戦姫絶唱シンフォギアGinga S&GX    作:ベンジャー

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4Eve 『力の重圧』

前回、ノイズ……否、ノイズとは別の存在である「アルカノイズ」達の攻撃を受け止めた翼とクリスだったが……アルカノイズの能力なのか、彼女達の纏うシンフォギアが分解を始めてしまっていたのだ。

 

尚、翼は咄嗟に分解する前にもう1つのアームドギアを取り出して自分のギアを分解させたアルカノイズを切り裂いて一太刀浴びせることに成功するが結局はギアが破壊されてしまい、翼はそのままその場に倒れこんでしまう。

 

『翼さん!!』

「翼!!」

 

メカザムにライブしているコウマとマリアは翼の名を叫び、2人はすぐさま翼の元に駆け寄るとメカザムは剣を構えたままアルカノイズ達を翼達に近付けさせまいと立ち塞がり、メカザムはファラを睨み付ける。

 

しかし、ファラは特に何かを仕掛けてくる訳でもなく、「システムの破壊を確認、これでお仕事はひと段落ね」とそれだけを言い残すと足元に魔法陣のようなものが現れてファラはアルカノイズと共に消え去り、その光景を見てメカザムは何が何だか分からず、首を傾げた。

 

『あのショボ女、一体何が目的だったんだ……? ってマリアさん! 翼さんだいじょうb』

「こっちを見るな!!」

『あぁ! えっと、すいません!!///』

 

思わず振り返りそうになってしまうメカザムだったが、マリアに怒鳴られて翼が今はギアが破壊されて裸の状態だったことを思い出し、すぐに顔を背けるのだった。

 

そしてクリスの方でもシンフォギア、イチイバルが完全に分解されて破壊されてしまい、彼女はその際に起きた衝撃により気を失い、その場に倒れこみ、エルフナインは慌ててクリスの元へと駆け寄った。

 

「クリスさん! クリスさん!!」

 

一方でS.O.N.G.の司令室の方でも、シンフォギアが破壊されてしまったことに一同を驚きを隠せず、弦十郎はあのノイズの攻撃は炭化変換によるものではないのかと驚きの声をあげていた。

 

「世界の解剖を目的に作られたアルカノイズを兵器として使えば……」

「シンフォギアに備わる各種防御フィールドを突破することなど、容易い……。 次なる仕上げは次なるキャストに」

 

相手が次はなにをしてくるかは分からないが、兎に角クリスを守らなければならないと思ったエルフナインはレイラからクリスを庇うように彼女の前に立ちはだかり、それを見てレイラは黙ったままだったが……そんな時、「させないデスよ!!」という声が頭上から聞こえるとそこには……。

 

店とかでよく使う旗のようなものを身体に巻いた切歌が建物の上に乗って立っており、旗を払いのけると「歌」を口ずさみ……シンフォギア「イガリマ」を装着し、同時に鎌型のアームドギアを展開させると「歌」を歌いながらアームドギアの刃を3枚に分裂させ、ブーメランのように飛ばして左右から挟撃する「切・呪リeッTぉ」をアルカノイズ達に炸裂させ、何体かのアルカノイズ達を切り裂き消滅させる。

 

挿入歌「オーバーキルサイズ・ヘル」

 

そのまま切歌はクリス達のいる場所へと降り立つが、その際にリンカーを使っていないため、身体に電気のようなものが走り、切歌は一瞬苦しそうな表情を浮かべるがすぐに肩部プロテクターからバーニアを噴射、コマのように高速回転しアームドギアで周囲を切断する「災輪・TぃN渦ぁBェル」を繰り出し、アルカノイズ達を切り裂いて消滅させていく。

 

「派手にやってくれる……」

『だったらもっと派手にしてやるよ!!』

 

するとそこに空中から等身大になった「ウルトラマンビクトリー」と「ウルトラマンマックス」が現れ、ビクトリーは額から放つ「ビクトリウムバーン」を放ち、マックスは頭部に収納されてあるブーメラン型の武器「マクシウムソード」を投げつけてアルカノイズ達に攻撃を繰り出して倒す。

 

『って切歌!? 何やってんだ!? その様子じゃお前、リンカー投与してないだろ!? それに、お前がいるってことは調も……!』

「その声……なんかカッコいいのになったデスね。 説教は後で聞くデス! っていうか、自分こそ既にタイマーピコピコ点滅して弱ってる癖に!」

『無茶してんのはお互いさまって訳か。 分かったよ、説教は後だ、どうすればいい?』

 

ビクトリーの問いかけに対して切歌は「兎に角暴れろデース!」と言うとビクトリーは「面白い!」と答えて2人は背中合わせに並び立ち、足を振るって放つ光線「ビクトリウムスラッシュ」を、切歌は再び「災輪・TぃN渦ぁBェル」で複数のアルカノイズを消滅させる。

