戦姫絶唱シンフォギアGinga S&GX    作:ベンジャー

15 / 16
Final Eve 『みんなの未来』

ティガは両腕を腰の位置まで引き前方で交差させた後、左右に大きく広げて光を変換した破壊エネルギーを集約し、L字型に腕を組んで放つ必殺光線「ゼペリオン光線」をビクトルギエルへと放ち、同時に発射前にポーズを取り、エネルギーを溜めて放つ「強化ソルジェント光線」をダイナは発射し、ティガとダイナの合体光線「TDスペシャル」がビクトルギエルへと放たれる。

 

しかし、ビクトルギエルは胸部に出現させた「ビクトリウム・キャノン」から光線を放ち、互いに光線が激しくぶつかり合うが・・・・・・ティガとダイナのTDスペシャルはあっさりと押し返され、ギリギリでティガとダイナの2人は咄嗟に避けたもののその周囲は爆発の渦に巻き込まれ、ティガもダイナもその爆発の炎に巻き込まれる。

 

『『ウアアアア!!!!?』』

「ギイイイイアアアアアア!!!!」

 

ビクトルギエルは咆哮を上げながら倒れ込んだティガとダイナに向かって歩き出すが・・・・・・そこでコスモスが右腕を突き出してから放つ必殺光線「コスモストライク」をビクトルギエルに直撃させることに成功。

 

『やったか!?』

『あっ、バカ! その台詞を言うなよ!!』

 

ビクトリーがコスモス最強の必殺光線が直撃したことで、多少なりともダメージが入っているかと期待するが・・・・・・そこには平然と立っているビクトルギエルの姿があり、そのことにコスモスは驚愕した様子を見せる。

 

『ハアア、ダアアア!!!!』

 

すると今度は右足を赤熱化させて、急降下キックを放つ「スプリームキック」をガイアはビクトルギエルへと繰り出し、同時にギンガも槍型の武器「ギンガスパークランス」を構えてそれをビクトルギエルへと振りかざすが・・・・・・。

 

ビクトルギエルはギンガスパークランスを左手で、ガイアの足を右手で掴むことで2人の攻撃を阻止し、ガイアを地面に叩きつけ、ギンガスパークランスを奪い取るとそれを逆にギンガに振りかざしてギンガを斬りつける。

 

『ジュア!!?』

『グアア!!?』

 

ビクトルギエルはギンガスパークランスを投げ捨て、全身にある発光体から全方位に無数に発射するレーザー光線、「ダークルギエルビート」を放ち、自分の周囲にいるウルトラマン達に全員に光線を直撃させ、着実にダメージを与える。

 

『ウアアアアア!!!!?』

『10人がかりでそんなものか? ウルトラマン共!』

 

そこでなんとか立ち上がったメビウスが左腕のメビウスブレスから発生した炎のエネルギーを胸の部分に集中させて、巨大な火球を敵に放つ「メビュームバースト」をビクトルギエルに向かい放ち、直撃を受けたビクトルギエルは炎に包まれるが・・・・・・。

 

ビクトルギエルはそのままメビウスに突進し、それに驚いたメビウスは対応が遅れてしまい、ビクトルギエルの炎を纏った体当たりを喰らい、身体中から火花を散らして吹き飛ばされ、背中から地面に激突してしまう。

 

『ウアアアア!!!!?』

『フン』

 

その後は気合いでビクトルギエルは炎を消し飛ばし、そこで零無があらかじめコウマから受け取っていた「ハイパーゼットン イマーゴ」のスパークドールズをビクトリーランサーにリードさせ、ビクトリーは右腕がハイパーゼットンの右腕に変わる。

 

『ウルトランス! ハイパーゼットン! シザース!』

『喰らえ!!』

 

「ハイパーゼットンシザース」となった右腕をビクトルギエルの胸部に突き立てると、そこから超強力な火球を零距離で撃ち込み、ビクトルギエルの左上の胸部の装甲に僅かに傷を負わせることに成功。

 

しかし、すぐさまビクトルギエルはビクトリーの顔を殴りつけ、ビクトリーがそれによって前のめりに倒れ込むとすかさずビクトルギエルは容赦なくビクトリーを蹴り上げる。

 

『グアッ!?』

『ならこいつで!! シャイニングワイドゼロショット!!』

 

そこへ今度はゼロが左腕を伸ばした後、両腕をL字に組んで放つワイドゼロショットを強化した必殺光線「シャイニングワイドゼロショット」をビクトルギエルに放つが・・・・・・ビクトルギエルはそれを右の手の平で受け止める。

 

『なに!?』

 

そのことに驚いたゼロだったが、兎に角光線を撃ち続けてやろうとさらに威力を高めるのだが・・・・・・ビクトルギエルは平然として光線を受け止めたまま真っ直ぐゼロに向かって行き、一気に近寄ると近距離からのダークルギエルビートを全弾ゼロへと撃ち込み、攻撃を受けたゼロはその場に倒れ込んでしまう。

 

『ガアアアアア!!? グゥ・・・・・・!』

『ゼロ!!』

 

倒れ込んだゼロの元にギンガとビクトリーが駆け寄り、マックスは右腕に「マックスギャラクシー」を装備してそこから放つ最強の必殺光線「ギャラクシーカノン」をビクトルギエルに放ち、別方向からネクサスも両腕を広げてエネルギーを溜め、そのエネルギーを両腕を十字にクロスさせて発射する必殺光線「ネオクロスレイ・シュトローム」をビクトルギエルに向けて放つ。

 

だが、ビクトルギエルはダークルギエルビートとビクトリウム・キャノンを同時に発射し、ダークルギエルビートでネクサスの光線を相殺。

 

ビクトリウム・キャノンによる光線はマックスのギャラクシーカノンを押し返し、咄嗟にマックスは躱すものの・・・・・・その際、マックスギャラクシーにビクトリウム・キャノンによる光線の余波を受けてしまったせいか、中央のクリスタル部分が粉々に砕けてしまう。

 

『ぐっ!? マックスギャラクシーが・・・・・・!!』

 

ならばとネクサスは両腕の「アームドネクサス」から出現させた光の剣、「シュトロームツインソード」を構えてビクトルギエルに向かって駈け出して行き、それを振りかざすが、ビクトルギエルの装甲の硬さのせいでシュトロームツインソードはビクトルギエルを斬りつけた瞬間に折れてしまい、ネクサスは顔を掴まれてそのまま地面に叩きつけられてしまう。

 

『ウアアアア!!!!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

また、その光景を遠目に見ていた響達も、既にウルトラマン達全員のカラータイマーは激しく点滅していることからも、このままでは不味いと感じ始めていた。

 

「なんて野郎だよ、あれだけのウルトラマンを相手にして圧倒してやがる・・・・・・!」

 

しかも何人かは多少エネルギーを消費しているとはいえ強化形態や最強技を使用している。

 

にも関わらず、あの強さなのだから一体どんな化け物だとクリスは驚愕するしかなかった。

 

「でも、私達も、ウルトラマンの援護に行こう! 私達にも、きっとなにか出来ることがある筈だよ!」

「・・・・・・デスね。 一緒に戦うデス!」

「そうね、少しでも力になれるのなら!!」

 

響の言葉に翼、クリス、マリア、切歌、調の全員が頷き、響以外のメンバーはアーマー部分をパージして響の武器に変えた為、一度変身し直す必要がある。

 

なのでクリス達は一度変身を解除し、再びシンフォギアを纏うが・・・・・・。

 

「やっぱあたし等はエクスドライブじゃねえか・・・・・・」

 

当然ながらエクスドライブは一度使用すればそう簡単に使えるものではないので、エクスドライブが使えないことに嘆くクリス。

 

響もイグナイトモジュールを使用した為にエクスドライブが解除されてしまい、今は通常形態に戻ってしまっていた。

 

「キャロルちゃんはここにいて! 本部の人になんとか迎えに来て貰えるようになってるから!!」

「あんまり妙な真似すんじゃねえぞ?」

「・・・・・・」

 

それでも響達はギンガ達と共に戦おうとし、響とクリスはキャロルにそれだけを言い残すと一同はビクトルギエルへと向かって行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そうしてウルトラマン達の援護に駆けつけた響達。

