Eyes of Heaven 心にキズを負った艦娘達と透提督   作:東方 上助

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 遅くなってすまない!


第三話 自己紹介

透「……」

 

 俺は困っている。何故なら俺の住む部屋となる自室が、牢屋みたいな部屋だからだ。

 

 窓は鉄格子があって、ベッドはあるものの他には何も無い。床はコンクリートで何も敷いていなかった。

 

 金剛は『十分後に朝礼所に皆を集めて、自己紹介してもらいマース』と言って、榛名を連れてどこかへ行ってしまった

 

 そもそも荷物はどこ?

 

 ………ハッ! そうか! 何で部屋がこんな感じになっているのかが分かったぞ! それは………

 

 

透「リフォームは自分でやってくれという事だな。そうかそうか」

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

青葉「……」←盗聴中

 

金剛「どうですカ?」

 

青葉「嫌がらせに気づいていないみたいです……」

 

金剛「……」

 

青葉「どうします?」

 

金剛「……まぁいつかは気づくでしょう。そろそろ、朝礼所に行きましょう」 

 

 

青葉「……はい」

 

 

★☆★☆★☆☆

 

 ~朝礼所~

 

透「ここかな?」

 

艦娘達「ザワザワ」

 

透「おぉ~集まってるね」

 

長門「透」

 

透「長門! 大丈夫だったか?」

 

長門「ああ、大丈夫だ。それより、皆の前で自己紹介する事になっているが大丈夫か?」

 

透「ん~大丈夫だろ」

 

長門「だが……」

 

透「大丈夫さ。ほら、お前は戻れ」

 

長門「……」

 

 ~艦娘サイド~

 

雷「あれが新しい提督?」

 

暁「おっきい~」  

 

電「若いね」

 

響「……」

 

大井「……男なんて」

 

北上「……」

 

卯月「さっき蹴っ飛ばした奴ぴょん」

 

 ~透サイド~

 

透「何かザワザワしてるなぁ」

 

長門「私が自己紹介しておこうか?やっぱり危険だ」

 

透「大丈夫だって。」

 

 透とは朝礼台に上がる

 

透「えーと、今日新しくここに着任する事になった龍火透だ。そして、新しく来た長門もいる。よろしく頼むな」

 

艦娘達「………」

 

 

 ~艦娘達サイド~

 

 

金剛「……」

 

比叡「あれが新しい提督……若いですね」

 

加賀「どこかのお坊ちゃんを提督にしたのかしら」

 

赤城「前のクズの息子だったりして」

 

吹雪「優しそうな人ですね……」

 

天龍「なーにが優しそうな人だ!?そんな人間がいる訳ねぇーだろぉーが!」

 

吹雪「ひっ!ご、ごめんなさい!」

 

龍田「ちょっと天龍ちゃん。静かにしないと」

 

透「おーい、そこの眼帯の娘」

 

天龍「ああ!?」

 

透「静かにな」

 

天龍「んだとクラァ!俺はお前らの命令なんかもう聞かねーからなぁーー!!」

 

龍田「ちょ、ちょっと天龍ちゃん。落ち着いて」

 

透「あ、天龍だったね。君の名前」

 

天龍「気安く俺の名前を呼ぶんじゃあーねぇ!」

 

透「あぁごめんごめん(笑)」

 

天龍「てめぇ!」

 

金剛「Shut up!!」クワッ!

 

天龍「!!」ビクッ!

 

艦娘達「!!」ビクッ!

 

金剛「天龍サン……静かにお願いシマース。まだ、テートクの話が終わっていませんよ?」

 

天龍「……ああ。すまねぇ」

 

龍田「天龍ちゃん!ちゃんと謝って!」

 

透「いいよいいよ。気にすんな」

 

龍田「………」

 

長門「(やっぱり何か変だな。敵意むき出しだ。ここで何かあったのか?)」

 

透「………で、何話せばいいの?」

 

金剛「え?」

 

艦娘達「ザワザワ」

 

 金剛は思った。何……この人。前の提督達は、着任してそうそう、お説教を垂れてきた

 

 貴様らは兵器だ。死ぬまで戦い続けろなど

 

 私が来たからには、休めるとは思うなよなど

 

 私の命令は絶対。逆らう奴は罰を与えるなど

 

 お国の為に死んでいけ覚悟を決めろなどなどなど

 

 散々、私達に言ってきた。自分では、何も出来ない非力な人間のくせに……自分で戦ってみろ……

 

 だけど、この提督は何か違う。若いせい?いや、歴代の提督には若い提督もいた。その提督も、最低な提督だった。

 

 でもこの人は……何か違う

 

透「う~ん。何言えばいいの?そこの……金剛だっけ?教えてくれ」

 

 ふざけているのかしら?それとも素で言ってる?

