戦姫絶唱シンフォギアGinga S&GX    作:ベンジャー

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13Eve 『永遠なる10勇士』

チフォージュ・シャトー内部に侵入した零無、マリア、切歌、調の4人。

 

そんな4人を待ち構えるかのように現れたのは死んだと思われた筈の・・・・・・4人が「マム」と呼んで母親のように慕っていた女性「ナスターシャ教授」だったのだ。

 

「「・・・・・・マム?」」

「思い出しなさい。 血に汚れたあなたの手を。 どうしてその手で世界を救えると夢想できますか?」

「それでも、私は・・・・・・!!」

 

ナスターシャの言葉を受けて唇を噛み締めるようにしてなんとか言葉を返そうとするマリア。

 

また、零無もマリア動揺、激しく戸惑っていたのだが・・・・・・。

 

「そう、あなたは世界を救いたいと願うのは自分が救われたいが為・・・・・・」

 

だが、先ほどからのナスターシャの言葉を聞いて、零無はすぐにこのナスターシャが偽者であることに気付いた。

 

なぜなら、この状況で、それもこんな時にナスターシャはマリアを精神的に追い詰めるようなことを言う「空気の読めないバカ」ではないからだ。

 

その為、零無が取った行動は・・・・・・。

 

「デエエエエエイ!!!!!」

「ごはああ!!?」

 

ナスターシャに化けてマリアを追い詰めるようなことを言う「偽者」をぶっ飛ばすということだった。

 

零無がマムの顔面目がけてドロップキックを炸裂させ、その光景を見たマリア、切歌、調はあんぐりと口を開けて唖然とする。

 

「ちょっ、零無あなたマムになんてことを!!?」

「あれがマムな訳無いだろうが!! この城の仕掛けかなんかだろどうせ!! あれが本物なら、今この状況でマリアを追い詰めるようなことは言わない筈だ!! 世界が滅びるかもしれないってのに、どんだけ空気読めねえんだよマム!!」

 

いや、確かにそうだし、切歌や調もあれがナスターシャじゃないのは分かっているし、マリアもそのことにはほぼ感づいてはいる。

 

だが、だからと言って相手がナスターシャの姿をしていたら普通もう少し戸惑わないだろうかとマリア達は思わずにいられなかった。

 

「はっ? むしろ相手が偽者だって分かりきって・・・・・・それもマムの姿を真似してマリアを精神的に追い詰めるようなことしてんだから、ムカつくし普通に殴るだろ」

 

どうやら零無としては相手が何者かは分からないがナスターシャの姿を真似して、尚且つマリアを追い詰めるようなことを言ったのが相当ムカついたらしく、それだけで殴る(ドロップキックだったが)理由には十分だとのこと。

 

「だけど、だけど偽者だとしてもこのマムの言っていることは真実だわ!!」

 

すると零無に蹴り飛ばされ、倒れていたナスターシャは車椅子を変形させアーマーにすることでもう1度立ち上がり、ゆっくりと零無に警戒しつつマリアに近づいて来る。

 

「全く、零無は代わりませんね・・・・・・。 それよりも、マリア、あなたは救われたいのですね? 眩しすぎる銀の輝きから・・・・・・」

「・・・・・・っ」

 

ナスターシャの言葉を受け、マリアの脳裏にアガートラームを纏ったセレナの姿が浮かび上がる。

 

その時、シャトーが激しく振動し、上空から瓦礫のようなものが降り注ぎ、調はマリアが今戦えそうな状態ではないこともあり、彼女の腕を引いて一同はナスターシャから逃げるように一先ずここから離れることに。

 

「切ちゃん!! マリア、零無!! 引こう!!」

「しょうがねえか・・・・・・」

「一体どうなってるデスか!?」

「分からない! でも今はこうするしか・・・・・・!!」

 

あれが本物のナスターシャではないことは頭では分かっているのだが、やはり訳が分からず切歌や調も混乱しており、こういう時に速攻で割り切れている零無が少しだけ羨ましいと切歌や調は思うのだった。

 

「うぅ、とってもとっても、罠っぽいデスよ!!」

 

 

 

 

 

 

S.O.N.G.本部、司令室では・・・・・・。

 

そこのモニターでは世界中に光の亀裂が走っており、キャロル的に言えば「世界の分解現象」とも呼べる現象が未だに拡大し続けていた。

 

さらにあおいの調べによれば光の亀裂は間も無く都市部に迫っているとのことで、弦十郎はこの状況どうすれば良いのか分からず怪訝な顔を浮かべる。

 

「これが、計画の最終段階・・・・・・!」

 

その世界の分解現象をモニター越しに見つめながらエルフナインがそう呟くと・・・・・・彼女は身体のバランスを崩し、倒れそうになる。

 

そんな彼女を洸が慌てて支え、洸はエルフナインの傷の様子に気付き「酷い怪我じゃないか!?」と彼女を心配する。

 

「・・・・・・キャロルを止めるのは僕の戦い。 見届けなくきゃいけないんです・・・・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、キャロルと戦う響達は・・・・・・。

 

「なんで・・・・・・錬金術師が歌ってやがる!?」

「7つの惑星と7つの音階、錬金術の深奥だる宇宙の調和は音楽の調和。 ハーモニーより通ずる絶対心理」

 

クリスの疑問に答えるようにキャロルがそう言葉を口にするが、正直その説明ではあまり答えになっていないので翼が「どういうことだ!?」と改めてキャロルに問いかける。

 

っていうか日本語喋れや。

 

「その成り立ちが同じな以上おかしなことではないと言っている! 先史文明期、バラルの呪詛が引き起こした相互理解の不全を克服するため人類は新たな手段を探し求めたと言う。 万象を知ることで通じ、世界を調和するのが錬金術ならば言葉を超えて世界と繋がろうと試みたのが・・・・・・」

「・・・・・・歌?」

「錬金術も歌も、失われた統一言語を取り戻すために創造されたのだ!!」

 

キャロルのその話を聞いて、響、翼、クリスの3人は「まさか!」と揃って口にし、驚いた様子を見せる。

 

「その起源は明らかにされてないが、お前達なら推察するのも容易かろう?」

「「「っ!!」」」

 

それを聞き、響達の脳裏にフィーネの姿が過ぎった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またエタルガーと戦うウルティメイトゼロと、赤い姿となり、パワーに優れた「ストロングタイプ」となったダイナは2人同時にエタルガーの腹部に蹴りを叩き込み、怯んだところでゼロが右腕に装着された「ウルティメイトゼロソード」で斬りかかるがエタルガーはそれを両手で受け止めて攻撃を防ぐ。

 

(チッ、ビクトリーがシェパードンセイバーとやらを出す瞬間を狙えば良いと思ったが・・・・・・ビクトリーがここにいないのでは・・・・・・!)

 

エタルガーの今の狙いはビクトリーがシェパードンセイバーを出した瞬間、それを奪い取り、本物のルギエルを復活させる為の道具として利用すること。

 

しかし、シェパードンを呼び出すことのできるビクトリーがこの場にいない今、無理にゼロやダイナを相手にする必要はない。

 

なのでエタルガーは早々にビクトリーを追いかけようとシャトーの方に目を向けるのだが・・・・・・。

 

『余所見してんじゃねえ!!』

 

ダイナの放った強烈な拳がエタルガーの顔面に直撃し、多少怯むもののすぐさまエタルガーは赤い光弾を幾つも放ってダイナに直撃させ、それを受けたダイナは片膝を突く。

 

『ダイナ!! この野郎!!』

 

ゼロはどうにかゼロソードを掴んでいるエタルガーの腕を振り払い、膝蹴りをエタルガーの胸部に叩きこもうとするが、エタルガーはそれを受け流し、逆に後ろ回し蹴りをゼロに喰らわせる。

 

『チッ!?』

 

このように、ゼロとダイナが逃がすまいと自分に戦いを仕掛けてくる為、中々ビクトリーを追うことができなかったのだ。

 

(フン、まぁ良い。 奴には少々、特殊なエタルダミーをぶつけやろう。 だが先ずはこいつ等からだ!)