 

彼女達はそれぞれ分断し、様々な方向から攻撃を行うことに。

 

先ず、翼は大型化させた大剣状のアームドギアを振るい、巨大な青いエネルギー刃を放ち標的を両断する「蒼ノ一線」を放ち、クリスはアームドギアとして携行型の2連装ガトリングガンを形成し、両手に構えた2丁4門による一斉掃射「BILLION MAIDEN」と背部に形成した固定式射出器に大型ミサイルを左右に各1基、計2基を連装して生成・射出する「MEGA DETH FUGA」を同時にビクトルギエルに向かって放つが・・・・・・。

 

翼の攻撃も、クリスの攻撃も顔にまともに当たったにも関わらず、ビクトルギエルは平然としており、それどころか一瞬翼達の方に視線を向けただけで特に興味を示さず、無視を決め込む始末。

 

「あの野郎ぉ!」

「我々のことなど眼中にないと言うのか・・・・・・!」

 

クリスも翼もそんなビクトルギエルの対応に苛立つが、そこへ今度はマリアがアームドギアである短剣を左腕部ユニットの肘部側から装甲内部に再び納刀するように接続し、左腕部ユニットが多数の光り輝くフィンを有する射撃形態へと変形させ、さらに掌部を変形させ形成した砲身から高出力のエネルギー光波を放つ「HORIZON†CANNON」をビクトルギエルの胸部のビクトリウム・キャノンを狙って撃つが・・・・・・。

 

ビクトルギエルは左手でそれを受け止めると、エネルギー光波を握り潰し、かき消してしまう。

 

「そんな・・・・・・!!」

『いや、だが・・・・・・! あの1番厄介な大砲をぶっ壊せば!!』

 

攻撃こそ阻止されたものの、マリアのビクトリウム・キャノンを狙った攻撃を見てビクトリーは何かを思いつき、そのことにガイアとコスモスも気付いたようで2人は左右からビクトルギエルの両腕を掴んで動きを封じる。

 

『今だ!! この大砲を・・・・・・!!』

 

ガイアがそこまで言いかけた時、ビクトルギエルはダークルギエルビートを空中へと放って雨のようにそれを降らせ、周囲のウルトラマン達や奏者達・・・・・・特に自分を拘束しているガイアとコスモスに光線が直撃し、2人は身体中から火花を散らし、その場に倒れ込んでしまった。

 

『わあああああああ!!!!?』

『『ウアアアアア!!!!?』』

 

倒れ込んだガイアとコスモスは基本形態であるV2、ルナモードへと戻ってしまい、2人の首を締め上げて持ち上げるとそのままっぽいと物を捨てるかのように投げ飛ばし、地面に激突するガイアとコスモス。

 

『ぐっ・・・・・・』

『あ・・・・・・がっ・・・・・・』

『ガイア!! コスモス!!』

「このおおおお!!!」

 

ビクトルギエルを睨み付けながら調はアームドギアのヨーヨーを合体・巨大化させた「β式 巨円断」をビクトルギエルに向かって投げつけるが、ビクトルギエルの頑丈な身体はそれも弾いてしまう。

 

続けざまに、鎌のアームドギアの刃を3枚に分裂させ、ブーメランのように飛ばして左右から挟撃する「切・呪リeッTぉ」を切歌がビクトルギエルに放つが、やはりこれもあっさりと弾かれる。

 

「全然効かないデスよ!」

「うおおおおお!!!」

 

そこへ今度は響がビクトルギエルの頭部に降り立つと、その頭部を殴りつけ、一度でダメなら何度でもと彼女は何度も何度も何度もビクトルギエルの頭部を殴りまくるが・・・・・・。

 

「ぐっ、あっ・・・・・・!」

 

逆に彼女の拳の方が限界に近づいてしまい、その手から血が滲み、響は苦痛に歪んだ顔を浮かべる。

 

『響! 離れろ!!』

『ゾフィーの力よ! M87光線!』

 

響はギンガに言われた通りその場から離れると、ギンガは右腕を伸ばして放つ必殺光線「M87光線」をビクトルギエルのビクトリウム・キャノンに向かって放つ。

 

それを見てビクトルギエルは流石にゾフィーのM87光線はマズいと判断したのか、ビクトルギエルは慌てて光線を避けようとする。

 

その結果、ビクトリウム・キャノンに直撃こそしなかったものの先ほどビクトリーがハイパーゼットンシザースで傷つけた左上の胸部辺りには直撃し、そこを貫いたのだ。

 

「ギイイイイアアアア!!?」

『よし、効いてる! あの大砲以外にも、あそこの傷口を的確に狙えば・・・・・・!』

 

ギンガはビクトルギエルの傷口を狙えば倒せるかもしれないと判断し、ギンガはビクトルギエルに向かって駈け出すが・・・・・・そこに、空から赤い光線が降り注ぎ、ギンガは吹き飛ばされてしまう。

 

『ウアアアア!!!!?』

 

ギンガに光線を撃ち込んだのはエタルガーであり、エタルガーは今までずっと時空城の最上階でビクトルギエルの戦いを見物していたのだが流石にビクトリウム・キャノンや傷口を狙われるのは厄介だと考え、そのフォローをしに現れたのだ。

 

『クソ、なんかさっきからいねーなとは思ってたが・・・・・・』

 

このタイミングでのエタルガーの参戦にゼロは毒づき、エタルガーは不敵な笑みを浮かべながらビクトルギエルの方へと顔を向ける。

 

『こうして会うのは初めてかな? ルギエル?』

『ほぅ。 貴様か。 我の復活を手助けし、このような強力な肉体を授けてくれた者は? フン、感謝するぞ』

『ならば借りを返して貰おう。 俺の目的は、ここにいるウルトラマン共の封印! ルギエル、お前の力を貸せ・・・・・・』

『・・・・・・良かろう』

 

ビクトルギエル・・・・・・ダークルギエルはエタルガーの申し出を快く受け入れ、ビクトルギエルはダークルギエルビート、エタルガーは全身から赤い光弾をティガ、ダイナ、ガイア、コスモス、ネクサス、マックス、メビウス、ゼロ、ギンガ、ビクトリーに喰らわせ、メビウス、ゼロ、ギンガは通常形態へと戻ってしまう。

 

『ウアアアアアア!!!!?』

『フハハハハ! さて、先ずはギンガとビクトリー・・・・・・お前達から封印してやろう』

 

エタルガーは右手を上空にかざすと時空城から2つの鏡が現れ、鏡から一筋の光を放ち、ギンガとビクトリーの2人を鏡の中に封印しようとする。

 

「コウマ!!」

「零無!! 逃げて!!」

 

クリスと切歌が叫び、そこへ痛みを堪え、咄嗟に起き上がったゼロがギンガとビクトリーの元に駆け出す。

 

『させるかよぉ!』

 

ゼロは鏡から放たれた2つの光をその身に受けると、ゼロは苦悶の声をあげる。

 

『むっ? まあいい。 そのまま貴様を封印してやる!』

 

ゼロがギンガとビクトリーを庇ったのは少し驚いたようだったが、エタルガーはこのまま封印を続行し、ゼロは2つの内、片方の鏡の中へと封印されてしまったのだ。

 

『『ゼロ!!』』

『ぐううう・・・・・・!!? 俺はまだ、お前達を信じてるぜ。 絶対に、諦めるんじゃねえぞ・・・・・・!』

 

エタルガーはそのままゼロを封印した鏡を時空城の中へと引っ込めると、次こそギンガとビクトリーを封印しようとエタルガーは狙いを2人に定める。

 

『みんな! 一度変身を解除するんだ!! ウルトラマンに変身してる状態じゃないと、奴は僕達を鏡の中に封印することはできない!!』

『クソ、やむを得ないか・・・・・・!』

 

既にエネルギーも尽きかけていることもあり、ティガが全員にここは一旦変身を解くように言い放ち、それぞれダイナ、ガイア、コスモス、ネクサス、マックス、メビウス、ギンガ、ビクトリーは言われた通り、変身を解除して人間の姿へと戻る。

 

