戦姫絶唱シンフォギアGinga S&GX    作:ベンジャー
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シェパードンセイバーをビクトリーが手にするシーンは原作とは結構かけ離れたものになります。



9Eve 『聖剣-シェパードンセイバー-』

エクセラーの宇宙船にて……。

 

エクセラーのいる部屋、そこでは巨大なモニターにシェパードンの姿が映し出されており、エクセラーはシェパードンの背中に生えているビクトリウム鉱石を見て上機嫌に笑い声をあげる。

 

『フフ、アハハハ!! 良いもの見ぃ~つけた♪』

『んっ? なんだ随分とご機嫌じゃねえか?』

 

そこへ丁度ボルストが現れ、上機嫌な様子のエクセラーに首を傾げながら「なにか良いことでもあったのか?」と尋ねるとエクセラーは「よくぞ聞いてくれました!」とでも言いたげな表情を浮かべる。

 

『ヌフフフ……! 実はですね、あのシェパードンとかいう怪獣、これまでのデータを調べるとどうもあの背中に生えているビクトリウム鉱石は通常のビクトリウムの数十倍のエネルギーがあるとされているのです!!』

『ほほぅ、つまり……そいつの背中の石ころを引っぺがせば良いって訳か!』

『えぇ、ですのでエネルギーの回収にはムッシュ・ボルスト、お願いしますね? ウルトラマン達の相手は主にムッシュ・キューバとムッシュ・ベルメをさせますので』

 

エクセラーがボルストに今回の任務を伝えるとボルストは「任せろ」と自分の胸を自信満々の様子で叩く。

 

『だが、どうせウルトラマンの相手はどの道しなくちゃいけねえだろうし、このチブルサーキットの力を引き出すにはもっと強力なスパークドールズを俺様に寄越しな! 毎度毎度使えないのばっかりだからな!! 今回こそ、良いやつを頼むぜ!』

 

そんなボルストの態度にエクセラーは少し呆れ気味に小さく「はぁ」と呟くとテーブルの上に3つのスパークドールズを出現させ、ボルストはそれを乱暴に手に取ると彼はそのままどこかへと立ち去るのだった。

 

『嫌ですねぇ、ああいう野蛮な人は……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リディアン音楽院、響達の教室……。

 

そこでは今日の授業が終了し、教科書を仕舞って帰る準備をする響の姿があるのだが……どこか暗い雰囲気の彼女に気づいてか未来は彼女の元へと歩み寄る。

 

「私、余計なことしたかもしれない」

「えっ? そんなことないよ! 未来のおかげで私も逃げずに向き合おうって決心がついた!」

 

実は前回の出来事から響は自身の父、「立花 洸」から「少し話さないか」という連絡を受けており、彼女はこれからとあるレストランで彼と会うことになっていた。

 

「ありがとう! 未来!」

「……うん、分かった」

 

響は笑みを浮かべて未来にそう言い残し、彼女は未来に手を振って待ち合わせの場所へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして待ち合わせ場所のとあるレストランにて……。

 

響と洸は席に向かい合う形で座っており、その場には少しばかり重い雰囲気が漂っており、響も少し顔を俯かせて険しい表情を浮かべていた。

 

「……前に月が落ちる落ちないと騒いでた事件があっただろ?」

「っ……」

「あの時のニュース映像に映っていた女の子がお前によく似ててな……。 以来お前のことが気になってもう1度やり直せないかと考えていたんだ」

 

洸は響を今日ここへと呼んだ訳を話し、それを聞いて響は小さく「やり直す……?」と呟く。

 

「勝手なのは分かってる。 でもあの環境でやっていくなんて俺には耐えられなかったんだ……!」

 

実際、あのツヴァイウイングのライブでのノイズ襲撃事件による影響の、当時の悲惨な状況を考えれば常人には先ず耐えられない環境なのは確かであるし、彼が出て行ってしまうのも無理はないかもしれない。

 

それでも当然響はそう簡単に許せるはずもなく、彼女はプルプルと手を僅かに震わせていた。

 

「なっ? またみんなで一緒に……! 母さんに俺のこと伝えてくれないか?」

「……無理だよ、1番一緒にいて欲しい時にいなくなったのは……お父さんじゃない?」

 

顔を俯かせたままそう口にする響に洸は一瞬何も言えなくなってしまい、「あはは……」と苦笑いする。

 

「やっぱ無理か! なんとかなると思ったんだけどな……。 いい加減時間も経ってるし」

 

そんな軽い口調で喋る洸の態度に響は苛立ちを覚えたのか、彼女の両手は拳を作り、拳と肩を震わせる。

 

「覚えてるか響? どうしようもないことをやり過ごす魔法の言葉……。 小さい頃、お父さんが教えたろ?」

 

すると響は苛立ったままその場を立ち上がり、鞄を持ってその場から立ち去ろうとするのだが……それを見て「待ってくれ響!!」と慌てた様子で洸が彼女を呼び止める。

 

「持ち合わせが心許なくてな……」

 

申し訳無さそうな顔を浮かべながら、洸は自分が注文していたサンドウィッチのレシートを彼女に見せ、謝ることもせず……。

 

勝手なことばかり言う上に果てには実の娘に料理を奢らせるといった彼の態度に響は怒りの表情を見せつつも乱暴にレシートを受け取ってその場を走り去って行くのだった。

 

そしてそんな彼女に対して苦笑する洸は再びサンドウィッチを口の中へと頬張るのだったが……。

 

「おい」

「んっ?」

 

いきなり誰かに声をかけられ、声のした方へと顔を向けるとそこにはサングラスをかけ、帽子を被ったカイトが立っていたのだ。

 

実は響がここで洸と会うことを未来から聞かされていたことや前回のことからコウマに響の過去のことを教えて貰ったカイトは彼女のことが心配で変装をして様子を見に来ていたのだ。

 

「君は……」

 

「誰だ?」と尋ねる前にコウマはサングラスを外して洸の胸倉を掴みあげて立ち上がらせ、カイトは洸を強く睨み付ける。

 

それに対し、店員の1人が「お客様!?」と止めようとするがカイトは止めようとしない。

 

「アンタ……父親の癖に娘に1つ謝ることすら出来ないのか!? 果てには響さんに飯を奢らせるってどういう了見だ!!」

「な、なんだ君は!? 娘の彼氏かなにかか!?」

「違う、でも友達だ!! 今すぐアンタをブン殴ってやりたいが……それは俺の役目じゃない。 でももしまた彼女と会って本当の意味で向き合えず、同じようなことをしたら……関係なく俺がアンタをブン殴ってやる!! 分かったな!?」

 

カイトの気迫に押され、洸は冷や汗を大量に流しながら「わわわわ、分かった! 分かった!!」と力強く頷き、コウマは洸の胸倉を離すとコウマはそのままレストランを出て行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、チフォージュ・シャトーでは……。

 

前回、ガリィがマリアと戦っている間にファラはこっそりとフォトスフィアのデータを奪うことに成功しており、彼女はそのデータの入ったチップを口の中に入れると空中にそのデータが映し出される。

 

「……筑波で地味に入手したらしいな」

「強奪もアリでしたが、防衛の為にデータを壊されては元も子もありません」

 

レイアの言葉にファラはそう答え、ファラはフォトスフィアの説明を行う。

 

「1本1本が地球に巡らされた血管のようなもの。 かつてナスターシャ教授がこのラインに沿わせてフォニックゲインをフロンティアへと収束させました」

「これが……レイラインマップ……」

「世界解剖に必要なメスはここチフォージュ・シャトーに揃いつつありますわ」

 

そんな会話をする2人はどこか不気味な笑みを口元に浮かべる。

 

「そうでなくては。 このままでは暴れたりないと妹も言っている」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、地底世界では……。

 

「……なんで地底世界に自販機があるんデスか?」

 

切歌、調、零無の3人は学校帰りに地底世界へと訪れており、3人はシェパードンと一緒に散歩していると途中でこの世界にはあまりにも似つかわしくないものが置かれてあるのを発見した。

 

それが自動販売機である。

 

「クオオオン!」

「……ふむ。 んでもキサラ女王がこの前地上に行く用があったらしくてその時、この自販機を気に入ったらしくてな。 それで数日前から色々やってここに置くことになったらしい」

 

シェパードンが零無に対してそう説明し、零無はシェパードンの言葉を通訳してなぜこんなところに自動販売機があるのかを説明し、切歌と調は「キサラ女王って案外変わった人だなー」と2人は呟くのだった。

 

お墓参りのお供え物に醤油を持って行く人にそんなこと言われたくない気もするが……。

 

そして切歌と調は「せっかくなので使ってみよう!」ということで先ずは調が自販機にお金を入れてジュースを購入し、それを彼女は手に取る。

 

「それにしても、話はちょっと変わるデスが、今朝の計測数値ならイグナイトモジュールを使えるかもしれないデスね?」

「うん、あとは……ダインスレイフの衝動に抗うだけの強さがあれば……。 ねぇ、切ちゃん?」

 

調が切歌に何かを尋ねようとするが、切歌はお金は入れたいいものの何を買うべきか迷っており、「迷うくらいならいっそ可能な限り飲み物のボタンを指で同時に押してやろう!」という感じで複数のボタンを同時に押すのだが……出てきたのは苦い缶コーヒーだった。