 

エタルガーはダイナを睨み付けると指をパチンと鳴らし、ダイナが恐れる相手・・・・・・「超宇宙合成獣 ネオジオモス(エタルダミー)」と「恐怖エネルギー魔体 モルヴァイア(エタルダミー)」という2体の怪獣が出現。

 

「「グルアアアアア!!!!」」

 

ネオジオモス、モルヴァイアの2体の出現を受けて、ダイナは驚いた様子を見せる。

 

『ネオジオモス・・・・・・それにモルヴァイア!! 成程、俺が恐れる相手の2体か・・・・・・確かにこいつ等苦手なんだよな・・・・・・』

 

モルヴァイアは素早くダイナに駆け出すと鋭く尖った爪でダイナの胸部をすれ違いざまに斬りつけ、ネオジオモスは「破壊電磁波」という電撃光線を放ってダイナに直撃させ、ダイナは軽く吹き飛ばされて倒れ込んでしまう。

 

『ウアアアア!!!?』

『こんの!!』

 

それを見てゼロがネオジオモス、モルヴァイアに向かって行こうとするが、それを阻むようにエタルガーが立ち塞がる。

 

『おっと、貴様の相手は俺だ。 ウルトラマンゼロ!』

『フン、仕方ねえ。 お前を倒せば、エタルダミーも消えるだろうしな。 ならお望み通り、お前から相手してやるよ!!』

 

またギンガストリウムは空中に飛んで両腕をL字に組んで放つ必殺光線「ワイドショット」をダークルギエルに撃ち込むのだが、ダークルギエルはそれを左手で受け止め、右手に持つ「ダークスパークランス」を突き出し、ギンガに攻撃を喰らわせる。

 

『ぐああ!!?』

『シェア!!』

 

すると今度はマックスは頭部のマクシウムソードを投げ、それを遠隔操作してルギエルの身体のいたる部分を斬りつけるのだが、大したダメージにはなっておらず、ダークルギエルは右足を振り上げてマックスを踏みつけようとするが・・・・・・マックスはそれを間一髪で躱す。

 

『タロウ! もう1度コスモミラクル光線撃つことはできないのか!?』

『無理だ! ゼロやダイナからエネルギーを分け与えられたとは言え、既に体力を大きく消耗している上に、あれだけの大技を連続で使うことは不可能に近い。 無理に撃てば君の身体が持たないかもしれないんだぞ!』

 

ギンガにウルトライブしているコウマがストリウムブレスに宿っているタロウにもう1度コスモミラクル光線が使えないかと尋ねるのだが、今の状態で撃てばコウマの身体が持たず、それに何よりもまだエタルガーが残っている。

 

万全な状態ならばマックスと2人がかりでなんとか倒せる相手だろうが・・・・・・既に2人ともハイパーゼットン、ラゴラスエヴォ、ボルストの戦いでのダメージが癒えていない今、ダミーとは言えルギエルほどの強敵に苦戦するのは必然だった。

 

『万事休すってこういうことを言うのかな・・・・・・』

 

片膝を突きながら、マックスがそう呟くが・・・・・・そんなマックスにギンガが肩を貸して彼を立ち上がらせる。

 

『ピンチはチャンスって知らねえのかカイト!! 大丈夫、まだやれる・・・・・・!! 俺達はまだ戦える・・・・・・!! 俺達は勝てる!!』

 

自分を奮い立たせるようにギンガがそう鼓舞すると、ギンガはファイティングポーズを取りながらルギエルに向かって突っ込んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャトー内部では・・・・・・。

 

偽者と思われるナスターシャから逃れ、シャトーの内部を走り回っていた零無達4人だったが・・・・・・既にそれなりに走って移動したというのに、罠らしい罠が偽ナスターシャ以降全く無く、切歌は流石に何かが起こるのではと懸念する。

 

「罠なら、仕掛けて来てもおかしくない頃合いなのデスが・・・・・・!」

「案外ザル警備なだけかもよ? とかだったら良かったんだがなぁ・・・・・・」

 

すると、零無達の視線の先に誰かが壁に持たれるように座り込んでいることに気づき、それはこの4人取ってとても見知った顔だった。

 

「罠以下の罠・・・・・・」

「もしかして・・・・・・あたし達を誘導していたのは・・・・・・」

「ドクター・・・・・・ウェル?」

 

そこにいたのはダウルダブラに腹部を貫かれ、奈落に落ちたと思われたウェル博士であり、彼は貫かれた腹部を抑えながら、その場に座り込んでいた。

 

「いやこれある意味罠以上の罠!! そういやこいつ、キャロルと手を組んでるんだったな」

「フン、ご覧の有様でね? 血が足りずシャトーの機能を完全掌握することもままならないから難儀したよ・・・・・・」

 

するとウェルは「さて!」と不敵な笑みを浮かべる。

 

「戦場で僕と取引だよォ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

一応、ウェルの出した取引に応じた零無達は彼に案内され、チフォージュ・シャトーの制御装置のある場所に辿り着くことに成功。

 

その際、ウェルは切歌が彼の首根っこを掴んで運んでいたのだが、結構雑に投げ捨てられてしまい、それを見た零無はちょっとだけウェルのことが大丈夫かと心配になった。

 

「切歌、一応怪我人なんだからもうちょっと優しくしようぜ?」

「はっ、ドクターだからつい・・・・・・」

 

零無に注意されてハッとなる切歌。

 

「これがチフォージュ・シャトーの制御装置・・・・・・。 つまりこれを破壊すれば・・・・・・!」

「オツムのプロセッサは何世代前なんだい? そんなことをすれば制御不能になるだけさ!!」

 

マリアはシャトーの制御装置を破壊すれば世界を分解する力は失われると考えたのだが、ウェル曰く、事はそんな単純なものではなく、破壊すれば逆に制御が効かなくなり、むしろ止められなくなるというのだ。

 

ならばどうすればと調がウェルに問いかけるのだが・・・・・・その時、シャトーの制御装置を守る為か零無達の周りにアルカノイズ、チブロイド達が複数体召喚され、現れる。

 

『っ!!?』

「君たちが難がる間にも世界の分解が進んでいることを忘れるなよぉ!!」

 

それと同時に、ウェルがそう言い放つと、彼は立ち上がり・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

「歌が世界を壊すなんて・・・・・・」

「東京の中心とは張り巡らされたレイラインの終着点。 逆に考えればここを起点に全世界へと歌を電波させられるという道理だ」

 

キャロルの言葉を聞き、翼はそれで彼女が安全弁である要石をオートスコアラー達を使って破壊したのだということに気づく。

 

「もうどうしようもねえのか・・・・・・!!?」

 

クリスは自分達ではキャロルを止める手段は無いのかと思い、自分達が無理なら、ウルトラマンなら・・・・・・と考えた彼女はエタルガー、ルギエル、ネオジオモス、モルヴァイアと戦うギンガ達を見るが・・・・・・。

 

彼等はかなりの苦戦を強いられており、ここで彼等がエタルガー達に勝ったとしても、キャロルを止められるだけの力が残っているとは考えにくい。

 

その為に、もう打つ手は無いのかと思い悩むクリスだが・・・・・・。

 

『無いことなどない!!』

「っ!!」

 

通信機越しにマリアの声が鳴り響く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャトー内部、そこではウェルがシャトーのシステムに接続して何かをやろうとしており、マリア、切歌、調、零無はシステムに接続しているウェルを守るように襲いかかるチブロイドやアルカノイズ達と戦いを繰り広げていた。

 

「例え万策尽きたとしても1万と1つ目の手立てがきっとある!!」

 

もう打つ手は無い・・・・・・そんな考えを持ってしまったクリスの思考を打ち砕くかのように、マリアは強く叫びながら鞭状のアームドギアを振るい、チブロイド達が持つ銃の銃弾を防ぎ、アルカノイズ共々チブロイド達を切り裂く。

 

「私たちが食い止めているうちに!」

「ちゃっちゃと済ませるデス!」

「そんでまだかかるかウェル博士!!?」

 

マリアに続くようにアルカノイズ、チブロイド達を倒しながら調、切歌が叫び、零無はビクトリーランサーにEXレッドキングのスパークドールズをリードしてEXレッドキングのエネルギーを纏った強力な弾丸をアルカノイズとチブロイドに撃ち込みながら、ウェルにまだ時間がかかるのかと問いかける。

 

「血が足りないから踏ん張れないって言っただろ!! 子供は何時も勝手だな!!」

「じゃあ気張れ!! キバって早くやってくれ!!」

「言い方変えただけだろーが!! コントやってるんじゃないんだぞ!!」

 

零無の発言にキレつつもウェルは腹部の痛みに耐えながらシャトーのアクセスを続け・・・・・・そんな時、ウェルの目の前に1つのモニターのようなものが浮かび上がり、そこにはキャロルの姿が映し出されていた。

 

『生きていたのかドクター・ウェル!? 何をしている!!?』

「シャトーのプログラムを書き換えているのさ。 錬金術の根底は分解と解析!! そして・・・・・・」

 

ウェルがそこまで言いかけたところでキャロルは彼が何をしようとしているのかを察し、彼女は唇を噛み締めてウェルを睨み付ける。

 