変身を解除したコウマ達は急いで物陰に隠れ、エタルガーは「チッ」とギンガ達をミスミス取り逃がしてしまったことに舌打ちする。

 

『フン、時間が経てばいずれ奴等の方から再び我等の前に現れる筈だ』

『確かに・・・・・・。 それもそうか。 楽しみは後に取っておくとしよう。 それに、面倒な能力ばかり持つウルトラマンゼロも封印することができたしな・・・・・・。 今はそれだけで収穫としておくべきか』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソォ!! ゼロは、俺達を庇って・・・・・・!!」

 

物陰に隠れ、ビクトルギエルとエタルガーはその場を離れたのを確認すると、コウマは地面を殴りつけ・・・・・・唇を噛み締めた。

 

「ゼロが俺達を信じてくれたのに、俺達はゼロが与えてくれた力を使いこなすことが出来なかった・・・・・・! いや、でも・・・・・・力を使いこなすことが出来たとして、あんな奴等を2体も相手にして・・・・・・俺達は、本当に勝てるのか?」

 

コウマはこの場から去って行くビクトルギエルとエタルガーの背中を見つめながら、強大な力を持つ2人にゼロから託された力を使えたとしても、本当に勝つことができるのだろうか弱音を吐く。

 

「らしくないぞ、コウマ! そんな弱音を吐くなんて・・・・・・」

 

珍しく弱音を吐くコウマに対し、零無はコウマの肩に手を置くが、コウマはその手を払いのける。

 

「あれだけのウルトラマンがいても、ビクトルギエルにも勝てなかったんだぞ!! なのに、エタルガー共々倒すなんて、俺には出来るとは思えない・・・・・・!!」

 

10人のウルトラマン、それもゼロ、メビウス、ギンガ、ガイア、コスモスはエタルダミー等との戦いである程度消耗しているとはいえ強化形態だった。

 

そこにダイナ、ネクサス、マックス、ビクトリーが加わったにも関わらず、全員ビクトルギエル1体にさえ敵わなかったのに、エタルガーまでいるとなると、勝てる見込みが無いとコウマが思うのも無理はなく・・・・・・心が折れるのも当然と言えた。

 

しかし・・・・・・。

 

「おい」

「えっ? げふう!!?」

 

そこへいつの間にかやってきていたクリスの拳がコウマの右の頬にめり込むように放たれ、コウマは大きく吹き飛ばされて地面に倒れ込む。

 

「いってぇ・・・・・・!!? クリス!?」

 

さらに遅れて、響、翼、切歌、マリア、調もその場へとやってくる。

 

「さっきから何ウダウダ言ってやがる!! あたしの知ってる来元 コウマは!! こんなことで諦めるような男じゃねえ!!」

「クリス、だけど・・・・・・今回は、流石に・・・・・・」

「今回もクソもあるか!! あたしの知ってるお前は、コウマは・・・・・・どんな状況だろうが前しか見ねえ、振り向かねえ、ただひたすら真っ直ぐ前に突き進む奴だ!! あたしを救ってくれた、あたしが惚れたお前は・・・・・・そういう奴だろうが!!」

 

クリスは顔を俯かせるコウマに対し、怒濤の勢いで彼をもう1度奮い立たせようと言葉を紡ぐ。

 

「なあ、コウマ。 知ってるか? 限界を超えた時、初めて見えるものがあるんだ。 掴み取れる、力がな」

「アスカ・・・・・・さん」

 

そんな時、アスカがコウマの肩に手をポンッと置き、そう彼に語りかけながら笑みを浮かべる。

 

「君には、守るものがあるだろ? 沢山の仲間や、そして何よりも大切な人が・・・・・・」

 

アスカに続くように、ヒカルもコウマの声をかけ、それに続くようにツトム、ムサシ、ヒメヤ、カイト、光がそれぞれの言葉をコウマへとかけていく。

 

「君達はまだ戦える。 最後の力が枯れるまでここから一歩も下がったらダメなんだ」

「そうだ。 自分にだけは、決して負けたらダメなんだ」

「何度転んだとしても、また立ち上がれば良い」

「投げ出さないで、希望を掴み取ろう。 コウマ!」

「立ちはだかる闇なんて、越えてしまうんだ!」

 

ヒカル、アスカ、ツトム、ムサシ、ヒメヤ、カイト、光からの励ましの言葉を受け、そして最後にクリスがそっとコウマに向けて手を差し伸べる。

 

「みんなの帰る場所を、守るぞ」

 

それを受けて、コウマはここにいる自分以外のみんなは・・・・・・こんな状況だというのに未だに諦めてはいない、希望を捨ててはいないということを痛感する。

 

それなのに、自分だけが諦めムードを出して、情けないとコウマは嘲笑気味に笑ってしまう。

 

「・・・・・・ごめん、ちょっと疲れてたみたいだ。 クリス達がまだ諦めてないのに、先輩達がまだ諦めてないのに・・・・・・。 俺だけが諦める訳にはいかないよな!!」

 

そしてコウマはみんながまだ諦めていないのに、自分だけが諦めて、負けた気でいる場合ではないとクリスの手を取って立ち上がり、ヒカル達やクリス達の顔を見て、コウマは気合いを入れる。

 

「だけど、変身するだけのエネルギーがもう・・・・・・」

 

しかし既に、ヒカル達にはもう1度ウルトラマンに変身できるだけのエネルギーが殆ど残されていない。

 

コウマだけなら、他のウルトラマンや怪獣のスパークドールズを使うことで変身することが出来るが、流石にたった1人でビクトルギエルとエタルガーに挑むのは無謀過ぎる。

 

「それは、私に少しだけ考えがあるわ」

 

そこでマリアが作戦を立案し、彼女が立案した作戦はこうだ。

 

ビクトルギエルのビクトリウム・キャノンはシェパードンのスパークドールズが主なエネルギー源。

 

つまり、シェパードンを取り返しさえすればビクトルギエルはある程度弱体化する可能性が高い。

 

しかも本部にいる朔也とあおいオペレーターの2人に調べて貰ったところ、ビクトルギエルの身体はいわゆる「ロボット」であり、内部への侵入は可能ということだった。

 

なのでギンガとビクトリーが開けた左上の胸部に開けたビクトルギエルの穴から侵入し、そこからシェパードンのスパークドールズがあると思われる場所に向かい、それを取り返す・・・・・・というのがマリアの作戦だった。

 

「念のために、僕達に残った僅かなエネルギーを君たちに分け与えるよ。 そうすればまたギンガやビクトリーに変身できる筈だ」

「えっ、でも・・・・・・」

 

ヒカル、アスカ、ツトム、ムサシ、ヒメヤ、カイト、光はそれぞれスパークレンス、リーフラッシャー、エスプレンダー、コスモプラック、エボルトラスター、メビウスブレスを取り出すと、コウマと零無の返答を待たずに光のエネルギーを2人の持つギンガスパークとビクトリーランサーに分け与える。

 

「ゼロがお前達を信じたように、俺もお前達を信じる。 力の限り戦え! コウマ、零無!」

「勇気を抱きしめて、熱い鼓動を信じろ。 僕達は・・・・・・」

 

ヒカルが後ろを振り返るとそこには彼等を始末する目的でルギエルが寄越したのか、ゼットン星人ベルメ、ケムール人キューバ、スラン星人クワイラ、サーベル暴君 マグマ星人がチブロイド達を大量に引き連れてそこに現れたのだ。

 

『そうはさせないよ! 君たちの作戦、邪魔させて貰おう! 僕達、ダークルギエル特戦隊がね!!』

『リア充の臭いがプンプンするなぁ! ぶっ飛ばしてやる!!』

『早橋 カイトォ!! ウルトラマンマックス!! それに立花 響!! あの時の恨み、晴らしてやりますよ!!』

『俺、マグマ星人はG編の終盤で出てるから! なんでいんのみたいな感じみんなやめてね!?』

「・・・・・・クワイラ、あいつ生きてたのか」

 

あの時、確かにクワイラはマックスに倒されたが・・・・・・実はその時はクワイラはスパークドールズになっただけで生きており、いつの間にかエクセラーに回収されていたのだ。

 

それをルギエルが復活させ、今ベルメ達とこうして一緒に現れたという訳なのだ。

 