 

しかし、そうこうしている間にアルカノイズ達がエルフナインとクリスの元に近寄ろうとして来るが……シンフォギア「シュルシャガナ」を纏った調のツインテールに装備されたアームドギアから小型鋸を大量に射出して攻撃する「α式 百輪廻」とマックスがマクシウムソードを持って超高速「コメットダッシュ」を使い、一気に周囲のアルカノイズを2人で一層する。

 

「誰だか分からないけど、ありがとう。 ウルトラマンが2人もいれば心強い」

『あぁ! 困った時はお互い様だよツインテちゃん!』

「ツインテちゃんって……」

 

そしてそのまま調はエルフナインを抱えてその場を脱出しようとその場を去る。

 

(ってあれ? あの娘は確か……』

 

その際、マックスはエルフナインを見て以前自分が助けた少女であることを思い出すがそんなことは後回しだ。

 

「派手な立ち回りは陽動……」

『ウルトランス! キングジョー! ランチャー!』

 

ビクトリーは右腕をキングジョー・ランチャーに変化させるとレイラとアルカノイズに向かって銃弾を撃ち込み、レイラは直撃こそしなかったものの銃撃によってアルカノイズの何体かが消滅した上にその際に起こった煙のせいで視界を防がれ、その間にクリスに先ほどの旗を彼女の身体に巻いてその場を去って行った。

 

「陽動のまた陽動」

 

しかし、アームドギアから巨大な円状の刃を形成し、内側に乗り高速で突進する「非常Σ式 禁月輪」を使いながらこの場を脱出しようとしたのだが途中で調にも先ほどの切歌と同じように身体に電撃が走り、非常Σ式 禁月輪の発動が解除されてしまい、調は苦痛の表情を浮かべる。

 

(くっ、やはり、私たちの融合係数ではギアを上手く扱えない)

『あいつ等、ホントに無茶しやがって……ビクトリウムコンフォート!』

 

するとビクトリーが全身のクリスタルを緑色に輝かせると切歌と調の頭上から緑色の光が降り注がせる……本来は興奮状態の相手などを鎮める技だが、応用として相手を回復させる「ビクトリーコンフォート」を使いほんの少しではあるが切歌と調の負担を減らしたのだ。

 

『気休めでしかないが早く撤退するぞ! 俺達もエネルギーがもう少ない』

 

ビクトリーの言葉に切歌と調が頷くと一同はすぐさまその場を離れ、レイラは予定にない乱入者が現れたため、これからどうすればいいか主人であるキャロルに指示を仰ぐ。

 

『追跡する必要はない、帰島を命じる』

「了解」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、切歌と調はマックスとビクトリーの活動エネルギーがそろそろ限界なため、一度立ち止まるとビクトリーとマックスは変身を解き、零無とカイトの姿へと戻った。

 

「さっきは助かった、ありがとう。 えっと……」

「あっ、俺は早橋カイトです! へぇー、やっぱり俺と同じように人間がウルトラマンに変身してたんだなぁ!」

 

カイトはどこか興奮したように零無の周りを歩き廻りながらジロジロ見つめ、零無は「なんか変な奴だなぁ」と思いつつ苦笑いを浮かべ、するとカイトは今度は視線を切歌と調に映す。

 

「そう言えば……君達もアレだよね? フロンティア事変っていう事件を解決した女の子たちの内の2人! うん、実際見ると2人とも可愛いね!」

「褒めてくれるのは在り難いデスが……今はそんなのどうでもいいデス!」

「あっ、えっとごめん。 それよりも、2人ともなんかバチバチ言ってるんだけど大丈夫なの!?」

 

やはり零無によりビクトリーコンフォートの影響で多少はリンカー無しの状態でもマシに動けるようにはしているのだが、やはり地味に彼女達の身体にダメージが蓄積されているらしく、2人とも顔が若干苦しそうに見えた。

 

「追手も来ないし、いい加減ギアくらい解除しろ」

「でも……」

「心配なんだよ、お前等のこと……。 だから、あんまり心配かけんな」

 

零無にそう言われて切歌と調は渋々シンフォギアを解除し、一同はS.O.N.G.の指定したポイントまで歩いて行くことにした。

 

「私たち、どこまで行けるのかな?」

 

歩いてる途中、不意に調がそんなことを呟くとそれに対して切歌は「行けるとこまで……デス」と答えるが、それに対し調は「でもそれじゃ、あの頃と変わらないよ」と返す。

 

「あの頃って……お前等が私設にいた頃か」

「そう、身寄りのない私たちが連れて来られたのは壁も天井も真っ白な世界」

「……そこで出会ったシンフォギアは昨日までの嫌なこと、全部ぶっ飛ばしてくれる……特別な力だと思っていたデスよ……」

 

