問題児たちと双月の魔王が異世界から来るそうですよ? 作:多納
河川じきに一人の黒髪黒目の年齢十七歳位の少年が寝そべりなから呟いた。
「此方の世界に転生してからはや十七年箱庭では何年たってんだか。はぁ~寝るか。」
そして寝ようとしていた少年がきずいた。先程までなかったのに自分の横に『二月 陽一殿へ』と書いてある手紙があるのに。
「これは、箱庭の招待状随分懐かしい物を見たな。でもこれが在るってことは誰かが俺を読んでるのか」
そういいなから陽一は手紙を開く。
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
その才能を試すことを望むのならば
己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、我らの”箱庭”に来られたし』
すると陽一の視界が一瞬で変わった。
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「わっ」
「きゃ!」
そして陽一は上空4000メートルに投げ出された。
『ぎにゃああああああ!!お、お嬢おおおおおお!!』
陽一は周りに自分以外に三人と一匹が要るのがわかった。
そして数秒後四人と一匹は湖に落ち水柱が上がったら。
「し。信じられないわ!まさか問答無用で引きずり込んだ挙句落とされるなんて!」
「右に同じだクソッタレ。まだ石の中に召喚された方がましだぜ」
「石の中じゃ動けないじゃない」
「俺は問題ない」
「そう、身勝手ね」
フンと鼻を鳴らし、服を絞る二人。それを横目に見ながら陽一は三毛猫を持った少女を引き上げる。
「此処………どこだろう?」
「さあな。まあ、世界の果てっぽいのが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねぇか?」
陽一は十六夜たちの会話を聞きながら久しぶりに来た箱庭を懐かしんでいた。
「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」
「そうだけど、まずは“オマエ”って呼び方を訂正して。───私は久遠飛鳥よ。以後は気を付けて。それで、そこの猫を抱きかかえてる貴方は?」
「…………春日部耀。以下同文」
「そう。よろしく春日部さん。それで、ずっと黙っているあなたは?」
「あ?俺か?俺は二月陽一面白い事が好きでつまらない事が何よりも大嫌いな只の人間だ」
「そう。じゃあ陽一君と呼ばせてもらうわ。私も飛鳥でいいわよ。
最後に野蛮で狂暴そうなそこのあなたは?」
「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」
「そう。取扱説明書でも書いてくれたら考えてあげるわ、十六夜君」
「ハハ、マジかよ。じゃあ今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」
心からケラケラ笑う十六夜
傲慢そうに顔を背ける飛鳥
我間せず無関心を装う耀
周りにを懐かしそうに見る陽一
(うわぁ………問題児だらけですねえ………)
召喚しておいてなんだが頭を抱えたくなったウサギであった。
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「てか、召喚されたのに誰もいないってのはどういうことだ?こういう場合この“箱庭”ってのを説明する奴が現れるもんじゃねえのか?」
「そうね。説明のないままでは動きようがないわね」
「・・・この状況に対して落ち着き過ぎてるのもどうかと思うけど」
(全くデス。出ていく隙がないじゃないですか)
心の中で突っ込む黒ウサギ。
「とりあえず、そこに隠れてるやつにでも話を聞くか?」
「あら、気づいてたの?」
「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ。そっちの二人もそうだろ」
「風上に立たれればいやでもわかる」
「あれで隠れてるつもりとかどうかしてる」
四人が殺気を含んだ視線を向けると
「や、やだなあ御四人様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ? ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」
「断る」
「却下」
「お断りします」
「今日のご飯はウサギ料理だな」
「あっは♪取りつく島もないですね!!そして最後の方恐ろしいこと言わないで!!!!」
ウサ耳少女もとい黒ウサギはバンザーイ、と降参のポーズをする。
その間に耀は黒ウサギの背中に回っていた。
「てい」
「フギャ! ちょ、ちょっとお待ちを! 触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」
「好奇心の為せる業」
「自由にも程があります!」
「へえ? このウサ耳って本物なのか?」
「………じゃあ私も」
「空気を読んで俺も」
「読まなくていいのですよ――ッ!」
あれから黒ウサギは一時間ほどイジられた。
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ここからは黒ウサギの長い説明だが割愛して要約すると
・ここは人外共が生活する為の場所。
・箱庭では必ず“コミュニティ”に属さないといけない。
・ここではギフトゲームとやらに参加可能。
・ギフトも含めていろんなモノを賭けたり手にいれたり出来る。
・ほぼギフトゲームが箱庭のルールみたいなモノだが、一応禁止事項もある。
・黒ウサギが俺たちを呼び出した。
ということらしい。最も陽一は箱庭に来たのは二回目なのでこの事は知っていた。
