ちなみにゼロはまだシャイニングフィールドを使えないことになっています。
*********
その昔……キャロルは自分の父と共にアルニムという薬効の高い薬草を山へと取りに行ったことがあった。
父はその薬草の成分を調べて流行の病を治すための薬を作ろうとしており、その途中父がある場所に目を向ける。
「見てごらん、キャロル」
そう声をかけられてキャロルは父と同じ方向を見るとそこには大きくて綺麗な湖があり、それを見たキャロルは「わー!」と嬉しそうな声をあげた。
『パパはね、世界のすべてを知りたいんだ。 人と人とが分かり合うためにはとても大切なことなんだよ。 さぁ行こう……』
「……あぁ、行くとも。 思い出を力に変えて。 万象黙示録完成のためにな……」
自分の記憶の中の父の言葉に返事をするように、現在のキャロルは王座のような椅子から立ち上がり、それを見たエクセラーはニヤリと笑みを浮かべた。
『遂に作戦の第一段階最終フェーズに以降する訳ですね? ミス・キャロル?』
「……あぁ。 だが、やはりウルトラマン共は邪魔だ。 いい加減に……」
キャロルがそこまで言いかけるとエクセラーはそれを遮るように不気味な笑みを浮かべながら言葉を返す。
「分かっていますよ。 そろそろ奴等にも引導を渡してやりましょうか……クフフ!」
一方でシェパードンへの救援に駆けつけた分身したマックスはシェパードンと共に「宇宙戦闘獣 超コッヴ」と戦闘を繰り広げていた。
マックスは超コッヴの振るって来た鎌を右手に持ったマクシウムソードで弾き、そこにシェパードンが超コッヴの腹部を殴りつけた後、それに続くようにマックスも左の拳を超コッヴの腹部へと叩き込んだ。
「グギャアア!!?」
『くっ! 一度ならず二度までも君たちのような雑魚に手こずるなんてね……! ならば弱っている方から……!』
超コッヴにライブしているベルメはマックスが来る前から痛めつけていたシェパードンに攻撃を集中しようと頭部から光弾を発射。
しかしそれを庇うようにマックスがシェパードンの前に立ち、マクシウムソードで光弾を全て切り裂いた後、マクシウムソードを超コッヴへと投げつけ……マクシウムソードは超コッヴの身体を切り刻む。
「グアアアア!!!?」
『シュア!!』
マックスはマクシウムソードを頭部へと収納した後、左腕を掲げてマックススパークにエネルギーをチャージしてから腕をL字に組んで放つ必殺光線「マクシウムカノン」を放つ。
そして光線を受けた超コッヴは身体中から火花を散らして倒れ爆発したのだった。
『ハアアア!! シュア!!』
「グルアアアアアアアア!!!!?」
さらに別の場所で戦う本体のマックスやストロングコロナゼロ、ルナミラクルゼロはというと……。
マックスは右手を空へとかざして右下腕部に装着する武器「マックスギャラクシー」を召喚。
それを装備するとマックスギャラクシーの先端から光の剣「ギャラクシーソード」を出現させ、ガンQの放つ光弾を切り裂きながら接近し、すれ違いざまに切り裂いてガンQは真っ二つになり爆発四散した。
『シェア!!』
「キュ……キュエエエエエ!!!?」
そこにレイキュバスがマックスの背後から口から火炎弾、両手から槍の形をした氷の弾丸を発射するもマックスは即座に振り返ってギャラクシーソードで全て弾いてかき消す。
さらにマックスギャラクシーから放つ必殺光線「ギャラクシーカノン」をレイキュバスに向かって発射。
レイキュバスの放つ攻撃をギャラクシーカノンはかき消しながらレイキュバスへと直撃し……レイキュバスは倒れ爆発するのだった。
「キシャアアア!!!!?」
またストロングコロナゼロはエースキラーの振るったナイフを拳で弾き飛ばし、身体へと掴みかかった後に敵を空高く投げ飛ばす「ウルトラハリケーン」を繰り出す。
『ウルトラハリケーン!!』
それでもエースキラーはどうにか右腕を前に伸ばして放つ光線「M87光線」を発射するが……。
ゼロもそれに対して左腕のウルティメイトブレスレットを叩いた後、右腕を突き出して放つ炎状の必殺光線の「ガルネイドバスター」を発射し……互いの光線がぶつかり合う。
『ガルネイドォ……バスタァー!!』
互いの光線がぶつかり合い……どちらの光線も相殺されてその際に爆発が起こる。
エースキラーはその際に起こった爆風に吹き飛ばされないようグッと耐えるのだが……ゼロは爆発の炎の中から飛び出して炎を纏った拳がエースキラーの胸部を貫いたのだ。
ゼロそれを引き抜いてエースキラーから離れるとエースキラーは火花をあげて爆発を起こし倒されたのだった。
最後にルナミラクルゼロはテレポートで空中を飛ぶテキサドルの背後に回り込んで槍型の武器「ウルトラゼロランス」を振りかす。
それによってテキサドルは翼を切り裂かれ、翼を失ったテキサドルは地上へと一直線に落下。
『今だ! ミラクルゼロスラッガー!!』
ゼロはテキサドルが地面に叩き落とされて倒れ込んだところを狙い、無数に分裂する光のゼロスラッガーで全方向から敵を切り裂く「ミラクルゼロスラッガー」を繰り出す。
テキサドルは念力を使って防ごうとしたが間に合わず、ゼロスラッガーはテキサドルを切り裂き、テキサドルは火花を散らし爆発を起こした。
「クギャアアアア!!!?」
*
「さて……どうしてくれる? 先輩?」
「反撃……では生温いな、逆襲するぞ!」
『あのデク人形は俺にやらせてくれ……! 切歌と調の分……いや、それ以上にボコす!!』
クリス、翼、ビクトリーの順でそう言い放ち、ビクトリーは切歌と調にそれぞれ布を投げ渡した後すぐにここから離れるように言う。
「あとは、任せるデス……」
切歌は残ったメンバーにそう言い残しすぐさまその場から撤退。
そしてミカは先ほどビクトリーに殴られた頬を撫でつつアルカノイズとチブロイド達を召喚する。
「鳴らし運転がてらに片付けるぞ!!」
その翼の言葉を合図に一斉にアルカノイズ、チブロイド、ミカへと向かって戦いを挑み、またギンガは再び巨大化してファイヤーゴルザと戦闘を再開していた。
挿入歌「BAYONET CHARGE」
翼とクリスは「歌」を口ずさみながらチブロイド達は銃を構えて一斉に光弾を翼とクリス、ビクトリーに向かって放つ。
しかし翼は剣のアームドギアでそれらを全て弾いててチブロイド達に一気に詰め寄ると一瞬でチブロイド達を切り裂いてバラバラにする。
またクリスはボウガンのアームドギアから放たれる矢でチブロイド達の放った光弾を正確に撃ち抜き……光弾を撃ち抜いた矢はそのまま勢いを止めずアルカノイズやチブロイド達に直撃して破壊。
ビクトリーは「EXレッドキングナックル」でチブロイドとアルカノイズ達を纏めて殴り飛ばす。
『ツェア!!』
そこからビクトリーはジャンプしてミカのところへと辿り着く。
「さっき殴られた礼をしてやるゾ!」
ミカはビクトリーに向かってカーボンロッドを放つがビクトリーはEXレッドキングナックルを解除して回し蹴りの要領で足のVクリスタルから放つ「ビクトリウムスラッシュ」でカーボンロッドを相殺。
そこから一気にミカへと詰め寄ると拳をミカの顔面へと叩きこみ……ミカは大きく吹き飛ばされた。
「ウギャア!!? くっそぉ~! また殴られたゾ!」
『どうした? さっき殴られた礼をするんじゃなかったのか……?』
「お前……ムカつくゾ!」
『奇遇だな……俺もお前がムカつく……!』