調と切歌はナスターシャから聞かされた月の落下のことを思い出しながらその事について話しあっており、ナスターシャの「聖遺物の引き起こした最悪から人類を守るには聖遺物の力で対抗するしかない」という話を聞き、切歌と調はそんなナスターシャを手伝いたいと思ったのだと語る。

 

「でも、状況に流されるままに力を振るっても何も変えられない現実だけを思い知らされた」

「マリアやマムのやりたいことじゃない。 あたし達が、あたし達のやるべきことを見つけられなかったからあんな風になってしまったデス!」

「目的もなく、行けるところまで行ったところに望んだゴールがある保証はない……。 ガムシャラなだけじゃダメなんだ……」

 

それを聞いた切歌は「もしかして自分たちを出撃させなかったのはそういうことなのか」と疑問に思ったが……すると今まで2人の話を黙って聞いていた零無は「あー、もう!!」と頭を自分の頭をワシャワシャとかき回す。

 

「だったら探せよ! 目的がないなら探せばいい。 俺もマリアも、お前等も……過ちを犯したのは確かだ。 選択を間違えたかもしれないさ。 けど、同じ過ちを繰り返すほど、俺達は愚かじゃないだろ?」

「簡単に言ってくれるデスよ……零無は……」

「そりゃ言葉で言うだけなら簡単だからな。 でも、実際そういうもんだろ?」

 

零無はポンポンっと切歌と調の頭を軽く叩き、その直後……クリスがゆっくりとだが目を開けて目を覚まし、無事にクリスが目を覚ましたことに調は「良かった」と呟き、切歌は「大丈夫デスか!?」と問いかけるがクリスはどこか苛立った様子で「大丈夫な訳あるかよ!」と怒鳴ったのだ。

 

(守らなくちゃいけない後輩に守られて……大丈夫な訳ないだろ!)

 

その時のクリスは本当に悔しそうな表情を浮かべており、零無はそんなクリスを見て「こりゃさっさとコウマ呼び戻してクリスを励まさせてやるべきかな」となるべくコウマに帰って来るように連絡を入れておくことにした。

 

その後、一同はS.O.N.G.に回収された後、カイトとS.O.N.G.は互いに事情を説明することになるのだった。

 

それからカイトはS.O.N.G.内で設立された対怪獣宇宙人用チームUPGの話を聞いたり、マックスと同化した時の経緯などを説明することになるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、零無はというと……数日前、零無の持つビクトリウムのペンダントからホログラムの映像のようなものが突然映し出され、そこには何者かからのメッセージが書かれており、そのメッセージに記された場所……どこかの森の中に零無は立っていた。

 

「ここか……。 けど、何もないぞ?」

 

強いて目立つものと言えば……人がギリギリ入れるか入れないかくらいの穴が開いた巨大な木だけ。

 

何となく零無はその木に近寄ってみた瞬間、突然ペンダントが光輝くと零無はその光に包まれ木の中へと吸い込まれるように入って行ったのだ。

 

「うわぁ!?」

 

そして気が付くとそこにはあのビクトリウムで出来た巨大な山が幾つもある世界……地底世界「ビクトリアン」へと辿り着いており、零無は突然のことで何がなんだか分からず困惑していたのだが……そんな時、彼の後ろから誰かが話しかけてきたのだ。

 

「お待ちしておりました」

 

振り返るとそこには1人の女性が立っており、零無は「あなたは……?」と尋ねると女性は今のビクトリアンの女王……「キサラ」だと名乗り、それと同時に零無の後ろからシェパードンが歩いてやって来るとシェパードンは膝を突いて顔を零無へと近付け、零無は戸惑いつつもシェパードンの頭を優しく撫でたのだ。

 

「クオォ……」

「はは、なんか可愛いな! お前!」

「今回、あなたをお呼びしたのは私です。 恐らく大方の話は聞いていると思いますが今回は詳しい話をするためにあなたに来て頂きました」

 

それを聞き、零無はやはりそうかと思い、零無はキサラの話を聞こうとするのだが……やたらとシェパードンが懐いて来るため、中々話を聞くことが出来ず、それを見てキサラは「シェパードン!」と少し怒鳴るとシェパードンは少し驚いたような声をあげた後、零無から離れてその場にぺたんっと座り込んだのだ。

 

「申し訳ありません。 シェパードンは寿命も長く……代々、あなたの一族に仕えてきた聖獣で……かつてはあなたの父、先代のビクトリーと戦友であり、あなたの世話もしていたそうなのです」

 

あの巨体でどうやって赤ん坊の自分を世話したんだろう……と疑問に思う零無だったが、取りあえずシェパードンが自分に懐いていた理由も何となく分かった。

 