「ここは俺達が食い止める! コウマと零無は先に行け!!」

「立花達も来元達のサポートに行け! ここは私達も・・・・・・やるぞ、マリア!」

「えぇ!!」

 

アスカ、翼、マリアがこの場を任せるようにコウマ達に言うと、コウマと零無は「はい!!」と返事を返し、2人は響、クリス、切歌、調と共にビクトルギエルの方へと向かう。

 

挿入歌「月煌ノ剣」

 

翼は「歌」を口ずさみながら剣のアームドギアを振るってチブロイド達が撃ち込んでくる銃弾を切り裂きながらすれ違いざまにチブロイド達を切り裂く。

 

「オラァ!!」

 

アスカは殴りかかって来たチブロイドの拳を掴んで逆に殴り飛ばすが、そこへ2体のチブロイドがアスカの両腕を掴んで拘束し、動きを封じたところにベルメが拳を放って来るが、それを翼が跳び蹴りを喰らわせて吹き飛ばし、アスカを拘束していた2体のチブロイド達も切り伏せる。

 

「大丈夫ですか飛翔さん!?」

「飛翔さん・・・・・・ねぇ?」

 

アスカは自分のことを「飛翔さん」と呼ぶ翼に対し、どこか複雑な表情を見せるが、その時翼の後ろから飛びかかってきたチブロイド2体に気付いたアスカは咄嗟に翼の持つアームドギアを奪い取って2体のチブロイドを横一閃に切り裂いて破壊する。

 

「悪い、ちょっと借りた」

「問題ありません」

 

一方、ヒカルと光は2人同時に跳び蹴りをキューバに叩き込み、蹴り飛ばされたキューバは地面を転がるがすぐさま起き上がり、キューバは頭の触覚から放つ液体を光とヒカルにかけようとするが2人は左右に躱し、光はメビウスブレスを出現させ、そこに手を添えた後、右手を突き出して放つ光刃「メビュームスラッシュ」を放ち、キューバの触覚を切断する。

 

「ぎゃあああ!!?」

「今です! ヒカルさん!!」

「あぁ!」

 

そこから「ガッツブラスター」という銃を構え、ヒカルはガッツブラスターからレーザー光線を発射し、キューバに直撃させる。

 

「ぐあああ!!?」

 

キューバを撃退した光とヒカルは「よし!」とお互いにハイタッチし、そこでふっと光が少しだけ気になったことを呟く。

 

「それにしても、僕達・・・・・・名前、似てますね」

「光くん、今それ気にするところじゃ・・・・・・でもまぁ、似てるよね。 一人称も一緒だし」

 

クワイラは高速移動能力で一気にカイトに詰めよって彼を殴り飛ばした後、そのまま両腕から放つ光弾をカイトに放つが、そこへ駆けつけたマリアが短剣のアームドギアを振るって攻撃を防ぐ。

 

『チィ、邪魔をするな!』

 

クワイラは再び高速で動き回ることでマリアとカイトを翻弄しようとするが、マリアは短剣のアームドギアを繋ぎ合わせて鞭状にすると、それを横一閃に振るうことでクワイラの身体を斬りつけ、クワイラは片膝を突く。

 

『ぐああ!!?』

「おりゃああ!!」

 

そこへすかさずカイトの拳がクワイラの胸部に叩き込まれ、吹き飛ばされてクワイラは壁に激しく激突する。

 

『があああ!!?』

 

マグマ星人は右腕に装着した「マグマサーベル」でムサシを刺し貫こうとするが、ムサシはサーベルを掴みあげて、マグマ星人は逆に胸部を殴りつけられる。

 

『うおっ!?』

「これでも、喰らえ!!」

 

そこへ駆け出して来たツトムのラリアットがマグマ星人に炸裂し、ヒメヤの持つ「ブラストショット」という銃から放たれる光弾を撃ち込まれ、マグマ星人は大きく吹き飛ばされるのだった。

 

『うぐああああ!!!?』

 

 

 

 

 

 

 

『我はこの地に、永遠の静寂をもたらす。 生きとし生ける者、この星に息づく命の全て・・・・・・スパークドールズにして時間を止めてやろう』

「そうはさせるかよ」

 

そこへ歩くビクトルギエルとエタルガーの元に、物陰に隠れながらその場にコウマ達が駆けつけ、コウマは視線を響と調に向けると彼女等はビクトルギエルとエタルガーに攻撃を加えていく。

 

「ルギエル!! エタルガー!! これ以上は進ませない!」

『チッ、また来たのか虫けらめが・・・・・・』

『捨て置けば良い。 気にするだけ無駄だ』

 

エタルガーはウルトラマンがいなくてもたった2人だけで自分達に挑もうとしてくる響と調に苛立ちを覚えるが、ルギエルに論されたことでエタルガーは「それもそうだな」と返し、エタルガーもビクトルギエルも彼女を無視してまだ人々のいる市街地に向かおうとする。

 

「これ以上は行かせない!!」

 

それにすかさず高く跳び上がった響の蹴りがビクトルギエルの頭部に叩き込まれるが、やはりビクトルギエルは気にもとめない。

 

それでも例え攻撃が効かなくとも、響と調はエタルガーやビクトルギエルの周囲を走り回りながら攻撃を続け、少しずつではあるがエタルガーとビクトルギエルの2体を苛つかせて行く2人。

 

『流石に鬱陶しいぞ、貴様』

 

ビクトルギエルは響と調を振り払おうと軽く足を振るって彼女等を蹴り飛ばそうとするが、響と調はそれを躱し、両手をパンパン叩いてビクトルギエルを煽る。

 

「全然当たらないよぉ〜! ほらほら私はこっちだよ〜?」

「鬼さんこちら。 手の鳴る方へ」

『っ』

 

ビクトルギエルはそれに若干イラついたようだったが、やはり相手にするだけ無駄だと分かっているので無視を決め込むが・・・・・・ビクトルギエルの注意が僅かに響と調に逸れた瞬間・・・・・・。

 

エタルガーの目を盗みつつ、クリスと切歌がコウマと零無に脇に抱えてジャンプしてギンガとビクトリーの攻撃で開いたビクトルギエルの胸部の傷口から4人はこっそりと侵入し、ビクトルギエルの内部に入り込むことに成功。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビクトルギエルのコックピット内。

 

『フン、成程、あの小娘共は陽動か』

「そういうこったなぁ!」

 

コックピット内にいるルギエルは背後に気配を感じて振り返るとそこにはは響と調が囮になってくれたおかげで無事にビクトルギエルの内部に侵入することができたコウマ、零無、クリス、切歌が立っており、クリスは「アイツ等に釣られてくれてありがとよ」と不敵な笑みを浮かべる。

 

「シェパードンは返して貰うぞ!!」

『貴様等がここに乗り込んでくることなど、最初から想定済みだ』

 

零無はコックピットの奥の方にあるケースに入れられたシェパードンのスパークドールズを見つけると、それをすぐさま取り戻そうと彼はシェパードンに手を伸ばして駆け出すがルギエルはそうはさせまいと赤い電撃を放って零無を吹き飛ばす。

 

「ぐあああ!!?」

「零無!!」

 

床に倒れた零無にルギエルはさらに電撃を放つが、それは切歌が手に持った鎌のアームドギアでそれを受け止めるが、アームドギアはあっさりと砕かれ、切歌はルギエルの電撃を喰らい、悲鳴をあげて両膝を突く。

 

「うあああああ!!!?」

「切歌!!」

「おい!? よくも!!」

 

クリスもガトリング砲のアームドギアを構えて銃弾を撃ち込むが、その攻撃はルギエルの身体をすり抜けてしまい、それに驚愕する一同。

 

「こいつ、ホログラム!?」

「でも、零無と切歌にさっき攻撃が当たって・・・・・・」

 

そう、ここにいるルギエルはホログラムにすぎない。

 

そのため、このルギエルに対して物理的なダメージを与えることはできない。

 

しかし、ルギエルの攻撃自体はなぜか自分達に当たるのだ。

 

「クソ、チートじゃねえか・・・・・・!!」

 

