑みを浮かべながらそう言い放ち、3人はシャトルに追いつくとシャトルの上に飛び乗り、響と翼はシャトルの前の方へと行くとギアのブースターを使い、クリスはミサイルを出現させて発射はせず、噴射だけをさせてシャトルの落下速度を減速させる。

 

しかし、完全に減速させることはできず、このまま行けば山に激突……。

 

その様子をモニター越しに見ていた響達が所属する組織、超常災害対策機動タスクフォース『S.O.N.G.』の指令室にいた青年「緒川 慎次」はせめて中にいる乗員だけでも救出をと響達に言うが……。

 

響達はそれを拒否した。

 

「そいつは聞けねぇ相談だ!」

「人名と等しく人の尊厳は守らねばならない!」

「ナスターシャ教授が世界を守ってくれたんですよ! なのに帰れないなんておかしいです!!」

 

しかし、既に目の前には巨大な山が迫っており……このままでは激突、乗員だけではなく響達の身も……だがそこでクリスがすかさず行動し、響の元に駆け寄ると腰部アーマーから小型ミサイルを一斉に発射する「MEGA DETH PARTY」を発射し、山に大量のミサイルが降り注ぐ。

 

「ぶん殴れえええええええ!!」

「ええええ!?」

 

突然の無茶ぶりに驚く響だが、響は兎に角言われた通り飛んで山をぶん殴って山を貫通させ、シャトルは響が殴って破壊した穴を通ってなんとか通り抜けることに成功する。

 

そのままシャトルは山を下ってどんどん物凄い勢いで森の中へと突っ込んで行こうとし、翼は剣型の武器……アームドギアを巨大化させて邪魔な木を切り裂こうとするのだが……そんな時のことだ。

 

突然、彼女の達の目の前に赤い怪獣と黒い怪獣……「双子怪獣レッドギラス」と「双子怪獣ブラックギラス」が出現しレッドギラスとブラックギラスは雄たけびをあげながらシャトルに襲い掛かろうとこちらに向かって来たのだ。

 

「か、怪獣!?」

「なぜここに!? スパークドールズは全てギンガが……」

「んなこと言ってる場合じゃねえ!?」

 

このままではシャトル諸共レッドギラスとブラックギラスに破壊されてしまう……どうすればいいのかと悩んだその時である。

 

『ウルトラゼロキック!!』

「「ギシャアア!?」」

 

次元を超えて現れた「ウルティメイトゼロ」が右足に炎を纏って繰り出した「ウルトラゼロキック」をレッドギラスとブラックギラスは真横から喰らって吹き飛び、ゼロがギラス達を押し退かしてくれたおかげで翼はアームドギアを振るって木を切り裂いて障害を取り除く。

 

「あれは……ウルトラマン!?」

「確か零無くんが変身してた……」

「今はこっちに集中しろ雪音! 立花!」

 

ウルトラマンの登場に驚くクリスと響だったが翼の言う通り、ゼロよりも先ずはシャトルの方が優先、ゼロのことは後回しにして響達はシャトルを無事に止めることだけを考える。

 

『レッドギラスにブラックギラスか……』

『フン、現れたか、ウルトラマンゼロ!』

『っ!? お前……何者だ!?』

 

突然、本来喋れない筈のブラックギラスから聞こえてきた誰かの声にゼロは驚き、問いかけられたブラックキングはどこか自信満々の様子でゼロに答える。

 

『よーく聞け、俺様こそ、宇宙最強の戦士……ガッツ星人ボルスト様だ!!』

『宇宙人が怪獣にライブしてるってことか!? だが、なぜだ!? あの時ギンガが確か……』

 

ブラックギラスにライブしていたのは「分身宇宙人ガッツ星人ボルスト」で、レッドギラスは分身したボルストがライブした個体だ。レッドギラスとブラックギラスは2体同時にゼロへと襲い掛かってくる。

 

それに対してゼロはウルティメイトイージスを解除し、通常携帯に戻るとレッドギラスとブラックギラスを迎え撃つためにゼロもギラス達に向かって駆け出す。

 

戦闘BGM「ウルトラマンゼロのテーマ」

 

『シェア!!』

 