『機能を反転し、分解した世界を再構築するつもりなのか!? バカな!  そんな運用にシャトーの構造が耐えられるものか! お前達丸ごと飲み込んで・・・・・・!』

「そう! 爆散する!!」

「「えっ?」」

 

キャロルの言葉を遮り、言い放つウェル。

 

そんなウェルの発言に、切歌、調が驚きの声をあげる。

 

「どっちにしても分解は阻止できる!!  ハッ、ほんと嫌がらせってのは・・・・・・最高だぁ!!」

「イキイキしてんなぁ、アイツ・・・・・・」

「ドクター・ウェル・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「世界の分解は止まらない。 些事で止めさせてなるものか・・・・・・!!」

 

ウェルのやろうとしていることに、静かに怒りを見せるキャロル。

 

「止めてみせる!! エルフナインちゃんの想いで!!」

 

響はそう言い放ってイグナイトモジュールを起動させようとするが・・・・・・。

 

「止せ!!」

「イグナイトモジュールはキャロルに利される恐れがある!!」

「・・・・・・えっ?」

 

イグナイトを起動しようとした響をクリスと翼が止め、それに目を見開く響。

 

次の瞬間、地面に忍ばせていたキャロルのワイヤーに響達3人が吹き飛ばされ、キャロルはさらにそこから巨大なエネルギー波を周囲に放つ。

 

「極太のトドメを・・・・・・ぶっ刺してやる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

マリアの一撃で一通りアルカノイズとチブロイドを全て倒し切ると、直後に切歌と調がマリアの元まで吹き飛ばされ、そのことに驚いてマリアが2人が飛んで来た方向を見るとそこにはナスターシャの姿が・・・・・・。

 

「・・・・・・マム・・・・・・」

「惑わされるな、あんなの偽者だ」

「零無・・・・・・。 分かってはいる、分かってはいるわ・・・・・・!」

 

零無はビクトリーランサー・ガンモードを構えながらマリアの隣に立ち、あれはナスターシャではないと彼女に言い、マリア自身それは分かっているのだが・・・・・・。

 

やはりまだどこか、動揺の色をマリアは隠せないでいた。

 

「・・・・・・アイツは、俺がぶん殴る!」

 

そんなマリアの姿を見て、零無はまだ正体が分からない以上、人の姿をしていてはウルトラマンになる訳にもいかず、取りあえず先ずは生身で殴ってやろうと駆け出して行き、ナスターシャに向かって拳を叩き込もうとするのだが・・・・・・。

 

突如、零無の目の前に黒いモヤのようなものが出現し、そこから飛び出した「黒い腕」に零無の拳は受け止められてしまう。

 

「なっ!?」

『ゼロダークネス!』

 

そこから現れたのはかつて零無自身が変身していた「ゼロダークネス」というウルトラマンゼロの肉体を「ウルトラマンベリアル」という悪のウルトラマンが融合した戦士が現れる。

 

「ゼロダークネス・・・・・・!!? まさか、エタルガーのエタルダミーか・・・・・・!!」

 

ゼロダークネスは零無の腕を掴みあげて壁に向かって放り投げるが、零無は咄嗟にビクトリーランサーを変形させ、ランサーモードにするとビクトリーのスパークドールズが現れ、それを掴み取って中央部分にリードさせると先端の矢尻部分が開きビクトリーの顔を象った彫刻が現れる。

 

『ウルトライブ! ウルトラマンビクトリー!!』

 

すると1人のウルトラマンがビクトリーランサーから飛び出し、零無が光に包まれるとその光はそのウルトラマンの胸部にあるカラータイマーの中へと入り、零無は「ウルトラマンビクトリー」へと変身を完了させた。

 

変身を完了させたビクトリーは床に着地すると、静かにゼロダークネスを睨み付ける。

 

『貴様は、また大切な者を失うことを恐れている』

『・・・・・・っ!?』

 

不意に、自分と同じ声で喋りだしたゼロダークネスにビクトリーは驚く様子を見せる。

 

『お前はまた大事なものを失い、『夢』を失うことを恐れている・・・・・・』

『・・・・・・』

『だから俺がお前が最も恐れる者として現れた。 乗り越えたつもりだったか? 違うな。 お前はセレナのことを心の奥底ではまだまだ引きずってる。 また同じことが繰り返されるのではないかと・・・・・・』

「「「てええええい!!!!」」」

 

ゼロダークネスがそこまで喋りかけると、不意にゼロダークネスに向かってマリア、切歌、調の跳び蹴りがトリプルでゼロダークネスに繰り出され、蹴りつけられたゼロダークネスは大きく吹き飛ばされてしまう。

 

『ぐあああ!!? き、貴様等ぁ!! 俺が喋っている途中で・・・・・・!!』

「いや、正直時間無いのにだらだら話が長かったし・・・・・・」

「零無だと思うと断然マムより攻撃しやすかったデス。 偽者なので尚更デス」

『ちょっと酷くないお前等!? 特に切歌!! お前一応俺の彼女だよね!!?』

 

マリアや切歌曰く、「零無の偽者とかマムより断然殴りやすい」とのことで本人が目の前にいることもあってか一切の躊躇なくゼロダークネスを蹴り飛ばし、マリアはビクトリーの元へと歩いて来る。

 

「アイツの言葉なんかに、耳を貸す必要なんかないデス。 零無」

「そうだよ。 零無は何も失わない、私達が失わせないから・・・・・・」

 

切歌と調の言葉を受け、ビクトリーは「あぁ、分かってる」と頷く。

 

『でも、ありがとな、励ましてくれて。 ゼロダークネス、お前の言う通り、俺はまだセレナのことを多少なり引きずってるよ』

「・・・・・・零無・・・・・・」

 

ビクトリー・・・・・・零無のその言葉に、どこか複雑そうな表情を浮かべる切歌。

 

『んなことお前に言われなくても分かってる!! 同じようなことをまた繰り返すんじゃないかと思ってる・・・・・・。 でもな、俺に夢を・・・・・・もう1度思い出せてくれた奴等がいる! 昔よりも、頼もしい仲間が多くできた!! そいつ等と一緒なら、きっとこれから先も・・・・・・どんなことでも乗り越えられる!! そいつ等と一緒なら、俺の不安なんざ的中しねえんだよ!!!!』

 

零無の言葉に、切歌、マリア、調は力強く同調するかのように頷く。

 

「あなたもいい加減、正体を現したらどうなの? お前がマムであるものか!!」

 

マリアはナスターシャを睨み付けながら正体を現すように言うと、彼女は姿を変え・・・・・・今度はナスターシャではなく、黒いガングニールを纏ったマリアに姿を変えたのだ。

 

「なっ・・・・・・!?」

 

偽マリアは槍型のアームドギアを構えてそこからアームドギアの刀身を展開して形成した砲身部から、高出力のエネルギービームを放つ「HORIZON†SPEAR」をマリアに放ち、マリアは両腕をガードしてなんとか攻撃を耐えきろうとするが・・・・・・彼女は大きく吹き飛ばされてしまう。

 

「ぐううう!!? うわああああ!!!?」

『「「マリア!!!!」」」』

「私はフィーネ。 そう、終わりの名を持つ者だ」

 

そんな偽マリアの言葉を聞いて、マリアは床を殴りつけながら立ち上がりつつ、偽マリアがなんなのかを理解した。

 

「そうか・・・・・・。 お前は私、過ちのまま行き着いた私達の成れの果て・・・・・・」

『あのゼロダークネスと、同じような奴だったってことか』

 

ビクトリー、切歌、調は吹き飛ばされたマリアの元に行き、切歌と調はマリアに肩を貸して立ち上がらせるとビクトリー、マリア、切歌、調の4人は並び立つ。

 

「だけど、黒歴史は塗り替えてなんぼデス!!」

「シャトーが爆発する前に、この罪を乗り越えて脱出しよう!!」

 

挿入歌『『ありがとう』を唄いながら』

 

ビクトリーは「歌」を口ずさむマリア、切歌、調と共にゼロダークネス、偽マリアに向かって行き、調は偽マリアをツインテールに装備された回転鋸型のアームドギアで斬りつけようとするが、偽マリアはアームドギアで攻撃を防ぐ。

 

「たああああ!!!!」

 

調が離れると同時にマリアが偽マリアの懐に入り、短剣のアームドギアをすれ違いざまに偽マリアに繰り出すが、それを咄嗟に偽マリアは避ける。

 

『ビクトリウムスラッシュ!!』

 

またビクトリーは回し蹴りの要領で足のVクリスタルから放つV字型の光弾「ビクトリウムスラッシュ」を繰り出すが、ゼロダークネスはそれを頭部の2つの宇宙ブーメラン、「ゼロスラッガー」を手に取って構え、ゼロスラッガーを振るってビクトリウムスラッシュを弾く。

 