 

「だぁ~!? 苦いコーヒーを選んじゃったデスよ~!?」

「バカか、お前は」

 

そんな切歌に零無は呆れた視線を送り、そんな零無の言葉にムスっとした顔を浮かべる切歌はポカポカと彼の肩を叩く。

 

「ちょっ、痛い痛い!? 音はポカポカ言ってるのに地味に痛い!?」

「誰がバカデスか!! 零無の癖に!!」

「クオオオン!!」

 

その時、シェパードンが鳴き声をあげながら右腕をブンブン動かし、それに零無と切歌は驚きつつ2人はシェパードンに視線を送るとシェパードンはなぜか両腕を交差させて「×」という形にする。

 

「きっと2人に『喧嘩しちゃダメだよ』って言ってるんだよ」

「あはは、分かったデスよ、シェパードンがそう言うなら」

「そうだな」

 

切歌と零無はシェパードンに笑みを浮かべて「分かったよ」と頷き、それに対してシェパードンも頷き返す。

 

「ところで話を戻すけど、ねぇ、切ちゃん? 誰かの足を引っ張らない為にはどうしたら良いんだろう?」

 

調は待機状態のクリスタル状の自分のシンフォギアを服から出して見つめながらそう切歌に尋ね、切歌は缶コーヒーの蓋をあけながらそんな彼女の問いかけに対して自分なりの考えを答える。

 

「きっと自分の選択を後悔しないよう、強い意思を持つことデスよ! およ?」

 

するとそこで調が突然切歌が持っていた缶コーヒーを手に取ると今度は自分が持っていた缶ジュースを切歌の手に渡し、それに対して切歌は不思議そうな顔を浮かべる。

 

「私、ブラックでも平気だもの」

「ご、ごっつぁんデース」

 

調のその言葉に切歌は苦笑し、また零無はそんな2人の肩にポンっと両手を置く。

 

「あんま気張りすぎても身体に毒だぞ? 少しは気楽に行こうぜ!」

 

零無は笑顔でサムズアップして切歌と調にそう言い放つのだが、切歌と調は顔を見合わせる。

 

「「零無は何時も気楽そうで良いよね……」」

「おい、お前等それどういう……」

 

「意味だコラ!?」と零無が言い終わる前に、その時S.O.N.G.の通信が入り、弦十郎からアルカノイズが出現したという連絡が来る。

 

尚、アルカノイズの場所は地下68メートルの共同溝という場所の中らしい。

 

「共同溝……?」

「なんデスかそれは?」

『電線を始めとするエネルギー経路を埋設した地下抗だ!』

 

それから零無、切歌、調は弦十郎に言われた場所へと向かい、本部にいるクリス、マリア、翼も現場に向かっており、響とコウマも現場に今向かっているらしい。

 

ちなみにカイトはあの後、真っ直ぐ本部に行ったらしく、現在は彼女達と一緒に現場に向かっていた。

 

なので代わりに本部に今日は来ていなかったコウマをランの指示もあり、先に行かせている。

 

『緊急事態だが、飛び込むのはあのダブルバカが来てからだぞ!』

 

クリスは通信機で零無達にそう指示を出すのだが……その時のクリスの「ダブルバカ」という発言に零無は思わず笑ってしまう。

 

「ダブルバカって……クフフ……! 響に悪いがコウマの奴言われてやんの……!」

『オメェも人のこと言えねえからなポンコツ!』

「ファッ!?」

 

そんな零無に対し、切歌と調は「そりゃそうでしょ」とでも言いたげな呆れた視線を彼に対して送るのだった。

 

それから切歌、調、零無が現場に到着してすぐにコウマも合流し、しばらくして響も駆けつけて来たのだが……。

 

彼女は目元を右腕で拭い、辛そうな表情を浮かべていたのだった。

 

それを見て調は「なにかあったの?」と心配して問いかけるが、ぶっきらぼう気味に「なんでもない」と調達に背中を見せた状態で答えるのだが、彼女は両手の拳をワナワナと震わせていた。

 

「とてもそうは見えないデス……」

 

そんな彼女の様子に切歌がそう声をかけるのだが、響は苛立ち気味に声をあげる。

 

「みんなには関係のないことだから!!」

 

それに対して事情をよく知っているコウマ以外は驚いたような表情を浮かべ、コウマはそんな響の肩に小さな笑みを浮かべながら宥めるようにポンっと手を置く。

 

「関係なくても、みんなお前を心配してるんだぜ?」

「っ……」

「確かに、私達では力になれないかもしれない。 だけど、それでも……」

 

コウマと調の言葉を聞いて響は顔を俯かせつつも怒鳴ったことに対して「ごめん……どうかしてた」と謝る。

 

「あーもう!! 調も調で力になれないとかネガティブ過ぎんだろ!! 多分切歌も! お前等はもう少しポジティブになれって!! だから笑え笑え!」

 

コウマは二カッと笑いながら調と切歌の頬を引っ張って無理矢理笑わせ、彼女等は「ふにゃ!?」と小さな悲鳴をあげるがすぐさまコウマの両手を振り払う。

 

「痛いデスよぉ、コウマさん……」

「悪い悪い!」

(うぅ、やっぱりこの人苦手かも……)

「それよりダブルバカも来たことだし、取りあえず中入るか!」

「誰がダブルバカだポンコツ!」

 

そこで零無がそろそろ共同溝の中に入ろうと言いだし、コウマ達もそれに頷いて一同は共同溝の中へと足を踏み入れるのだった。

 

「……コウマ、さっきはありがとよ、2人を励ましてくれて」

「暗い雰囲気が嫌いだけさ」

 

零無は小声でコウマにそうお礼を述べ、コウマは右手をブンブン振ってそう答えるのだった。

 

(……拳でどうにかなることって実は簡単な問題ばかりかもしれない……。 だから、さっささと片付けちゃおう!)

 

一方で響は自分の握りしめた右手を見つめ、共同溝の中を歩きながらそんなことを考えており、響はコウマ達に振り返って「行くよみんな!」と笑みを浮かべるのだが……。

 

「なんか無理してないか? アイツ?」

 

零無は響は無理に笑みを作っていることに薄々と気づき、コウマも「あんまり無理すんなよ?」と彼女を心配するのだが響は笑顔を崩さず大丈夫だと主張する。

 

「平気、へっちゃらだもん!」

 

そして響、切歌、調は「歌」を口ずさみ3人はシンフォギアを装着し、コウマも1つのウルトラマンのスパークドールズを取り出し、それをギンガスパークにリードさせる。

 

『ウルトライブ! ウルトラマンジャスティス!』

 

コウマは身体に赤と黒のカラーリングが施されたウルトラマン、等身大の「ウルトラマンジャスティス スタンダードモード」に変身。

 

さらに零無もビクトリーランサーを取り出してランサーモードに変形させて構えるとビクトリーのスパークドールズが現れ、それを掴み取って中央部分にリードさせると先端の矢尻部分が開きビクトリーの顔を象った彫刻が現れる。

 

『ウルトライブ! ウルトラマンビクトリー!』

 

するとビクトリーの姿がビクトリーランサーから飛び出し、零無が光に包まれるとその光はあるカラータイマーの中へと入り、零無は等身大の「ウルトラマンビクトリー」へと変身を完了させる。

 

挿入歌「限界突破 G-beat」

 

響は「歌」を歌いながら一同は地下へとジャンプして一斉に降り立ち、アルカノイズの反応のある場所へと駆け出すと早速目の前にアルカノイズ達とチブロイド達が出現。

 

その奥にはミカもおり、彼女は右手を壁にかざしてなにかをやっており、彼女の手前にはベルメとキューバも立っていた。

 

『フフフ、来たね! 雑魚くん達!』

『いい加減お前等ぶっ潰してやるからなァ!!』

「フフン、こいつ等は兎も角、あたしは今日はお前達の相手をしている場合じゃ……」

 

しかし、ミカがそう喋っている間に響は容赦なくベルメとキューバを腕を振るって殴り飛ばし、ミカに一直線に向かって右拳を放つ。

 

『『ウギャアア!?』』

「おわああ!!?」

 

その光景に切歌達は驚いた表情を浮かべ、ミカは「まだ全部言い終わってないんだゾ!」と怒りながらも新たにアルカノイズ達とチブロイド達を召喚。

 

また、響に殴り飛ばされたキューバとベルメもどうにか体勢を立て直しつつチブルスパークとスパークドールズを取り出す。

 

『くっ! よくもやってくれたね!』

『100倍にして返してやっからなぁ!! コノヤロー!!』

 

ベルメとキューバはスパークドールズをチブルスパークにリードさせるとベルメは等身大の「金属生命体 アパテー」、キューバは等身大の「金属生命体 アルギュロス」に変身する。

 

『モンスライブ! アパテー!』

『モンスライブ! アルギュロス!』

 

アパテーとアルギュロスの2体は右手を剣に変形させると2体で同時に響へと襲いかかるが……。

 

『ウルトランス! メカザム! ブレード!』

 

右手をメカザムのスパークドールズを使い、腕をメカザムにしたビクトリーが「ソードザンパー」でアパテーの振るった剣を防ぐ。

 