最初に向かって来たレッドギラスに蹴りを叩き込んで後退させた後、背後から襲い掛かってきたブラックギラスに廻し蹴りを喰らわせ、一度ギラス達から離れて距離を取った後、額のビームランプから放つ光線「エメリウムスラッシュ」をレッドギラスに向けて発射。

 

しかしレッドギラスとブラックギラスは光線が当たる前に互いに掴み合うと高速回転して相手の攻撃を跳ね返す「ギラススピン」を繰り出し、ゼロのエメリウムスラッシュを弾く。

 

さらにレッドギラスとブラックギラスの角から光線がゼロに向かって放たれるがゼロは上空へと飛び上がって再び「ウルトラゼロキック」をギラス達に繰り出すが……ギラススピンにゼロは弾かれてしまう。

 

『ぐあああ!!?』

 

弾き飛ばされたゼロは地面へと倒れこむ。その隙に回転を止め、ボルストは自身の分身能力を使いレッドギラス、ブラックギラスをもう1体ずつ出現させ、計4体となったギラス達はさらに両手から光線を放ってゼロを攻撃し、光線の直撃を受けたゼロは身体から火花を散らす。

 

『ぐあああああああ!!?』

 

そしてダメージを受けて倒れたゼロにトドメを刺そうとギラス達は4体全員が掴み合って通常の2倍の威力を誇る「ギラススピン」をゼロに向かって繰り出す。

 

『舐めんじゃねえぞ! それならこっちは分身には分身、回転には回転だ!』

 

立ち上がったゼロは左腕に装着された「ウルティメイトブレスレット」を輝かせると青い姿……「ルナミラクルゼロ」へとチェンジ。

 

『ルナミラクルゼロ! ミラクルゼロスラッガー!!』

 

ゼロは頭部のゼロスラッガーを幾つも分身させて飛ばす「ミラクルゼロスラッガー」を繰り出し、ゼロは分身したゼロスラッガーをギラス達が回転している方とは逆の方向にギラス達の周りに高速回転させ、やがて徐々にギラス達の回転速度が落ちてきたところを狙い、高速でギラス達に接近し、掌から衝撃波を放つ「レボリウムスマッシュ」でギラス達を吹き飛ばす。

 

『ぬわあああああ!!?』

 

さらにゼロはそのままゼロスラッガーを操ってギラス達の角を一気に破壊し、空中へと飛び立つと通常形態に戻り、カラータイマーの両サイドにゼロスラッガーを装着して放つ光線「ゼロツインシュート」を発射し、ギラス達を一気に吹き飛ばす。

 

『ゼロツインシュート!!』

『ば、バカな!? この俺様があんな若造に……!? ぐわあああああああ!!?』

 

ゼロのゼロツインシュートを受けたギラス達は爆発し、ギラス達はスパークドールズに戻ったのだが……ボルストは無事に地面に着地し、ボルストはゼロを指差して怒鳴るように声をあげる。

 

『フン、今回は少し油断しただけだ! この次はお前を確実に倒す!!』

 

それだけを言い残すとボルストはそのままどこかへと消え去り、ゼロは「やれやれ」と溜め息を吐きながらその場から薄っすらと姿を消すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、響達は近場の村にシャトルを犠牲者を出すことなく無事に着陸させることに成功させ……それをモニター越しに見ていた弦十郎達や「フロンティア事変」と呼ばれる事件に関わった牢に入っている3人の少女達と1人の青年「マリア・カデンツァヴナ・イヴ」と「月詠 調」「暁 切歌」そして「諸星 零無」はシャトルが無事に到着したことに安堵のため息を吐くのだった。

 

「マムが無事に地球に帰ってこれて良かったな、みんな」

 

零無の言葉にマリア達は互いに笑みを浮かべて頷き合うが……零無は1つだけ気になることがあった。

 

それはもちろん、かつて自分と共に戦ってくれたウルトラマンゼロがなぜこの地球に再び現れたのかということである。

 

「それにしても、なんでゼロが……」

「もしかしたら、零無に会いに来てくれたのかもしれないデスね」

 

切歌にそう言われて零無はどことなく嬉しそうに笑みを浮かべ、「そうだな」と静かに頷いた。

 