だが、直後に切歌がゼロダークネスの背後に回り込み、アームドギアを振るって攻撃を仕掛けるが、それをゼロダークネスは振り返りざまにゼロスラッガーで防ぎ、切歌の腹部を蹴りつける。

 

「ぐっ!?」

 

マリアは短剣のアームドギアを偽マリアに向かって何度も振るうが、偽マリアは変幻自在に動くマントによってガードし、一切の攻撃を通さない。

 

そんな時、マリアの持つ通信機からエルフナインの声が聞こえた。

 

『マリアさん!! 通信機をウェル博士に預けて貰えますか?』

「・・・・・・なに?」

『自分らしく戦います・・・・・・』

 

エルフナインのその言葉を受けて、マリアは言われた通りウェルに通信機を投げ渡す。

 

「ドクター!!」

 

通信機を受け取ったウェルはエルフナインからこの通信機をシャトーに繋いでくれと頼む。

 

『この端末をシャトーに繋いでください!! サポートします!!』

「胸が躍る!! だけどできるのかぁい!?」

 

ウェルは不敵な笑みを浮かべつつ、エルフナインに言われた通り通信機をシャトーに繋ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、司令室。

 

ウェルが通信機をシャトーに繋いだことで司令室の画面にフォトスフィアの画像が映し出され、緒川はエルフナインが何をしようとしているのかを察した。

 

「そうか、フォトスフィアで!!」

「レイラインのモデルデータを元に処理すればここからでも!!」

 

またオペレーターの2人もエルフナインが何をしようとしているのかを理解し、すぐさま弦十郎は朔也に指示を出す。

 

「ナスターシャ教授の忘れ形見、使われるばかりは癪ですからね! やり返してみせますよ!!」

「はい!演算をこちらで肩代わりして負荷を抑えます! 掌握しているシャトーの機能を再構築に全て充ててください!!」

 

エルフナインは一同にそう指示を出し、やがてシャトー全体に電撃のようなものが走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

偽マリアは空中から飛び上がり、再びアームドギアから高出力のエネルギービーム「HORIZON†SPEAR」を放ち、マリアは咄嗟にアームドギアのエネルギーを使ってバリアを張り、防ぐが軽く吹き飛ばされそうになる。

 

(ぐうう!!? 私が重ねた罪は、私1人で・・・・・・!!)

 

どうにか偽マリアの攻撃を耐え切ったマリアは、もう時間がなく、ここは自分1人でなんとか食い止めようとビクトリー、切歌、調に先に外にいる仲間達の元に行くように言うのだが・・・・・・。

 

「零無、調、切歌!! ここは私に任せてみんなの加勢を・・・・・・!!」

『シェア・・・・・・!!』

 

その時、ゼロダークネスがゼロスラッガーを、偽マリアがアームドギアをマリアに向かって投げつけるが・・・・・・それを切歌と調の2人がアームドギアを振るって弾き、マリアを守ったのだ。

 

『ウルトランス! キングジョー!! ランチャー!!』

『ツェア!!』

 

さらに右腕を「キングジョー・ランチャー」に変えたビクトリーが銃弾をゼロダークネスと偽マリアに撃ち込み、ゼロダークネスは両腕を交差し、偽マリアはマントでガードしつつなんとか耐える。

 

『バカなこと言ってんじゃねえよ、マリア!!』

「そうだよ! この罪を乗り越えるのは・・・・・・!!」

「4人一緒じゃなきゃいけないのデス!!」

 

ビクトリー、調、切歌の言葉を受け、マリアは自然と笑みを浮かべる。

 

「ありがとう、3人共・・・・・・! ドクター!! 私達の命に代えても守ってみせる!! だから、ドクターは世界を・・・・・・!!」

「フン・・・・・・」

 

マリアにそう言われ、ウェルもまた笑みを浮かべ、後ろはマリア達に任せて彼はシャトーの破壊に集中する。

 

ビクトリーは右腕を元の状態に戻すとゼロダークネスと偽マリアに向かって駈け出し、それに対してゼロダークネスは左腕を伸ばしてから両腕をL字に組んで放つ必殺光線「ダークネスゼロショット」をビクトリーに向かって放つ。

 

『っ!!?』

 

咄嗟に立ち止まったりはしたものの、ビクトリーはそのまま光線の直撃を受け、爆発の煙の中に消えた・・・・・・かに思われたが・・・・・・。

 

『ウルトランス! EXレッドキング!! ナックル!!』

『なに!?』

 

右腕を「EXレッドキング・ナックル」に変えたビクトリーが煙の中から勢いよく飛び出し、ゼロダークネスと偽マリアの足下を殴りつけるとそこから炎が吹き出し、その炎はゼロダークネスと偽マリアに降り注いで2人を吹き飛ばす。

 

『「ぐうう!!?」』

 

ビクトリーは右腕を元の状態に再び戻すと上半身を曲げてビクトリーの背中を踏み台にマリアが高くジャンプし、鞭状にしたアームドギアでゼロダークネスと偽マリアを斬りつける。

 

『今度はお前等だ!! 来い!! 切歌!! 調!!』

 

ビクトリーは上半身を起こし、両腕を平行に伸ばすと切歌と調は互いに頷き合い、今度は切歌と調の2人がビクトリーの肩を踏み台に高く飛び上がり、切歌はゼロダークネス、調は偽マリアをそれぞれアームドギアで縦一線に斬りつける。

 

『「があああ!!!?」』

 

攻撃を受けてゼロダークネスと偽マリアは怯むもののすぐさま偽マリアはアームドギアを構えてマリアに向かって行き、それに対してマリアも短剣のアームドギアを構えて2人は激しくぶつかり合う。

 

同じように、ビクトリーもまた拳をゼロダークネスに放ち、同時にゼロダークネスも自身の拳を放って2人の拳は激しくぶつかり合う。

 

「翼と立つステージは楽しかった。 次があるならその時は・・・・・・朝まであなたと歌い明かしてみたいわね」

『・・・・・・マリア? なにを・・・・・・!?』

 

突然、そんなことを喋り出すマリアに翼は驚いたような声をあげる。

 

「命がけで戦った相手とも仲良くできるクリス先輩は凄いなって、憧れてたデスよ!!」

『お前にだってできる!! できてる!!』

 

今度は切歌がクリスにそんな話をしだし、クリスは彼女にもできていると伝えるが・・・・・・。

 

「ごめんなさい。 あの日、何も知らずに偽善と言ったことを・・・・・・。 ホントは直接謝らないといけないのに!!」

『そんなの気にしてない・・・・・・!! だから!!』

 

調は響に初めて会った時、彼女を偽善と呼んでしまったことを深く謝罪する。

 

『よぉ、コウマ・・・・・・。 まだ礼を言ってなかったな。 俺がもう1度『夢』を持てたのは、お前が何度もぶつかって来てくれたからだ。 ありがとな』

『なに言ってんだ・・・・・・!! 礼なんかいらねえから、早くそっち片付けてこっちに手を貸せっての・・・・・・!!』

 

例えゼロダークネスと偽マリアを撃破しても、もう脱出できるほどのエネルギーが無く、カラータイマーは激しく点滅している為、彼もまた彼もまたマリア達同様に大切なことを伝えようとビクトリー・・・・・・零無はウルトラマンとしてのテレパシー能力を使い、自身がもう1度「夢」を持てたとコウマに感謝の言葉を伝える。

 

 

 

 

「やめろ・・・・・・! 俺の邪魔をやめろ、やめろおおおおお!!!!」

 

既に崩壊寸前のシャトーを見てキャロルはそれを止めようと飛び立つが・・・・・・。

 

シャトー内部から大きな光が漏れ始め、大きな音を立てながらシャトーは破壊されていく。

 

「お願い!! やめて!! 私とパパの邪魔をしないで!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「僕は、僕の錬金術で世界を守る! キャロルに世界を壊させない!!」

 

司令室でエルフナインが強い決意の元、彼女は力強く叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

『来い!! シェパードン!!』

 

ビクトリーのインナースペース内で零無は首にかけていたビクトリウムのペンダントに手を触れ、そこからスパークドールズとなったシェパードンを呼び寄せ、ビクトリーランサーにリードさせる。

 

『ウルトランス! シェパードン! セイバー!!』

『むっ? 遂に使ったか・・・・・・!!』

 

また同じ頃、シェパードンセイバーをビクトリーが発動したのをエタルガーは感じ取っていた。

 

そして聖剣となったシェパードンセイバーをビクトリーは構え、ゼロダークネスはカラータイマーの左右にゼロスラッガーを装着し、そこから放つ強力光線「ダークゼロツインシュート」をビクトリーに向かって放つが、ビクトリーはシェパードンセイバーを縦一線に振るい、光線を真っ二つに切り裂く。