さらに響に攻撃を仕掛けたアルギュロスはジャスティスの右拳から放つ光線「ジャスティススマッシュ」が直撃し、アルギュロスは軽く吹き飛ばされ壁に激突する。

 

『お前等の相手は……』

『俺達だ!!』

 

ビクトリーはソードザンパーを素早く振るってアパテーに攻撃を繰り出すのだが、アパテーも負けじと右腕を剣を振るってビクトリーの攻撃をどうにか捌く。

 

『ビクトリウムスラッシュ!!』

 

するとビクトリーは一度アパテーから少し距離を取ると足から放つ矢じり型の光弾「ビクトリウムスラッシュ」を放つ。

 

しかしアパテーは身体を6本の槍に変化させてビクトリウムスラッシュを回避。

 

さらにアパテーはその槍の状態のままビクトリーの周りを囲むように移動して地面に突き刺さり、ビクトリーを閉じ込める。

 

それに対してビクトリーはソードザンバーでアパテーの槍を破壊しようとするが触れた瞬間強烈な電撃が槍から放たれて逆にダメージを受けてしまう。

 

『ツェア!?』

「零無!!」

 

そこで調のアームドギアから小型鋸を大量に射出して攻撃する「α式 百輪廻」がアパテーの槍を幾つか弾き飛ばし、ビクトリーはそこから脱出。

 

『ナイスだ調!』

 

だがアパテーの6本の槍は再び空中に浮かび上がって一直線にビクトリーに襲いかかる。

 

『全部撃ち落としてやる!!』

『ウルトランス! キングジョー! ランチャー!』

 

零無はキングジョーのスパークドールズをビクトリーランサーにリードさせ、ビクトリーの右腕が「キングジョー ランチャー」に変わるとそれを構えて銃弾を連続発射し、槍を全て撃ち落とす。

 

撃ち落とされた槍は再びアパテーへと戻り、ダメージを受けたアパテーは膝を突く。

 

またジャスティスは立ち上がったアルギュロスへと向かって高速で駈け出して勢いよく右拳を放ち、アルギュロスの胸部を殴りつける。

 

『シュアアア!!』

 

殴られたアルギュロスは胸部から火花を散らして膝を突き、ジャスティスは追い打ちをかけようとするがアルギュロスは左腕のキャノン砲に変形させて砲弾を発射。

 

攻撃を仕掛けてきたジャスティスに見事直撃し、ジャスティスはダメージを受けて倒れ込むのだが……すぐに起き上がって再び「ジャスティススマッシュ」を放って反撃。

 

それをアルギュロスはどうにか横に飛んで攻撃を避ける。

 

『おい! こいつそっちと比べてちょっと強すぎないか!』

 

それはそうだろう。

 

なにせジャスティスはスタンダードモードの時点でコスモスの強化形態の1つ、「エクリプスモード」と同等の戦闘力を発揮するのだからビクトリーと比べて終始苦戦気味なのは仕方がないだろう。

 

『クッソォ~!』

 

ビクトリーとジャスティスがアパテーとアルギュロスと戦っているのと同じ頃、響はミカが召喚したチブロイドやアルカノイズ達を片っ端から殴り倒していたのだが……。

 

その様子はどこかおかしく、声もどこか震えているようだった。

 

「やっぱり様子がおかしいデス!!」

 

アルカノイズの1体を切り裂きながら切歌も響の様子が明らかにおかしいことに気づき、一方で響はミカに対して容赦のない攻撃を仕掛けるが……ミカはそれを全て回避し、響の攻撃は全て地面や壁などに当たって空振りに終わってしまう。

 

そんな彼女の目尻には……僅かな涙が流れていた。

 

(なんでそんな簡単にやり直したいとか言えるんだ!)

 

彼女は戦いながらも、父へのあの態度に苛立ちながら八つ当たりをするようにアルカノイズやチブロイド達を殴り飛ばして行く。

 

(壊したのお父さんの癖に!! お父さんの癖に!!)

「突っかかり過ぎデス!!」

 

そんな彼女に対して切歌が声をかけるも響は全く耳に入っておらず、アルカノイズ達を天井に叩きつけると彼女はそこに向かって飛び上がり、伸長した腕部ユニットの勢いをパイルバンカーの要領で叩きこむパンチを炸裂させる。

 

(お父さんの癖にいいいいいいいいい!!!!!)

 

だが、そこで彼女は……。

 

(っ……! 違う、壊したのはきっと私も同じだ……)

 

するとその時、突如として地響きのようなものが起こり、それによって身体のバランスを響は崩してしまい、そこを狙ってミカは右手からカーボンロッドを発射して響に直撃させる。

 

「うくっ!?」

 

直撃を受けた響は壁に激突して倒れ込み、すぐさま彼女の元に切歌が駆けつける。

 

「言わんこっちゃないデス! それにしても、さっきの地響きは……」

 

先ほどの地響き、それはこの近くでビクトリウムがエクセラーの手で又も掘り起こされたのが原因であり、司令部からも通信でそのことが切歌達に伝えられる。

 

『零無! ここは俺に任せろ! お前はビクトリウムを!』

『よし!』

 

ジャスティスの言葉にビクトリーは頷き、全身を眩い光に包ませると彼は地上へと戻って巨大化し、ビクトリウムを取られまいと駆け出す。

 

『フン! 現れたな、ウルトラマンビクトリー!』

 

だが地上のとある場所ではボルストが立っており、ボルストは2体に分身し、互いに頷き合うと2人はチブルスパークとスパークドールズをそれぞれ1つ取り出す。

 

そしてボルストはスパークドールズをチブルスパークにリードさせ、内1体は蛾のような超獣「蛾超獣 ドラゴリー」にライブ。

 

『モンスライブ! ドラゴリー!』

 

さらに内1体も同様にスパークドールズをチブルスパークにリードさせ、巨大な鳥の怪獣「火山怪鳥 バードン」にライブする。

 

『モンスライブ! バードン!』

 

ボルストがライブしたバードンはビクトリウムに向かって走るビクトリーに口から炎を放ってそれをビクトリーに直撃させる。

 

『グゥ!?』

 

さらに背後に回り込んだドラゴリーがビクトリーの背中を殴りつけ、膝を突いたところを狙いすかさずバードンが蹴りをビクトリーの胸部に叩き込む。

 

『ウオッ!?』

 

後ろに倒れ込みそうになるビクトリーをドラゴリーがキャッチして支え、そのまま無理矢理起き上がらせると羽交い締めにしてビクトリーは動きを封じられてしまう。

 

身動きの取れないビクトリーに向かってバードンは嘴で攻撃しようと仕掛けるが、ビクトリーは両足を振り上げてバードンに蹴りを叩き込んで引き離し、さらにドラゴリーを振り払って素早くその場から離れる。

 

『ウルトランス! エレキング! テイル!』

 

零無はエレキングのスパークドールズをビクトリーランサーにリードさせて右腕にエレキングの尻尾を装備した「エレキングテイル」にするとそのまま電撃を纏った鞭でバードンとドラゴリーを拘束しようと振るう。

 

『ツェア!!』

 

しかし、ドラゴリーを拘束することには成功したがバードンは空を飛んで回避し、空中から火炎を発射してビクトリーを吹き飛ばし、その際にドラゴリーの拘束も解けてしまう。

 

『グア!?』

「キュエエ!!」

「グルアアアア!!」

 

ドラゴリーの隣に降り立ったバードンはドラゴリーと共に口から火炎を放ち、火炎を受けるビクトリーは苦しむがどうにか頭部のVクリスタルから放つ光線「ビクトリウムバーン」で応戦し、バードンとドラゴリーに攻撃を喰らわせることに成功。

 

『ぐおお!? ビクトリウムバーン!!』

「「ギシャア!!?」」

 

しかし、その攻撃に怒ったバードンはボルストの能力によって2体に分裂。

 

『なに!?』

 

またその光景をS.O.N.G.の司令部のモニターから見ていたランは流石に自分か今ここに来ているカイトを増援に向かわせるべきかと考えたが……。

 

「大変です!! 他の地域に大量のロボット怪獣が出現しました!」

「なんだと!?」

 

その時、別の場所でチブロイドがライブしたと思われる「無双鉄人 インペライザー」が複数出現したことがあおいから報告され、カイトはランにどうするべきか尋ねる。

 

「仕方が無い、俺はインペライザーの殲滅に当たる! カイトは零無の救援に」

「了解! 行こう!」

「あぁ」

 

そう言ってランとカイトはそれぞれ「ウルトラマンゼロ」「ウルトラマンマックス」に変身してゼロはインペライザー、マックスはビクトリーのいる場所へと向かうのだった。

 

そして場所は戻り、2体のバードンは空中へと飛んで左右からビクトリーに攻撃を仕掛け、ビクトリーは自分も空中に飛んで攻撃を回避しようとするがボルストの瞬間移動能力によってドラゴリーが背後に回り込み、ビクトリーを後ろから押さえつける。

 

『しまった!?』

 

そのまま2体のバードンはビクトリーの胸部に嘴を突き刺し、さらにドラゴリーはビクトリーの肩に噛みついて3体はそれぞれビクトリーの身体に「毒」を流し込む。

 

『ぐああああああああ!!!!!?』

 

