Eyes of Heaven 心にキズを負った艦娘達と透提督 作:東方 上助
この時の透の年齢は二十歳です。
運転手「はい。着いたよ」
長門「ありがとう御座います」
透「ありがとう御座います。お釣りはいりませんから」
透はタクシーの運転手にお金を払い長門と一緒に車を出る。
運転手「なあ…アンタ」
透「はい?」
運転手「アンタはここの提督になるのかい?」
透「はい」
運転手「なら気をつけな。ここの町の人と艦娘は危険だぞ」
透「え? どうして?」
運転手「知らないのか? まあ……すぐに分かるさ」
タクシー運転手はドアを閉めて、走り去って行った。
透「なんだよ……あの運転手……」
長門「さあ?」
透「まぁいいか。あぁ~昨日は大変だった」
透は背伸びをする。
長門「昨日、私が買い物なんか行かなければ……透が怖い思いしないで済んだものの……私は……役に立たないな……」
透「そんな事はねぇよ。買い物は俺が頼んだし、買い物から帰ってきてあの女を追い払ってくれたろう。感謝しているよ。ありがとうな」
長門「そ、そんな……わ、私はただ、あ、当たり前の事をしただけだ」///カァ~
昨日は本当に大変だった。あのヤンデレ女はチェーンロックを破壊し、家の中まで侵入して俺の部屋のドアまで来た。
だが、買い物から帰って来た長門のお陰で助かり、女憲兵を追い払ってくれた。
その後は警察に駆け込んだ。多分、あの女は警察が捜している所だろう。
透「んで…ここが横須賀鎮守府か……」
長門「そうだな」
透「荷物とかは先に届いているだっけ?」
長門「ああ。もう届いているはずだ」
でも俺の武器である刀と予備の拳銃は自分で持っている。
透と長門は門の前まで近づく。
透「よぉ~し。入るか!」
長門「ああ」
透と長門は門をくぐり抜け、中に入って行った
★★★★★★
透と長門は執務室がある建物を探していた。
透「広いな…… 長門どこにあるか分かるか?」
長門「すまないが分からない。私は大本営所属の艦娘だからな」
透「そうか…ならしゃーない。ここの艦娘に聞くかな」
そう思ったのだが、一人として艦娘に会わない。
訓練中なのか? 透と長門は門を抜けた先の近くにあった建物に向かう。
この建物からは何か金属音が聞こえる。何だろうか? 入ろうとしたその時
???「死ねえぇぇぇぇい!!」
上からその声が聞こえ、何者が剣みたいな物を透に振りかざしてくる
透「上から来るぞ! 気をつけろぉ!」
長門「!! 透危ない!」
長門は透を庇おうと動いたが相手の落下速度が速い。
だが、透は避けようとせずに相手の剣を二本指だけで掴んだ。
???「なっ!?」
長門「虫を掴むように剣を掴んだ!?」
透「お前はたしか……天龍と言うんだっけ?」
天龍は剣を掴んだままだったのでぶら下がる。
長門「だ、大丈夫か!? 透!」
透「大丈夫だ。下手な奇襲攻撃だったからすぐに防御できた」
天龍「なっ! 下手だと!?」
透「ああ。奇襲するのに声だしちゃいかんだろう」
天龍「るせぇ!! 離せ!」
透「お前が手を離せばいいだろう」
天龍はぶら下がったままで、左足で透に向かって蹴りを出す。
だが透はその蹴りを簡単に左手で止められる。
天龍「くそ!」
長門「おい! 貴様!」
透「大丈夫だ長門。落ち着け」
透は掴んでいた剣を離す。
天龍はそのまま地面に尻から落ちる。
天龍「痛たたた……。何者なんだテメェ…」
透「それはそうと聞きたい事があるんだが……」
長門「大丈夫か透! どこも怪我していないか!?」
透「大丈夫だよ。平気だって」
天龍「……! 長門!?」
長門「え?」
透「ん?」
天龍「い、いや……別な長門型か…」
透「なんだ? ここの長門はいないのか?」
天龍「ああ……貴様ら人間のせいでな!」ダッ
天龍は走り去って行った
透「おい! くそ…行ってしまったか」
長門「どういう事だ?」
透「簡単だ。ここの長門型の長門はいないっちゅうこっちゃあ」
長門「どうして?」
透「知るか。アイツはあっちの方向に行ったから俺達も行ってみよう」
★♡★♡★♡★
~執務室~
金剛「……」カリカリ
霧島「金剛姉さん……少しは休んだらどう?」
金剛「こんぐらい大丈夫ヨ」
天龍「おい!」
執務室の扉は勢いよく開く。
金剛「ふぅ~…入る時はノックしてくださ~イ」
天龍「そんな事より新しく着任する提督が来たぞ!」
霧島「!!」
金剛「やっと来ましたカ……」
天龍「それに長門も一緒にいたぞ……」
霧島「……別な長門さん…ですよね?」
天龍「あたりめーだ! ここにいた長門は……もう……あの時に…」
金剛「天龍…それ以上は言ってはNOですヨ」
天龍「あ、ああ。分かってるよ…。でも一応陸奥に報告した方がいいんじゃないのか?」
金剛「……そうね…喜ぶかもしれないし……一応報告してやってくださーイ」
天龍「ああ。分かった」
ガチャリ バタン
金剛「……」
霧島「どうしますか? 私が提督を案内しましょうか?」
金剛「いや大丈夫ネ。いつまでも怯える訳にはいかなイ。私が直接行く」
霧島「私もご一緒に…」
金剛「霧島は先に食堂行って『補給』して、お風呂に入って休みなさイ。今日は疲れたでしょう?」
霧島「……」
金剛「まともな食事がしたいと思うけど、私達は兵器なんだから……『前任の提督』が嫌って程に教えてくれたでしょう? だから私達は……」
霧島「分かってます……分かってます……。食事を取りたくても資金が足りなくては金剛姉さんが悩んでる事……私は知っています」
金剛「…気づかれていましたカ……」
霧島「大丈夫ですよ。補給して餓死する訳ではないですからね。私達のような者は……」
金剛「…そうね」
霧島「それじゃあお先に失礼します」
ガチャリ バタン
金剛「……私も行きましょう」
♡☆♡☆♡
透「どこじゃあーい。執務室ぅ~」
長門「五月蝿いぞ。黙って探せ」
大きめの建物を見つけ、建物内を入って執務室を探している。多分ここの筈だ。
本部らしき建物を探している途中、何人かの艦娘に会ったが全員に逃げられてしまった。
会った瞬間、恐怖に引きつけられたら顔をして逃げて行った。フフ…俺が怖いか?