 

『シェア!!』

 

そのまま一気にビクトリーはゼロダークネスと偽マリアに詰め寄り、シェパードンセイバーを今度は横に振るってゼロダークネスと偽マリアの2人に斬撃を浴びせ、怯んだところで今度は左右から切歌がゼロダークネス、調が偽マリアを自身のアームドギアで攻撃し、ゼロダークネスのゼロスラッガーと偽マリアのアームドギアを弾き飛ばしたのだ。

 

「零無!!」

『マリア・・・・・・。 行くぞ、これで決める!!』

 

ビクトリーの言葉にマリアは頷くと彼女はビクトリーと共に走り出し、偽マリアとゼロダークネスに向かって行く。

 

アームドギアである短剣を左腕部ユニットの肘部側に柄から取付け、刀身を長大に変形させ、腰部と左腕部ユニットのバーニアで加速してすれ違い様に相手を切り裂く「SERE†NADE」を繰り出し・・・・・・。

 

ビクトリーもシェパードンセイバーを構えてゼロダークネスと偽マリアに向かって駈け出し、相手をVの字に切り裂く「シェパードンセイバーフラッシュ」をゼロダークネスと偽マリアに向かって放つ。

 

だが、その際、偽マリアはまた別の姿に変わり・・・・・・今度はセレナの姿に変わる。

 

動揺を誘ったつもりだったのかもしれないが、マリアもビクトリーも動じることはなく、ただ・・・・・・ただひたすら真っ直ぐに・・・・・・。

 

『「セレナああああああああ!!!!!」』

 

ビクトリーとマリアは同時にゼロダークネスとセレナとなった偽者を切り裂いたのだ。

 

「やめろおおおおおおおおお!!!!!!」

 

それと同時にウェルがシャトーのシステムを弄くったせいなのか、キャロルの意思とは関係なく、彼女の周りに4つの紋章が現れてそこから光線が放たれ・・・・・・光線はシャトーを貫き、チフォージュ・シャトーは大爆発を起こしたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

それによって世界の分解は収まり、世界は修復されていく。

 

司令室でもそのことを確認し、一同は一安心したのだが・・・・・・。

 

だが、そのせいでマリア達が犠牲となったことを弦十郎達は悔やみ、弦十郎は悔しそうに唇を噛み締める。

 

「ぐぅ、俺達は太古の神話は明日を繋ぎ止められないのか・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ・・・・・・あ・・・・・・。 シャトーが、託された命題が・・・・・・」

 

崩れゆくシャトーを見つめ、キャロルは唖然とした顔を浮かべ、また響達もその光景を見て目を見開き、彼女等はただ涙を流すしかなかった。

 

「みんな・・・・・・」

「なんでだ!! クソッタレ!!」

「くっ、うああああああ!!!!」

 

翼は荒々しくアームドギアの剣を地面に突き刺し、またエタルガー達と戦っていたギンガ、マックス、ゼロ、ダイナもその光景に衝撃を受けていた。

 

『オイ、あの建物・・・・・・ゼロ達の仲間が突入した筈じゃ・・・・・・!!』

『っ・・・・・・!!』

『余所見をしている場合なのか!!?』

 

動揺しているダイナやゼロの隙を突いてエタルガーが素早くゼロに向かって強烈なパンチを叩きこんで吹き飛ばし、ネオジオモスは破壊電磁波、モルヴァイアは口から火炎を放ち、それらの攻撃をダイナに直撃させる。

 

『『ウアアアアア!!!!?』』

 

尚、シャトーがシェパードンセイバーを持つビクトリー諸共崩れたにも関わらず、ゼロ達と違いエタルガーが落ち着いているのは彼が未だに「シェパードンの力の気配」を感じているからだった。

 

零無達がどうなったのかはエタルガーには分からないが、少なくともシェパードンがスパークドールズ化、又はシェパードンセイバーとなっている状態のままならば問題はないと考えた。

 

『この場は任せるぞ』

 

エタルガーはモルヴァイア、ネオジオモス、ダークルギエルにこの場を任せるとエタルガーは金色の球体に身体を変化させてその場を去って行き、ゼロは「待て!!」とエタルガーを追いかけようとする。

 

しかし、ルギエルのその巨大な足に蹴り飛ばされ、地面に倒れ込むゼロ。

 

『ウアアッ!!? この!! お前等なんかに構ってる暇なんてねえんだよ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう、やめよう。 キャロル・・・・・・。 こんなこと、僕達のパパはきっと望んでない。 火あぶりにされながら・・・・・・世界を知れと言ったのは僕達にこんなことをさせる為じゃない・・・・・・」

 

エルフナインは涙を流しながら、必死にキャロルを説得しようと言葉を投げかける。

 

「っ、そんなの分かってる!! だけど、殺されたパパの無念はどう晴らせば良い!? パパを殺された私達の悲しみは、どう晴らせば良いんだ!!?」

 

キャロルも苦痛に満ちた表情を浮かべ、嘆き、叫ぶキャロルのその声は・・・・・・悲しみに染まっていた。

 

「パパは命題を出しただけでその答えは教えてくれなかったじゃないか!!」

「・・・・・・それは・・・・・・」

 

するとキャロルとエルフナインの会話を聞いていた洸がそっとエルフナインに声をかける。

 

「君たちのお父さんは、何か大事なことを伝えたかったんじゃないのか?」

 

その洸の言葉は、エルフナインの耳と目の感覚が繋がっているキャロルにも聞こえており、キャロルは洸の言葉を聞き、ほんの少しだが動揺した様子を見せる。

 

「命がけの瞬間に出るのは、1番伝えたい言葉だと思うんだが・・・・・・」

「っ、錬金術師であるパパが1番伝えたかったこと・・・・・・」

『ならば真理以外ありえない……』

「錬金術の到達点は、万象を知ることで通じ、世界と調和する……こと……」

 

洸の言葉を聞き、そう呟くエルフナインだったが、洸やエルフナインの言葉を聞いてもキャロルの考えは変わらず、エルフナインの言葉を否定する。

 

『調和だと? パパを拒絶した世界を受け入れろと言うのか!? 言ってない!! パパがそんなこと言うものか!!』

「だったら代わりに解答する・・・・・・命題の答えは……赦し……! 世界の仕打ちを赦せと……パパは僕たちに伝えていたんだ……!!」

 

脇腹の血を滲ませ、苦しそうに呼吸をしながらエルフナインはキャロルに言い放つと、エルフナインは咳をすると同時に血を吐き出してしまう。

 

「ぐっ、ケホ!」

「君!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チフォージュ・シャトーは大破し、万象黙示録の完成という未来は潰えた……。フフ……。ならば!過去を捨て、今を蹂躙してくれるッ!!」

 

しかし、エルフナインから自分の探し求めていたであろう答えを聞いても、キャロルは止まらず、響き達を空中から見下ろすと彼女は全身に金色のオーラのようなものを纏う。

 

「ダメだよ!! そんなことをしては、パパとの思い出も燃え尽きてしまう!!」

 

だがやはりキャロルはエルフナインの叫びに耳を貸さず、キャロルはありったけの思い出を焼却し、戦う力へと練成して行く。

 

「キャロルちゃんなにを!?」

「復讐だ!!」

 

キャロルが言い放つと同時に、彼女は高出力の弦を使って響達を吹き飛ばし、響達は壁に激突する。

 

「「「うわああああああ!!!!?」」」

「……もはや復讐しかありえない」

 

涙を流しながら世界へと復讐しようとするキャロル。

 

しかし、そんなキャロルに対し・・・・・・。

 

『何百年も生きてる癖に、我が儘にも程があんじぇねえのかお前ッ!!』

 

ルギエルの放たれた巨大な足を受け止めながら、キャロルの声を聞いていたギンガは彼女に怒鳴るように言い放つ。

 

そんなギンガに対し、キッと睨み付けるキャロルだが、ギンガは両手でルギエルの足を持ち上げながら投げ飛ばし、ルギエルを地面に倒れ込ませる。

 

『はぁ、はぁ・・・・・・!! さっきからブツブツ何か独り言言ってたが、エルフナインと会話してたんだろうな。 それでエルフナインからお前の父親が本当にお前に伝えたかったことを告げられて、逆キレってところか?』

「逆キレだと・・・・・・?」

『エルフナインが言ったことが何か知らねえが、あいつの言葉を否定できず、言い負かされて悔しくなって暴れるのが逆ギレじゃないならなんだって言うんだよ。 復讐なんて、お前の親父さんが本当に望んでいると思ってんのか!!?』

 

やたらと説教くさいギンガに対し、キャロルは唇を噛み締め、先ほどよりも強くギンガのことを睨む。

 