自分は覚えてはいないが、数万年ぶりに自分と再会できたことをシェパードンは喜んでくれたのだと零無は理解し、後でまたシェパードンの頭をを撫でてやろうと思う零無だった。

 

「そうだ、そう言えば結局、ビクトリーランサーを巡った争いはどうなったんですか!?」

「あなたの父がどうなったのか、申し訳ありませんがそこまで詳しいことは分かりません。 ですが、ビクトリーランサーとあなたが今の時代に送られた為、争いはやがて無くなり、今ではビクトリーランサーを欲しがる輩はいなくなりました。 皆、過去の過ちを繰り返さないようにと……。 何より、今の正式な所有者はあなたなのです。 例え欲しがる輩がいたとしてもそれを使うことはできません」

 

「そうですか……」と零無はそれを聞いて一安心し、取りあえずしばらくはキサラからビクトリアンについて様々なことを教えて貰うことにするのだった。

 

また一方でS.O.N.G.本部では彼もウルトラマンということで一応は特別に入室許可が出されているカイトが訪れており、ランに「自分もUPGに入れて欲しい」と頼みこんで来ていた。

 

「……なんでUPGに入りたいんだ?」

「だって、そういうチームなんですよね? 悪い奴をぶっ飛ばす! そういう正義の味方みたいな!」

 

カイトはランになぜUPGに入りたいのかの理由を話すのだが……それを聞いたランはどこか不満そうな表情を浮かべており、ランは「それだけか?」とカイトに問いかける。

 

「それだけって……まぁ、後は……悪い奴から誰かを守ったり……とか」

「なんで守りたいんだ?」

「なんでって……大きな力があるから。 誰かを守らないといけないんだと思います」

 

それを聞き、ランは「じゃあUPGには入れないな」と言い放ち、カイトは「なんでですか!?」とランに詰め寄るとランは……。

 

「誰かを守りたいって思うのは力があるからじゃないだろ」

 

そう返され、カイトは首を傾げて「どういう意味ですか?」と問いかけるがランは「それくらい自分で考えろ」と言われ、ランはそのまま「俺も仕事があるんだよ」と言ってその場をそそくさと去って行き、残されたカイトは渋々家に帰るとするのだった。

 

「マックスは、ランさんの言った意味が分かる?」

『あぁ、だがそれは……君自身が見つけなければならない問題だ。 私が教えることはできない』

「なんだよそれ……」

 

ちなみに……ランが先ほど言っていた「仕事」というのは……。

 

(零無の奴、確かボルストの分身能力に手こずってたな。 ギンガにも分身、マックスにはコメットダッシュで対抗できるが零無には対抗手段があまり無さそうだな。 ってことは相手の分身を破るには……目隠しした零無にボール投げるか)

 

という零無の為のボルストへの分身能力による対抗策を考えていたりした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、一方で翼とマリアは本日日本に到着予定の飛行機に乗っていた。

 

尚、コウマ一足先に日本に戻った模様。

 

翼は静かに窓を見つめながら海外進出展開を持ちかけてくれた「トニー・グレイザー」と日本に戻るときにした話を思い出していた。

 

『日本に戻ると?』

『世界を舞台に歌うことは、私の夢でした。 ですが……』

『それが君の意思なら尊重したい。 だが、何時かもう1度自分の夢を追いかけると約束して貰えないだろうか?』

 

この時、翼は「それは……」と言葉を詰まらせてしまい、正直、もう1度自分の夢を追いかけられるかどうか分からず、上手く答えることができなかったのだ。

 

そして空港に到着すると翼とマリア、そして緒川を響、クリス、切歌、調、コウマ、キサラの話を一通り聞き終えた零無が出迎えてくれたのだが……なぜかコウマが零無にアイアンクローをかましていた。

 

「いだだだだ!? やめてやめて爪食い込んでる食い込んでる!?」

「そういやぁさっき切歌達から聞いたんだけど内容的にお前クリスの裸見たの? なぁ、見たの!?」

「み、見てない見てない! 見る暇無かったしすぐに切歌が布みたいなのでくるんだから見てないって!」

 

それを聞いてコウマは「なら、悪い」と言ってすぐに手を離し、零無は顔を両手で押さえ切歌と調に「よしよーし」と頭を撫でられていた。

 

「頭撫でるな!」

「っていうか翼さん達帰って来たよー。 おーい! 翼さーん! マリアさーん!」

 

響が翼とマリアに手を振って挨拶しようとするのだが、するとマリアが「挨拶は後!」と言い放つ。

 

「新たな敵の出現に、今はそれどころではない筈よ!」

 

マリアのその発言を聞き、一同は「おー」と感心の声をあげる。

 