自分は攻撃を一切受けず、逆に自分は攻撃し放題という状況・・・・・・そのことにコウマは悪態を尽くが、ルギエルはそんなコウマ達を待たず両腕から出す赤い電撃でコウマ達を拘束して宙に浮かせるとそのまま勢いよく床に叩きつける。

 

『ぐああああ!!!?』

『もう諦めろ。 ここまで乗り込んだことは褒めてやるが、貴様等に勝ち目はない。 エタルガーも、我も、倒すことなど不可能だ・・・・・・。 我がいれば、この世の全ての生命は憎しみも、悲しみも、怒りもなく・・・・・・苦しむこともなく、ただ幸福の中で生き続けられる。 私はただ、全ての生命にそうした『永遠の命』を与えたいだけなのだ』

 

ルギエルはそう言ってコウマ達に諦めるように呼びかけるが・・・・・・コウマ達は決して諦めようとはしない。

 

むしろ、逆にルギエルの言葉を受けて闘志がさらに燃え、コウマも零無も、クリス達も強く、強くルギエルを睨み付ける。

 

「そんなの幸福じゃねえ! 命ってのは、変化しながら続いていく。 それが命だ!」

『いいや、変化など必要ない。 全てが幸福の中で停止することが生命全ての幸せなのだ!』

 

クリスは永遠の命を全ての生命に与えたいと語るルギエルに対して、そう言葉を返すが・・・・・・ルギエルはそれを否定し、自分の考えを押し通そうとする。

 

「命のサイクルっていうのは、停止したりなんかしないんデス!」

「1つの命が、次の命に続いて行くんだ!」

 

そこで今度は切歌とコウマがそう言い放つが、それでもルギエルの心には何も響かず、ルギエルは「フン」と鼻で笑って一蹴。

 

『どちらにせよ、貴様等にもう打つ手は・・・・・・』

「ここにある!!」

『なに!? ぬおおっ!?』

 

そこへ遅れてビクトルギエルの内部に侵入してきた響と調が現れ、響はルギエルの足下を殴りつけて砂煙を上げさせ、ルギエルの視界を塞ぐ。

 

『チッ、奴等に気を取られすぎたか!』

 

その際にコウマ達の拘束も思わず解いてしまい、切歌が素早く移動してシェパードンが閉じ込められたケースのある場所へと行くとケースからシェパードンを取り出し、それを零無に投げ渡す。

 

「零無!!」

「サンキュー、切歌!」

『貴様等!!』

 

ルギエルは煙を払いのけて電撃を放つが、調はツインテールに装着されたユニット部分を巨大な鋸状に変形させるとそれを盾にして電撃を防ぎきり、調の後ろから飛び出したクリスが足下に銃弾を撃ち込んで再び砂煙をあげさせてルギエルの視界を再び塞ぐとクリスはコウマ、切歌は零無を担いで響、調と共にビクトルギエルの傷口から脱出する。

 

『しまった!!』

『んっ? ようやくまた喋り出したか。 一体先ほどから突っ立ったまま、どうしたのだルギエル?』

 

どうやら、コウマ達と話している間、ビクトルギエルは動きを停止していたようで、エタルガーが声をかけても反応しなかった為、ようやく再び動き出したビクトルギエルに一体何があったのかと尋ねる。

 

『奴等にシェパードンとやらのスパークドールズを取り返された』

『なにぃ!?』

『だが、威力は下がるがビクトリウム・キャノンはチブルの集めたビクトリウム鉱石のエネルギーを使えばあと数回は撃つことができる。 今度こそ奴等に完全にトドメを刺し、再びあのスパークドールズを奪い、我の目的を達成させる・・・・・・!』

 

シェパードンを失った為、多少の威力は落ち、ビクトリウム・キャノンは無限に撃つことが出来なくなったもののあと何回かは使用できるということで未だに余裕の態度を見せるルギエル。

 

そんなルギエルにエタルガーは同意するように頷き、「奴等を倒し、もう1度シェパードンを奪うぞ」と言うと、ビクトルギエルも同じようにエタルガーに頷き返すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

地面に着地し、クリスと切歌がそれぞれコウマと零無を降ろすと、コウマと零無はそれぞれギンガスパークとビクトリーランサーを構える。

 

「行くぞ、零無!!」

「あぁ、最後の戦いだ!!」

 

そして、コウマと零無はそれぞれ手に持ったギンガスパークとビクトリーランサーを掲げ、2人は光に包まれ、コウマは「ウルトラマンギンガ」、零無は「ウルトラマンビクトリー」へと変身する。

 

『ウルトライブ! ウルトラマンギンガ!』

『ウルトライブ! ウルトラマンビクトリー!』

 

ギンガとビクトリーが現れ、クリスと切歌は2人のウルトラマンをジッと見つめながら・・・・・・「頑張れ」と小さく呟く。

 

『俺達は成長する!』

『昨日までの自分を・・・・・・!!』

『『越えて行く!!』』

 

ギンガとビクトリーはビクトルギエルとエタルガーにそう言い放ち、インナースペース内のコウマはストリウムブレスを取り外して代わりに「ウルトラフュージョンブレス」を装着する。

 

『ゼロが何か力を貴様等に託したようだが、その力、貴様等に使いこなせるのか? 先ほどまでは使えなかったんだろう?』

『あぁ、確かに使えなかった。 それは俺達自身が、心のどこかで『この力は使いこなせないって』思っていて、自分を信じられていなかったからだ。 でも、今は違う!! 先輩達が、仲間が、大切な人が・・・・・・これだけ多くの人が、俺達のことを信じてくれた!!』

『だから、だから俺達も俺達自身を信じる!! みんなが託してくれたものを受け取って!! 心を1つにして、お互いを信じお前達に立ち向かう!!』

 

ギンガとビクトリーがそう言い放つと、インナースペース内のコウマはフュージョンブレス、零無はビクトリーランサーを構える。

 

『『見せてやるぜ、俺達の絆!!』』

 

するとコウマと零無のインナースペースが繋がり、コウマがブレスのレリーフを左に傾けた後、空中でジャンプして一回転し、フュージョンブレスにあるライブサインを零無がビクトリーランサーでリードさせる。

 

『『ウルトラタッチ!!』』

 

すると、ギンガとビクトリーの2人が眩い光に包まれる。

 

『ギンガアアアア!!!!』

『ビクトリイイイイ!!!!』

『『ギンガビクトリー!!!!』』

 

そうして光が収まると、そこにはギンガとビクトリー、2人の特徴を併せ持った1人の巨人・・・・・・「ウルトラマンギンガビクトリー」が大地に降り立ったのだった。

 

『その姿は・・・・・・!?』

 

挿入歌「ウルトラマンギンガの歌 2015」

 

「あれが・・・・・・」

「おおおお!! かっこいい〜!!」

 

響達はギンガビクトリーの姿に興奮し、ビクトルギエルとエタルガーもギンガビクトリーの姿に驚愕していた。

 

しかし、それでも臆せずビクトルギエルは身体中から放つ光線「ダークルギエルビート」を放ち、同じくエタルガーも全身から放つ赤い光線をギンガビクトリーに放つ。

 

だが、ギンガビクトリーは全く怯まず、真っ直ぐビクトルギエルとエタルガーに向かって歩いて来る。

 

『ぐっ! おのれぇ!!』

 

エタルガーはギンガビクトリーに向かって駈け出して行き、殴りかかって来るがギンガビクトリーはその腕を掴んで押し返すとそのまま何発も拳をエタルガーの胸部に連続で叩き込んでいく。

 

『ぬがああ!!?』

『ショウラ!!』

 

最後に強烈な一発をギンガビクトリーはエタルガーの顔面に喰らわせ、エタルガーの仮面を叩き割り、エタルガーはその黄金の髑髏ともいうべき醜く恐ろしげな素顔を晒す。

 

『よくも俺の仮面を・・・・・・!!』

 

そこで頭部のモノアイから発射される赤黒い電撃をビクトルギエルが放ち、直撃を受けたギンガビクトリーは吹き飛ばされるが、すぐさま起き上がって見せる。

 

すると今度はビクトルギエルとエタルガーが同時にギンガビクトリーに向かって行き、エタルガーは蹴りをギンガビクトリーに繰り出すがギンガビクトリーはそれを受け流し、膝蹴りをビクトルギエルに決める。