「黙れ、黙れ、黙れえええええ!!!! お前なんかに、俺の何が分かる!! 私の何が分かるって言うんだ!!」

『分かるよ、だって俺は今・・・・・・お前が猛烈に憎いからな!!』

 

ギンガは左拳を握りしめ、右手でキャロルを指差し、そう言い放つと、それにキャロルは唖然とした表情を浮かべる。

 

「なんだと・・・・・・?」

『お前があんなもん作ったせいで、零無も、マリアさん達も・・・・・・。 お前は、俺のダチを奪ったんだ!! でも、お前に復讐なんてしない。 憎しみは憎しみしか生まないんだ。 だからこそ、俺はこの憎しみを抑える。 だからこそ、お前に復讐なんてさせない!!』

 

そこでギンガに殴りかかって来たルギエルの攻撃をゼロがゼロソードで防ぎ、ゼロはギンガの方へと顔を向ける。

 

『こいつ等の相手は俺達に任せな。 お前はあっちを手伝ってやれ!!』

 

そう言うとゼロはルギエルを押し返して拳を弾き、左手を差し伸べて自身のエネルギーをさらにギンガに分け与える。

 

『ゼロ!! アンタだってもうエネルギーが・・・・・・!』

『へっ、これくらいの奴等、俺達だけで十分だ! 行って来い!!』

『っ・・・・・・。 分かった』

 

ギンガは少しの間だけ戸惑いを見せたものの、彼はゼロの言葉に頷き、身体を縮小させて等身大となるとクリス達と合流する。

 

『こっちの手伝いに来たぜ』

「ありがてぇ」

 

クリス達と合流し、視線をキャロルに再び向けると彼女は顔を俯かせ、何やらブツブツと呟いていた。

 

「・・・・・・黙れ、黙れ・・・・・・黙れ黙れ黙れ黙れ黙れええええええええ!!!!!」

 

余程先ほどのギンガの言葉が勘に触ったのか、彼女は雄叫びのような声をあげると周囲に衝撃波を放ち、ギンガ達はそれをなんとか耐えきる。

 

『チッ、どうやら止まる気はないらしい』

「復讐の炎は……すべての思い出を燃やすまで、消えないのか?!」

「エルフナインは、復讐なんて望んじゃいねえ……!」

「うん……! エルフナインちゃんの望みはッ……!」

 

ボロボロになった身体を引きずりながらも、なんとか響は立ち上がり、胸のイグナイトモジュールに手をかける。

 

「イグナイトって、本気か!?」

 

それを見てクリスは驚愕した表情を浮かべる。

 

「随分と部の悪い賭けじゃねえか」

「だが嫌ではない。 この状況では、尚のこと!!」

 

イグナイトの全開出力などはキャロルに全て筒抜けで知られてしまっている。

 

だが、この状況では使わざる得ない。

 

それになにより、これはエルフナインがくれた力なのだから・・・・・・。

 

「この力は、エルフナインちゃんがくれた力だ!! だから疑うものかッ!イグナイトモジュールッ!!」

「「「ダブル抜剣ッ!」」」

 

モジュールのスイッチを2度押し、セーフティーの解放段階を上げることで力をより増した状態のイグナイトモジュールを響達が身に纏い、ギンガと共にキャロルに向かって行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ソードレイ・ウルティメイトゼロ!!』

 

ウルティメイトゼロソード長大な光の刃を伸ばし、それをルギエルに縦一閃にゼロが振るうとルギエルは両腕を交差して攻撃を防ごうとするもののあっさりとゼロに身体を真っ二つに切り裂かれ、ルギエルは断末魔をあげながら倒れ爆発した。

 

『ウウ・・・・・・ヌアアアア!!!!?』

『ハアア、ダアアア!!!!』

 

一方でダイナはネオジオモスに向かって拳を放ち、ネオジオモスは亜空間バリヤーを張って攻撃を防ぐもののそのまま力押しで一気にバリヤーを打ち砕き、拳をネオジオモスの顔面に叩き込む。

 

「ガアアアア!!!!?」

 

さらにすかさず倒れ込んだネオジオモスの尻尾を掴んで大車輪回転をさせてから地面に叩きつける「ガルネイトボンバー・スウィングバージョン」をダイナは繰り出し、地面に叩きつけられたネオジオモスは身体中から火花を散らして耐えきれず爆発するのだった。

 

マックスはモルヴァイアに後ろ回し蹴りを喰らわせ、蹴り飛ばした後、左腕のマックススパークにエネルギーをチャージした後、両腕をL字に組んで放つ「マクシウムカノン」を発射し、直撃を受けたモルヴァイアは火花を散らし、倒れ爆発するのだった。

 

『ハアアア、シェア!!』

「グルアアアアアア!!!!?」

 

どうにかエタルダミーの3体を倒すことに成功したゼロ達だったが、全員既にエネルギーは残り少なく、彼等は強制的に変身が解除され、ラン、アスカ、カイトの姿に戻ってしまう。

 

「はぁ、はぁ・・・・・・もう、力が・・・・・・」

「後はギンガやクリス達に任せるしかねえか」

 

アスカはカイトに肩を貸しながら、兎に角今はここから少し離れようと提案し、ランもそれに頷くと3人は一度ここから離れることに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

挿入歌「限界突破 G-beat (IGNITED arrangement)」

 

「歌」を口ずさみながら先陣を切って響はキャロルに殴りかかるが、キャロルはバリアで彼女の拳を防ぎ、受け流す。

 

その瞬間を見逃さず、クリスはガトリング砲にしたアームドギアで銃弾を撃ち込むが、キャロルはそれも弦を振るって弾丸を防ぎ、翼が背後に回り込んでアームドギアを振るうが、キャロルはそれすらもバリアで防ぎ、弾き返す。

 

『ウルトラマンタロウの力よ! ネオストリウム光線!』

『ショウラ!!』

 

ギンガは両腕をX字に交差させて放つ「ネオストリウム光線」を放つが、キャロルはバリアでガードしつつ、光線を反射させてギンガ自身に光線を直撃させて吹き飛ばす。

 

『ウアアアア!!!!?』

「フン、力押し。 実にらしいし可愛らしい・・・・・・」

 

キャロルに攻撃を全て防がれても、響、翼、クリスは攻撃の手を緩めず、攻撃を続行するが彼女はそれらの攻撃を防ぎ、彼女等の攻撃はまるでキャロルに通用しなかった。

 

『だったらこれはどうだ!!』

『ゾフィーの力よ! M87光線!』

 

ギンガは右手を前方に伸ばして発射する「M87光線」をキャロルに向かって放ち、キャロルはその光線もバリアで防ぐものの・・・・・・バリアはあっさりと砕かれ、それに目を見開いたキャロルは咄嗟に避けたものの彼女の纏うダウルダブラの肩パーツに僅かに当たり、それが抉れる。

 

そして響はその隙を見逃さず、キャロルの横腹に拳を叩き込み、キャロルはそれに僅かに怯むものの・・・・・・すぐさま衝撃波を放って響を吹き飛ばす。

 

「うあああ!!!?」

 

吹き飛ばされた響は翼が両手で掴んで地面に着地し、救い出したもののキャロルは未だに余裕の表情。

 

さらにキャロルは弦を飛ばしてギンガの身体を斬りつけ、ギンガは身体から火花を散らして片膝を突く。

 

『ガアア!!?』

「コウマ!! クソ、イグナイトの二段階励起だぞ!? それに、ギンガストリウムまでいてこれって・・・・・・」

「フン、次はこちらが歌うぞ!」

 

驚愕するクリスを嘲笑いつつ、今度はキャロルが「歌」を口ずさむことでさらに彼女は自身の纏うダウルダブラの出力をあげる。

 

挿入歌「殲琴・ダウルダブラ」

 

「さらに出力を!?」

「一体どれだけのフォニックゲインなんだよ・・・・・・!」

「でも、待っていたのはこの瞬間! 抜剣!! オールセーフティー!!」

 

イグナイトの胸のクリスタルに響、翼、クリスが手をかけるとそのスイッチを押し、さらにイグナイトの出力を底上げする。

 

そうすることで彼女達はイグナイトの出力を使って周囲に吹き荒れるこのフォニックゲインを束ねて撃ち放とうとするのだが・・・・・・。

 

しかし、さらにイグナイトの出力をあげてしまったせいでただでさえ時間制限のあったイグナイトの制限時間は加速してしまう。

 

「イグナイトの出力でねじ伏せて・・・・・・!!」

「吹き荒れるこのフォニックゲインを束ねて撃ち放つ・・・・・・!!」

「S2CA!! トライバーストォ!!!!」

 