「ちょっと頼もしくてカッコいいデス!」

「やっぱりマリアはこうでなくちゃ!」

「……マリア、マリア」

 

すると零無がマリアを小声で呼び、マリアは「なに?」と首を傾げつつ零無の元へと行くと零無は……。

 

「てっきり歌うのに没頭し過ぎてそのせいでみんなから『すっかり任務を忘れてお楽しみでしたねー』とか言われるんじゃないかと飛行機を降りるのを怖がってるんじゃないかとおm」

「フンッ!!」

 

と零無が言いきる前にマリアは零無にアイアンクローをかます。

 

「いだだだだだッ!? なにこれ!? なにこれ!? アイアンクロー流行ってるの!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シンフォギア奏者勢揃い……とは、言い難いのかもしれないな」

 

そして本部に戻った一同はというと今回の事件などについての説明などを行うこととなり、オペレーターの2人からアルカノイズに破壊されたシンフォギアについての説明を受けることに。

 

朔也とあおいの説明ではシンフォギアのコアとなる部分は無事なのだがエネルギーとして固着させる機能が損なわれている状態らしく、それを聞きマリアは待機状態のセレナのギアを取り出し、それを見つめる。

 

「セレナのギアと同じ……」

「勿論直るんだよな!」

 

クリスの問いかけに対し、あおいは「櫻井理論が開示されたことで各国の異端技術研究は飛躍的に進行しているわ」と話すのだが朔也は「それでも了子さんでなければシンフォギアシステムの修復は望めない」と難しそうな表情を浮かべながらそう語り、弦十郎は「現在動ける奏者は響くんただ1人だけ」と言い、響は不安そうな顔をしつつ「私だけ……」と呟くのだった。

 

「そ、そんなことないデスよ!」

「私たちだって!」

 

切歌と調が名乗り出るが弦十郎に「ダメだ」ときっぱり言われ、切歌は「どうしてデスか!?」と問いかけると「リンカーで適合係数の不足値を伴わない補わないシンフォギアの運用がどれほど身体の負荷になっているのか……」とあおいに言われ、零無からも「当たり前だな」と言われてしまう。

 

「お前等に合わせて調整したリンカーがない以上、お前等を戦わせる訳にはいかないからな……」

「……どこまで行っても私たちは、役に立たないお子様なのね……」

「結果が想った以上に良くないのは知ってるデスよ……それでも……!」

 

切歌と調は悔しそうな表情を見せるが、そんな2人に零無が額にデコピンを喰らわせ、デコピンを喰らった2人は「ふぎゃ」と小さな悲鳴をあげる。

 

「バァカ、役に立たないなんて思うなよ。 十分役に立ってるさ」

「そうだ、その気持ちだけで十分だ」

 

零無とクリスに言われるが……やはり納得できない様子の2人、そんな2人を零無は頭を少し乱暴に気味に撫で回し、ニカっとした笑みを見せる。

 

「だから、絶対に前みたいな無茶なことすんなよ。 大切な人がいなくなるのは……もう嫌だからさ」

「……零無……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃……キャロル達はというと……。

 

「いっきまーす! ちゅ!」

 

ガリィが赤い服を着た少女……「ミカ」に口付けをするとそこから何かのエネルギーのようなものが流れ込み、今まで停止していた「ミカ・ジャウカーン」が動き出した……のだが、ミカはすぐに力が抜け落ちるようにその場に座り込んでしまう。

 

「最大戦力となるミカを動かすだけの思い出を集めるのは存外時間がかかったようだな」

「嫌ですよぉ、これでも頑張ったんですよ? なるべく目立たずにぃ、事を進めるのは大変だったんですからぁ」

「まぁ、問題なかろう。 これでオートスコアラーは全機機動。 計画を次の階梯へ進めることができる……のだが……お前の方は一体どうなっているんだ?」

 

キャロルが視線を向ける先にはボルストとエクセラーが立っており、キャロルは彼等がウルトラマンを倒すためのスパークドールズを使い、ウルトラマンを始末するつもりだったのだが、ボルスト含めて全く役に立たなかったではないかと睨み付ける。

 

『まぁ、私の目的はあくまでビクトリウム。 おまけでウルトラマンが倒せれば良い程度の認識ですからねぇ』

「言い訳か? お前が役に立たないスパークドールズを渡したからではないのか?」

『というか貴様! エクセラーの渡したスパークドールズが役に立たなかったのは確かだが俺まで役立たず扱いとは良い度胸だな!!』

 

ボルストはキャロルに向かって怒鳴り散らすがキャロルはボルストをガン無視し、「次はもっと役に立つ物を渡せ」と言った後、調子が悪そうなミカに気づき、「どうした?」と尋ねるとミカは「お腹が空いて動けないゾ……」と答え、それを聞いたキャロルはガリィの名を呼ぶ。

