Eyes of Heaven 心にキズを負った艦娘達と透提督   作:東方 上助

6 / 9
第五話 災難な日

 

透「はぁ~~」

 

 透は大きくため息を吐いた。

 

 食堂から出て、鎮守府内の外にいた。

 

透「やっぱり何かあったんだろーか、ここは」

 

 いや、絶対何かあったんだろうな。多分、前任の提督が原因だろうな。

 

透「ん?」  

 

 透は、ある木に注目した。

 その木の一番上には、カバンらしき物が掛けてあったのだ。

 

 あれって……俺のじゃね?何であんな所に?

 

 実は天龍と龍田が嫌がらせとして、透の荷物を木の一番上に置いたのだ

 

透「登るのは……面倒だな」

 

 透は右手の拳をドンッ!っと木に当てる

 

 拳を当てた木は折れ、後方に倒れる

 

透「ベネ(よし)。無事、荷物は返ってきたね。財布を取りに自室に戻るか」

 

 そう言えば、あのタクシー運転手……住民にも気をつけろ、と言っていたっけ。

 

 う~ん。まぁ、大丈夫だろ

 

 

☆★☆☆☆★

 

 

 鎮守府の外の周りは、コンビニやガソリンスタンドなどがある。そこに住宅は、何軒かはある。

 ここの鎮守府は海に近いので、漁船もある。浜辺もあり、さすがにこの時間帯で遊ぶ人はいなかった。

 

 そこから、ちょっと長めに歩いた所に食品店やショッピングモールなどがあった。

 

 どこでもいいから、飯を食いたいな。ここの店にするかな。

 

 透は適当に選んだ店に入る。透は席に座ろうとした時、店員が駆け寄って来て、質問をされた

 

店員「すみません。アナタはもしかして、あそこの鎮守府の提督ですか?」

 

透「そうですけど……それが何か?」

 

店員「なる程……」

 

 店員は、店の奥へと行ってしまった

 

 何で質問されたんだ? それと……ここの客……チラチラとこっちを見ているな。ボソボソと何か喋っているし……気が散るなぁ

 

 席に座りメニューを選んでいたら、店員と店長がこちらに来た

 

店長「コイツ?」

 

店員「はい店長……この人……あそこの提督です」

 

店長「あの……すみません」

 

透「はい?」

 

店長「単刀直入に言います」

 

店長「この店から出て行ってくれ」

 

透「……へ?」

 

店長「ほら、出て行け!」

 

透「ちょっ!」

 

 透は強制的に追い出されてしまった

 

 

☆★☆★☆★☆

 

~鎮守府~

 

天龍「……」

 

龍田「……」

 

 天龍と龍田は、透の荷物を隠した場所に見に来たのだが、木が倒れて、荷物はなかった。

 

天龍「何で木が折れてんだ?」

 

龍田「あの新しい提督が折っていたりして」

 

天龍「まさか」

 

龍田「だよね~」

 

天龍「……」

 

龍田「……」

 

 

~風呂場~

 

雪風「……」

 

鳳翔「雪風ちゃん、頭洗うから目に入らないように気をつけてね」

 

雪風「……うん」

 

鳳翔「……雪風ちゃん?」

 

雪風「……」

 

鳳翔「雪風ちゃん!」

 

雪風「わっ! な、なんですか?」

 

鳳翔「どうかしたの?元気無いけど……まさか、あの新しい提督に何かされたの!?」

 

雪風「ううん。雪風、なにもされてないよ」

 

鳳翔「本当に?」

 

雪風「うん」

 

鳳翔「もし、あの新しい提督に何かされたら、早く私に言うのよ。いいわね?」

 

雪風「うん」

 

鳳翔「よし」

 

雪風「でも……」

 

鳳翔「でも?」

 

雪風「あの新しいしれぇ、やさしいような気がする」

 

鳳翔「優しい?」

 

雪風「うん」

 

鳳翔「騙されちゃあ、ダメよ」

 

雪風「雪風、騙されてるの?」

 

鳳翔「ええ。ここに来る、優しい人間なんか望んではいけないのよ」

 

雪風「ダメなのぅ?」

 

鳳翔「そうよ。望みたい気持ちは分かるわよ。でもね、今までがそうだったでしょ?雪風だって、痛い事があったでしょ?」

 

雪風「……うん」

 

鳳翔「私達は………いえ、何でもないわ」

 

雪風「?」

 

鳳翔「さっ!早く頭を洗うわよ」

 

雪風「……」

 

 

★☆★☆★☆★

 

 くそったれ……腹ペコだっていうのに……どこの店に行っても、追い出されてしまう。何故なんだ?

 しょうがない。鎮守府の食堂を借りて、何か作ろうかな。食材はあるらしいし。適当に、ご飯を炊いて、玉子焼を作って、食うか。

 

 食器は、どこかで買うか。いや、頼めるんだっけ?まぁ、いいや。面倒だし、ちょうど、ショッピングモールがあるから、そこで食器を買うか。

 

透「ん?」

 

 突如、右肩に違和感を感じる。誰かが、肩を掴んでる?

 

 透はゆっくりと後ろを振り向いた

 

☆★☆★★★

 

比叡「金剛お姉様」

 

金剛「んー?」

 

比叡「さっきの電話は、どこへ掛けていたのですか?」

 

金剛「提督の『被害』にあったいくつかの店にお電話をしてたのヨウ」

 

比叡「なるほど」

 

榛名「それって……あの新しく着任した提督は大丈夫なんですか?」

 

金剛「さぁ~?」

 

榛名「さぁって……」

 

金剛「まっ!リンチにあわない事を願いましょう」

 

榛名「えっ」

 

 

☆★☆★☆★☆

 

~街の裏道~

 

透「ぐっ……何だよあんたら」

 

街の人1「あぁ~?」

 

街の人2「余計な口、開くな!ボケ!」ドカッ!

 

 透の腹に拳を叩き込む

 

透「っ!」

 

街の人3「どうせテメェも、あの提督らみたいになるんだろ?」

 

街の人4「だから、痛い目にあってもらうぜ」

 

街の人5「本当にやるのかよ。あの娘達にバレたらどうするつもりだよ?」

 

街の人6「大丈夫だよ。ちゃんと、あの娘達には許可とってあるし、あっちから、情報をくれたんだぜ?ここに提督が来てるって」

 

透「何?」

 

街の人1「さてと……骨の二本か三本は覚悟しろよ」

 

 

 ああ……ホントに今日は災難だ。着任したばかりなのに過激な歓迎の仕方をされたり、ある艦娘からは暴言を言われたり、食堂では食事が出されない挙げ句、店からは追い出され、大人数の人達に肩を掴まれて、いきなり殴られ、裏道を引きずり込まれて、リンチにあいそう……というか、今からリンチをくらう。

 

  

   はぁ……腹減ったなぁ……

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。