 

『ヘアッ!!』

 

だがそれと同時にビクトルギエルの振るった爪がギンガビクトリーの胸部を斬りつけ、僅かにたじろいたところを狙い、近距離から放つダークルギエルビートを撃ち込んでギンガビクトリーを大きく怯ませることに成功。

 

『ウアッ!?』

 

さらにギンガビクトリーの腹部にエタルガーの拳が叩き込まれ、エタルガーはギンガビクトリーの顔にも拳を叩き込もうとするが、ギンガビクトリーはすぐさま後退して距離を取る。

 

そこからコウマはレリーフ下のディスクを回転させ、スイッチを押して「ウルトラマンコスモス」の力を発動させる。

 

『『ウルトラマンコスモスの力よ! ハア!!』』

 

コスモス・エクリプスモードの幻影がギンガビクトリーと重なると、ギンガビクトリーは両腕をクロスして溜めた宇宙エネルギーを右腕から放つ必殺光線「コズミューム光線」をビクトルギエルに向かってつ。

 

『『コズミューム光線!!!!』』

 

同時に、エネルギーをチャージしてビクトルギエルは胸部のビクトリウム・キャノンから破壊光線を発射。

 

両者の光線は激しく激突するが・・・・・・。

 

『『ハアアアアア!!!!!』』

 

気合いを入れてさらに威力を高めたギンガビクトリーのコズミューム光線に押し返され、ビクトリウム・キャノンによる光線を押し返し、胸部のビクトリウム・キャノンをそのまま破壊することに成功。

 

『ぬああああ!!!!?』

『ビクトリウム・キャノンが・・・・・・!』

 

さらにそこからインナースペース内の零無はビクトリーランサーにシェパードンのクリスタルスパークドールズをリードさせる。

 

『ウルトランス! シェパードン! セイバー!!』

『行くぞシェパードン!!』

 

シェパードンの力を宿した聖剣、「シェパードンセイバー」を取り出すと、ギンガビクトリーをそれを構えてエタルガーに向かって駈け出し、相手をV字に切り裂く「シェパードンセイバーフラッシュ」を繰り出し、エタルガーを切り刻む。

 

『がああああああ!!!!?』

 

そこでビクトルギエルがギンガビクトリーにダークルギエルビートを放って来るが、ギンガビクトリーは空中に飛んで攻撃を躱し・・・・・・。

 

超高速で敵に突撃して体当たりを食らわせ粉砕する「ギンガビクトリーブレイカー」でビクトルギエルを突き飛ばす。

 

『シュアアア!!!!』

『ぐあああああ!!!!?』

 

そこへエタルガーが一瞬の隙を突いてギンガビクトリーを後ろから羽交い締めし、動きを封じるとエタルガーはビクトルギエルに今の内に攻撃するように言い、ビクトルギエルは起き上がって拘束されたギンガビクトリーを何度も殴りつける。

 

『グウウ!!?』

 

だが、ギンガビクトリーは足を振り上げてビクトルギエルを蹴りつけて引き離すと後頭部による頭突きをエタルガーに喰らわせ、エタルガーの拘束を解くことに成功。

 

『ぬあ!?』

『ウルトランス! EXレッドキング! ナックル!』

 

ギンガビクトリーの右腕が巨大な拳「EXレッドキング・ナックル」となると炎を纏った拳を振り返りざまにエタルガーの顔面に喰らわせ、殴り飛ばす。

 

『がああ!!?』

 

さらにコウマはフュージョンブレスのディスクを回転させ、スイッチを押して今度は「ウルトラマンマックス」の力を発動させる。

 

『『ウルトラマンマックスの力よ! マクシウムカノン!!』』

 

マックスの幻影がギンガビクトリーと重なると、ギンガビクトリーは左腕を掲げてエネルギーを溜めた後、腕を逆L字に組んで放つ必殺光線「マクシウムカノン」をエタルガーに撃ち込み、それを受けたエタルガーは身体中から火花を散らす。

 

『ぐあああああ!!!!?』

 

ビクトルギエルはギンガビクトリーの背後からモノアイから放つ電撃を撃ち込んでくるが、ギンガビクトリーはそれをジャンプして躱し、ビクトルギエルの背後に回り込む。

 

『貴様等ぁ・・・・・・!!』

『エタルガー!! お前の最も恐れているものを当ててやる!』

『なに・・・・・・?』

『それは俺達人間と、ウルトラマンの絆だ!!』

 

コウマにそう言い放たれ、エタルガーは「黙れぇ!!」と怒り狂ったかのように叫び、ギンガビクトリーに殴りかかって来るが、ギンガビクトリーはその拳を受け止め弾くと膝蹴りをエタルガーに喰らわせ、エタルガーはビクトルギエルの足下まで倒れ込む。

 

『ぐおっ!?』

『ルギエル!! スパークドールズに閉じ込めるだけが永遠じゃない! 未来に受け継がれていくのが、永遠の命だ!!』

 

コウマと零無はお互いに顔を見合わせ、頷き合う。

 

『これで決めるぞ、コウマ!』

『あぁ! 受けてみろ! エタルガー!! ルギエル!!』

 

そしてコウマはフュージョンブレスのディスクを回転させ、スイッチを押し、再びディスクを回転させる。

 

『『これが、人間とウルトラマンの力だ!!!!』』

 

するとティガ、ダイナ、ガイア、コスモス、ネクサス、マックス、メビウス、ゼロの幻影がギンガビクトリーと重なるとウルトラ10勇士全員の力を一つにして十字に腕を組んで放つ超絶必殺光線「ウルトラフュージョンシュート」をこちらに向かって走ってくるエタルガーとビクトルギエルに向かって放つ。

 

『『ウルトラシュージョンシュートォ!!!!』』

 

エタルガーとビクトルギエルはウルトラフュージョンシュートの直撃を受け、それでも前進しようと前に進んでくるが・・・・・・。

 

『『うおおおおおおお!!!!!!』』

 

ギンガビクトリーはさらに光線の威力を高め、ウルトラフュージョンシュートはビクトルギエルとエタルガーの2体を飲み込むと遂に2体は耐えきることが出来ず、大爆発を起こすのだった。

 

『うあああああああ!!!!?』

『永遠の、命の力・・・・・・バカなぁ・・・・・・!!!!!?』

 

そして・・・・・・エタルガーが倒されたことにより、鏡に封印されていたゼロも解放され、ゼロはフラつきながらも、ギンガビクトリーの元へとやってくる。

 

『コウマ、零無・・・・・・やったな』

『ゼロ・・・・・・あぁ!』

『勝ったぜ、俺達!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『命に限りがあるからこそ、皆は終わりを恐れ、もがき苦しみ悲しみや過ちが生まれてしまう』』

『ならば、新たな過ちが起きぬよう幸福の中で全ての時を停止させればよい・・・・・・。 それが、決して終わることのない永遠の命だ』

『悲しみや、過ちが起きたとしても、それを乗り越えよりよい未来を次の世代を受け継いで行く。 それこそが、決して終わることのない永遠の命なんだ』

 

ギンガから見ればそれは遠い遠い昔のこと・・・・・・。

 

『永遠の命を信じた私。 それを信じられなかったルギエル。 そこが分かれ道だったんだ』

 

ギンガの作り出した異空間で、ギンガはかつてルギエルと自分が決別した道を進んだことをコウマに伝え、それを受けコウマはギンガとルギエルが元々は1つの存在であったことを理解した。

 

「アンタとルギエルは、元々1つの存在だったんだな」

『光が強ければ、影も濃くなる。 そういう意味で、私とルギエルは1つだったんだ』

 

その時、突然コウマの持っていたストリウムブレスが眩く輝きだすと、ストリウムブレスはタロウの姿へと変わる。

 

『コウマ、君が呼べば私は何時でも駆けつける』

「そっか。 タロウとはここでお別れか・・・・・・ありがとう、タロウ!」

『うむ』

 