 

「はいはい、ガリィのお仕事ですよね」

「ついでにもう一仕事、こなしてくるといい……」

「そう言えば、マスター。 エルフナインは連中に保護されたみたいですよ?」

「……把握している」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S.O.N.G.の取調室にて一同はエルフナインから事情聴取を行っており、エルフナイン曰く「自分はキャロルに命じられるまま巨大装置の建造に携わっていたのだが、ある時あるデータベースにアクセスした時、その装置が世界をバラバラにする解剖するものだと知ってしまい、目論見を阻止するために逃げだしてきた」のだという。

 

「世界をバラバラにたぁ、穏やかじゃないな」

 

クリスの言葉にエルフナインは同意するように頷き、それを可能とするのが「錬金術」だというのだ。

 

「ノイズのレシピを元に作られたアルカノイズを見れば分かるようにシンフォギアを始めとする万物を分解する力は既にあり、その力を世界規模に拡大するのが建造途中の巨大装置『チフォージュ・シャトー』になります」

「装置の建造に携わっていたということは君もまた、錬金術師なのか?」

 

翼の問いかけにエルフナインは「はい」と頷くが自分はキャロルと同じように全ての知識を有している訳ではなく限定した目的のために造られたに過ぎないというのだ。

 

「造られた?」

「装置の建造に必要な最低限の連勤知識をインストールされただけなのです」

「インストールと言ったわね?」

「必要な情報 を知識として脳に転送複写する事です。 残念ながら、インストールされた僕の知識に計画の詳細はありません。 ですが……世界解剖の装置チフォージュ・シャトーは完成間近だということはわかります! お願いです! 力を貸してください! その為に僕はドヴェルグ=ダインの遺産をここまで持って来たんです!」

 

コウマが「ドベルグ=ダイン?」と首を傾げるとエルフナインは持っていた箱を開けてそこから錬金術師キャロルに対抗するための「ダインスレイヴ」と呼ばれる聖遺物の欠片を取り出したのだ。

 

そこでコウマは「そう言えばあの宇宙人達のことなにか知ってるのか?」と問いかけるとエルフナインは「詳しくは分かりませんが……」と言いつつも自分の知っている情報をコウマ達に教える。

 

「彼等の目的はビクトリアンにある鉱石であるビクトリウムであること、なぜそれを欲しがるのかは僕にも分かりません。 それと同時にウルトラマン専用の用心棒的なことも請け負っているみたいです」

「やっぱ、あいつ等手を組んでたか……」

 

その後、あおいと朔也はエルフナインの健康チェックを行ったところ特に悪いところや怪しいところははなかったのだと言うのだが……あおい曰く「エルフナインちゃんに性別はなく本人曰く自分ただのホムンクルスではなく決して怪しくはない」とエルフナインが言っていたそうなのだ。

 

当然、それを聞いたコウマ達は……。

 

『あ、怪しい……』

「デース」

 

という当然の反応である。

 

「てか自分で怪しい言うなよ」

「性別がないって……じゃあ女子トイレと男子トイレどっち使えばいいのあいつ?」

「お前はなにどうでもいいこと気にしてんの!?」

 

零無の言葉に即座にツッコミを入れるコウマ。

 

「っていうかお前出会った時と性格違って来てないか?」

「いえ、零無は元々あんな感じデスよ。 高校デビューならぬ悪役デビュー目指した結果、クールキャラ目指そうとしてたそうデス」

 

コウマが呆れたような視線を零無に送りつつ「そうなの?」と切歌に尋ねると切歌はこくこくと頷き、零無は両手で顔を覆い「恥ずかしいからやめてくれ」と懇願した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その翌日、学校終えた響はクラスメイトの未来達4人と寮を目指して帰っており、また響達の後ろの方で響の護衛役としてコウマとカイトが歩いていた。

 

「あの……コウマさん」

「コウマで良いよ、同い年くらいだろ? 俺達?」

 

コウマはカイトにそう言うとカイトは戸惑いつつも頷き、コウマは「どうかしたのか?」とカイトに尋ねると彼はコウマに「俺、なんでUPGに入れて貰えないんですかね……」とあの時、ランに言われたことをコウマに話した。

 

「ウルトラマンって、守りたいものを守って悪い奴等をぶっ飛ばすための力なんじゃないんですか? だって、あんなに強い力なのに……。 自分で考えないといけないことは分かってるんです。 でも、やっぱりよく分かんなくて……コウマはどうだったのかなって……」

「あー、俺はそういうのは全く考えてなかったなぁ……。 ただ俺は自分のやるべきことを全力で突っ走ってた感じだな。 まぁ、色々あったのは間違いないんだけど」

 

コウマは苦笑しつつ「悪いな」と謝るとカイトは首を横に振って「いえ」と言った後、「ありがとうございます」と頭を下げるのだった。

 