一方、シャトルを無事に着陸させた響達はというと……響は緊張の糸が切れたのか地面に寝そべっており、翼とクリスが彼女の元へと駆け寄ると響は突然笑いだし、てっきりクリスは「おかしなところでもぶつけたか?」となぜ響がいきなり笑いだしたのか分からず首を傾げる。

 

「私、シンフォギアを纏える奇跡が嬉しいんです!」

 

嬉しそうにそう語る響を見てクリスと翼は互いに苦笑し、クリスはそんな響に対して「お前、本当のバカだな」と言葉をかけるのだった。

 

「あー、いたいた! おーい!! 響! 翼! クリス‼」

 

そこへ、響達に手を振りながら駆け出して来る1人の青年の姿が目に入り、響は名前を呼ばれたため慌ててその場を立ち上がる。

 

「えっと……どちら様?」

 

が、自分たちの名前を呼んだその青年には響は見覚えがなく、クリスや翼の知り合いかとも思った響だったが、この2人も全く覚えのない人物らしい。

 

と言ってもフロンティア事変でほぼ全国に自分たちのことは放送されたので一方的に知っている人物はいるかもしれないのだが……だからと言ってこんなフレンドリーに……しかもテレビとか無さそうな村にこんな風にまるで知り合いのように話しかけてくる人物を響達は知らない。

 

「あぁ、そうか……こうやって会うのは初めてだったな。 俺の名前は『モロボシ・ラン』、又の名を『ウルトラマンゼロ』だ!」

 

「モロボシ・ラン」と名乗った青年は自分である証拠を見せるかのように左腕のウルティメイトブレスレットを見せ、そのブレスレットは確かにゼロが装着されていたものと同じであるため、すぐに彼の言ってることが本当だと理解した。

 

「ええええ!? ゼロって……頭にトサカがあるウルトラマンですよね!?」

「ポンコツが変身してたウルトラマンだよな確か」

「いやトサカって……。 トサカじゃねえからアレ。 後、ポンコツって零無のことか!?」

 

そんな会話を聞いていた翼は会話の内容からランの言っていることが嘘ではなく本当だということを理解したのだが……なぜ宇宙に帰った筈のゼロがここにいるのかが分からず疑問に思った。……もしやあのレッドギラスやブラックギラスに関係あるのかと思い問いかけたのだが……。

 

ランは首を横に振って否定。

 

「いや、別件だ。 だが何者かがスパークドールズを悪用しようとしているのは確かだろう。 詳しいことはお前等の基地に行ってからの方がいいんじゃないか?」

「確かにな、詳しい話は戻ってからだな。 もう少しで迎えが来る筈だ」

 

ランの言葉に翼が同意し、響達は一度ギアを解除した後……シャトルのパイロット達と共に指令室から送られた指定の場所に向かおうとしたのだが……。

 

その時、突然の地響きが鳴り、ラン達は「地震か!?」と驚きの声をあげるが……すぐにそれがただの地震ではないことが分かった。

 

なぜならラン達の目の前に巨大な青いクリスタルのようなものが突如として出現し、さらには空中に巨大なワームホールらしき物も出現、クリスタルはどんどん地面からワームホールに吸い込まれるように地中から出てくる。

 

「あれは一体……!?」

「おいアレ!!」

 

その時、クリスが指差す方向を見るとクリスタルに続いて地中から背中にそのクリスタルと酷似したものが付いた巨大怪獣……「地底獣シェパードン」が出現したのだ。

 

「グアアアアアアア!!」

 

シェパードンは巨大なクリスタルの元へと向かって行き、一同は一体なにが起きているのか困惑していたが翼は即座に町の人達に被害が出ないように避難誘導をするように響達に指示を送り、響とクリスは翼の指示に従い避難誘導を開始する。

 

「見たところライブした怪獣ではなさそうだな。 俺が行ってあいつを落ち着かせるか? ルナミラクルなら……」

「いや、先ずは様子を見た方がいいだろう。 幸い、あの怪獣はこちらには感心がないようだしな。 最も念のために人は避難させるが」

 

ランの言う通り、今までライブして怪獣変身してきた者達と比べるとシェパードンの動きは人間や宇宙人が変身してるような雰囲気はなく、ただただシェパードンはあのクリスタルを盗られまいと必死にしがみついてクリスタルを押さえつけていた。