また司令室では目を覚ました響がそこへと訪れてみんなと一緒に戦いの様子を見守っており、あおいはアルカノイズの発光部分に触れても分解されず、有利に戦っている翼達を見て「これが強化型シンフォギア!?」と驚いていた。
エルフナイン曰く「プロジェクト・イグナイトは破損したシンフォギアシステムの修復に留まるものじゃありません」とのことで出力を引き上げると同時に分解効果を解剖機関の分解効果を減衰するようバリアフィールドの調整を施しているのだという。
するとミカはカーボンロッドをビクトリーの足下に射出して爆発させてビクトリーの周りに煙幕を作りだし、ビクトリーの視界を完全に防ぐ。
「これならどこから攻撃されるか分からないんだゾ……?」
しかし、ビクトリーの中にいる零無は目を瞑り……それと同時にビクトリーの目からも光が消え……感覚を研ぎ澄ます……。
そして……背後からミカがビクトリーに向かって手に持ったカーボンロッドを振りかざそうとしたその時……。
それよりも早くビクトリーは右腕を「キングジョーランチャー」へと変え、振り返りざまにミカの腹部突きつけるとそこからキングジョーランチャーの銃弾を発射し、ミカを大きく吹き飛ばしたのだ。
「ぐあああああ!!!!? な、なんで……アタシの居場所が……!」
『修行の成果だよ。 まさかあの鳥頭じゃなくてお前に修行の成果見せることになるとは思わなかったけどな』
そう言いながらビクトリーはチラリとある方向を見ると……そこには一瞬ルナミラクルゼロのような姿があり、ビクトリーがこちらを見たことに気づいたゼロは慌てて姿を隠す。
(やっぱりいた……)
実は零無がここへと来るのに遅れた理由……。
それは切歌達がリンカーを持ち出してシンフォギアの改修が終わるまで時間稼ぎをするであろうことはランも何となく予想できており、そんな切歌達のことを知れば零無は修行などほっぽり出して彼女達の元へと向かうだろうと思った彼は零無が修行を終わらせるまで修行部屋から出ないようにしていたのだ。
勿論、切歌達が出撃したことを知った零無はすぐに部屋から出ようとしたがビクトリーランサーを持って入っていなかったことからもそう簡単に出られるはずも無く、「ここから出せ!!」と何度も扉を無理矢理こじ開けようとしていた。
そんな零無にランは「修行が終われば開く」と伝えたのだが零無は今すぐ出たいため、修行なんてやってる暇なんてないとランに言ったのだが……それでもランは扉を開けることはなく、零無はランに怒りを向けたが……。
『大丈夫だ。 いざとなったら俺が切歌達を守る』
そう約束した為、零無はそんな彼の言葉を信じ修行に集中することにしたのだ。
そして先ほど見つけたゼロは恐らくはルナミラクルゼロの能力によって作り出された分身で……本当にマズい時はそのゼロが切歌達を助けに行こうとしていたのだろうとビクトリーは大方の予想ができたのだ。
また最初の方でその分身したゼロが切歌達に加勢しなかったのは基本的にランはこの世界のことはなるべくこの世界の者達の手で守って欲しいことから「本当にマズい状況」や「人手不足」の時以外では手を出さないというスタイルを取っているために加勢をしなかったのだ。
(全く……あの人は……)
それから翼は周り囲んで一気に飛びかかるチブロイドとアルカノイズ達を巨大化させたアームドギアを横に振るって全て切り裂き、クリスは空中へとジャンプして空から大量の矢を雨のようにチブロイドやアルカノイズ達に放って直撃させて倒す。
一方でギンガはファイヤーゴルザの放った「強化超音波光線」を手を前方に出してバリアを展開し、攻撃を無効化させる「ギンガハイパーバリアー」で攻撃を防ぐ。
そこからギンガはファイヤーゴルザの方へと駆け出すのだが……突如、ギンガの背中に光線のようなものが直撃して爆発し……ギンガは思わず膝を突いてしまう。
『ぐっ……なんだ!?』
ギンガが後ろを振り返るとそこには鳥のような赤い怪獣……「超古代竜 メルバ」が立っており、そのメルバには分身したボルストがライブしていた。
『フフフッ! 貴様に勝ち目はない!』
ファイヤーゴルザは両手から相手を拘束する光線をギンガに向かって放ち、ギンガはかろうじてそれを避けて回避するものの今度はテレポートしたメルバがギンガの目の前に現れ、メルバは両手の鎌を使ってギンガの胸部を斬りつける。
『シュア!?』
ギンガは反撃しようとメルバに拳を叩き込み、背後から近づいて来たゴルザにギンガは回し蹴りを喰らわせるのだが後ろからメルバの両手から放った拘束光線に捕まってしまい、ギンガはメルバの目からの怪光線は「メルバニックレイ」とゴルザの額から放つ光線「強化超音波光線」をギンガは受け続けてしまう。
『ウアアアッ!?』
「コウマ!!」
「諸星! お前は来元の元に行け!!」
苦戦するギンガを見て翼はビクトリーの救援に行くように指示し、それにビクトリーは頷く。
『そうだな。 アンタ等の分も残しておかないといけないしな。 待ってろコウマ!』
ビクトリーはそう言い放ちながら巨大化してジャンプし、跳び蹴りをギンガを拘束しているメルバへと喰らわせて攻撃を受けたメルバはゴルザの足下まで吹き飛んで倒れ込む。
挿入歌「ウルトラマンビクトリーの歌」
ギンガとビクトリー、ゴルザとメルバは互いに並び立って対峙し、ギンガはゴルザ、ビクトリーはメルバへ駈け出して行き戦いを挑む。
ゴルザは殴りかかってきたギンガの攻撃をテレポートして回避し、ギンガの背後に2体に分身して「強化超音波光線」を2体同時に発射して来るがギンガはそれをジャンプして回避し、そのまま片方のゴルザの背後へと降り立つとゴルザの尻尾を掴みあげてフルスイングし、もう1体のゴルザの方へと投げ飛ばす。
『ショウラァ!!』
「「グオオオオオ!!!?」」
互いにぶつかったゴルザは倒れ込んで一体に戻り、ギンガはマウントを取って拳を何発も叩き込むのだが……負けじとゴルザは立ち上がってギンガを押し退かし、今度は3体に分身してギンガを取り囲む。
一方でビクトリーは両腕の鎌を振るってくるメルバの攻撃を回避し、2連続でメルバの腹部に蹴りを叩き込んでから頭部を掴み、メルバの顎に膝蹴りを叩きこむ。
「キュエエエ!!!?」
メルバは空中へと飛び立ちビクトリーもそれを追いかけて空中へと飛び立つのだが……途中でメルバは3体に分身し、3体のメルバはビクトリーを取り囲んで攻撃の態勢に入る。
『どうだ! ゴルザを含めればどれが本物か分かるまい……!』
『無駄だ! お前の技はもう俺には効かない!』
零無はビクトリーランサーに「キングジョー」のスパークドールズをリードさせ、ビクトリーの右腕に「キングジョー ランチャー」が装着される。
『ウルトランス! キングジョー! ランチャー!』
『……』
ビクトリーの目の光が消え……ビクトリーは目を瞑ってる状態となりどれが本体かを探し……その隙にメルバが攻撃をしようと仕掛けた瞬間ビクトリーは狙いを地上にいるゴルザに向け……キングジョーランチャーの銃弾を発射。
「ギシャアアアア!!!!?」
本体のゴルザにキングジョーランチャーによる銃弾の雨が降り注ぎ、それを見たギンガもビクトリーが攻撃したゴルザが本体であることに気づき、ギンガは両腕を前方で交差させてからS字を描くように左右に大きく広げてから腕を構え左腕は右肘に拳を当てる構えて放つ必殺光線「ギンガクロスシュート」をゴルザに向かって発射し……直撃を受けたゴルザは倒れて爆発した。