それによってビクトリーのカラータイマーは激しく点滅し、バードンとドラゴリーがそれぞれ嘴と牙を引き抜くとビクトリーは力なくその場に倒れ込み、ドラゴリーと1体に戻ったバードンはトドメを刺そうと近づいたその時。

 

「グオオオオオオン!!!!」

 

地中から「地底怪獣 シェパードン」が出現し、シェパードンはバードンとドラゴリーに体当たりを繰り出してビクトリーから引き離す。

 

『うあっ……シェパー……ドン……』

「クオオオ……」

 

同じ頃、共同溝の方では……。

 

アルギュロスとアパテーがそれぞれ両腕を剣にしてジャスティスと調に襲いかかるが調はその攻撃を左右のツインテールのアームドギアを1本ずつ増やした4本のアームを自由自在に操る「裏γ式 滅多卍切」で防ぎ、彼女の頭上を飛び越えたジャスティスは高速でアパテーとアルギュロスに接近。

 

そのままジャスティスは2体に向かって拳を突き出し、アパテーとアルギュロスを殴り飛ばす。

 

『『ぐおおお!!?』』

 

一方でミカは響の元に駆け寄ってきた切歌を狙って右手から灼熱の炎を放ち、それに気づいた調は急いで2人の元へと向かって駈け出す。

 

「歌わないのか? 歌わないなら、死んじゃうゾ~!』

『危ない!!』

「2人は私が!!」

 

そしてすかさず調は2本のアームドギアを巨大化させて回転させ盾とし、ミカの炎をどうにか防ぐことに成功するのだが、炎の威力は収まらず……次第に調は追い詰められていく。

 

「うぅ……くっ!?」

「っ……」

 

それを見て切歌はどこか唖然とした表情を浮かべており、調が「切ちゃん」と自分の名前を呼ばれて彼女ようやく我に返った。

 

「大丈夫……?」

 

調は顔だけをこちらに向けてそう尋ねるのだが……。

 

「……んな、訳……ない……デス」

「えっ?」

「大丈夫な訳……ないデス!!」

 

突然怒ったようにそう言い放つ切歌、それに調は驚きの表情を浮かべる。

 

すると切歌はそこで以前クリスが「守らなきゃいけない後輩に守られて、大丈夫な訳ないだろ!」という言葉を思い出し、彼女はイグナイトモジュールに手をかける。

 

「っ……! こうなったらイグナイトモジュールで……!」

「ダメ! 無茶をするのは、私が足手纏いだから!?」

 

『あの人形余裕の笑み浮かべやがって!! 今俺が……』

『おっとぉ~! そうはいかないよ!』

 

ジャスティスは調達の助けに入ろうとしようとするが、それを邪魔するようにアパテーが剣を振るって攻撃を仕掛け、ジャスティスは剣を掴みあげて受け止める。

 

しかし、そこを狙い左腕を銃に変形させたアルギュロスが砲弾を発射してジャスティスに直撃させ、ジャスティスは軽く吹き飛ばされてしまう。

 

『うぐああ!!?』

 

またミカが調達を追い詰めている時、彼女に対してファラから念話が飛ばされ、「道草はよくないわ?」とミカは彼女から注意を受けてしまう。

 

「正論かもだけど……鼻につくゾ!!」

 

ミカはそう言い放ちながら炎の威力を高めて一気に調、切歌、響の3人を吹き飛ばし、3人は壁に激突して地面に倒れ込んでしまう。

 

『みんな!!』

「預けるゾ~。 だが、次は歌うんだゾ!」

 

ミカは小さなガラスの瓶を地面に投げつけて割ると彼女の足下に魔法陣のようなものを出現し、そのまま彼女はその中に入って撤退するのだった。

 

『ふむ、どうやら上の方もそろそろ決着がつきそうみたいだね』

『なら、俺達の仕事は今日はここまでだな』

 

そのままアパテーとアルギュロスも姿を消して撤退し、ジャスティスはライブを解除してコウマの姿に戻ると急いで3人の元へと駆け寄った。

 

「響! 切歌! 調!」

 

一方でビクトリーの方では……。

 

地上に現れたシェパードンは背中のビクトリウムからエネルギーを放出し、そのエネルギーによってビクトリーの身体の中のバードンとドラゴリーの毒を浄化しようと試みる。

 

『フフフ、作戦通りビクトリーのピンチに現れたな!』

 

しかしドラゴリーにライブしていたボルストは新たなスパークドールズを取り出し、それをチブルスパークにリードさせる。

 

『モンスライブ! ベムスター!』

 

するとドラゴリーの姿は「宇宙大怪獣 ベムスター」へと変化し、バードンがシェパードンの頭部を殴りつけて跪かせるとバードンはシェパードンを押さえつける。

 

その間にベムスターは自身の腹部を開くとそこからシェパードンの背中のビクトリウムからエネルギーを吸収し始め、シェパードンは苦痛に満ちた鳴き声をあげる。

 

そして吸収したエネルギーはベムスターを通してエクセラーの宇宙船へと転送される。

 

「クオオオオオオン!!?」

『シェパー……ドン……! にげ、ろ……』

 

ビクトリーは朦朧とする意識の中でシェパードンに逃げるように言うのだが、シェパードンは逃げるどころかベムスターにエネルギーを吸収されながらも毒を浄化するためのエネルギーをビクトリーに流し続け、ビクトリーにやめろと言われても頑なに拒否するのだった。

 

『フン! あんまり無駄にエネルギーを使うんじゃねえ!!』

 

だが、そこでバードンは2体に分身し、1体はシェパードンを押さえつけ、もう1体のバードンは倒れ込んでいるビクトリーに蹴りを喰らわせ、シェパードンから引き離す。

 

「クオオオオオオオ!!」

 

だがそれでもシェパードンは自分を押さえつけているバードンを振り払い、ビクトリーの元に駆けつけようとするがすぐにバードンに押さえつけられ、強烈な蹴りを何発も腹部に叩き込まれ、さらに背中を殴りつけられて倒れ込んでしまう。

 

その間にもベムスターはシェパードンのエネルギーをどんどん吸収していき、もう1体のバードンは既に動けないビクトリーに何度も追い打ちをかけるように攻撃する。

 

その時だ、ビクトリーに攻撃していたバードンに向かってどこからか光線が放たれ、直撃を受けてバードンは地面に倒れ込む。

 

『シェア!!』

 

戦闘BGM「ウルトラマンマックス2」

 

そこでその場に「ウルトラマンマックス」が救援として駆けつけ、マックスはバードンに跳び蹴りを喰らわせてビクトリーから引き離す。

 

マックスはそのままバードンに向かって駆け出すが……そこにシェパードンを蹴り飛ばし、もう1体のバードンが炎を放ってマックスに直撃させ、さらにベムスターが角から放つ光弾を放ち、マックスに直撃させるとマックスは身体から火花を散らし後退する。

 

『グッ!?』

 

そこから2体のバードンは空中に飛んでマックスの周りを飛び回り、マックスを翻弄。

 

隙を突いて1体のバードンがマックスに体当たりを喰らわせるともう1体が体当たりを続けざまに喰らわせ、もう1度同じ攻撃を仕掛けようとするが……。

 

『シュア!!』

 

マックスはバードンの体当たりを真正面から受け止め、もう1体のバードンの方に投げ飛ばし、2体のバードンは激突。

 

その際にバードンは元の1体に戻り地面に墜落する。

 

『おのれぇ~! ウルトラマンマックス! こうなれば貴様もビクトリーと同じ目に……!』

 

しかし、そこへインペライザーを倒し終えたゼロが駆けつけ、それによってエクセラーが一時撤退をするようにボルストに指示が送られる。

 

『チッ! これからだって言うのによ……。 まぁいい、楽しみな後に取っておくとするか』

 

ボルストはそれだけ言うとベムスターとバードンはその場から消え去り、敵がいなくなったことを確認するとマックスはシェパードン、ゼロはビクトリーの元へと駆け寄る。

 

『随分酷くやられちまったな。 待ってろ』

 

ゼロは青い姿「ルナミラクルゼロ」へと変わると彼は右手をビクトリーにかざしてそこから青い粒子のようなものを放ち、ビクトリーの身体の中にある毒を浄化する。

 

『もう少し遅かったらヤバかったかもな』

『シェパードンが毒の進行を遅らせてくれたんだな』

 

 

 

 

 

 

 

その後、少し遅れて翼達も現場に到着したのだが……。

 

「押っ取り刀で駆け付けたのだが……」

「間に合わなければ意味がねえ」

 

辺りの惨状を見てそう呟く翼とクリス。

 

「悪い、俺がさっさとあいつ等ぶっ飛ばせてたら3人を怪我させずに済んだかもしれないのに……」

 

コウマはクリス達に申し訳無さそうな表情を見せ、そんな彼に対してクリスは膨れた顔になり、コウマの頭に軽いチョップを叩きこむ。

 

「オメェが気に病むことじゃねえよ、バーカ」

 

そんなクリスに対し、コウマは苦笑しつつ「そう言ってくれてありがとな」とお礼を言い、彼女は「おう」と少し顔を赤くしつつぶっきらぼうに言葉を返した。

 

「人形はなにを企てていたのか……」

 

またマリアは一体ここでミカがなにを企んでいたのかと疑問に思い、考え込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大きく破損した箇所はいずれも響さん達の攻撃ばかり……んっ?」