 

一方でそれを森の中から見ていた青い服を着た少女……「ガリィ・トゥーマーン」はめんどくさそうにため息を吐きながらその様子を眺めていた。

 

「あー、めんどくさ。 なーんであたしがあんなデカ頭の手伝いなんかしないといけないのよ。 まぁ、あいつの言う通りマジでウルトラマンが来ちゃったからある意味仕方ないんだけど……」

 

ガリィはグチグチと言いながらも1つのあるアイテム……「チブルスパーク」と怪獣の人形「スパークドールズ」を取り出し、チブルスパークの先端をSDの足裏にあるライブサインにタッチするとチブルスパークから音声が鳴り響く。

 

『モンスライブ! EXレッドキング!』

 

そして巨大な腕を持つ怪獣……「どくろ怪獣EXレッドキング」へと変身し、クリスタルを押さえつけているシェパードンに向かって行きその巨大な腕を振るってシェパードンを殴り飛ばしたのだ。

 

「ギシャアア!?」

『さぁて、めんどうだからさっさと済ませよ~』

 

殴り飛ばされて倒れこんだシェパードンに対し、EXレッドキングはその両腕を倒れているシェパードンに向かって振り降ろし、何度もシェパードンを殴りつける。

 

「見てられねえ!!」

 

一方的にやられるシェパードンを見てランはいても経ってもいられなくなったが……その時、EXレッドキングに向かって幾つもの火球が降り注ぎ、それが激突したEXレッドキングはシェパードンから引き離されるように吹き飛ばされたのだ。

 

「あれは……!」

 

そしてEXレッドキングの前に大地に降り立ったのは青いクリスタルを身体に持つ巨人……「ウルトラマンギンガ」だった。

 

挿入歌「ウルトラマンギンガの歌」

 

「あれは……」

「ウルトラマン……ギンガ!?」

 

当然、宇宙に帰った筈のギンガが現れたことに響達は驚く。

 

『ショウラ!!』

『久しぶりに行くぜ、ギンガ!!』

 

ギンガはEXレッドキングに向かって駆け出して行くとEXレッドキングの腹部を連続で拳を何発も叩き込み、さらに左手でEXレッドキングの頭を押さえてつけて右手で顔面を殴りつける。

 

『デアア!!』

「グアアッ!!?」

 

顔面を殴られてフラつくEXレッドキングだが負けじとEXレッドキングもその巨大な腕を振るってギンガに殴り掛かるも、ギンガに両腕で受け止められ、素早い膝蹴りを腹部に叩き込まれ、さらに廻し蹴りを顔面に喰らい、EXレッドキングは地面へと倒れこむ。

 

『ぐっ……調子こいてんじゃないわよぉ!!』

 

EXレッドキングは素早く立ち上がり、両腕を地面に叩きつけて炎と巨大な氷を走らせる「フレイムロード」と「アイスロード」をギンガへと繰り出す。

 

「EXレッドキングが、氷の技を!?」

 

それを見たランは本来、EXレッドキングが使わない筈の技を使ったことに驚くが……ギンガは全身のクリスタルを黄色く輝かせ、頭上に発生させた雷の渦を敵に向かって投げつける電撃光線「ギンガサンダーボルト」を放つ。

 

『ギンガサンダーボルト!!』

 

EXレッドキングのフレイムロードとアイスロードにぶつけて打ち消し、そのままEXレッドキングに直撃させる……のだが、EXレッドキングはなぜか水のように弾け飛んだ。そこにいたのは本物ではなく身代わりの偽物であることにギンガは驚くが……次の瞬間、ギンガの周りにいつの間にか何体ものEXレッドキングが取り囲んでいたのだ。

 

『さぁて、アンタにどれが本物か分かるかしらぁ?』

 

しかし、今度はギンガがEXレッドキングを上回る数の分身を作り出し……それを見たEXレッドキングは自分以上の分身を作り出したギンガに驚いてたじろくが……すぐに冷静さを取り戻し、手当たり次第にギンガに攻撃を繰り出そうとする。

 

『分身には分身だ!!』

『なっ……そんなもの!!』

 