 

金剛「えっと、おせっきょ…じゃなくて、戦いの心構えとかを言っておりマース」

 

透「心構え?」

 

???「とにかく何か一言、言えばいいんだよ!このポンコツ!」

 

艦娘達「!?」

 

金剛「(誰!? 今の発言!)」

 

透「だーれが、ポンコツだ!長門!」

 

金剛「(長門? 新しく来たほうの長門さんですか)」

 

長門「提督になったんだから、提督らしく振る舞え!このバカ!」

 

艦娘達「!!」

 

電「し、司令官に対して、あんな言葉を!」

 

暁「私知ーらない」

 

雷「またいなくなっちゃうのかな……長門さん」

 

響「……」

 

透「……」ゴゴゴゴ

 

艦娘達「……」ゴクッ

 

龍田「天龍ちゃん……もし提督が長門さんに近づいたら、止めるよ」ボソ

 

天龍「準備出来てるよ」ボソ

 

鳳翔「……」

 

大和「度胸があるわね……あの新しい長門」

 

透「………はぁ」

 

艦娘達「!」

 

透「分かった。確かにそうだな。もう俺は提督だしな。何か言うよ」

 

吹雪「(暴力を振るわない?)」

 

天龍「なんだ……怒ったり、暴力を振るったりしないのかよ」

 

龍田「……」

 

金剛「(あの新しい長門さん……そういえば、あの人(透)がここに来た時から、そばに居ましたね……何かしらの関係があるんでしょうか?)」

 

透「う~ん。そうだなぁ」

 

艦娘達「……」

 

透「『みんな死ぬな』……これでいいかな?」

 

金剛「………え?」

 

艦娘達「ザワザワ」

 

透「ん?」

 

金剛「え、えっと、どういう意味でス?」

 

透「そのままの意味だ。とにかく死ぬな。みんな生きて帰って来てくれ……という意味かな」

 

艦娘達「ザワザワ」

 

透「あと、説教は特にナシ。以上だ」

 

吹雪「あ、あの質問よろしいですか?」

 

透「いいよ。どんど来い」

 

吹雪「深海棲艦を倒すまで死ぬな……沈むなという意味なのですか?」

 

艦娘達「……!」

 

金剛「……」

 

 そうですね……そうでした……人間は私達の事を兵器として見ているのだから……ブッキーが言った通りの意味ですヨネ……少しだけ期待してしまった……

 

 人間が……私達の事を大切にする訳が……

 

透「はぁ?何だそれ?」

 

艦娘達「!?」

 

 艦娘達は呆気にとられた。まさかの返答だったからだ。

 

透「何で、そんな考えになるかな。私は君達には沈んで欲しくない、死なせたくない、生きててほしいんだよ。お分かり?」

 

艦娘達「……」

 

大和「そ、それじゃあ、戦争の勝敗はどうでもいい、という事なのですか!?」

 

透「ん~~まぁ戦争で勝つ事は重要だけど、勝利するために君達が沈んでもいいやと思ってる訳じゃない、understood?」

 

 意味が分からない。大和は思った。

 この人は、私達に『沈め』と命令するんじゃなくて『沈むな』と、命令してきたの?

 

透「何だか、意外!それは髪の毛!、みたいな反応の顔をしているな。沈めと言われると思ったのか?」

 

木曾「ああそうだ」

 

透「ん?名前は何だっけな……」

 

球磨「ちょ、ちょっと木曾……敬語をクマ」

 

透「ああ、木曾ね」

 

球磨「(聞こえた!?小声で喋ったのに!?)」

 

透「タメ口で構わんよ」

 

木曾「そうかよ。今までの奴らはな、俺たち艦隊が一人二人沈もうが勝利のためなら安いもん、と思っていたんだぜ?」

 

球磨「ちょちょ!木曾!」

 

多磨「まずいよ木曾……怒らせちゃ!」

 

 木曾は心の中では、ヤバいと思っているが、止まらなかった

 

木曾「俺たちが撤退を進言しても拒否され、そのまま戦わされたし、囮にされられたり、それと…」

 

金剛「木曾!」カッ!

 

木曾「!!」ビクッ!

 

金剛「……」

 

木曾「ごめん」

 

透「Zzz……ハッ!え、えっと」

 

天龍「(寝てた)」

 

龍田「(寝てたわね)」

 

透「寝てないからな?」

 

長門「何も聞いておらんわ!」

 

透「そ、そうか。まぁ要するに前の提督達には、沈んでも倒せ、と言われてきたんだね」

 

 艦隊達は何も言わなかったが、表情が暗くなったため、透は頷いた

 

透「成る程ね……分かった」

 

艦娘達「?」

 

透「その考えは捨てろ。安全を第一に考えろ。危なくなったら撤退しろ。仲間の安全も考えろ。そして、絶対に沈むな。いいな?」

 

艦娘達「……」ポカーン

 

透「返事!」

 

艦娘達「はい!」

 

透「ああ、それともう一つ」

 

透「私は前までは軍人だったけど、何て言うか……あまり、軍人として活動できなかったというか……」

 

武蔵「どういう意味だ、じゃなくて、どういう意味ですか?」

 

透「あれだ。自宅謹慎が多すぎて、ほとんど軍人として活動していないんだ。だから、君達の戦いには口は出さない。進言と撤退の指示は出すけど、現場の判断は現場で、OK?」

 

艦娘達「(゚Д゚)」

 

 金剛は思った。は?えっと、謹慎が多すぎてあまり軍人として活動できなかった……は?は?は?は?

 

 ワタシ……モウ意味ガワカリマセーン

 

透「とゆーわけで……解散!」

 

 透は部屋を整理するために、自室へと戻ったが、艦娘達はまだ呆気にとられており、立ち尽くしていた。長門以外は。

 

長門「? どうしたんだ皆?」

 

 

 




 
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