 

一方で翼達とは別の場所で周辺の調査をしていた緒川はなにかあるものを発見。

 

「なっ! オートスコアラーの狙いは……まさか!?」

 

なにかを発見した緒川は仲間にすぐに弦十郎に連絡を入れるように指示を出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、S.O.N.G.の病室では……。

 

シンフォギア組の中では特に強いダメージを受けていた響はベッドに寝かされてエルフナインから身体検査を受けており、丁度エルフナインから検査結果が今は報告されているところだった。

 

「大きな怪我は見られませんでした。 でも、安静は必要です」

「良かったぁ~」

 

エルフナインからの報告を聞いてほっと安心する未来だったが……。

 

「でも、零無くんの方は……」

 

未来と響が隣のベッドに視線を映すとそこには響以上に身体にかなりの大きなダメージを受けた零無が寝かされており、彼は未だに眠ったままだった。

 

ただ零無はゼロとシェパードンのおかげで毒を殆ど取り除くことができたので命に別状はないのだが、毒のせいで体力が大きく低下しているために彼もまたしばらくは絶対に安静しないといけないのだという。

 

「零無……」

 

そんな彼の頬を切歌は優しく撫で、心配そうに見つめる。

 

(……これ以上、大切な人達に傷ついて欲しくないデス……)

 

すると切歌はキッと険しい表情となり、彼女は調の方に歩いて行くと彼女は調に対して先ほどの行動が無茶すぎると怒りだし、それに対して調もムッとなったのかそれに反発するように調も言葉を言い返す。

 

「調が悪いんデス!!」

「切ちゃんが無茶するからでしょ!?」

「調が後先考えずに飛び出すからデス!!」

「切ちゃんが、私を足手纏いに思ってるからでしょ!?」

 

そんな風に口論を始める切歌と調、そのまま2人は互いにそっぽを向き、それを見て何時も仲の良い2人が喧嘩するなんて……っと驚きの表情を見せる未来。

 

「傷に障るからやめてください! そんな精神状態ではイグナイトモジュールを制御できませんよ!?」

 

エルフナインに喧嘩を咎められ、一応の口論はやめる2人だったが……少し視線が合いそうになると2人は「フン!」とまた互いに顔を背けてしまうのだった。

 

するとそこへ……。

 

「オイ」

「「へっ? あだっ!?」」

 

突然起き上がった零無が2人の前に立ち、彼は喧嘩をする2人に対して額にそれぞれデコピンをかまわすのだった。

 

「ギャースカギャースカうるせえんだよ、オチオチ眠れねーじゃねーか」

「れ、零無!? 目を覚ましたデスか!? でも、今は安静に……!」

「したくてもお前等がグチグチ喧嘩してたら出来ないんだよ! シェパードンにも言われただろうが、喧嘩しちゃダメだって!!」

 

零無は喧嘩をしている切歌と調にガミガミと説教をするのだが、流石にやはり身体のダメージは残っているようで少し目眩がした彼は転びそうになってしまい、それを切歌が受け止める。

 

「零無! 無茶しちゃダメデスよ!?」

「はぁ、ったく……」

 

頭をブンブン払って零無は椅子に溜め息を吐きながら腰掛け、またそんな切歌と調の様子を見て響は2人の喧嘩の原因は自分にあると思ったのか、「ごめん……2人とも」と2人の手を握って謝罪するのだった。

 

「最初にペースを乱したのは私だ……」

「っ……、さっきはどうしたデスか?」

 

切歌が心配そうに響に一体なにがあったのか尋ねると彼女はあれからまた父と会ったのだということを2人に話す。

 

「ずっと昔の記憶だと、優しくてかっこ良かったのに……凄く嫌な姿を見ちゃったんだ……」

「嫌な姿?」

「自分がしたことが分かってないお父さん、無責任でかっこ悪かった……! 見たくなかった! こんな想いするくらいなら、二度と会いたくなかった……!」

 

どこか辛そうに、今にも泣き出しそうな声で父のことを話す響。

 

「私が悪いの、私が……」

 

そこで未来は目尻に涙を溜めながらそう呟くのだが、それを響は否定。

 

「違うよ、未来は悪くない! 悪いのはお父さんだ……」

「でも!」

 

そんな未来の肩に響は手をかけて涙を拭って彼女は笑顔を見せる。

 

「平気へっちゃら! だから、泣かないで未来?」

「……うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、零無は「シェパードンの様子を見てくる」と言って部屋を出て行き、当然それは切歌や調、エルフナインから怪我をしているのだからと止められたが……。

 

彼は「様子を少しだけだ、すぐ戻る」と言って半ば強引に地底世界へと行ってしまうのだった。

 

「全く、シェパードンが心配なのは分かるデスけど、帰ったら説教デス!」

 

そんな零無に切歌は怒りながら調と一緒に部屋を出るのだが、彼女等2人は顔を合わせると「フン!」とそっぽを向いてしまい、未だに2人は仲直りをすることができないでいた。

 

すると2人の後を追うようにエルフナインも部屋から出てきてある物を切歌と調に渡す。

 

「これを、調さんと切歌さんに」

「これは……モデルK?」

 

それは切歌と調がシンフォギアを使う為に必要なモデルK……リンカーであり、2人はそれを受け取る。

 

「オートスコアラーの最襲撃が予想されます、投与はくれぐれも慎重に。 身体への負担もそうですが、ここに残されているリンカーにも、限りがありますので」

「「……」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、S.O.N.G.のシャワールームでは……基地に帰還したクリス達が響の父親のことについて話し合っていた。

 

「やはり父親の一件だったのね?」

「こういう時は……どんな風にすれば良いんだ?」

 

クリスが疑問に思ったことを口にするが、それに対して翼は……。

 

「どうして良いか分からないのは、私も同じだ。 一般的な家庭のあり方を知らぬまま今日に至る私だからな」

「……?」

 

そう答え、そんな彼女の言葉にマリアはどこか引っかかるものがあり、彼女は首を傾げるのだった。

 

また、一方で司令室では……弦十郎が緒川からの連絡を聞いているところだった。

 

「敵の狙いは電気経路の調査だと!?」

『はい、発電施設の破壊によって電力総力が低下した現在、政府の拠点には優先的に電力が供給されています。 ここを辿ることにより……』

「表からは見えない首都構造を探ることが……可能となるか……」

 

緒川からの報告により、弦十郎はオートスコアラーの狙いにそう予想を立てる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてチフォージュ・シャトーでは……オートスコアラーの3人が集まっており、ミカは「これで~どや~!」と部屋の中央部分に巨大なマップのようなものを映し出す。

 

「派手に引ん剝いたな?」

 

レイアがそう呟き、マップをレイア達に渡した後、ミカは突然どこかへと行こうとする。

 

「どこへ行くの? ミカ? 間も無く思い出のインストールが完了するというのに……」

「自分の任務くらい分かってる!! きちんと遂行するから、後は好きにさせて欲しいゾ」

 

ミカはファラの言葉に反発するようにそう言い返し、そのまま彼女はどこかへと立ち去ってしまうのだった。

 

その様子を影から見ていたエクセラーはミカがどこへ向かったのか予想できたのか、一緒に来ていたボルストとキューバ、ベルメに新たな任務を与える。

 

『先ほどの作戦、完璧とは言えませんが半分は成功したと言えるでしょう。 恐らくミス・ミカはあの切歌と調という小娘の元に向かったと考えるべきですね。 ビクトリーと仲の良い彼女等を追い詰めればまたシェパードンは現れるかもしれません』

『成程な、それであの怪獣出てきたところを狙うって訳だ!』

『僕とキューバはウルトラマン達の足止め……ということで良いかな?』

 

ボルストとキューバの言葉にエクセラーは「えぇ、お願いします」と答え、ボルスト、キューバ、ベルメは早速自分達に与えられた任務に取りかかるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、地底世界では……零無がシェパードンの様子を見に来ていた。

 

「クルル……」

 

先ほどの戦いでかなりダメージを負ったシェパードンは今は地底世界でゆっくりと身体の傷を癒やすことに専念していたのだが……。

 

「シェパードン、さっきは助かったよ……。 でも、あんまり無茶なことをしないでくれ! さっきみたいに俺がピンチになっても地上には出て来るな」

 

零無はシェパードンに対してそう言うのだが、シェパードンはそんな彼の言葉にどこか不満そうな様子を見せた。

 

「俺なら大丈夫だ! だから心配するな……。 なっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして同じ頃、切歌と調がS.O.N.G.本部から帰宅するために歩いている時だった。

 

未だに2人からは険悪なムードが出ており、調は「私になにか言いたいことがあるんでしょ?」と不機嫌そうに切歌に尋ねる。

 

「それは調の方デス!」

 

それに対して切歌も不満な様子で言葉を返すのだが、その時……突然2人の近くで爆発が起こり、2人はそれに驚きの顔を浮かべる。

 

「これは……!」

「あたし達を焚きつけるつもりデス!」

 

その爆発の原因は空からのミカが放つカーボンロッドが地上に降り注いでいるためであり、すぐに2人はこれがミカの仕業であることに気づく。

 