だが、ギンガはいつの間にか空中へと飛んでおり、クリスタルを赤く発光させ、空中から幾つもの火球を相手にぶつける「ギンガファイヤーボール」を炸裂し、ギンガファイヤーボールは分身と本物を含めた全てのEXレッドキングに直撃し……ダメージを喰らうと本物のEXレッドキングは身体中から火花を散らして地面に倒れこんだ。

 

『シュア!』

 

そして分身を全て消滅させ、ギンガは空中から両腕を前方で交差させた後、S字を描くように左右に大きく広げてからL字型に組み放つ必殺光線「ギンガクロスシュート」をEXレッドキングに向けて発射。

 

『ギンガクロスシュート!!』

「ギギャアアアアアッ!!?」

『このあたしが……あんな奴にィ!!?』

 

ギンガクロスシュートの直撃を受けたEXレッドキングは火花を散らして爆発し、ギンガはシェパードンの元へと降り立つ。

 

『おい、大丈夫か?』

 

ギンガは倒れて傷ついているシェパードンを心配するが……シェパードンは自分のことよりもあのクリスタルの方が心配らしく、ギンガはクリスタルの方へと目を向けると既にクリスタルはワームホールの中へと吸い込まれて消え去っており、シェパードンはどこかしょんぼりした様子を見せた。

 

「クオォ……」

 

シェパードンはなんとか立ち上がって地中へと帰っていき、ギンガはクリスたちの存在に気づき、彼女たちに向かってサムズアップした。

 

「あいつ……」

 

そんなギンガを見てクリスはどこか嬉しそうな笑みを浮かべるのだった……。

 

そしてギンガは両腕を交差させて姿を消し、ギンガへと変身していた青年「来元(らいもと) コウマ」の姿へと戻ろうとするのだが……。

 

『久しぶりだな、コウマ』

「ギンガ……?」

 

次にコウマが気づいた時にはそこは周りが真っ白な空間であり、目の前には等身大となったギンガが立っていた。

 

「一体どうしたんだ? いきなり俺のところに現れたと思ったらもう1度力を貸してくれなんて」

『急いでいたとはいえ、急なことをしてすまない』

「あのでかいクリスタルみたいなのはなんだったんだ? どうしてスパークドールズが……」

 

ギンガが語るにはあのクリスタルは「ビクトリウム」と呼ばれ、本来は地底世界に住む住人達「ビクトリアン」に存在するものであり、またビクトリウムはビクトリアンにとっては命の源となっているだけでなく、地球の生命そのものであるため全てが失われると地球が滅びるとされる。

 

「つまり、ギンガ……。 誰かがそのビクトリウムを狙ってそれでスパークドールズを利用してるってことなのか?」

 

コウマの問いかけに対し、ギンガに静かに頷くと……それと同時にその白い空間は消滅し、気づけばクリス達のいる村の目の前に立っていた。

 

それからコウマは偶然足元に落ちていたEXレッドキングのスパークドールズを拾い上げ、兎に角今はクリスと久しぶりに再会できると期待して彼は急いで彼女の元へと嬉しそうに笑みを浮かべて走り出し、クリスの姿を見つけるや否や彼女に向かって一気に駆け出す。

 

「クリス!」

「なっ……コウマ、やっぱりお前か!?」

 

コウマは久しぶりに再会したクリスに抱きつこうとするが……何時もの如く、クリスはそれを当然拒もうとコウマに向かってチョップを叩き込んだ。

 

「ぐふっ!? いきなりなにすんだよクリス!?」

「それはこっちの台詞だバカ野郎!! 人前でいきなり抱きつこうとすんじゃねえよ……///」

 

唇を尖らせて不満げに言う彼女だが、それを聞いたコウマは「じゃあ人前じゃなかったらいいんだな?」と笑顔で言うと彼女は顔を赤くし、「ち、違うそういう意味じゃ……!?」とテンパった様子を見せる。

 

「んっ……あれ? アンタは……」

 

そこでコウマはランの存在に気づき、ランは「あぁ、俺は……ウルトラマンゼロだ」と言ってウルティメイトブレスレットをコウマに見せる。

 

「ゼロって……零無が変身してたあのウルトラマン!?」

「あぁ、そうだ。 ところで、零無の奴元気にしてるか?」

 