『ギンガクロスシュート!!』
『ぬわああああ!!!? バカな、宇宙最強のこの俺様がまたこんな奴等にぃ~!!』
『ぬおっ!? 本体が……!』
本体のゴルザがやられたことで分身していたゴルザ達も消滅し、メルバにライブしていた分身ボルストも本体がやられたことに動揺してしまい、その際に分身していたメルバも消滅……ビクトリーはその隙を狙い、解除した右拳でメルバの顔面にパンチをビクトリーは叩き込み……続けざまにかかと落としをメルバの頭部に喰らわせ……メルバは地上へと叩き落とされる。
『これで決める!』
空中からビクトリーは両手で描いたV字型のエネルギーを右腕に溜めて両腕をL字に組んで右腕の甲にあるVクリスタルを正面に向けて放つV字型の必殺光線「ビクトリウムシュート」をメルバに向かって発射。
『ビクトリウムシュート!!』
「キジャアアアア!!!!?」
光線を受けたメルバは火花を散らして倒れ爆発し、ビクトリーはギンガの隣へと降り立ち……互いに顔を見合わせると2人は頷き合うのだった。
一方同じ頃、翼とクリスはアルカノイズとチブロイド達を全て倒し終え、今度はミカに対して攻撃を仕掛け、翼はX字の青い斬撃を居合いのように飛ばして敵を斬り裂く「蒼刃罰光斬」を繰り出す。
ミカは翼の技をジャンプして避けるがそこを狙ってクリスがギアから大型ミサイル2基を生成してから砲撃を行う「MEGA DETH FUGA」をミカへと放ち、ミカは爆発の煙の中に消えるのだが……。
「フン、ちょせぇ!」
「いや、待て!」
煙が晴れるとその中からバリアを張り巡らせてミカを守ったキャロルと彼女の後ろにはエクセラーも立っており、ミカは「面目ないぞ」とキャロルに謝罪するがキャロルは「いや、手づから凌いでよく分かった。 俺の出番だ」と答え……キャロルとエクセラーの出現にクリスと翼は警戒を強める。
「ラスボスのお出ましとはなぁ。 見ねぇ顔もいるみたいだが」
『お初にお目にかかります。 シンフォギア奏者のレディー達! 私の名は宇宙最高の頭脳を持つ、チブル星人エクセラーと申します。 以後お見知りおきを。 今回は既にいらなくなったゲームの駒であるギンガとビクトリーを排除するため、私自らが出向いて参りました』
エクセラーは丁寧な口調でクリスや翼に自己紹介と今回自分がやってきた目的を語り、エクセラーの言葉から翼は「今まで現れた宇宙人達の親玉か?」と尋ねるとエクセラーは「グレイト! その通りでございます」と答える。
「成程な。 まぁ、良いだろう決着を望むのはこちらも同じこと」
キャロルはミカに「全てにおいて優先させるべきは計画の遂行、ここは俺に任せてお前は戻れ」と彼女に撤退するように指示するとミカは「分かったゾ」と頷いてその場から姿を消し去り、クリスはそれを見て「とんずらする気かよ!?」とミカは撤退したことに苛立つが……。
「案ずるな、この身1つでお前等2人を相手にするくらい、造作もないこと」
「その風体でヌケヌケと吠える。 それにそこの異星人もそこまでの強者には見えないがな?」
そんな翼の言葉にキャロルは口元に笑みを浮かべて微笑し、「成程、ナリを理由に本気を出せなかったなどと言い訳される訳にはいかないな」と呟くとキャロルは錬金術で魔法陣のようなものを作り出し、そこから竪琴型の「ファウストローブ」と呼ばれるものを取り出す。
「ならば刮目してみよ!!」
キャロルがそう言い放つと同時に彼女はファウストローブの弦を弾いて音色を奏でる。
それに司令室では……キャロルが弦を弾いた際にシンフォギアと似た波形であるアウフヴァッヘン波形がファウストローブから検出され、司令室にいたマリアはそれを聞いて「まさか聖遺物の起動!?」と驚きの声をあげる。
そして場所を戻し、キャロルは纏っていた服装が変わり、さらに彼女は子供の姿から大人の姿へと急成長したのだ。
『ふむ、丁度ギンガとビクトリーもムッシュ・ボルストを倒したようですね? では私も……!』
するとボルストの目の前にギンガ、ビクトリー、マックス、ゼロによって倒された怪獣達……回収したファイヤーゴルザ、メルバ、レイキュバス、超コッヴ、ガンQのスパークドールズがエクセラーの周りに出現し、エクセラーはチブローダーを脱ぎ捨ててそこから本体のエクセラーが出てくる。
『レディースアーンドジェントルメーン!! お楽しみは、これからですよぉ!! モンスライブ!! ゴルザ! メルバ! レイキュバス! 超コッヴ! ガンQ! 超合体!!』
エクセラーがそう高らかに叫ぶと5体の怪獣のスパークドールズはエクセラーの身体の中へと吸収され、エクセラーはファイヤーゴルザ、メルバ、レイキュバス、超コッヴ、ガンQを合体させた巨大な「超合体怪獣 ファイブキング」へと変身し、ギンガとビクトリーの前へと出現したのだ。
『なんだこいつ……』
『油断するな、コウマ!』
そこへ丁度通常形態のゼロやマックスも帰還し、大地へと降り立つと2人はギンガとビクトリーの隣に並び立つ。
『こいつ、俺達がさっき倒した筈の怪獣達が合体したのか!?』
『もう俺達のエネルギーも残り少ない。 一気にケリをつけましょう!』
マックスの言葉にギンガ、ビクトリー、ゼロは頷き、4人のウルトラマンは一斉にファイブキングへと戦いを挑む。
またキャロルは両手指先にある弦をワイヤーとして扱い、彼女はそれを翼とクリスに飛ばして攻撃するが2人はどうにかそれを回避し、翼は素早くキャロルの方へと駆け出し、同時にクリスもアームドギアでキャロルに射撃を行うが……。
キャロルは背部パーツから展開される弦を両手で弾くとそこから巨大な炎と水流が放たれてクリスの銃弾をかき消し、そのままクリスと翼に攻撃を行い、2人はどうにかそれを回避したのだが……キャロルはそこを狙ってワイヤーを飛ばし、クリスは避けたもののワイヤーの攻撃によって起きた爆発に翼は吹き飛ばされてしまう。
さらにキャロルは倒れ込んだ翼を狙って背後に出現させた6つの魔法陣のようなものから光線を放ち、クリスは「先輩!!?」と翼の身を案じるが……。
「その程度の歌で俺を満足させることなどと!!」
キャロルはワイヤーを飛ばして今度はクリスに攻撃を仕掛けるがクリスはジャンプして回避し、大型クロスボウからクリスタル状の巨大な矢を放ち、その矢が無数の小さな矢に分裂……それら全てがエネルギー状の矢に変化して一斉に敵に向かっていく「GIGA ZEPPELIN」をキャロルへと繰り出すが……キャロルはワイヤーを回転させて全ての攻撃を防いでしまったのだ。
さらにそのままワイヤーをドリル状へと変化させ竜巻を起こすとそれを喰らったクリスは身動きを封じられ、突進してきたキャロルの攻撃を受け空中から地面へと叩き落とされてしまう。
「くあ!?」
またこの戦いの様子を見ていた司令室では……。
「こんなにも膨大なエネルギー、一体どこから……」
「思い出の償却です。 キャロルやオートスコアラーの力は思い出という脳内の電気信号を変換錬成したもの。 作られて日の浅い者には力に変えるだけの思い出がないので他者から奪う必要があるのですが……数百年を永らえて相応の思い出が蓄えられたキャロルは……」
朔也の疑問に答えるようにエルフナインがそう語り、そこまで言いかけたところでマリアが「それだけ強大な力があるということ?」と尋ね、それにエルフナインは頷く。