タロウはコウマに対して頷くと、タロウは空へと飛び立ち、光の国へと戻っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、エネルギーを回復させたティガ・マルチ、ダイナ・フラッシュ、ガイアV2、コスモス・コロナ、ネクサス・ジュネッスシルバー、マックス、メビウス、ゼロは後始末として空中に残っていた時空城を囲んでおり、それぞれ身体を黄金に輝かせると彼等は「クロスオーバーフォーメーション」と呼ばれる技を発動させる。

 

『ゼペリオン光線!!』

『ソルジェント光線!!』

『クァンタムストリーム!!』

『ブレージングウェーブ!!』

『ネオクロスレイ・シュトローム!!』

『マクシウムカノン!!』

『メビュームシュート!!』

『ワイドゼロショット!!』

 

8大ウルトラマンの必殺光線を受けて、時空城を粉々に破壊。

 

「ありがとう、先輩達!」

 

またその光景を見ていたコウマ、零無、響、翼、クリス、マリア、切歌、調の8人は力を貸してくれたゼロ達にお礼を言い、ゼロ達は彼等の元に降り立つ。

 

『さてと、後始末も済んだし・・・・・・俺達はそろそろ行くぜ?』

「えっ? もう行ってしまうのゼロ?」

『この地球での俺の役目は終わったからな』

 

マリアの問いかけに、ゼロはそう応え、ゼロは視線をコウマと零無に向ける。

 

『コウマ、零無! 忘れんなよ。 俺との特訓の成果!』

「あぁ」

「勿論だ」

 

するとマックスは自身のパワータイマーに右手を添え、それを地上に向けるとそこから光が放たれ、光はカイトの姿となって現れる。

 

そう、マックスはカイトと分離したのだ。

 

「マックス・・・・・・君も、行くんだな」

『君の肉体は、完全に回復した。 私も、この地球での役目は終わった。 今までありがとう』

「こちらこそ、ありがとう。 マックス」

『地球の未来は、君たち自身の手で掴んでくれ。 お別れだ』

 

マックスの言葉に、カイトは泣きそうになるのをグッと堪えながらこくりと頷き、そして・・・・・・。

 

ゼロ達は空へと飛び立ち、この地球を飛び去って行く。

 

「ゼロー!! みんなー!! ありがとー!!」

 

そんな去って行くゼロ達を、コウマ達は手を振りながら見送るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全ての戦いを終えたコウマ達。

 

しかし、あの戦いの後、キャロルはどこかへと行ってしまい行方不明となっていたのだ。

 

『すでに決着から72時間経過しています。 これ以上の捜索は・・・・・・』

 

緒川を始めとしたS.O.N.G.の懸命な捜索も空しく、遂にはキャロルを見つけ出すことは出来ず、その報告を受け、弦十郎は「分かった。 捜索を打ち切ってくれ」と司令室から指示を送るのだった。

 

「保護された響ちゃんが無事だったことから生存していると考えられますが・・・・・・」

 

あおいは響が無事だったことから、キャロルも無事である可能性が十分に高いと考えられ、ならばどこにと彼女は頭を悩ませる。

 

「気がかりなのは、キャロルの行方ばかりではありません・・・・・・」

 

それに朔也の言うように気がかりなのはキャロルだけではなく、もう1つ・・・・・・。

 

それは怪我をして、未だにベッドで寝たきりのエルフナインのこと・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな病室で横たわるエルフナインの元に、コウマ、零無、カイト、響、翼、クリス、マリア、切歌、調、未来の10人が彼女のお見舞いに訪れていたのだ。

 

「来てくれて嬉しいです。 毎日すみません・・・・・・」

「謝罪なんて水くさいこと言うなよ、エルフナイン」

 

謝るエルフナインに対し、カイトは笑って気にしなくて良いと言い、「それに夏休みに入ったから大丈夫!」と未来もエルフナインに声をかける。

 

「夏休み・・・・・・?」

「楽しいんだって! 夏休み!」

「あたし達も初めてデス!」

 

調や切歌は初めて自分達が迎える夏休みにとても興奮したようで、響は夏休みがどういったものなのかをエルフナインに教えて行く。

 

「早起きしなくていいし、夜更かしもし放題なんだよ!」

「それ何時ものお前だけじゃねえ?」

「だね、それ響のライフスタイル・・・・・・」

 

コウマと未来は苦笑しながらそれ何時も通りの響なのではとツッコミを入れ、クリスからは呆れられたように「あんま変なこと吹き込むんじゃねーぞ?」と釘を刺される。

 

「夏休みはねぇ? 商店街もお祭りがあるんだ! 焼きそば、綿飴、たこ焼き、焼きイカ! ここだけの話、盛り上がってくるとマリアさんのギアから盆踊りの曲が流れるんだよ!」

「えっ、アガートラームにそんな機能あったの!?」

「ホントですか・・・・・・?」

 

零無とエルフナインは響の言うことを間に受け、マリアに視線を移して真意を確認するが、マリアから当然「ホントな訳ないでしょ!?」という返答が返って来る。

 

「大体そういうのは翼のギアの方がお似合いよ!」

 

マリアがエルフナインにそう言うと、みんなの頭の中でシンフォギアを纏って太古を叩いている翼のイメージが浮かび、その違和感の無さから一同は思わず笑ってしまう。

 

「あははは! 確かに違和感ない!」

「なるほどなるほど、皆が天羽々斬についてどう認識しているかよーく分かった」

 

ただ、当の本人である翼だけは怪訝な顔を浮かべて不機嫌そうではあったが。

 

「僕にもまだ知らないことが沢山あるんですね・・・・・・。 世界や、皆さんについてもっと知ることが出来たら、今よりずっと仲良くなれますでしょうか・・・・・・」

「・・・・・・なれるよ!」

 

そう呟くエルフナインの手を、響がギュッと握りしめる。

 

「だから早く元気にならなくちゃ! ねっ?」

 

響はエルフナインに笑顔を向けながらそう言い放ち、エルフナインもそれに釣られるように笑みを浮かべるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから見舞いを終わらせ、エルフナインの病室から出る一同。

 

「あー、私、ちょっとトイレに!」

 

その時、響がコウマ達にトイレに行くことを伝え、翼やクリスはそんな響に何か察したようで翼は「そうか」とだけ呟き、言葉を返す。

 

それを受け、響は舌をペロッと出した後、トイレへと向かって行き、クリスはみんなに「行くぞ」と声をかける。

 

「えっ? 戻ってくるの、待たないんデスか?」

「良いのよ」

 

切歌は何がなんだかよく分からず、困惑していたがクリスが切歌と調の腕を引いて彼女達はその場から立ち去り、カイトは「本当に大丈夫なのかな?」と響を心配するが・・・・・・。

 

「まぁ、取り合えず、こういう時いの一番に響のとこに向かう奴に任せておけば良い」

 

響と付き合いの長いコウマはこういう時、どうすれば良いのかを分かっている為、敢えて自分達は何もしないことを決め込むのが最善だとカイトに教える。

 

ただ1人を除いて・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、トイレの手洗い場で響は肩を震わせ、彼女はそこで涙を流していたのだ。

 

彼女が泣いている理由はただ1つ、それはエルフナインの命がもう長くないことを知っていたから。

 

「うぅ、ぐっす・・・・・・うっ・・・・・・」

 

そんな泣きじゃくる彼女の元に、彼女を追いかけて来た未来が現れる。

 

「・・・・・・ごめん、私が泣いてたら元気になる筈のエルフナインちゃんも、元気になれないよね・・・・・・? 世の中、拳でどうにかなることって、簡単な問題ばかりだ。 自分に出来るのが些細なことばかりで、ホントに悔しい・・・・・・」

 

拳を握りしめ、嗚咽混じりに語る響に「そうかもしれない」と声をかけつつ、未来は響の手を握りしめる。

 

「だけどね? 響が正しいと思って握った拳は、特別だよ?」

「特別・・・・・・?」

「世界で1番優しい拳だもの。 いつかきっと、嫌なことを全部解決してくれるんだから」

「未来・・・・・・」

 

目尻に涙を浮かべたまま、響は未来へと抱きつく。

 

「うぅ、ありがとう、やっぱり未来は・・・・・・私の陽だまりだ」

 

そんな響に、未来も優しく彼女を抱きしめるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜のこと。

 

エルフナインの病室にて・・・・・・。

 