「しっかし、響の奴はなに顔を赤くしてんだ?」

「エロい話でもしてんじゃないですかね」

「ストレートだなお前案外!!」

 

コウマの言う通り、友達と話していた響はなぜかいきなり顔を赤くしており、しばらくすると赤くなった顔は元に戻っており、未来はそんなどこかボーっとしたような響に対し「この頃ずっとそんな感じ」と不満げに言って来たのだ。

 

それに響は「ごめん」と申し訳なさそうに謝った後、本部であった出来事を思い出していた。

 

『……こいつが天羽々斬を破壊したアルカノイズ……?』

 

本部で翼が描いたアルカノイズのイラスト……アルカノイズというよりもどこか「武士」のような見た目をしており、正直全く似ておらず、それを見せられたクリスは「アバンギャルドが過ぎるだろ! 現代美術の方面へでも進出する気か!?」とツッコまれ、同じ現場にいたコウマからも「これ人間じゃないですか」とツッコまれた。

 

『問題はアルカノイズを使役する錬金術師と戦えるシンフォギア奏者がただの1人だという事実よ』

 

そこでマリアが本題に入り、響を見つめながらそう語ると響は「戦わずに分かり合えることは……できないのでしょうか……」と未だに話し合うことに彼女は拘っており、そんな響にマリアは「逃げているの?」と問いかけると響は首を横に振るった。

 

『逃げているつもりじゃありません! だけど、適合してガングニールを自分の力だと実感して以来、この人助けの力で誰かを傷つけることが……凄く嫌なんです……!』

 

響は辛そうにそう言うが、マリアは……。

 

『それは……、力を持つ者の傲慢だ!』

 

そう言い放たれ、響はそのことについて先ほどからずっと考え込んでいたのだ。

 

(私は……そんなつもりじゃないのに)

 

すると後ろから詩織の悲鳴が聞こえ、振り返るとそこにはいつの間にか数人の人間が倒れており、そしてそこにはガリィが木にもたれ掛かっており、それに気づいたカイトとコウマは慌てて響達の元に駆け寄ろうとする。

 

「何時の間に!?」

 

だが、それを遮るようにコウマとカイトの前に2体の宇宙人……1人は金色のスーツを着込んだ1つ目の「変身怪人 ゼットン星人」ともう1人はゼットン星人に酷似しているが目が2つ、後ろにもう1つ目がある「誘拐怪人 ケムール人」の2体である。

 

『おっとぉ! ここから先へはこの僕、『ゼットン星人 ベルメ』と僕の相方の『ケムール人 キューバ』が行かせないよ!』

『そんなことより彼女持ちとか言うリア充のウルトラマンはどっちだぁ!? 非リア充代表としてそんなリア充は俺がぶっ潰してやるよぉ!!』

 

2体の宇宙人は「ベルメ」と「キューバ」と名乗り、コウマとカイトは顔を見合わせてキューバの怒りように「はぁ?」と首を傾げ、正直2人ともこんな奴等を相手にしたくないのでコウマはギンガスパークを取り出してそれを振るい、ベルメとキューバに攻撃を仕掛けるが2体をあっさり避ける。

 

「お前等に構ってる暇はないんだよ!」

『悪いけど、僕たちは君達に用があるんだよ! キューバ!』

『テメェかァ!! リア充爆発させてやるよぉおおおおおおお!!!!』

 

ベルメとキューバはチブルスパークとスパークドールズをそれぞれ取り出し、スパークドールズをチブルスパークにリードさせる。

 

『モンスライブ! ゼットン!』

『モンスライブ! ゴルゴス!』

 

ゼットン星人は「宇宙恐竜 ゼットン」、キューバは「岩石怪獣ゴルゴス」へと2体の巨大怪獣へとライブし、コウマは「くそ!」と言い放ちながらもギンガスパークを取り出し、カイトもマックススパークを取り出そうとするが……。

 

『そうはさせるかぁ!』

 

ゴルゴスが足を振りあげてコウマ達を踏み潰そうとし、コウマとカイトはどうにか避けるがその衝撃でカイトはマックススパークを落とし、さらに打ち所が悪かったのか腕をぶつけてしまい、カイトは悲鳴をあげる。

 

「ぐああああ!?」

「カイト!? こうなりゃ俺だけで……」

 

コウマはギンガスパークのブレードを展開させ、ギンガのスパークドールズが現れるとそれを掴み取りリードさせた後、ギンガスパークを掲げる。

 

「ギンガアアアアアアア!!!!!」

『ウルトライブ! ウルトラマンギンガ!』

 

そしてコウマは光へと包まれるとその光から「ウルトラマンギンガ」が飛び出すように出現し、コウマは変身を完了させたのだった。

 