また弦十郎が「力へと変えた思い出はどうなる?」と問いかけるとエルフナインが言うには「燃え尽きて失われてしまいます」と答え、またキャロルはこの戦いで結果を出すつもりなのだとエルフナインは一同へと説明した。
そしてウルトラマン達はファイブキングと戦闘を繰り広げており、ギンガはギンガスパークが槍状の武器に変形した「ギンガスパークランス」とゼロは「ウルトラゼロランス」を持ってファイブキングへと振りかざすがファイブキングは右腕のレイキュバスのハサミで攻撃を受け止め、そこから冷気と火炎をギンガとゼロに発射して喰らわせる。
『レイキュバスの力!!』
『『グアアア!!!!?』』
すると今度はビクトリーとマックスは同時に必殺光線である「ビクトリウムシュート」と「マクシウムカノン」をファイブキングへと放つのだが……ファイブキングは2人の光線のエネルギーを左腕のガンQの盾に吸収させ……それをビクトリーとマックスに向かって撃ち返す。
『ガンQの力!!』
『『シュアアアア!!!!?』』
吹き飛ばされ倒れ込むマックスとビクトリーだが、マックスはすぐに起き上がって「コメットダッシュ」による高速移動でファイブキングの背後へと回り込み、「マクシウムソード」でファイブキングを斬りつけようとするが尻尾でマックスの身体を拘束して持ち上げ、マックスへと地面へと力強く叩きつけた後、ギンガ達の方へと投げ飛ばされる。
『グウウ!!!?』
『さらに超コッヴの力!!』
ファイブキングはさらにギンガ、ゼロ、マックス、ビクトリーに超コッヴの光弾を幾つも放って喰らわせ、攻撃を喰らったウルトラマン達は身体中から火花を散らして膝を突いてしまう。
『『『『ウアアアアア!!!!?』』』』
『クソ……こうなったら!!』
ゼロは左腕のウルティメイトブレスレットを光らせて「ウルティメイトゼロ」へと強化変身しようとするのだが……。
『おっとそうはさせませんよぉ! イージスは使わせません!!』
イージスを使われる前にファイブキングは頭部からファイヤーゴルザとメルバの「強化超音波光線」と「メルバニックレイ」を同時に発射し、それらをゼロに直撃させ、ゼロは大きく吹き飛ばされる。
『ゴルザとメルバの力!!』
『ガアアアアア!!!!?』
『あなたが1番の厄介者ですからね。 先に始末させて貰いますよ!』
ファイブキングはゼロに向かってファイヤーゴルザ、メルバの合体光線、超コッヴの無数の光弾、レイキュバスの火炎と冷気の光線を全て同時にゼロに向かって放ち、ゼロはなんとかすぐに立ち上がって左腕を伸ばした後、腕をL字に組んで放つ光線「ワイドゼロショット」を発射。
『ワイドゼロショット!!』
互いの光線がぶつかり合うが……ゼロの光線はあっさりとファイブキングの光線に飲み込まれてファイブキングの光線はゼロに直撃し、ゼロは身体中から火花を散らしながら吹き飛ばされてしまう。
『ぐあああああああ!!!!?』
吹き飛ばされたゼロはランの姿へと戻り、彼は身体を地面に強く叩きつけて倒れ込む。
「ぐはっ!? クソ……!!」
『ラン隊長……!』
『余所見している暇があるのですか!!?』
ファイブキングはランが敗れ、気を取られて隙が出来ていたギンガに向かって右腕のハサミを振るって斬りつける。
『グウウ!!?』
そこにビクトリーとマックスがファイブキングの両腕に掴みかかって動きを封じようとするがファイブキングは腕を振るってあっさりとビクトリーとマックスを投げ飛ばし、再びファイヤーゴルザ、メルバの合体光線、超コッヴの光弾、レイキュバスの火炎と冷気を発射しギンガ、ビクトリー、マックスはそれらを喰らい続け……遂には力尽き、その場へと倒れ込んでしまったのだ。
『『『ウアアアアア!!!!?』』』
やがてギンガ、ビクトリーの赤く点滅していたカラータイマーも鳴り止み、2人のウルトラマンはエネルギーが尽きてしまい目からも光が失われてしまったのだ。
そしてギンガ、ビクトリーのカラータイマーからコウマ、零無が飛び出し、ギンガ達は彼等の命を救うために自ら一体化を解き、彼等と分離したのだ。
「ぐっ……ギンガ……!」
「ビクトリー……」
またマックスもエネルギーが完全に尽きる前にカイトの姿へと戻り、カイトはマックススパークを取り出してマックスに呼びかける。
「ぐぅっ……! マックス!! 大丈夫か!?」
『あぁ……。 しかし、君も私もかなりのダメージを受けてしまった。 エネルギーも殆どない今、しばらくは戦えそうにない……』
ギンガ、ビクトリー、マックス、ゼロを倒したファイブキング……エクセラーは勝ち誇ったような笑い声をあげる。
『フッハハハハハ!! どうです? 見ましたか!? ファイブキングの……私の力を!! そしてビクトリアンの諸君もこの光景が見えていますね!? あなた方を守るウルトラマンはもういない!! 大人しく全てのビクトリウムを私に渡すのです!! 猶予はそうですねぇ……ミス・キャロルが奏者達と決着がつくまでの間くらいまでは待ってあげましょう!』
エクセラーは「それでは良い返事を待っていますよ」とだけ話し、ファイブキングはジッと立ったままキャロルや翼とクリスの戦いに視線を映すのだった。
「クソッタレが……! あの頭でっかち勝手なことばかり言いやがって……!」
「くっ……。 まだ行けるか雪音?」
「アレを試すくらいにはギリギリ大丈夫ってとこかな」
また倒れ込んでいたクリスと翼はどうにか立ち上がり、そんな2人を見たキャロルはほくそ笑んだ後、「弾を隠しているなら見せてみろ。 俺はお前等の全ての希望をブチ砕いてやる」と挑発し、クリスは翼の方へと視線を向け「付き合ってくれるよな?」と問いかける。
「無論、1人で行かせるものか!」
すると翼とクリスは胸部にあるクリスタルを取り外す。
「「イグナイトモジュール!! 抜剣!!」」
クリスタルは形を変え細長い剣のような形となり、それらは翼とクリスの胸に突き刺さると……2人の身体から赤黒いオーラのようなものが溢れ出し、2人は苦しそうな声をあげる。
「ぐう……ぐあああ!!?」
「うぐ……あぁ!? 腸をかき回すような……! これが……この力が!!」
翼はエルフナインがイグナイトモジュールの説明を行っていた時のことを思い出し、これこそがキャロル達に対抗するための「プロジェクト・イグナイト」であり、エルフナインが言うにはシンフォギアには幾つかの決戦機能が搭載されているらしく、翼とクリスはそれを聞いてすぐにそれが「絶唱」と「エクスドライブモード」等のことだと理解した。
とはいえ絶唱は相討ち前提の肉弾で仕様局面が限られており、エクスドライブは相当量のフォニックゲインが必要となるため、こちらも好きなように使える訳では無い。
そこで提案されたのが響が暴走した時のような力であり、その暴走を制御することで純粋な戦闘力へ変換錬成しキャロルへの対抗手段とする……これがプロジェクト・イグナイトの目指す所だとエルフナインは説明したのだ。
「モジュールのコアとなるダインスレイフは伝承にある殺戮の魔剣。 その呪いは誰もが心の奥に眠らせる闇を増幅し人為的に暴走状態を引き起こします」
「それでも人の心と英知が破壊衝動を捻じ伏せることができれば……!」
「シンフォギアはキャロルの錬金術に打ち勝てます!」
司令室のキャロルと弦十郎がそう言い放つが……クリスと翼は未だに苦しそうな呻き声をあげている。
(あのバカはずっとこの衝動に晒されてきたのか……!?)