だが、キャロルの放つフォニックゲインはあまりにも強大で・・・・・・束ねると言ってもそう簡単なことではなく、響達は吹き飛ばされまいとその場に踏ん張るのもギリギリだった。

 

ギンガも少しでも彼女達の助けになろうと響を支えるクリスと翼の背中を両手で支えるが、結果はあまり変わらず・・・・・・。

 

「このままじゃ暴発する・・・・・・!!」

「イグナイトの最大出力は知っている!! だからこそそのまま捨て置いたのだと分からなかったのか!? 俺の歌は、ただの一人で70億の絶唱を凌駕する、フォニックゲインだああああああ!!」

 

キャロルがそう言い放つと同時にギンガ達の周囲が爆発し、4人は吹き飛ばされて倒れ込む。

 

「ぐっ、ゲホッ・・・・・・」

 

それによってギンガも遂にライブが解除されてコウマの姿に戻ってしまい、4人はボロボロの状態でその場に倒れ込んでしまっていた。

 

「ぐっ、うぅ・・・・・・。 例え万策尽きたとしても、1万と1つ目の手立てはきっと・・・・・・!!」

 

フラつきながらも、決して諦めず、立ち上がろうとする響。

 

だが、そんな時・・・・・・突如空中に巨大な城のようなものが出現し、一瞬コウマ達はシャトーがまた出てきたのかと思ったが・・・・・・よく見るとシャトーとは全く別の城だった。

 

そう、それはシャトーなどではなく、エタルガーが拠点としている城、「時空城」だったのだ。

 

「あれは、ラン隊長が言ってた時空城か!」

 

コウマはあらかじめランから聞いていた時空城の出現に驚きの声をあげるが、なぜこのタイミングで時空城が出て来るのか、それが分からなかった。

 

「一体なにするつもりだってんだ・・・・・・!」

 

エタルガーが何をするつもりかは分からない。

 

そこへやってきたのは脅威だけではなかった。

 

その時・・・・・・コウマ達の耳に、聞き覚えのある3人の歌声が聞こえて来たのだ。

 

それは、絶唱の歌・・・・・・。

 

響が歌の聞こえる方向へと顔を向けると、そこにはイグナイトモジュールを纏ったマリア、切歌、調の3人が無事な姿で立っており、響は彼女達が生きていたことに、笑みを浮かべた。

 

「マリアさんっ・・・・・・!!」

「ぐっ、マリアさん達が・・・・・・ってことは・・・・・・」

 

またコウマもマリア達の存在に気付き、彼女達が生きているならと考えていると、不意に彼の元に「よぉ」と声をかける人物が現れる。

 

「零無・・・・・・!」

「よぉ、お互い、ボロボロだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分前、崩壊したチフォージュ・シャトー内にて。

 

そこでどうにかマリアは自分と同じように無事だった切歌や調と合流し、お互いの無事が確認できると切歌と調、マリアはそれぞれ別れて姿の見えない零無とウェルを探すこととなり、2人を探していると・・・・・・。

 

丁度、彼女はそこで瓦礫が身体の上に乗ったウェルの姿がを発見。

 

「ドクター・ウェル!!」

 

マリアが瓦礫に埋もれるウェルの姿を見つけると、急いで彼女はウェルの元に駆け寄る。

 

「ぐっ、うぅ・・・・・・僕が守った。 何もかも・・・・・・」

「まさか、お前・・・・・・!」

「君を助けたのは、僕の英雄的行為を・・・・・・世に知らしめる為・・・・・・」

 

弱々しい声を出すウェルを心配そうにジッと見つめるマリア・・・・・・。

 

「さっささと行って死に損なった恥を晒してこい!! それとも君は、あの時と変わらない、ダメな女のままなのかい?」

 

すると、ウェルはマリアに向かって1枚の何かのメモリを渡す。

 

「愛、ですよ・・・・・・!」

「なぜそこで愛!」

「シンフォギアの適合に奇跡などは介在しない。 その力、自分の物としたいなら・・・・・・! 手を伸ばし続けるが良い・・・・・・!!」

 

マリアはウェルから渡されたメモリを手に取り、そのまま彼の手は・・・・・・力なく地面に落ちる。

 

「・・・・・・マリア、僕は英雄になれたかな?」

「・・・・・・あぁ、お前は最低の・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと、零無はスパークドールズになったシェパードンから発せられるバリアで守られており、彼は起き上がってシェパードンのスパークドールズを見つめる。

 

「お前が守ってくれたのか? ありがとう、シェパードン・・・・・・」

 

零無が目を覚ましたことでシェパードンはバリアを解除し、そこに丁度零無を探しに来ていた切歌と調が駆け寄ってくる。

 

「零無!! 無事だったデスか!?」

「切歌! 調! あぁ、シェパードンが助けてくれたらしい。 マリアと、ウェルは?」

「マリアは無事デス!! でも、まだドクターは・・・・・・」

 

それを聞き、零無は「そうか」とだけ答えると兎に角先ずはマリアと合流しようと3人は歩き出す。

 

少し歩くと、彼等はすぐにマリアと合流することが出来た。

 

「零無! 良かった、あなたは・・・・・・無事だったのね・・・・・・」

「あぁ。 ドクターは見つけたのか?」

 

零無はマリアにウェルはどうしたのかと尋ねると、彼女は顔を俯かせ、暗い表情を浮かべながら首を横に振った。

 

「そう、か・・・・・・」

 

ウェルのことは嫌いだったが、出来ることなら生きていて欲しいと願っていた。

 

それは切歌や調も同様なのか、彼女等2人も複雑そうな表情を浮かべている。

 

「兎に角、一旦外に出ましょ」

 

マリアの言うように、確かに一度外に出た方が良いだろうと思った零無達は外に出るために歩き出そうとしたその時・・・・・・。

 

4人の足下が突然爆発し、4人は軽く吹き飛ばされて倒れ込んでしまう。

 

『わああああ!!!?』

 

その際、零無は手に持っていたシェパードンのスパークドールズを思わず手放してしまい、それを掴みあげる等身大のエタルガー。

 

どうやら、先ほどの攻撃はエタルガーによるものだったようだ。

 

「お前、エタルガー!!」

『フフフ、遂に手に入れたぞ。 シェパードンのスパークドールズ!!』

「お前、シェパードンを返せ!!」

 

零無はシェパードンを取り返そうとエタルガーに手を伸ばすが、エタルガーはその腕を掴んで地面に投げ飛ばす。

 

「うわあ!!?」

 

またシェパードンもエタルガーに反抗しようと自身のエネルギーを放出するのだが、エタルガーには全く効かず、逆にエタルガーの赤いエネルギーを流し込まされ、シェパードンは沈黙する。

 

『さあ、これで本物のルギエルの復活の準備は整った!!』

「ルギエルの、復活だと・・・・・・!?」

 

エタルガーはそれだけを言い残すとその場を立ち去り、零無達は急いでエタルガーを追いかける。

 

「待て!!」

 

外に出ると、丁度そこではキャロルによって吹き飛ばされる響達の姿が見え、零無はビクトリーランサーを構える。

 

「マリア達は響達の元に行ってくれ!! 俺はシェパードンを取り戻す・・・・・・!!」

 

零無はビクトリーに変身しようとするのだが、既に変身できるだけのエネルギーを使い果たしてしまっているため、ビクトリーに変身することは不可能だった。

 

「っ、こんな時に・・・・・・!!」

「落ち着きなさい、零無!」

 

シェパードンを奪われ、焦る零無を落ち着かせようとするマリア。

 

だが、そうは言われても落ち着いてなんていることはできない。

 

見たところ、既に変身が可能なウルトラマンももういない。

 

コウマなら他のウルトラマンに変身することもできるが・・・・・・あの身体では・・・・・・。

 

一体どうすれば良いのか、零無が頭を抱えて悩んでいると・・・・・・。

 

「そう言えば、以前エルフナインがこんなことを言っていたわね・・・・・・」

「えっ?」

 

それはほんの少し前・・・・・・エルフナインがウルトラマン達の戦いの記録映像を興味本位で見ていた時だった。

 

彼女はそれらの映像の中でもルナアタック事件、フロンティア事変での最終決戦の映像を特に興味深く見ており、マリアは何がそんなに気になるのかとエルフナインに尋ねたことがあったのだ。

 

『あっ、いえ・・・・・・。 響さん達がエクスドライブモードになった時、それに平行してウルトラマン達にも力が与えられているのが少し気になって・・・・・・』

 

エクスドライブモードは幾人もの歌を重ね、高レベルフォニックゲインにより機能が開放された姿。

 

ルナアタックの時は響達の通う学校の生徒や街の人々によって発動し、フロンティア事変の時は世界中の人々の力によってエクスドライブは発現した。

 