とまあ冗談はさて置き、なんかここの鎮守府はおかしい。あのタクシー運転手が言ってた事も気になる
う~む。後で兄貴に連絡してみるか……
長門「どうした?」
透「あっ……いや、考え事」
長門「なんの?」
透「内緒」
長門「はぁ…」
ドン!
???「きゃあ!」
透「ん?」
長門「あっ…」
長い廊下を右に曲がろうとしたら、誰かにぶつかった。俺の膝に所が何か冷たい。アイスか!
???「あっ……」
透「大丈夫かいガキんちょ」
???「あっ……あっ……」ビクビク
透「ん?」
長門「怯えているぞ。(かわいい……)」
透は腰を低くして話しかける
透「俺は本日から新しい提督として着任する事になった龍火透だ。よろしくな」
透は握手と女の子を起き上がらせようと手を伸ばした。
???「ヒッ!」
透「怖がるなよ」
長門「(可愛い)」
???「オォォォォラァァァァ!!」
透「え? ぼぉへぇ!」
透は顔面にドロップキックをくらい、後ろへ吹っ飛ぶ
長門「透!!」
???「大丈夫!? 雪風!」
雪風「瑞鶴さん…だ、大丈夫……」
長門「大丈夫か!? 透!」
透「く……黒……」
長門「なに? 黒?」
透「いや…あの子のパンツの色」
瑞鶴「!?」
長門「ふん!」ドカッ!
透「痛い!?」
長門は透の頭を踏みつける
透「痛い痛い!! ジョークだ! ジョーク!」
長門「着任早々セクハラ発言しよって!」
透「ギャアアーー!! あ、頭が潰れる! ギブ! ギブゥゥーー!!」
瑞鶴「な、何なのこの人達……行くよ雪風」
雪風「う、うん」
瑞鶴と雪風は走り去って行った
長門「まったく……執務室がどこにあるか聞けなかったぞ」
透「俺のせいじゃないからな! あのドロップキック少女のせいとお前が俺の頭をSM女王みたいに踏むからだろう!」
長門「お前がセクハラ発言するからだろうが!」
透「ギャアアーー!! ごめんなさい! できれば股間の部分を踏んでください!」
長門「またセクハラ発言!!」
透「頭踏まないでぇーー!! 潰れる!!」
???「あの~」
長門「ああ!?」
???「ヒッ!」
長門「いや、すまない。何だ?」
???「その男の人は新しく着任された提督ですか?」
長門「ああ」
透「そこの少女! コイツに足をどかすように言ってくれないか!?」
長門「まったく五月蝿い奴だ。ほら、早く立て」
透「あ、頭が……! あ、ありがとう君。コイツを説得してくれて」
???「え? 何も言ってないですけど……」
透「まあいいじゃないか。んで、君は誰だい?」
???「覚えていないですか?」
透「ん?」
???「私です。二年前にアナタと会っています」
透「二年前? 俺が十八歳の頃? ん~覚えていないな」
???「覚えていないですか…じゃあこれは?」
透「それは首飾り……そうだ! 思い出した!」
長門「知っているのか?」
透「ああ。俺が十八歳の頃、旅行船に乗っていたら深海棲艦に襲われ艦娘達に救われて、んでその子達の鎮守府に連れて行ってもらって、俺を助けてくれた艦娘に俺の首飾りをあげたんだよ」
長門「で、その艦娘がこの子? 偶然か?」
透「確か君は……」
榛名「はい! 私は金剛型三番艦榛名です!!」
榛名が透と出会ったお話は、作者が連載中のEyesOfHeaven艦娘達と透提督~の第八話を見れば分かります。