そして切歌と調の2人は近くの神社の鳥居の上に立つミカの姿を発見し、ミカは挑発するような笑みを2人に向けて浮かべていた。

 

「足手纏いと、軽く見ているのなら!!」

 

調と切歌は待機状態のシンフォギアを手に持ち、「歌」を口ずさんでシュルシャガナとイガリマを装着し、ミカと戦闘を開始。

 

挿入歌「ジェノサイドソウ・ヘヴン」

 

調はアームドギアから小型鋸を大量に射出する「α式 百輪廻」をミカに放つが、ミカは手にしたカーボンロッドを高速回転させてそれら弾き飛ばし、ジャンプして切歌と調に向かって攻撃を仕掛ける。

 

またこの事態に気づいた弦十郎は2人が戦っている様子をモニターに見ながら通信で今から応援を寄越すと報告するのだが……。

 

その時、突然基地である潜水艦が激しく揺れ、何が起こったのかモニターを移し替えるとそこには潜水艦を掴んでいる巨大な人影があるのだった。

 

「海底に巨大な人影だと!?」

「私と妹が地味に支援してやる。 だから存分に暴れろ、ミカ……」

 

それは切歌達の元に応援を送るのを妨害するために現れたレイアと「レイアの妹」であり、さらに妹の隣にキューバとベルメがライブしたアパテーとアルギュロスが立っているのだった。

 

場所は切歌と調の元に戻り、彼女達の元に零無が走って駆けつけてくる。

 

「零無!? まだ体力が回復してないのに何しに来たデスか!?」

「あっ? 援軍に決まってんだろ」

 

切歌の問いかけに零無はそう答えるが当然2人からは「無茶するな!」と怒られてしまうのだが……。

 

「知るか、お前等どうせまだ喧嘩中なんだろ? 心配で放っておけないっての! だから俺がしっかりと見とかないといけないだろうがよ!」

 

零無はそう言い放ってビクトリーランサーを取り出すのだが……。

 

その時、分身した2体のボルストがライブしたバードンとドラゴリーが現れ、バードンは零無に向かって火球を放つ。

 

しかし、零無は即座にビクトリーランサーをランサーモードにさせるとビクトリーのスパークドールズが現れ、それを掴み取って中央部分にリードさせると先端の矢尻部分が開きビクトリーの顔を象った彫刻が現れる。

 

「邪魔すんなっての!!」

『ウルトライブ! ウルトラマンビクトリー!』

 

するとビクトリーの姿がビクトリーランサーから飛び出し、零無が光に包まれるとその光はあるカラータイマーの中へと入り、零無は「ウルトラマンビクトリー」へと変身し、バードンの火球を拳で打ち破ってそのままの勢いでバードンを殴り飛ばす。

 

「クエエ!!?」

 

大地へと降り立ったビクトリーはバードンとドラゴリーに顔を向け、ファイティングポーズを構える。

 

『さっきの借りを返させて貰う!! そんで切歌達のところに行く為に速攻で倒す!!』

『フン、やれるもんならやってみるが良い!!』

『ツェア!!』

 

ビクトリーはバードンとドラゴリーに向かって駈け出して行き、それに対してバードンは口から火球を放ってビクトリーを迎え撃つ。

 

しかし、ビクトリーはそれを避けながら一気にバードンとドラゴリーに近づき、ジャンプしてバードンに跳び蹴りを放とうとするのだが……。

 

バードンは2体に分身して攻撃を回避。

 

『なに!?』

 

地面に着地したビクトリーはすぐさま振り返って攻撃を仕掛けようとするが、次の瞬間ドラゴリーのドロップキックがビクトリーの胸部に直撃し、吹き飛ばされてしまう。

 

『グアア!!?』

 

さらに倒れ込んだところを2体のバードンがビクトリーの両腕を掴んで無理矢理立ち上がらせ、そこにドラゴリーがビクトリーの身体に毒を流し込もうと近づいて来るが……。

 

その前に零無がビクトリーランサーにキングジョーのスパークドールズをリードさせる。

 

『ウルトランス! キングジョー! ランチャー!』

 

右腕を「キングジョーランチャー」に変えたビクトリーはそのまま右腕を押さえつけているバードンに向かって銃弾を撃ち込み引き離し、左腕を掴んでいたバードンもランチャーで頭を殴りつけてどうにか引き離し、ビクトリーはドラゴリーから離れる。

 

『シュア!!』

 

そのままビクトリーはランチャーを使って銃弾を連射しバードン、ドラゴリーに攻撃するのだが……2体のバードンに直撃こそしたもののドラゴリーは空間を割って異次元空間の中に逃げ込み、異次元を通ってビクトリーの背後に現れて押さえつける。

 

『ぐっ、離せ……!!』

 

また、ビクトリーが戦っているのと同じ頃、調と切歌は……。

 

スカートを円状の刃に変形させ、体を回転させて敵を切り裂く「Δ式 艶殺アクセル」を調はミカに対して繰り出すが、ミカは手に持ったカーボンロッドでそれを防ぎ、弾き飛ばす。

 

その直後に連続で切歌の振るった鎌のアームドギアがミカに襲いかかるが、ミカはそれすらも受け流して切歌の背後に回り込み、彼女を蹴り飛ばす。

 

「ぐっ!?」

「これぽっち~? これじゃギアを強化する前の方がマシだったゾ?」

 

やれやれといった様子のミカに対し、切歌は「そんなこと、あるもんかデス!!」と言葉を返しながら彼女は調の「ダメ!」という言葉を無視してミカへと突っ込んでいき、アームドギアを振るうがミカにはあっさりとジャンプして躱されてしまう。

 

切歌はそれを追うように自分も跳び上がり、アームドギアの刃を3枚に分裂させ、ブーメランのように飛ばす「切・呪リeッTぉ」をミカに放ち、爆発が起きる。

 

「どんなもんかデス!」

 

これでは少しは効いたかと思った切歌だったが……爆発で起こった霧が晴れるとそこにはツインテールがブースターとなって空を飛び、大量のカーボンロッドを空中に浮かせている無傷のミカの姿があるのだった。

 

「こんなもんだゾ~!」

 

そのままミカは大量のカーボンロッドを切歌に向かって飛ばし、切歌はどうにかこうにか攻撃を避けるが……。

 

「変形しないと無理だゾ~」

 

あまりの数に徐々に切歌は行き場を失っていき、それに対して彼女は「躱せないなら受け止めるだけデス!」と正面から攻撃を受けきろうとする。

 

しかし、そんな彼女の前に調が飛び出し、彼女はツインテールに装着されたアームドギアの鋸を回転させて切歌を守るためにミカの攻撃を防ぐ。

 

「なんで……」

 

そんな彼女を見て切歌は……。

 

「後先考えずに庇うデスか!!」

 

彼女は調にそう言って怒鳴りつける。

 

「やっぱり、私を足手纏いと……!」

 

それを聞き、自分も言葉を返そうとするのだが……そんな彼女の言葉を切歌は遮るように言い放つ。

 

「違うデス!! 調が大好きだからデス!!」

「へっ?」

 

すると切歌は調を後ろに下がらせて今度は自分が調を守るようにミカに戦いを挑んでいく。

 

「大好きな調だから、傷だらけになることが許せなかったんデス!!」

「じゃあ、私は……」

「私ががそう思えるのは……あの時調に庇って貰ったからデス!! みんなが私達を大切に想ってくれているからなんデス!!」

 

調はその言葉を聞き、目を見開く。

 

「私達を大切に想ってくれてる……優しい人達が……」

 

その時、ミカと戦っていた切歌はミカが身体から吹き出させた炎によって吹き飛ばされてしまうが、そんな彼女を調はしっかりと受け止める。

 

「なんとなくで勝てる相手じゃないゾ!!」

「マムが残してくれたこの世界で、かっこ悪いまま終わりたくない……!!」

「だったら……かっこよくなるしかないデス!!」

 

調、切歌がそれぞれがそう言い放つ。

 

「自分のしたことに向き合う強さを!! イグナイトモジュール!!」

「「抜剣/デース!!」」

 

そして遂に調と切歌の2人は胸部に装着されたクリスタルを起動させ、取り外して空中へと投げるとそれが剣の形となり、2人の胸部に突き刺さる。

 

「うぐぐ……!!」

「うぅ……!」

「「うあああああ!!!!」」

 

黒く塗り潰されそうな衝動に切歌も調も飲み込まれそうになるが、2人はそれをどうにか耐え抜く。

 

「底知れず、天井知らずに高まる力~!」

 

それを見てミカはどこか嬉しそうな声をあげながら全身に炎を彼女は纏う。

 

「ごめんね、切ちゃん……!!」

「良い、デスよ……! それよりもみんなに……!!」

「そうだ、みんなに謝らないと! その為に、強くなるんだああああああ!!!!」

 

調が強くそう叫んだ瞬間、2人の纏っていたシンフォギアは黒く染まり、イグナイトモジュールの起動に成功する。

 

挿入歌「Just Loving X-Edge (IGNITED arrangement)」

 

切歌は鎌のアームドギアを持ってミカに接近し、振りかざすがミカはそれをなんとか受け流す。

 

だが続けざまに調が巨大化させたアームドギアのヨーヨーを頭上からミカに振りかざすがミカはそれを両手で受け止め、フルスイングして調ごと投げ飛ばす。

 