だが、なぜウルトラマンにまで力が与えられたのか、エルフナインにとってはそれが不思議でならなかったのだ。

 

『もしかしたら、ウルトラマンの光のエネルギーとシンフォギアのエネルギーであるフォニックゲインは、とても酷似したものなのかもしれません』

 

エルフナインの言うように、シンフォギアのフォニックゲインがウルトラマンのエネルギーと酷似したものなら・・・・・・先ほど響達がやろうとした技を今度は6人で受け止め、応用することでウルトラマン達に力を与えることができるかもしれないとマリアは考えたのだ。

 

さらに、時空城が現れたということは、あの城に向かってそれを放てば・・・・・・あの中に囚われているであろうウルトラマン達を復活させることが出来るかもしれないとマリアは思った。

 

「このことも恐らくキャロルに知られてるから対策されてるかもしれない。 でも一か八かだけど、シェパードンを取り返す為にも・・・・・・これに賭けるしかない」

「・・・・・・分かった。 頼む、みんな」

 

 

 

 

 

 

 

 

それから現在、零無は手短克つ分かるようにコウマに説明し、コウマもマリアの作戦を理解し、「成程な」と頷く。

 

そしてマリアも手短に響達に自分の作戦を伝えた後、6人はそれぞれ「絶唱」を口ずさむ。

 

「俺を止められるなどと・・・・・・自惚れるなあああああああ!!!!」

 

そう叫ぶと同時にキャロルが響達に向かって強力なフォニックゲインの塊のような光線を放つが、響達はそれをなんとか受け止める。

 

「S2CA!! ヘキサゴンヴァージョン!!」

 

だが、6人揃ったとしてもやはりキャロルの力は強力で・・・・・・吹き飛ばされないようにするだけでも精一杯だった。

 

しかし、彼女達は決して諦めはしない。

 

「今度こそガングニールで束ね・・・・・・!!」

「アガートラームで制御、再配置する!!」

 

マリアは響の背中を左手で支え、腕部のユニットが巨大化すると響の両腕のユニットも巨大化し、響達6人は6つの光に包まれる。

 

その映像を見ていたエルフナインは、その光に手を伸ばし・・・・・・呟く。

 

「最後の奇跡・・・・・・」

「まさか、俺のぶっ放したフォニックゲインを使って・・・・・・!」

 

その光景を見ていたキャロルも、響達は何をしようとしているのかに気付くが・・・・・・もう遅い。

 

「ジェネレイタアアアアア!!!!!」

「エクスドラアアアアアアイブ!!!!!」

 

そして受け止め切ったキャロルのフォニックゲインを吸収し、右腕を掲げるとフォニックゲインの光が空へと放たれ、光は時空城にも向かっていく。

 

『むっ? なんだ!?』

 

丁度、エクセラーの元に行く準備をしていたエタルガーもそのことに気付くが、防ぐ手段も無く時空城に直撃し・・・・・・時空城が大きく揺れ、フォニックゲインが城の中へと入り込み、その中の鏡に封印されていたたウルトラマンにもフォニックゲインの光が降り注ぐ。

 

『なっ、バカな・・・・・・!!? このままでは、封印が・・・・・・!!』

「そ、そんな・・・・・・!!」

 

そのことにキャロルもエタルガーも大きく動揺し、やがてウルトラマン達を封印していた鏡が砕け散ると封印されていたウルトラマン達は時空城から飛び出し、人の姿へと戻ってコウマ達の目の前に降り立つ。

 

「あなた達は・・・・・・」

 

さらに、その時拡散されたフォニックゲインのエネルギーはコウマのギンガスパークや零無のビクトリーランサーにも再変身できるだけの十分なエネルギーを分け与え、ビルの中に避難していたラン、カイト、アスカの持つウルトラゼロアイ、マックススパーク、リーフラッシャーにもエネルギーが分け与えられる。

 

さらにキャロルが空を見上げると、そこにはエクスドライブモードへと強化変身した響、翼、クリス、マリア、切歌、調の姿があり、キャロルは自分のフォニックゲインを利用し、エクスドライブだけでなくウルトラマン達まで復活させたことに彼女は驚愕するしかなかった。

 

「コウマ! 零無!!」

 

そこへコウマと零無の元にラン、アスカ、カイトが駆けつけ、ランはコウマ達の前に立つ青年達の姿を見て笑みを浮かべる。

 

「どうやら、みんな響達に助けられたらしいな」

「あぁ、彼女達には・・・・・・感謝しないとね」

 

響達に助けられたことを代表して、ウルトラマンティガ・・・・・・「マドカ・ヒカル」がそう言うと隣にいたウルトラマンメビウス、「風上 光」が同意するように頷く。

 

「ここから先は、僕達も手伝います」

「助けられた仮は返す」

 

光に続くように、今度はウルトラマンネクサス、「ヒメヤ・シュン」が頷く。

 

「ここから先は、僕達の反撃だ!」

「みんな、行こう!」

 

ウルトラマンガイア、「高山 ツトム」とウルトラマンコスモス、「春歌 ムサシ」の言葉を合図に、それぞれヒカル、アスカ、ツトム、ムサシ、ヒメヤ、カイト、光、ラン、コウマ、零無が並び立つ。

 

ヒカルは「スパークレンス」というアイテムを取り出すとそれを掲げ、光に包まれるとヒカルは身体が赤と紫で金色のプロテクターが装着された巨人・・・・・・、超古代の戦士「ウルトラマンティガ・マルチタイプ」へと変身する。

 

続けてアスカはリーフラッシャーを掲げ、ダイナミックな戦士、「ウルトラマンダイナ・フラッシュタイプ」に変身。

 

「ガイアアアアアアア!!!!」

 

ツトムは三角状のアイテム、「エスプレンダー」を掲げると赤いボディに胸部の黒いプロテクターが特徴的な大地が生んだ赤き巨人、「ウルトラマンガイアV2」へと変身する。

 

「コスモース!!」

 

花の蕾のようなアイテム、「コスモプラック」をムサシが掲げるとコスモプラックが花開くように先端のパーツが三方向へと展開し青い光に包まれ、ムサシは青き巨人、慈愛の勇者、「ウルトラマンコスモス・ルナモード」へと変身する。

 

短剣のようなアイテム、「エボルトラスター」をヒメヤは鞘から引き抜くと、彼はそれを掲げ、光に包まれて銀色の身体に胸部にY字のクリスタル、「エナジーコア」がある巨人、絆を繋いで行く戦士「ウルトラマンネクサス・アンファンス」に変身。

 

カイトはマックススパークを掲げ、左腕に装着すると彼は最強最速の戦士、「ウルトラマンマックス」へと変身。

 

「メビウース!!」

 

光は左腕を構えるとそこに「メビウスブレス」という赤いブレスが出現し、左腕前に装備して中央にあるトラックボール型のクリスタルサークルに手をかざして回転させた後、左腕を掲げると赤いラインを走らせた銀色の身体、頭頂部とこめかみには後方に伸びるヒレ状の突起を持ち、胸にはひし形の『カラータイマー』が特徴的な戦士、光の国の勇者、「ウルトラマンメビウス」へと光は変身する。

 

「デュア!!」

 

ランは左腕のウルティメイトブレスレットからウルトラゼロアイを出現させ、それを目に装着すると彼は光に包まれて若き最強戦士「ウルトラマンゼロ」へと変身。

 

ビクトリーランサーをランサーモードにさせるとビクトリーのスパークドールズが現れ、それを掴み取って中央部分にリードさせると先端の矢尻部分が開きビクトリーの顔を象った彫刻が現れる。

 

『ウルトライブ! ウルトラマンビクトリー!』

 

するとビクトリーの姿がビクトリーランサーから飛び出し、零無が光に包まれるとその光はあるカラータイマーの中へと入り、零無は地底の守護者「ウルトラマンビクトリー」へと変身。

 

コウマはギンガスパークを取り出し、両端のブレード部分を展開すると先端からギンガの姿をしたソフビ人形のようなアイテム、スパークドールズを手に取り、コウマはスパークドールズを掴み取るとギンガスパークの先端にスパークドールズの足部分に押し当ててリードさせる。

 

『ウルトライブ! ウルトラマンギンガ!』

「ギンガアアアアアア!!!!」

 

そしてコウマは銀河の覇者「ウルトラマンギンガ」へと変身し、ギンガ、ビクトリー、ゼロ、メビウス、マックス、ネクサス、コスモス、ガイア、ダイナ、ティガが並び立つ。

 

そんなエクスドライブとなった響達と、10人揃ったウルトラマン達を映像越しに見つめ、エルフナインは呟く。

 

「これが、奇跡の・・・・・・形・・・・・・!」

 

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