エルフナインは荒い呼吸をしつつも今は眠りについているところだった。

 

そんな時、不意に病室の扉が開き、彼女の元に1人の少女・・・・・・行方不明となっていたキャロルが現れる。

 

そしてエルフナインはキャロルの気配に気付き、目を覚ますと目の前にキャロルがいることにエルフナインは驚く。

 

「キャロル・・・・・・?」

「・・・・・・キャロル? それが、俺の名前・・・・・・」

「記憶障害・・・・・・。 思い出の殆どを焼却したばっかりに・・・・・・」

 

思い出を全て力と変えて焼却したキャロルは、エルフナインの言うように記憶障害を起こしており、そんなキャロルに、エルフナインは悲しげな視線を向ける。

 

「すべてが断片的で、霞がかったように輪郭が定まらない。 俺は、一体何者なのだ? 目を閉じると瞼に浮かぶお前なら俺のことを知っていると思いここに来た」

「君は、もう1人の僕・・・・・・」

「俺は、もう1人のお前・・・・・・?」

「えぇ。 2人でパパの残した言葉を追いかけて来たんです」

 

自分の傍に寄って来たキャロルに、エルフナインは彼女が知りたがっているであろうことを教え、父のことを教えるとキャロルはそれに強く反応した。

 

「っ、パパの言葉・・・・・・。 そんな大切なことも俺は忘れて・・・・・・。 教えてくれ! こうしている間にも俺は、どんどん・・・・・・!」

 

キャロルはエルフナインに父の言葉はなんだったのか、教えてくれと懇願するが、その時、エルフナインは右手で口元を押さえ込み、激しく苦しそうに咳き込んでしまう。

 

「お前・・・・・・!」

 

咳が治まり、口を押さえていた自分の右手を見るとそこには口から吐き出された血がついており、キャロルはそんなエルフナインを心配そうに見つめる。

 

「順を追うとね、一言で伝えられないです。 僕の身体は、こんなんだから・・・・・・」

 

エルフナインは申し訳無さそうな表情をキャロルを見つめ、キャロルは彼女も命が尽き、消えかけているのだと理解し、キャロルもまたエルフナインを心配そうに見つめる。

 

「俺だけじゃなく、お前も消えかけているんだな・・・・・・」

「うん。 世界を守れるなら、消えても良いと思ってた。 でも・・・・・・」

 

その時、エルフナインはその瞳から悲しげに涙を流す。

 

「今はここから消えたくありません・・・・・・!」

「ならば、もう1度2人で・・・・・・!!」

 

エルフナインのその涙を見たキャロルはエルフナインと口づけを交わし、指を絡めさせ、強く握る。

 

すると、2人の握る手に緑の光が灯り・・・・・・同時に、命を示す心電図が平坦となったのだった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

エルフナインが亡くなった・・・・・・。

 

その連絡を受けたコウマ達は夜遅い時間にも関わらず、エルフナインの元へと急行した。

 

一同は急いで病室に入ると、そこにはエルフナインの姿は既に無く・・・・・・代わりに、自分達に背中を向けたままのキャロルがそこには立っていたのだ。

 

「キャロル・・・・・・ちゃん・・・・・・?」

 

すると、キャロルは響達の方へと振り返り・・・・・・。

 

そこにいたのは、キャロルではなく・・・・・・。

 

「僕は・・・・・・」

 

そこにいたのはキャロルではなく、エルフナインであり、キャロルが彼女と1つになることでエルフナインの命を救ったのだ。

 

この時、一同は何があったのか分からなかったが・・・・・・唯一分かるのは、それはエルフナインの命が助かったこと。

 

それだけで・・・・・・響は涙を流しながらも嬉しそうにエルフナインに抱きついたのだった。

 

そのことに、コウマ達も喜び合うのだった。

 

ED「虹色のフリューゲル」

 

 

 

 

 

 

 

 

響は夏休みを使い、実家のある街に父の洸と共に帰省していた。

 

「この町にはいい思い出なんてない筈なのにね。 今はとても懐かしく感じちゃう」

「それはあの頃よりも、響が強くなったからじゃないかな?」

「えっ?」

「さて俺も・・・・・・頑張らなくちゃ・・・・・・な!」

 

洸は伸びをした後、響は洸の言葉に「うん!」と頷く。

 

「「へいき、へっちゃらだ!!」」

 

響と洸はそう言い合いながらお互いにハイタッチ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「楽しい筈の夏休みはどこへ・・・・・・」

「だけどどうしてクリス先輩やコウマ先輩は余裕なんデスか?」

 

クリスの暮らしている寮で夏休みの宿題をしている切歌と調、そして切歌に「道連れ!」として連れて来られた零無。

 

切歌はなんでソファに寝そべってアイスを食べながら余裕こいてるクリスと同じようにアイスを食べながら遊びに来ていたコウマはこんなに余裕なのかと疑問を浮かべていると、クリスは不敵な笑みを浮かべながら模擬テストの結果が書かれた紙を見せる。

 

「いい機会だから教えてやる! こう見えて学校の成績は悪くないあたしだ!」

「実は俺も、そこまで成績悪い訳じゃないんだよ」

「嘘!?」

 

調の信じられないとばかりの発言や切歌や零無の意外そうな表情ににクリスはキッと3人を睨み付け、それに震える3人。

 

「いいい、今言ったのは調デス!!」

「私を守ってくれる切ちゃんはどこ行ったの・・・・・・?」

「そう言えばコウマの野郎、海外で暮らしてたこともあるから英語とかぺらぺらだったな。 お前も勉強できなさそうなキャラだと思ってたのに!!」

「零無、お前それどういう意味だコラ!!?」

「っていうかちゃっちゃっと宿題片付けろお前等ー!!!!」

 

そんな時のことだ。

 

「んっ?」

 

零無は何か違和感を感じ、ビクトリーランサーを取り出すとそれが何かに反応するかのように小さな光を放っていたのだ。

 

「……なんだ?」

 

それと同時に、地底世界でもキサラが何かを感じたようで彼女はどこか怪訝な顔を浮かべていた。

 

「……何かが、起ころうとしている……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

翼はイギリスへ行くため、緒川と共に空港に来ていたのだが・・・・・・その時、一足先に来ていたと思われるマリアがそこにはいたのだ。

 

「偶さか私もイギリス行きなのよね?」

「ぷっ、偶さかね・・・・・・?」

 

マリアの偶さか発言に翼は思わず笑ってしまい、それにマリアは顔を真っ赤にする。

 

「っ、やっぱりこの剣、可愛くない!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見送りもまともにできないなんて、父親失格じゃないか?」

 

空港の駐車場では八紘と弦十郎が訪れており、車に乗った状態のまま八紘は「私達はこれで十分だ」と弦十郎に言葉を返す。

 

「それより弦、今回の魔法少女事変どう考える?」

「米国の失墜に乗じた欧州の胎動・・・・・・」

「或いは・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S.O.N.G.の司令室。

 

「遅れましたー!」

 

そこへ今となってはすっかりと元気になったエルフナインが現れ、「遅刻だぞー」と朔也に注意されてしまう。

 

「はうー、ずびばせん〜」

「ふふ、早速データの解析を始めましょうか」

 

あおいに言われ、エルフナインは「はい!」と頷く。

 

すると、司令室のモニターにウェルから託されたメモリーが映る。

 

 

 

 

 

 

響の実家にて。

 

「・・・・・・やり直したいんだ。 みんなで! もう1度! だから・・・・・・!」

 

洸は響の母親と祖母にもう1度やり直したいと響の見守る中手を差し伸べ、響の母はそれに躊躇し、戸惑う。

 

「あっ、あははは・・・・・・勢いなんかで手を繋げないって・・・・・・」

 

洸は苦笑し、これは当然の結果かと思ったが・・・・・・その時、2人の間に割り込んで響が両親の手をそれぞれ左右に繋いで来たのだ。

 

「響・・・・・・?」

「こうすることが正しいって信じて握ってる。 だから・・・・・・! 簡単には離さないよ!」

 

響はそう言いながら笑顔を両親に向けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Ultraman Victory will return(ウルトラマンビクトリーは帰ってくる)

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。