(気を抜けば…まるで深い闇の底に……!)
*
気がつけば翼はあるステージの上に倒れ込んでおり、気がつくと彼女は起き上がる。
「私はもう1度、ここで大好きな歌を歌うんだ……! 夢を諦めて、なるものか……!」
翼が顔をあげるとそこには大量のアルカノイズが客席に立っており、それを見た翼は「私の歌を聴いてくれるのは……敵しかいないのか……?」と唖然とした表情を浮かべる。
(新たな脅威の出現に戦いの歌を余儀なくされ……剣に戻ることを強いられた私は……)
翼は父に昔「お前が風鳴の娘であるものか。 どこまでも汚れた風鳴の道具に過ぎん」と言われた時のことを思い出し、彼女は「それでも認められたい、だから私は、私はこの身を剣と鍛えた」と考え、だからこそ夢を見ることなど許されない道具……剣だと自分に言い聞かせた。
すると目の前にかつての相棒である奏が現れ、奏が翼に笑みを浮かべると彼女は「奏!!」と奏の元へと駆け寄って抱きしめるが……彼女は人形のようにバラバラに崩れ去ってしまう。
(私では……誰も抱きしめられない……!)
そして翼はその場で膝を突き、泣き崩れてしまう。
「うぅ、うあああ……!」
またクリスも気がつけば何時も授業を受けている自分の教室で椅子に座っており、今は見たところ授業中のようだった。
(教室……? ここは……あたしがいても良いところ……。 ずっと欲しかったものなのにまだ違和感を覚えてしまう……)
クリスはそんなことを考えていたが、それでもこの春から切歌と調という新しい後輩ができたと嬉しかがっていたが……彼女は自分の不甲斐なさであの2人がボロボロになってしまい一人ぼっちが仲間とか友達とか先輩とか後輩……恋仲でもあるコウマなんて求めちゃいけないんだとクリスは考えるようになって行ってしまい……。
(でないと残酷な世界がみんなを殺しちまって本当に一人ぼっちとなってしまう)
気づけばクリスの周りにはボロボロになって倒れている切歌や調、コウマがおり、クリスはそれを見て逃げ出したい気持ちに駆られるが……そんな彼女の手を……翼が掴んだのだ。
「すまないな。 雪音の手でも握ってないと底無しの淵に飲み込まれてしまいそうなんだ」
「ヘッ……。 お陰でこっちもいい気付けになったみたいだ…危うくあの夢に溶けてしまいそうで……」
すると2人に突き刺さっていた剣も赤黒いオーラと共に消え去り、2人は膝を突く。
「……不発?」
『興ざめですね、ミセス・キャロル?』
*
「マズい!!」
「奏者、モジュールの使用に失敗!!」
司令室ではクリスも翼もイグナイトモジュールの使用に失敗してしまい、その光景を見ていたエルフナインは「僕の錬金術ではキャロルを止めることはできない……」と呟き、俯くが……。
「大丈夫、可能性が全て尽きた訳じゃないから」
未来がエルフナインにそう語りかけ、そこへ響もエルフナインの元へと歩いてきて「それ……」とエルフナインが握っているものに視線を向ける。
「改修したガングニール……」
すると響はエルフナインの手を握りしめ彼女に笑みを向ける……。
「ギアも可能性も、二度と壊させやしないから!」
*
「尽きたのか? それとも折れたのか? いずれにせよ、立ち上がる力くらいは俺がくれてやる!!」
するとキャロルは上空に巨大なアルカノイズを召喚し、そのアルカノイズは飛行型のアルカノイズを大量に生み出し、飛行型アルカノイズはノコギリのような形状に変形して次々に市街地に降り注いで被害を出す。
「いつまでも地べたに膝をつけていては市街の被害を抑えられまい」
それを見て翼とクリスはどうにか立ち上がろうとするが……立ち上がるのがやっとで2人とも肉体へのダメージが深刻でとても戦えるような状態ではなかった。
しかし……。
『ウルトライブ! メカザム!!』
そこへコウマがギンガスパークとメカザムのスパークドールズを使ってライブした「暗黒機靱 メカザム」が現れ、メカザムは右腕に仕込まれた巨大剣「ソードザンバー」で街に降り注ぐアルカノイズを切り裂き、街への被害を押さえ込もうとする。
さらに零無はビクトリーランサー・ガンモードにEXレッドキングのスパークドールズをリードさせると銃口を空中にいる巨大アルカノイズに向かってその怪獣の力を宿した光弾を発射する。
『ウルトライブ! Go! EXレッドキング!!』
だが零無の放った光弾はファイブキングの放った光線にかき消され、ファイブキングはレイキュバスの火炎と冷気をメカザムに向かって発射……メカザムはソードザンバーで受け止めるが……ソードザンバーは砕けメカザムに直撃してしまう。
『ぐああああああ!!!!?』
『まさかそう来るとは思いませんでしたよ!』
ファイブキングはメカザムに向かってトドメを刺そうと歩いてくるがコウマはすぐさま別のスパークドールズを取り出してギンガスパークにリードさせる。
『ウルトライブ! エレキング!』
メカザムの姿が変わり、今度は「宇宙怪獣 エレキング」へとライブし、エレキングは尻尾でファイブキングの身体を拘束して電撃を流すが……ファイブキングはガンQの力を使い電撃を吸収し、そのままそっくり電撃を纏めて逆流させてエレキングに跳ね返したのだ。
『キュウイイイイイ!!!!?』
エレキングは火花を散らして倒れ込み、その間にアルカノイズは次々に街に被害を与え続ける。
またファイブキングと戦っていたエレキングは倒れ込んだ身体をファイブキングに踏みつけられ、エレキングにライブしていたコウマ自身もかなりボロボロの状態であった。
『いい加減しつこいですね! そろそろ諦めたらどうなのです?』
『あいつ等がまだ諦めてないのに……!! 俺が諦める訳……ないだろうがあああああああ!!!!!』
『ウルトライブ! キングジョー!』
エレキングは「宇宙ロボット キングジョー」へと姿を変えて精一杯の力を振り絞ってファイブキングを押し退かし、右腕のペタニウムランチャーから銃弾を発射するがファイブキングはガンQの盾でそれらを吸収し、全てキングジョーへと跳ね返す。
だがそこに零無の放ったEXレッドキングの光弾がファイブキングの頭部に直撃し、ファイブキングは零無を睨み付ける。
『ええい鬱陶しいゴキブリめ!! 行け!! アルカノイズ!! チブロイド!! そのクソガキを排除しろぉ!!』
ファイブキングの口から1つの球体と結晶のようなものが地面に落ちるとそこからチブロイドとアルカノイズ達が零無の周りに出現し、一斉に襲いかかろうとするが……。