ランの質問に翼が「意外と楽しんでるみたいだ」と答え、今牢屋にいる筈なのになんで楽しんでるんだとランは疑問に思ったが……楽しんでるのは恐らく「食事」的な意味なのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スペースシャトルが無事に着陸し、安堵する零無達。

 

「あの娘達には、また感謝しなければね」

「そうだな」

 

マリアと零無の2人はそんな風に何気なく会話をするのだが……マリアはどこか、零無の様子がいつもと違うように感じたため「どうかしたの?」と問いかけると零無はしばらくの間黙り込むが……。

 

零無はこっそりと切歌と調には聞こえないように小さな声でマリアにあることを話す。

 

「最近、変な夢を見るんだ。 しかも毎回同じ夢……」

「夢?」

「あぁ……」

 

零無の言う「夢」とは一体どんなものなのか、マリアがそれを尋ねると零無は自分が見たという夢の内容についてマリアに語りだした……。

 

それは巨大なクリスタルが幾つもある世界……そこでは黒いウルトラマンが先ほど現れた怪獣、シェパードンと戦う夢……。

 

そしてそのビクトリーと呼ばれるウルトラマンは「ビクトリーコンフォート」という技を使用してシェパードンを落ち着かせることに成功し、そこに住む人々達の前から姿を消すのだった。

 

マリアは零無の語ったその夢を聞くとどこか驚いたような表情を浮かべており、零無は「どうかしたか?」とそんな様子のマリアに声をかけると彼女はハッとし、零無に突然ある物を渡した。

 

「マリア? なんだこれ……宝石?」

「あなた、自分がマムと出会う以前の記憶ってある?」

「ある訳ないだろ、俺赤ん坊だぞその時……」

 

実は零無はまだ赤ん坊だった頃にナスターシャに引き取られており、零無本人は両親の顔を知らず、マリアと同じようにナスターシャが母親代わりとなって育てたのだ。

 

「その時が来たら、マムはあなたに話せと言っていた。 いい零無? あなたはね、実は……地底人なのよ」

「……はっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、S.O.N.G.司令室では司令官である弦十郎やオペレーターの2人は来てくれたウルトラマンギンガであるコウマとウルトラマンゼロであるランを快く歓迎して出迎え、ランは自分がこの世界に来た理由、コウマはギンガに聞かされた話を弦十郎達に説明した。

 

「ふむ、成程……エタルガーに新たな敵、ノイズやルギエルの脅威が去ったというのにまた新たな脅威か……」

 

既に数人のウルトラマンを倒したというエタルガーがこちらの世界に向かってきている上、この世界にも新たな敵が出現したという話を聞き、響達は若干不安そうな表情を見せるが……。

 

「心配することなんざねえさ。 この世界には俺や、ギンガ、なによりもアンタ達がいる。 ここにいる全員で力を合わせるんだ。 俺もできる限りアンタ達に協力する、囚われのウルトラマン達も救い出さないといけないしな」

 

ランは響達にそう言い放ち、それに対して翼は「そうだな」と呟くとその手をランに差し伸べる。

 

「ならばこれからよろしく頼むぞ、モロボシ」

「あぁ」

 

それに対してランも翼の手を掴んで握手交わし、弦十郎はそれを見てどこか満足したかのように頷くとランとコウマに「1つ君たちに提案がある」と言ってきたのだ。

 

ランとコウマは「提案?」と首を傾げ、2人は弦十郎の言う「提案」について尋ねる。

 

「あぁ、この中で怪獣達などに1番に対抗することができるのは君たちだ。 それにランくんはその怪獣達についてもそこそこ詳しいだろう? そこで君たちウルトラマン同士にはチームを組んで貰いたいと思ったのだが」

「成程、対怪獣用の防衛チーム的なもんか」

「そんなところだ。 ランくん、君にはそのチームのリーダーを任せたいのだが……どうだろうか?」

 

ランは「俺がリーダーか……」と少しの間考え込んだ後、ヒーローチーム、「ウルティメイトフォース・ゼロ」での経験を活かせるかもしれないと考えた後、ランは「良いぜ」と弦十郎の提案を承諾した。

 

「勿論、俺も参加します! よろしく頼むぜ、先輩!」

「なんかむず痒いが……あぁ、よろしくコウマ」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。