『ショウラ!』

 

出てくるなりギンガは跳び蹴りをゼットンに向かって繰り出すがゼットンは両腕を交差して攻撃を防ぎ、ギンガを押し返す。

 

『おっと……ってん? ゼットンってこんなブヨブヨしてた……ってなんだその弱そうなゼットン!?』

 

ギンガの言う通りこのゼットン、本来のゼットンよりも身体がかなり柔らかそうな見た目をしており、見た目的に「ブヨブヨ」という印象が強い姿をしていたのだ。

 

要するにこのゼットンは見た目が完全に「二代目ゼットン」なのである。

 

『フン、君のようなザコを倒すのなんてこのゼットンで十分さ!』

『言ってくれるじゃねえか! 行くぜ!!』

 

挿入歌「ウルトラマンギンガの歌」

 

そしてギンガはゼットンとゴルゴスに向かって駆け出して行き、ゴルゴスも迎え撃つようにギンガに突進して行くがギンガはゴルゴスの背中を踏み台にして跳びあがり、そのまま勢いをつけた拳をゼットンに叩き込むが同時にゼットンも拳をギンガに叩き込む。

 

『ぐっ、パワーはそこそこあるらしいな! けどな! だったらスピードで上回ってやるよ!』

 

ゼットンは追撃しようとギンガに何度も殴りかかるがギンガはその全ての攻撃を回避しながら拳を何発もゼットンに確実に当てて行き、流石にまずいと感じたのかゼットンはゴルゴスに援護するように指示。

 

ゴルゴスは背後からギンガに噛みつこうとして来るがギンガはジャンプして避け、ゴルゴスは思わずゼットンの腹部に噛みついてしまう。

 

『ぎゃー!? このバカ! なにしてるんだ!?』

『さ、サーセン……』

 

ゼットンはゴルゴスを突き離し、ゼットンは「コンビネーション攻撃だ!」と言い放つとゼットンはゴルゴスの尻尾を掴みあげるとフルスイングしてギンガに向かって投げつけるがギンガは廻し蹴りで蹴り飛ばす。

 

『ぐがぁ!?』

『シュア!』

 

さらに跳びあがって踵落としをゼットンの頭部に決め込み、ゴルゴスは背後から口から吐く高熱の蒸気を放つがギンガは空中へと飛び立って避けると頭上に発生させた雷の渦を敵に向かって投げつける電撃光線「ギンガサンダーボルト」をゴルゴスへと放つ。

 

『ギンガサンダーボルト!!』

「グアアアアアア!!!!?」

 

ギンガサンダーボルトの直撃を受けてゴルゴスは身体中に電撃が走り、火花を散らして爆発……続けてギンガはゼットンの方へと振り返り両腕を前方で交差させた後、S字を描くように左右に大きく広げてからL字型に組み放つ必殺光線「ギンガクロスシュート」をゼットンへと発射する。

 

『ギンガクロスシュート!!』

『バカめ!! ゼットンには光線を吸収して跳ね返す波状光線が……ってこのゼットン使えなかったってぎゃあああああああ!!!!!?』

 

ゼットンはギンガのギンガクロスシュートを受け、ゼットンは火花を散らして爆発した。

 

同じ頃……響はといと……。

 

「キャロルちゃんの仲間……だよね?」

「そしてあなたの戦うべき敵……」

 

響の問いかけにガリィはそう答えるが響は「違うよ! 私は人助けがしたいんだ! 戦いたくなんかない!」と訴えるがガリィは一度舌打ちした後、瓶のようなものを地面に投げて割ると魔法陣のようなものが出現し、そこからアルカノイズ達が現れ、響達を囲む。

 

「あなたみたいな面倒くさいのを戦わせる方法なんてよぉく知ってるの」

 

嫌らしい笑みを浮かべながらそう言い放つガリィに弓美は「こいつ、性格悪っ!」と言われ、マックススパークを拾い上げてアルカノイズ達をなんとか通り抜けて響達の元に辿り着いたカイトも「こいつは性悪女だな」と呟いた。

 

「ってそんなの言ってる場合じゃないか。 行くぞマックスッ……」

 

カイトはマックスに変身しようとするが腕の痛みに耐えきれず思わずマックスパークを落としてしまう。

 

それを見た響はここは自分が戦うしかないと思い、友達を守るため待機状態のガングニールを取り出し「歌」を口ずさもうとするが……。

 

「っ……ぁ……」

「響?」

「ごほっ、ごほごほっ!」

 

歌を口ずさもうとすると響は咳をしてしまい、響自身なにか驚いたような表情をしていた。

 

「……歌えない……?」

「へっ?」

「聖詠が……胸に浮かばない……? ガングニールが……答えてくれないんだ……!」


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