そこに駆けつけたランとカイトが跳び蹴りをアルカノイズとチブロイド達に喰らわせ、2人は零無の元へと駆けつける。
「ちょっ、2人とも思いっきりアルカノイズに触ってたけど大丈夫!?」
「なんだ知らねーのか? ノイズやアルカノイズはウルトラマンでも倒せるんだぜ? 地球人の姿しててもウルトラマンと同化しててもな? お前等もギンガスパークやビクトリーランサーの力でアルカノイズに触られても炭化はしない筈だ」
それを零無は「えっ? そうなの?」と首を傾げ、アルカノイズが触手を伸ばして零無に攻撃してくるが零無は思わずそれを掴みあげ、フルスイングして投げ飛ばす。
「あっ、ホントだ……」
だが……ファイブキングの猛攻に遂にキングジョーも力尽きかけ……ファイブキングの放った5体の怪獣の光線を一度に浴びてキングジョーは火花を散らして爆発し……ライブも解除されコウマの姿へと戻り、彼は地面を転がり倒れ込んだ。
「ぐっ……あぁ……!! クソ……!! まだ、だ……。 まだ俺は……戦える!!」
『往生際が悪いですねぇ、そろそろ死になさい!!』
エクセラーはそう言い放ちながらファイブキングの頭部から超音波光線を発射し……それを見た零無やクリス達は「コウマ!!」と彼の名を叫び……コウマは思わず目を伏せるのだが……何時まで経っても何も起きないため、コウマはそっと目を開けると……。
彼の目の前には……何も無い白い空間が広がっており、かつて共に戦った仲間である、ウルトラ兄弟6人目の戦士……「ウルトラマンタロウ」が立っていたのだ。
『久しぶりだな、コウマ』
「タロウ……!」
挿入歌「ウルトラ六兄弟」
タロウだけではない、元の世界では「ゾフィー」「初代ウルトラマン」「ウルトラセブン」「ウルトラマンジャック」「ウルトラマンエース」といった他の兄弟達も現れ、街への被害を抑えるためにジャック、エースがアルカノイズと戦う。
『シュア!!』
ジャックは腕の「ウルトラブレスレット」を槍型の武器「ウルトラランス」に変形させ、それを回転させて街へと降り注ぐアルカノイズ達の攻撃を防ぐ。
『トアアア!!』
エースは胸の前で交差した腕を上下に素早く伸ばして右手刀と左手刀の間に大きな三日月型の切断力場を形成し、敵に向かって発射する「バーチカルギロチン」で飛行型アルカノイズ達を次々切り裂く。
またゾフィーは等身大となって零無達の元へと駆けつけ、チブロイドやアルカノイズ達を殴り飛ばすが……アルカノイズ達は触手を使ってゾフィーの手足を拘束し……その間にチブロイド達が光線銃を構えるが……ゾフィーは空中へと飛んでそのまま勢いよく急降下し、アルカノイズを地面に叩きつけた後……ゾフィーはチブロイド達に一気に詰め寄り殴り飛ばす。
「ゾフィー隊長!! それに……親父達まで!!」
そしてウルトラマンとセブンはファイブキングへと向かって行き、ファイブキングはレイキュバスの腕から火炎と冷気を放つがセブンは頭部のブーメラン「アイスラッガー」を、ウルトラマンはリング状の光の刃「八つ裂き光輪」を投げつけて冷気と火炎を切り裂き、ファイブキングの身体を斬りつける。
『デュア!!』
アイスラッガーを手に持ったセブンはファイブキングを斬りつけようとするがファイブキングはレイキュバスのハサミで受け止めるが……そこに駆け出して接近したウルトラマンがファイブキングの腹部に向かってヤクザキックを叩き込む。
『シュア!!』
ウルトラマンとアイスラッガーを頭部に戻したセブンはファイブキングの両腕に掴みかかり、2人同時に蹴りを叩き込むのだが……ファイブキングは超コッヴの光弾をウルトラマンとセブンに幾つも浴びせ、レイキュバスのハサミを振るってウルトラマンとセブンを斬りつける。
さらにファイブキングは空中へと飛び立ち、街を守るエースとジャックに向かって行きすれ違いざまにハサミで2人を斬りつけ、ジャックとエースは身体から火花を散らして膝を突く。
『『シュア!!?』』
『幾らウルトラ兄弟と言えど、ファイブキングに勝つことなど不可能!!』
『それは違うな』
そこへ巨大化したゾフィーが現れ、ゾフィーはウルトラマンとセブン、ジャックとエースに視線を向けると4人のウルトラマンは頷く。
『我々は貴様を倒すために来たのでは無い。 ギンガとビクトリーを救い、ギンガに新たな力を与えるために来たのだ。 行くぞ兄弟達よ!!』
ゾフィーのかけ声にウルトラマン達は力強く頷き、5人のウルトラマンは一斉に必殺光線をファイブキングの足下に撃ち、ファイブキングを後退させ……その隙にゾフィー達はギンガとビクトリーに手を差し伸べるとそこから光の粒子をギンガとビクトリーのカラータイマーに自分達のエネルギーを分け与える。
それと同時にコウマとタロウは……。
『コウマ、我々ウルトラの意思を受け継ぐ者には素晴らしい仲間がいる』
「ウルトラの……仲間?」
『そうだ、我々はどんな時も仲間と共に力を合わせて戦って来た。 コウマ、君にもウルトラの仲間がついている! その諦めない心と、我々仲間の力が合わされば……あのファイブキングにもきっと勝てるだろう』
するとゾフィー達からエネルギーを受け取ったギンガとビクトリーに光が戻り、ギンガとビクトリーはスパークドールズの姿へと戻ってコウマと零無の目の前に現れる。
それと同時にコウマとタロウのいる白い空間にゾフィー、ウルトラマン、セブン、ジャック、エースも現れ、6人のウルトラマンはコウマに向けて頷くと6人のウルトラマンは光の球体のような姿になり、それらが1つに重なり合うとその光の中からタロウの顔を模した「ストリウムブレス」が現れ、それがコウマの左腕に装着される。
するとコウマの元の空間へと戻り、隣には零無が立っていた。
「タロウ……みんな……。 零無、行くぜ!!」
「おう!!」
コウマはギンガスパークを取り出し、ブレード部分を展開させるとそこからギンガのスパークドールズが現れ、それを掴み取ってギンガスパークにリードさせた後、コウマはギンガスパークを掲げる。
『ウルトライブ! ウルトラマンギンガ!』
「ギンガアアアアアア!!!!!」
また零無はビクトリーランサーはランサーモードに変形させ、ビクトリーのスパークドールズを出現させ、それを掴み取ってビクトリーランサーにリードさせる。
『ウルトライブ! ウルトラマンビクトリー!』
そしてコウマは「ウルトラマンギンガ」に、零無は「ウルトラマンビクトリー」へと変身を完了させ、2人のウルトラマンは大地へと降り立つのだった。