「調!!」

「最強のあたしには響かないゾ!! もっと強く激しく歌うんだゾ!!」

 

ミカは両手からカーボンロッドを切歌に連射し、切歌はアームドギアでカーボンロッドを弾くが急接近してきたミカの体当たりを受けて吹き飛ばされてしまう。

 

「くあっ!?」

 

それでもなんとか立つ切歌だったが、周りにカーボンロッドが突き刺さり、動きを封じられてしまう。

 

その隙にミカが切歌に右手をかざし、攻撃を行おうとするが……。

 

「っ!?」

「向き合うんだ!! 出ないと乗り越えられない!!」

 

そこにアームドギアから小型鋸を大量に射出して敵を攻撃するイグナイトで強化された「α式 百輪廻」がミカに向かって降り注ぐが、ミカは全身の高熱を使って直撃した直後に鋸を全て消し去って灰にし、空中に跳び上がって大きく円を描く。

 

すると描かれた円から巨大な高熱のカーボンロッドから次々調と切歌に向かって降り注ぎ、調と切歌はなんとか走りながらそれを躱す。

 

「闇雲に逃げてるだけじゃジリ貧だゾ?」

「知ってるデス!! だからぁ!!」

 

切歌が高くジャンプすると彼女は一気に空中にいるミカに接近し、ドロップキックを叩きこむ。

 

「そなぼし!?」

 

そしてミカが地上に降り立ったところを切歌の両肩から放つロープでミカを拘束して地面に固定。

 

同時に切歌のアンカーを調のギアと接続し、調はアームドギアから巨大な円状の刃を形成し、内側に乗り高速で突進する「非常Σ式 禁月輪」を発動。

 

また切歌はギロチン状に変形したアームドギアをローブにセットし、ブースターを噴射させスリングショットのように突撃して敵を切断する「断殺・邪刃ウォttKKK」を発動し、これらの技を合体させた「禁殺邪輪 Zあ破刃エクLィプssSS」をミカに炸裂させる。

 

「足りない出力をかけ合わせてえええ!!!?」

 

2人の合体技を受けたミカは粉微塵に爆発したのだった。

 

「やった……デスね、調!!」

「うん!! でも、まだ終わってない……!」

 

ミカを倒したことに一瞬喜ぶ切歌だったが、調の言葉で確かにまだ終わっていないことを理解し、彼女等2人は急いでビクトリーの元へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、ドラゴリーに押さえつけられたビクトリーはというと、ドラゴリーは今度こそまたビクトリーに毒を流し込んでやろうとその牙を向き出しにしてビクトリーへと噛みつく。

 

『ウアアアア!!!!?』

 

またも毒を流し込まされ、苦しみの声をあげるビクトリー。

 

その時である。

 

「クオオオオオン!!!!」

 

地底からシェパードンが現れてビクトリーを押さえつけているドラゴリーに一直線に向かって行くとシェパードンは腕を振るってドラゴリーを殴り飛ばしビクトリーから引き離す。

 

そして解放されたビクトリーはこちらに向かって来ていた2体のバードンにどうにか回し蹴りの要領で足のVクリスタルから放つ光弾「ビクトリウムスラッシュ」を放って直撃させる。

 

『ビクトリウムスラッシュ!!』

 

直撃を受けたバードンは倒れ込み、ビクトリーは肩を押さえ、荒い息をあげながらシェパードンの方へと振り返る。

 

『シェパードン!! なんで来た!? ボロボロなのはお前も同じ筈だぞ!!? あの時、奴等はお前の背中のビクトリウムのエネルギーを吸い取ってた。 狙いはお前かもしれないんだぞ!!』

「グルルルル……!」

 

ビクトリーは「地底に帰れ」と言うのだが、シェパードンは一向にそれを聞かず、帰ろうとはしなかった。

 

その時、倒れていた2体のバードンが起き上がり、その内1体は分身したボルストが新たなスパークドールズを使い「宇宙大怪獣 ベムスター」にライブする。

 

『モンスライブ! ベムスター!』

『フン! やはりビクトリーを追い詰めればお前が出て来ると思っていたぞ!!』

 

するとバードンはボルストのテレポート能力を使い、ビクトリーの背後に回り込んで口から炎を放ち、それを見たシェパードンは慌ててビクトリーを後ろに下がらせると自分が盾となり、攻撃を自ら受けたのだ。

 

「クオオオオン!!!!?」

『シェパードン!!』

 

膝を突くシェパードンだったが、それでも尚ビクトリーを守ろうと立ち上がり、ビクトリーは自分も立とうとするのだがすぐにフラついてしまい、上手く立ち上がることができなかった。

 

そしてさらにまたバードンも容赦なく口からを火炎を吐きだし、シェパードンはビクトリーを守ろうと必死に自らを盾に攻撃を受け続け、その間にベムスターが腹部の口からシェパードンのエネルギーを吸収し、シェパードンは苦痛に満ちた声をあげる。

 

『なぜだ……。 シェパードン!! どうしてそこまで……!!』

「そんなの決まっている!!」

 

その時、ミカと戦い終え勝利した切歌と調が駆けつける。

 

『切歌、調……!』

「シェパードンも、きっと私と同じデス。 零無に傷ついて欲しくないから……だから身体を張って守ろうとしてるんデス。 霊無が、大好きだから!!」

 

切歌は2本に分裂させたアームドギアをハサミのように合体させ、敵を切り裂くイグナイトで強化された「双斬・死nデRぇラ」をベムスターの背中に炸裂させながらそう言い放つ。

 

「でもね、聞いてシェパードン!!」

 

それによってベムスターは身体を大きく揺らし、その隙に今度は調がアームドギアのヨーヨーを合体・巨大化させ、頭上から振り下ろす「β式 巨円断」をベムスターの頭部に叩きこむ。

 

「キジャアアア!!!!?」

『おのれ~!! よくもやってくれたな小娘共!!』

 

それによってベムスターの角が折れ、ベムスターを頭を抱えてしゃがみ込む。

 

「あなたの気持ちは私達にも分かる!! でもね、零無だってあなたが傷つくのは嫌な筈だよ!! 私も、あなたと同じように切ちゃんを守ろうと前に出すぎて切ちゃんと喧嘩しちゃった」

「だから、だからシェパードン!! 零無が大好きだから、守ろうとして前に出るんじゃなく……どうか、零無と『一緒に戦う』『互いに守り合う』ことを欲しいんデス!!」

 

切歌と調がバードンとドラゴリーの足止めをどうにかしながらシェパードンにそう言い放ち、それを聞いたシェパードンは小さく鳴き声をあげる。

 

『俺が大好きって……。 俺とシェパードンは、会ってまだ数日しか経ってないのに……』

 

その時だ、零無が首からかけていたビクトリウムで出来たペンダントが一瞬光を放ったのは……。

 

すると彼の目に、零無とよく似た……けれども彼よりも大人びた男性が映り、その隣にはお腹が大きく膨らんだ女性が立っていた。

 

『これは……シェパードンの記憶……?』

『シェパードン!! もうすぐ俺の子供が生まれそうなんだ!』

 

男性はどこか嬉しそうにもうすぐ自分の子供が生まれることをシェパードンに告げ、それを聞いてシェパードンも嬉しそうに声をあげる。

 

『そうか、お前も喜んでくれるか! 俺の子供が生まれたら、お前も世話を頼むぞ!』

 

それに対してシェパードンは頷き、またこの映像を見て零無はすぐにシェパードンと話している夫婦が自分の両親だということを確信した。

 

『あれは、俺の父さんと母さん……』

 

それから数日後、赤ん坊の零無は無事出産し、夫婦はその赤ん坊だった頃の零無を可愛がって育てていた。

 

またシェパードンも自分に弟が出来たみたいで嬉しく思い、夫婦と一緒によく零無を面倒を見ていた。

 

だが、零無が生まれ、1年が経過した時……。

 

ビクトリーランサーを巡る争いが起こり、戦争が勃発した。

 

正式なビクトリーランサーの所有者である父は次の所有者でもある我が子を巻き込まず守るためにビクトリーランサーと共に未来の世界へと送った。

 

その時、零無の父はシェパードンに頼んだのだ。

 

『どうか、未来で俺の息子を守ってくれ、シェパードン……』

 

それを受け、シェパードンはその約束のため……そして弟のように思っていた零無を守るためにシェパードンは必死に彼を守ろうとしていたのだ。

 

『シェパードン……お前の気持ちはよく分かった……。 だけど……そうだな、切歌と調の言う通りだ。 どちらかが守るんじゃない。 互いに守り合う為に、そしてみんなを守るためにお前の力を俺に貸してくれ!!』

「グルルル……!! クオオオオオオオン!!!!!」

 

挿入歌「ウルトラマンビクトリーの歌」

 

その時、零無のペンダントとシェパードンの背中のクリスタルが眩く光輝き、その光はバードン、ドラゴリー、ベムスターを吹き飛ばす。

 

さらにそれだけではなく、ビクトリーの身体に打ち込まれた毒をも浄化され、ビクトリーは立ち上がる。

 

そしてシェパードンは身体を眩い光に包むと自らの意思でクリスタル状のスパークドールズ、「クリスタルスパークドールズ」へと変わるとビクトリーのカラータイマーの中に入り、零無の手に渡る。

