Eyes of Heaven 心にキズを負った艦娘達と透提督 作:東方 上助
透「玉子食ってみるか?」
雪風「うん」
透と雪風は、食堂の厨房に一緒におり、透が作った夜食を一緒に食べる事になった
透「熱いから気をつけろよ」
雪風「うわぁ~。美味しそう! 頂きますぅ!」
透「お、おい。いきなり食べると…」
雪風「あつい!あついですぅ!」
透「あーあ。だから、言ったろ」
雪風「でも、美味しい……」
透「それはよかった」
雪風「しれぇ!もう一個いいですか?」
透「いいよ」
雪風「パクッ。あつい! 美味い!」
透「まったく。いいか? フーフしないといけないんだぞ」
雪風「フーフ?」
透は、玉子焼を箸で取る
透「えっと、玉子焼に息をかけて、少し冷やすんだ。それで、食べる。見とけよ~」
透「フーフー」
雪風「……」
透「パクッ。モグモグ…」
透「あっちいぃぃーー!!」
雪風「ええ!?」
透「誰だ! こんな熱く焼いたのは!?」
雪風「しれぇですよ!」
こんな感じに、透と雪風は楽しく夜食を食べた。
★☆★☆★☆★
~寮~
金剛「長門さ~ん。アナタの部屋はここデース」
長門「ああ。ありがとう」
長門は、自分の部屋となる扉を開ける。一人部屋だった。その時、長門はある事に気づいた。
長門「金剛、ここには陸奥はいないのか?」
長門型戦艦二番艦の陸奥。私の妹になる、陸奥とは部屋は一緒のはずだ。
金剛「……いますよ」
長門「いるなら何故、私と陸奥を別々の部屋に?」
金剛「ちょっと、色々と事情があるんデス」
長門「どんな?」
金剛「説明は面倒くさいデース。まぁ、いずれ分かりマース」
長門「そう……」
金剛「そういう事デース。お休みデース」
☆★☆☆★★★☆
雪風「雪風もしれぇのおてつだいするぅ!」
透「そうか? それじゃあ、この茶碗を洗える?」
雪風「雪風に任せて下さい!」
透と雪風は、夜食を食べ終わり、皿を洗っていた。
透「……」
雪風「ランランル~♪」パリン
透「ちょっと待て! 今、音がしなかったか?」
雪風「え? ……あっ」
透「あ~割ったか。(どうやって割ったんだ?)」
雪風「ご、ごめんなさい! すぐに雪風が、片付けます!」
透「待て」
透は、雪風の腕を掴む。雪風は、殴られると思い、目を瞑った。
透「うん。怪我はしてないね。よかった」
雪風「え?」
透「どうした?」
雪風「殴ると思ったの」
透「えぇ? 殴る訳ないだろう」
雪風「でも……前のしれぇは、殴ったもん。泣き止むまで殴られたもん」
透「あぁ……そう」
ワァーオ。兄貴に聞く手間が省けたな。この娘の話だけで大体は分かったぞ。やっぱりここは、ブラック鎮守府ってヤツだな。
凄い所に俺は来ちまったーーー!! 帰りたぁーーーい!! と言うか、住民にリンチにあいそうな所には、居たくない。そもそも俺は、面倒な事は嫌なのになんだよ。クソォ……
透「えぇと、雪風はもう部屋に戻りな。俺は自分の部屋をリフォームしないといけないし、風呂も入らないといけないからな」
雪風「雪風……まだしれぇと一緒にいたい」
透「どうして?」
雪風「しれぇ……やさしいから」
透「優しい? 俺が?」
雪風「うん」
透「そうか…」
雪風「うん」
透「うーん。でも、こんな時間だし戻りな。鳳翔だっけ? 心配してるんじゃないかな?」
雪風「今日は鳳翔さん一緒にねれないのぅ……」
透「どうして?」
雪風「他の娘の所に、今日はねるのぉ」
透「あぁ……なるほど」
恐らく鳳翔は、前任の提督により傷ついた艦娘の心のケアをしてるんだろう。
透「そっか……いや、でも、お前には他に同じ型の艦隊の娘がいるだろ?」
雪風「いるけどぉ……こわいの」
透「怖い?」
雪風「うん。一緒に寝ていたら、いきなり叫ぶのぉ」
透「あぁ……そうか」
うなされているのか……そんなに前任の提督は、ヒドい奴だったのか?
透「でも部屋に戻れ。時間が遅いから」
雪風「うぅ~~」
透「な? 明日、また一緒に食べてもいいから」
雪風「ほんとぅ?」
透「ああ」
雪風「やったぁ!」
透「だから部屋に戻りなさい。いいね?」
雪風「うん」
雪風は厨房から出ようとしたが、ドアの所で止まってしまう。
透「こら雪風。早く戻りなさい」
雪風「しれぇ……」
透「何だ? 早く戻れって」
雪風「戻りたいけどお……」
透「けど?」
雪風「うぅ~~」
透「何だよ?」
雪風「廊下、真っ暗でこわいのぅ」
透「……」
なんだよそりゃ……暗いから怖いって……子供かよ。いや、子供か? とにかく、早く部屋に帰さないと。う~ん。はぁ、しょうがねぇ~な~
透「分かった。俺が部屋まで一緒にいてやるよ」
雪風「ホント!?」
透「ああ。ホント」
雪風「やったぁ! しれぇ、ありがとう!」
透「はいはい。ほら、行くぞ」
雪風「あ、待ってしれぇ」
透「ん?」
雪風「手、つなご」
透「え?」
雪風「しれぇ。手ぇ」
雪風は透に左手を伸ばす。
透「……」
雪風「しれぇ?」
透は、雪風の手を掴んだ。雪風は嬉しそうにニコッと笑顔になった。
雪風「しれぇの手ぇおっきい!」
透「ああ。そうだな」
ここは、元ブラック鎮守府。早く辞めさせてもらうように紙を出した方がいいよな。明日か明後日か今日は……無理か。でも………
雪風「~~♪」
………まぁ、少しだけ頑張ってみるか。長門に怒られてしまうしな。
雪風「しれぇ。明日の朝も一緒にたべよたべよ!」
透「ん? あ、あぁ」
雪風「やった!」
透と雪風は、手を掴みながら雪風の部屋へと歩いていった。
榛名「………透さん」