また……クリス達はというと……。
「歌えないのなら……分解される者どもの悲鳴をそこで聞け!!」
そこへ……S.O.N.G.の放ったミサイルに乗ったガングニールを纏った響が現れ、響は自身の拳とミサイルを同時に空中の巨大アルカノイズに叩き込み、巨大アルカノイズを撃破……他にも放たれたミサイルも空中の他の生き残っていたアルカノイズ達を次々に殲滅する。
そして響は翼とクリスの元へと降り立つ。
「すまない、おかげで助かった!」
「とんだ醜態を見せちまったけどよ……」
「イグナイトモジュール、もう1度やってみましょう!」
響はもう1度イグナイトモジュールを使うことをクリスと翼に言うが、翼もクリスもとても今の自分達が使えるとは思えないと響にそう言葉を返したのだが……。
「未来が教えてくれたんです! 自分はシンフォギアの力に救われたって! この力が本当に誰かを救う力なら身に纏った私達もきっと救ってくれるはず!! だから強く信じるんです! ダインスレイフの呪いを破るのは……」
響に言い放たれ翼とクリスは……。
「いつも一緒だった天羽々斬……」
「あたしを変えてくれたイチイバル……」
「そしてガングニール!! 信じよう!! 胸の歌を!! シンフォギアを!!」
響の言葉にクリスは「このバカに乗せられたみたいでかっこつかねえけどな」とクスリと笑い、翼の「もう1度行くぞ!!」という言葉を合図に3人は再びイグナイトモジュールを起動させる。
「イグナイトモジュール!!」
「「「抜剣!!」」」
3人は胸のクリスタルを取り外して空中へと投げるとクリスタル形を変え細長い剣のような形となり、それらが3人の胸に突き刺さり、再びあの赤黒いオーラが身体に纏わる。
「「「うぐああああああ!!!!?」」」
響、翼、クリスの3人はイグナイトモジュールを起動させ、彼女達は苦痛の声をあげるが……。
「呪いなど切り裂け!!」
「撃ち抜くんデス!!」
「恐れずに砕けばきっと!!」
マリアや司令室に戻ってきた切歌や調の声援を受け、響は心の中で「未来が教えてくれたんだ……」と呟く。
(力の意味を!! 背負う覚悟を!! だからこの衝動に……塗り潰されて……!!)
(((なるものかああああああ!!!!!)))
3人が心の中でそう叫ぶと今度こそイグナイトモジュールが完全に起動し、彼女達の纏うギアは漆黒のギアへと変化したのだ。
挿入歌「RADIANT FORCE (IGNITED arrangement)」
3人は「歌」を口ずさみ、それを見たキャロルはニヤリと笑みを浮かべて大量のアルカノイズを再び召喚……その数はざっと3000体に及ぶのだが……。
「たかだか3000!!」
最初に響が先陣を切ってアルカノイズ達を自身の拳で一瞬で貫き、続いて翼は大型化させたアームドギアを横一線に振るい、巨大な青いエネルギー刃を放ち敵を切り裂く「蒼ノ一閃」をアルカノイズ達に炸裂させる。
またクリスはガトリング砲と小型ミサイル、大型ミサイル4つを一斉に発射する「MEGA DETH QUARTET」をアルカノイズ達に発射し、一斉にアルカノイズ達を吹き飛ばし……さらに彼女の放った大型ミサイルからさらに小型のミサイルが放たれ、それらは空中のアルカノイズ達も一気に殲滅される。
「ヘソ下辺りがむず痒い!!」
そこへキャロルが手からワイヤーを飛ばしアルカノイズ共々響達を攻撃するが彼女達はキャロルの攻撃を全て避ける。
「強大なキャロルの錬金術……ですが奏者達もまたそれに対抗できる力を……」
モニターから戦いを見ていた緒川がそう呟き、未来もまたジッと彼女達の戦いをモニター越しから見つめていた。
(それでも響は傷付け傷付く痛みに隠れて泣いてる。 私は何もできないけど響の笑顔は、その裏にある涙は拳に包んだ優しさも全部抱きしめて見せる……。 だから……!)
そして未来は……。
「負けるなー!!」
響達に精一杯のエールを送るのだった。
キャロルは響の右腕をワイヤーで拘束させるが……彼女は拘束されていない左手でワイヤーを掴みあげて引っ張りキャロルのバランスを崩させ、その隙を狙い翼の飛ばした斬撃とクリスの放った矢が放たれるがキャロルはワイヤーをドリル状にして攻撃を防ぐ。
しかしその直後にその身に炎を纏った響の突進をキャロルは喰らいそのまま彼女は壁に激突し、響は空中へと飛び上がると強力な急降下キックをキャロルへと叩きこんだのだ。
「うぐぁああああ!!!?」
キャロルは煙の中へと一度消えるが……煙はすぐに晴れ、彼女は大人の姿から子供の姿に戻っており、彼女は荒い息をあげていた。
そんなキャロルに響は踏み寄り、「キャロルちゃん、どうして世界をバラバラにしようなんて……?」と彼女に問いかけながら手を差し伸べるが……キャロルはその手を弾く。
「忘れたよ、理由なんて……。 思い出を償却、戦う力と変えた時に。 その呪われた旋律で誰かを救えるなどと思い上がるな……」
「っ……」
するとキャロルは突然倒れ込み、彼女の身体が緑色に燃え上がったのだ。
「えっ? キャロルちゃん……? キャロルちゃん!!? そんな……う、うわああああああああ!!!!!」
灰となる彼女の姿を見て響は悲痛な声をあげるが……突然「ドオオン!!」と大きな音が鳴り響くのを聞き、響はハッとなり音のした方へと振り返る。
「立花、嘆くのは後にしよう……」
「あぁ、コウマ達はまだ戦ってる。 あたし達も援護するんだ!!」
翼とクリスの言葉を受けて響は泣き出しそうな気持ちをグッと堪え「はい!!」と力強く頷き、3人はギンガとビクトリーの元へと向かった。
*
そしてギンガとビクトリーはファイブキングと激闘を繰り広げており、ギンガとビクトリーは同時にファイブキングに駆け出すがファイブキングは超コッヴの光弾を幾つも放ってギンガとビクトリーに直撃させ、2人を近寄らせなかった。
『ぐぅ、クソ……!』
攻撃を受け、膝を突くギンガとビクトリーだったが……。
そこに丁度クリスと翼の放ったミサイルとエネルギーによる斬撃がファイブキングの頭部に直撃し、さらに高く飛び上がった響がファイブキングの右の頬に拳を叩き込んだのだ。
「オリャアア!!」
『グウウ!?』
イグナイトによって強化されているだけあり、ファイブキングも多少とはいえ彼女達の攻撃によってたじろく。
『クリス、響、翼さん……!』
『今だコウマ!! 今こそ、ウルトラの仲間の力を使う時だ!』