「さて、皆さんの召喚を依頼した黒ウサギには、箱庭の世界における全ての質問に答える義務がございます。が、それらを全て語るには少々お時間がかかるでしょう。新たな同士候補である皆さんをいつまでも野外に出しておくのは忍びない。ここから先は我らのコミュニティでお話させていただきないのですが……よろしいですか?」
「待てよ。まだ俺が質問してないだろ」
話を進めようとする黒ウサギに十六夜が異議を唱える。
「……どういった質問でしょうか? ルールですか? ゲームそのものですか?」
「そんなのはどうでもいい・・・・・・。腹の底からどうでもいいぜ、黒ウサギ。ここでお前に向かってルールを問いただしたところで何かが変わるわけじゃねえんだ。世界のルールを変えようとするのは革命家の仕事であって、プレイヤーの仕事じゃねえ。俺が聞きたいのは、ただひとつ。あの手紙に書いてあったことだけだ」
十六夜が不敵に笑う
「この世界は・・・面白いか?」
その質問はまさに陽一以外全員が待ち望んでいたもの。すべてを捨ててきたのだ。面白くないとは言わせない。
「YES。『ギフトゲーム』は人を超えたものたちだけが参加できる神魔の遊戯。
箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保証いたします」
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黒ウサギに箱庭と呼ばれる天幕巨大都市に連れられる途中いきなり十六夜に話しかけられた。
「なぁ、ちょっと世界の果てに行かないか?」
「別にいいぞ」
「よっしゃ、じゃあ早く行こうぜ」
「ちょっと待て、飛鳥と春日部、ちょっと世界の果てに行ってくるから黒ウサギに言っといてくれ」
「ええ、わかったわ」
「わかった」
こうして十六夜と悠は世界の果てへ向かったことにテンションの高い黒ウサギはきずかなかった。
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二人はあれから数分世界の果てまで一直線で走っていた。すると辺りが開けたところへ出た。
「すげーな」
そこにあったのは超巨大な滝。それを見た十六夜は素直に感動していた。
『ほう、人間が来るとは珍しいな』
その言葉とともに現れたのは巨大な蛇。その巨大な蛇はかなりの威圧を放っていて普通の人間ではこの巨大な蛇の前に立つのもやっとだろう。
「何者だ?お前」
しかし十六夜はその威圧受けてなお涼しげな顔で蛇神にしゃべりかける。
『我は水神の眷属』
その言葉を聞いた十六夜はニヤリと笑う。
「って事はお前は神様ってことでいいのか?」
『いかにも、そして小僧、試練を選ぶがよい“力”か“勇気”か』
「ふーん、なら、お前が俺を試せるか試させろ!」
すると十六夜は水神の腹に一瞬で近寄り蹴りを入れる。それを受けた水神は力なく倒れていった。
「なんだこの程度か」
すると後ろから足音が聞こえてくる。振り向くとそこには緋色の髪をした黒ウサギがいた。
「お前、黒ウサギか?どうしたんだその髪の色?」
「あっこれはですね…………ってそんなのどうでもいいのですよ!一体どこまで来てるんですか!」
「世界の果てまでですよっと」
「はぁ、それで陽一さんは?」
「陽一ならそこだ」
十六夜が指差した所は木の上。十六夜と水神の話が長くなりそうだと思った陽一は木の上で寝ていた。
「陽一さーん!降りて来て下さーい!」
「んあ?」
黒ウサギの声に起きる陽一。黒ウサギが居ること疑問を持つが取り敢えず木から降りる。
「なんで黒ウサギが居るんだ?」
「あなた達が勝手な行動をするからです!」
陽一に向かって叫ぶ黒ウサギ。
「はぁ、でも十六夜さんと陽一さんが無事でよかったです…神仏にギフトゲームを挑んだんじゃないかとひやひやしてたんですよ!さぁ、ご無事でしたら早く帰りましょう」
「挑んだぞ」
「…はい?」
十六夜の言葉に思わず聞き直してしまう黒ウサギ。
「だから挑んだぞ、神仏にギフトゲーム」
「え?」
すると水の中からゴゴゴゴッと音がしてくる。
『まだ…まだ試練は終っていないぞ!小僧!!』
水神が水の中から出てきて明らかに怒った声が森全体に響く。
「す、水神!?って、どうやったらこんなに怒らせられるんですか!?」
「なんか偉そうに試練を選べとか言われたから“俺を試せるか試させてもらった”」
『付け上がるな人間、我がこの程度の事で倒されるか!!』
水神の大蛇は空を仰ぎ、雄叫びをあげる。すると、大蛇の眼前に三本の水柱が立ち上る。そしてその水柱は十六夜に迫る。
「十六夜さん!下がって!」
「何を言ってやがる。下がるのはテメェだろうが黒ウサギ。これは俺が売って、奴が勝った喧嘩だ。手を出せばお前から潰すぞ」
『心意気は買ってやる。それに免じこの一撃が凌げたら貴様の勝利を認めてやろう』
「ハッ、寝言は寝て言え。“決闘”は勝者を決めて終るんじゃない。敗者を決めて終るんだよ!」
『フンッ、その戯言が貴様の最後だ!!』
三本の巨大な水の渦の柱が1つになる。が、それでもニヤリと笑い余裕を見せる十六夜。
「ハッ、しゃらくせぇ!!」
そう言い放つと同時に向かってくる水柱を拳で殴り付けた。
「嘘!?」
『馬鹿な!?』
たったそれだけで水柱は拡散した。さらに濡れながらも足場を蹴って水神の腹へと移動する。
「ま、なかなかだったぜ、オマエ」
蛇神にそういい放ち綺麗な半円を描きながら一撃必殺の蹴りを入れる。
『っがあぁあ!』
声にならない叫びをあげながら水神は十六夜の前で意識を失い、川に落下し、水飛沫を上げた。
「くそ、今日はよく濡れる日だ。クリーニング代ぐらいは出るんだよな黒ウサギ」
十六夜の言葉は黒ウサギには届かなかった。それぐらい黒ウサギは衝撃を受けていた。これが人類最高クラスのギフト保持者なのかと。そんな黒ウサギに陽一は言う。
「おい、黒ウサギ早くあの蛇から恩恵を貰ってこい」