 

『行くぞシェパードン!!』

 

零無はシェパードンのクリスタルスパークドールズをビクトリーランサーにリードさせる。

 

『ウルトランス! シェパードン!! セイバー!!』

 

すると地面からシェパードンの力を宿した聖剣……「シェパードンセイバー」が現れ、ビクトリーはそれを手に取る。

 

「シェパードンが……剣に!!」

「やっちゃうデス!! 零無!! シェパードン!!」

 

切歌の言葉にビクトリーは頷き、怪獣達に向かって駈け出す。

 

『それが……どうしたぁ!!?』

 

バードンが口から炎を放つが、ビクトリーはシェパードンセイバーで炎を切り裂きながら接近し、一気に詰め寄るとそのまますれ違いざまにバードンを斬りつける。

 

「ギシャアアア!!!!?」

 

そこでバードンを援護しようとベムスターがビクトリーに向かって空中を飛んで体当たりしようとするも、そこに高く跳び上がった切歌と調が現れ……。

 

空中で調のアームドギアのヨーヨーを切歌のアームドギアの鎌の柄の先に接続し、巨大な刃が付いた車輪状に変化させて回転させながら2人が敵に突撃をする「禁合β式・Zあ破刃惨無uうNN」が放たれ、これを顔に受けたベムスターは大ダメージを負って空中から墜落。

 

そのまま火花を散らしてベムスターは倒れ、爆発する。

 

「キジャアアアア!!!!?」

「やったデス!! どんなもんかデス!!」

「ブイ……」

 

またドラゴリーが空間を割ってその中に入り、異空間を通ってビクトリーの背後に現れ不意打ちを喰らわせようとするが……。

 

「キシャアア!!」

 

シェパードンが零無にそのことを教え、ビクトリーは振り返りざまにシェパードンセイバーを振るって切り裂く。

 

「グルアアアアア!!!!?」

『助かったぞ、シェパードン!!』

 

フラつきながらも残ったドラゴリーとバードンは並び立ち、こうなれば同時攻撃をしようと2体は一斉に駆け出すが……。

 

『好都合だ!! 纏めて倒すぞ!!』

「クオオオン!!」

『これで決める!!』

 

またビクトリーもドラゴリーとバードンに向かって駈け出し、ジャンプするとそのまま敵をV字型に切り裂く「シェパードンセイバーフラッシュ」をバードンとドラゴリーに炸裂させ、切り裂かれたバードンとドラゴリーは火花を散らして倒れ爆発。

 

「「グルアアアアアア!!!!!?」」

 

敵を倒し、シェパードンセイバーはビクトリーの手から離れて元のシェパードンの姿に戻る。

 

『これからも頼りにしてるぜ、相棒?』

「クオオオン!!」

『なに? 『弟分の癖に生意気言うな』? 誰が弟分だ!! 全く……ハハ……』

 

そんなやり取りをした後、シェパードンは地底へと戻り、ビクトリーも零無の姿へと戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、S.O.N.G.の方では……コウマが「ウルトラマンギンガ」に変身し、レイアの妹から潜水艦を奪還。

 

潜水艦を追いかけようとするアパテーとアルギュロスもギンガの放った頭部のクリスタルから放つ光刃「ギンガスラッシュ」を喰らい妨害される。

 

『お前等の相手は俺だ!! 行くぜタロウ!!』

『よし!!』

 

ギンガの中にいるコウマは左腕のストリウムブレスのタロウの顔が描かれたレリーフを横に向けて変身モードにさせ、ギンガスパークをリードさせる。

 

『今こそ、1つになる時!』

『ウルトラマンタロウ!』

『ギンガに力を! ギンガストリウム!!』

 

ギンガの姿に「ウルトラマンタロウ」の姿が重なり合うとギンガは姿を変え、「ウルトラマンギンガストリウム」へと強化変身する。

 

『ショウラ!!』

 

挿入歌「ウルトラマンギンガの歌」

 

アパテーとアルギュロスはそれぞれ右腕を剣に変えてそれを振るってギンガに攻撃を仕掛けるがギンガはそれをしゃがみ込んで回避し、そのまま右拳でアパテー、左拳でアルギュロスの腹部を何度も殴りつける。

 

『ぐううう!!!? ならばこれはどうだ!!』

 

すると身体を6本の槍に変え、アパテーは一斉にギンガに向かって襲いかかるがギンガはバク転して槍を全て躱しきり、槍が地面に突き刺さったところを狙い、コウマはストリウムブレスのターレットを回転させ、スイッチを押して回転を止めると「ウルトラマンエース」の力を発動させる。

 

『ウルトラマンエースの力よ!』

 

そしてギンガは頭部のエネルギーホールから発生させたエネルギーをノコギリ状の刃が付いた光輪に丸めて7発放つ「ウルトラギロチン」を地面に突き刺さっている槍状のアパテーに放つ。

 

『ウルトラギロチン!!』

 

アパテーは地面から抜け出して逃げようとするが、逃げ切れず、全て直撃を受けて爆発した。

 

そこでアルギュロスがギンガの背後に回り込んで腕をキャノン砲に変形させて砲弾を発射するが……ギンガは回し蹴りで砲弾を蹴り飛ばし、そのままコウマはストリウムブレスのターレットを回転させ、スイッチを押して回転を止めると「ウルトラマンタロウ」の力を発動させる。

 

『ウルトラマンタロウの力よ!!』

 

開いた右手を高く上げると同時に左手を腰にあててそこから左手を上げて右手に重ねスパークを起こし、両手を腰に添え大気中の宇宙エネルギーを貯めてから両腕をT字型にして発射する光線「ストリウム光線」をアルギュロスに向かって放つ。

 

『ストリウム光線!!』

『うぐあああああ!!!!?』

 

ギンガのストリウム光線の直撃を受けてアルギュロスは火花を散らし、倒れ爆発四散するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから……戦いが終わり、切歌と調の元へと駆けつけた弦十郎とクリスは切歌と調、零無を叱っていた。

 

「こっちの気も知らないで!!」

「たまには指示に従ったらどうなんだ?」

 

そんな2人に対し、調と切歌、零無は頭を下げて謝罪する。

 

「……独断が過ぎました」

「これからは気をつけるデス……」

「……まぁ、俺も今日はちょっと無茶し過ぎました……」

 

そんな3人に対して弦十郎は「珍しくしおらしいな……」と少し驚く様子を見せる。

 

「私達が背伸びしないでできるのは受け止めて、受け入れること……」

「だから、ごめんなさいデス……」

「……うむ、分かればそれで良い……」

 

それから3人はそれぞれ家に帰され、そんな切歌と調の背中を見ながらクリスはあることをボソっと呟く。

 

「先輩が手を引かなくたっていっちょ前に歩いて来やがる。 あたしとは、違うんだな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「足手纏いにならないこと……。 それは強くなることだけじゃない、自分の行動に責任を伴わせることだったんだ」

「責任……『自らの義に正しくあること』……」

 

調の言葉を聞いて切歌はスマホで「責任」の意味を調べ、読み上げる。

 

「要するにスパイ〇ーマン的なアレだろ? 大いなる力には~的な」

「それは似てるような、違うような感じはするデスね、零無。 でも、それを正義と言ったら調の嫌いな偽善っぽいデスか?」

「……」

 

すると調は切歌に言われ、かつて自分が響に対して偽善者呼ばわりしたことを思い出し、彼女は暗い表情を浮かべる。

 

「ずっと謝りたかった。 薄っぺらい言葉で響さんを傷つけてしまったことを……!」

 

そこで切歌は調の肩に両手を置く。

 

「ごめんなさいの勇気を出すのは調1人じゃないデスよ……。 調を守るのはあたしの役目デス!!」

「切ちゃん……。 ありがとう、何時も……全部、本当だよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、チフォージュ・シャトーにて……。

 

そこに置かれたある扉が突如ゆっくりと開き、その中から倒されたと思われていたキャロルが現れる。

 

それを見てレイアとファラは彼女の前に跪く。

 

「お目覚めになりましたか」

「……そうか、ガリィとミカが……」

 

キャロルは天井からかけられている文字のようなものが刻まれた赤い布のようなものと青い布のようなを見ると彼女はガリィとミカが破れたことを即座に理解した。

 

「はい、派手に散りました……」

「これからいかがなさいますか?」

「言うまでもない。 万障黙示録を完成させる。 この手で奇跡を皆殺すことこそ数百年間の大願……」

 

キャロルは自身の手を握りしめ、そんな彼女の目には……なぜかここにいない筈の医務室で座る響の姿が映っていた。

 

「聞いた? 調ちゃんと切歌ちゃん強いね! ホントに強くなったと思う、そう思うでしょ? エルフナインちゃんも!」

 

医務室にいるのは響とエルフナインの2人だけ、つまり……エルフナインが見て聞いているものはキャロルにも伝わっていることを意味していたのだ。

 

「……あぁ、思うとも……。 故に、世界の終わりが加速する!!」




ジャスティスは最初に1話で登場したやつではなく、この世界のジャスティスのSDです。
ホントはアパテーとアルギュロスを合体させてミーモス出したかったんですけどね。
長くなりそうだったので持ち越しです。






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