タロウの言葉にコウマは頷き、ストリウムブレスのタロウの顔が描かれたレリーフを横に向け、それにギンガスパークをコウマはリードさせる。
『今こそ、1つになる時!』
『ウルトラマンタロウ!』
『ギンガに力を! ギンガストリウム!』
するとギンガにタロウの姿が重なり、ギンガは胸のプロテクターや額のビームランプなどがついたタロウにも酷似した姿……「ウルトラマンギンガストリウム」へと強化変身したのだ。
挿入歌「ウルトラマンギンガの歌」
コウマはストリウムブレスのターレットを回転させ、スイッチを押して回転を止めると「ゾフィー」の力が発動される。
『ゾフィーの力よ! Z光線!』
両手の先を合わせて発射する稲妻状の光線「Z光線」をギンガはファイブキングに向かって放つがファイブキングは「無駄だ」と言わんばかりにガンQの盾を使って光線を吸収するのだが……。
『今だ翼さん!!』
『なに!?』
ファイブキングは上空を見上げると翼が空間から大量の青いエネルギー剣を具現化し、上空から落下させ攻撃する「千ノ落涙」がファイブキングの左手首に集中して降り注ぎ、さらに翼の放った「蒼ノ一閃」が放たれ、左手首を完全に破壊される。
『ぐおおお!!? なんだとぉ!!?』
ギンガは左手を破壊されて同様しているファイブキングに向かって駈け出す。
それに気づいたファイブキングは右手のハサミを振るうがギンガは足を振り上げてハサミを蹴って振り払い、懐に飛び込んで超コッヴの腹部に何発の拳を連続で叩き込む。
『ハアアア!! ショウラ!!』
最後に膝蹴りを叩きこみ、ファイブキングは超コッヴの腹部から光弾を発射。
ギンガは直撃を受けて吹き飛ばされるがどうにか空中で身体を回転させて地面に着地する。
『グゥ』
さらにファイブキングは超コッヴは光弾は執拗にギンガに放つ。
しかしそこでクリスがアームドギアをスナイパーライフルに変形させ、ヘッドギアのスコープで標的を捕捉し狙撃を行う「RED HOT BLAZE」で正確に超コッヴの光弾を撃ち抜く。
光弾を全て撃ち抜くと続けざまにクリスはファイブキングの光弾を発射する器官を正確に狙い撃ちして破壊。
『ぬお!?』
それによって動揺したファイブキングの隙を狙い、ビクトリーは右腕を「EXレッドキングナックル」へと変える。
『ウルトランス! EXレッドキング! ナックル!』
ビクトリーは素早くファイブキングに接近し、EXレッドキングナックルでファイブキングに向かって拳を放つ。
『は~い!! じゃーんけーん!』
『じゃ、じゃんけん……!?』
『『ポン!!』』
ファイブキングはレイキュバスのハサミでビクトリーを迎え撃とうとしたが……EXレッドキングナックルはグーのため、ハサミで切り裂くこともできなかった。
そしてビクトリーはそのまま力任せにファイブキングのハサミを振り払い、顔面を思いっきり殴りつける。
『ギシャアアアア!!?』
『よし今だ!! 行け!!』
いつの間にかビクトリーの肩に響が乗っており、響はビクトリーの言葉に「了解!!」と敬礼するとジャンプして足部のパワージャッキで一気にファイブキングに詰め寄り、頭部のメルバの部分を拳で殴って破壊する。
「喰らえええええ!!!!」
頭部のメルバも破壊され、動揺するファイブキング……そこを狙いギンガが再び詰め寄り、ファイブキングに詰め寄ると連続で膝蹴りを何発も腹部に叩きこむのだが……ファイブキングはどうにか頭突きをギンガに喰らわせる。
それによってフラつきながらも後退するギンガ。
さらにファイブキングは大きくジャンプしてビクトリーにドロップキックを浴びせる。
『ウグ!?』
『グルウウウ!!』
ファイブキングは空中に飛んでレイキュバスのハサミから冷気と火炎、口から「強化超音波光線」を放つが……。
『ウルトラマンの力よ! スペシウム光線!』
『ビクトリウムエスペシャリー!!』
コウマはストリウムブレスのターレットを回転させ、スイッチを押して回転を止めて「ウルトラマン」の力を発動。
ギンガは両腕を十時に組んで放つ必殺光線「スペシウム光線」を、ビクトリーは全身のVクリスタルから光弾を連発する「ビクトリウムエスペシャリー」を放つ。
冷気、火炎、強化超音波光線をかき消し……そのまま2人の光線はファイブキングの翼とハサミを破壊する。
『ギシャアアアア!!?』
翼を失ったファイブキングは地上へと落下し、ファイブキングはフラフラとしつつもなんとか立ち上がる。
『よし、トドメだ!』
『ま、待て君たち! 暴力はいかん!! 話し合おう!! 話し合えば……!!』
エクセラーは必死にそう呼びかけるが……今更そんなことを言っても当然無駄であり、コウマはストリウムブレスのターレットを回転させてスイッチを押して止めると「ウルトラマンタロウ」の力が発動される。
『ウルトラマンタロウの力よ! ストリウム光線!』
『ビクトリウムシュート!!』
ギンガは両腕を引き絞って七色のエネルギーを体内に蓄積させた後、腕をT字に組んで放つ必殺光線「ストリウム光線」を。
続いてビクトリーも両手で描いたV字型のエネルギーを右腕に集めてから両腕をL字に組み、右腕の甲にあるVクリスタルを正面に向けて放つ「ビクトリウムシュート」を放つ。
2人のウルトラマンの光線はファイブキングに直撃……ファイブキングは火花を散らし、倒れ爆発を起こし……遂に倒されたのだった。
『うぐああああああああ!!!!?』
その後、ファイブキングを倒したコウマ達は炎に包まれ、散ったキャロルの元へと戻っていた。
「呪われた旋律……だれも救えない……。 そんなことはない、そんな風にはしないよ……キャロルちゃん」
響はキャロルのいた場所を見つめながら、そう言い放つのだった。
*
その頃……キャロルの隠れ家へとチブローダーを着たエクセラーはなんとかどうにか戻ってくることができ、エクセラーは拳を床に叩きつける。
『おのれ人間共ぉ……!! 絶対に許さん……! それとお前等その変なポーズやめろ腹立つ!!』
エクセラーはオートスコアラーの4人を指差してそ怒鳴るが……。
「あらあら、ウルトラマンを倒すのに失敗続きのあなたが私達にそんなことを言う権利があると思っているのかしら?」
そのファラの言葉にエクセラーはさらにイラついたような表情を浮かべ、ミカはそんなエクセラーを見てケラケラ笑っていた。
(くっ! やはりウルトラマン共を倒すにはあのお方の力が必要か……! 宇宙最高の頭脳を持つ私には宇宙最強の肉体こそが相応しい……!)