Charlotte ~時を超える想い~ -after story- 作:ナナシの新人
生徒会活動日誌。
今回も、書き綴る出来事がたくさんありました。書き切れないこともある知れませんが、さっそく、日記をつけていきましょう。
先ずは最初は何を置いても、初めて一緒に迎えるクリスマス。
おいしい食事の後は、プレゼント交換の時間。
あたしからのプレゼントは、ペアの時計――ではなく、急遽用意した別の代物。用意するのもなかなか勇気の必要な物で、同時に引かれるんじゃないかと不安でしたが。結果的には、大成功? に終わって安心しました。
何をプレゼントしたかは、当然、オフレコ。この件に関しては何があったかも、全て割愛です。大切な想い出として、胸の中にそっとしまっておきます。
改めて、事前に用意しておいたプレゼントを贈ると、同じベッドの中「お返しなんていらない」といったあたしの返事に対し「何をしてあげたら喜んでくれるかな?」と、サンタクロースに扮したあたしに聞いてきました。
本当に欲しいものは何もなかったのですけど、それでも何かないかなーと考えていると、ふと、先日一緒に見たご両親の遺品のことを思い出しました。正直言うと、こんなお願いは不謹慎なんじゃないかとも思いました。でも、勇気を出して伝えたところ......途中で止まってしまったままの、お母さんの日記帳を渡してくれて。それが、本当に嬉しくて「ずっと書き続けます」と、自然に口にしていました。
これじゃ、まるで逆プロポーズみたいだな、と我ながら大胆なことを言ってしまったと思っていると。不意にあたしの手を取った彼は、左手の薬指に触れながら「お母さんに挨拶」と「ジュエリーショップ」って。こんなの、プロポーズ以外解釈のしようがないじゃないですか! あまりに突然のことで、とても驚きましたが。あたしは腕の中、二つ返事で頷きました。断る理由は、何ひとつありませんから。
預けてくれた大切な日記と同じ......いえ、それ以上に特別な一夜になりました。
* * *
翌日、クリスマス当日の午前、お母さんに打ち明けました。
結論を出すには早すぎる、と反対される覚悟していましたが、思いのほかすんなりと認めてくれました。理由はいくつかあって、前世の
ただし、ひとつだけ条件を提示されました。
それは――無事に卒業すること。
つまり「するべきことは、しっかりしなさい」ということです。はい。
とにかく、許しを貰うことができてひと安心。ご両親のお墓に手を合わせ、理事長先生にも挨拶へ行き、そちらも無事に了承を得ました。直近の問題は全てクリア。後は、卒業後の話しになります。これからは特に、同棲していることを学校にバレないように過ごさなければなりません。
さて、その対策はおいおい考えるとして。次に向かった場所は、ジュエリーショップ。初めて入る高価なショップの雰囲気に場違い感を覚えながらも、ショーケースに陳列されている指輪の値札を見て思わず驚愕、桁が違っていました。最安値の物でも、プレゼントしていただいたペアリングの数倍のお値段。これはさすがに一度、日を改めて――と思って声をかけようとしたところ、彼は会計をしていました。それも、気になっていたデザインの指輪を。めざといといいますか、抜け目がないといいますか、観察力に長けていますね。指輪のサイズを測ってもらって今日は、退店。時期が時期だけに、早くても年明けになるとのことでした。待ち遠しいですが、楽しみに待とうと思います。
さてさて、夕方からは、
肝心のライブの方は、“
* * *
日付は少し進んで、
お昼にカレーを食べて、食後の休憩。話題は、間近に迫った卒業の話し。星ノ海学園の生徒会長は、前任からの指名制度。それに伴い
それと、これは余談になりますが。
これは、後に変わっていくのですが。それは、 また後ほど。
話しは戻って、クリスマスパーティー開催。
美容室で教わった、帽子を被っても崩れないセットは、いつもよりも大人っぽく見えると評判でした。これからは、下ろして結んでみよっかなー。
パーティーの中盤、
それは、同じ
* * *
パーティーの終盤、ベランダで星空を眺めていたところへ、
疑問に対する答えは、もちろん「NO」。
あたしが記憶を取り戻したのは、
これから二人は、納得して距離を縮めていくことでしょう。
最終的にどのような関係に至るのかは分かりませんが、影ながら見守っていこうと思います。というより、この先何度も相談に乗ることになるので責任重大、いろいろと大変でした。
これも、
そして、クリスマス兼誕生日パーティーは、これにて無事に終焉。
いよいよ、新しい年を迎えることになります。
大晦日は、実家で夜まで過ごして、0時を回る前に帰宅。日付が替わる年越しの瞬間は、二人だけで穏やかに過ごしました。
翌日朝、新年は、あたしの方が早起きでした。最初の頃は必ず彼の方が早起きで、いつもコーヒーの芳ばしい香りで目を覚ますのが日課でしたけど、あの冬の日からは半々くらいの割合になり、あたしの方が早起きのことも増えました。朝ご飯を二人分用意して起こしに行くも、目を覚ましません。普段の休日なら一緒に横になることもあるんですが、残念ながら今日は、朝からスケジュールがぱんぱん。こんな時は、とっておきの裏技があるんです。
それは――起きないと、もう、肉じゃが作ってあげませんよ。
効果テキメン。これを言うと、すぐに起きてくれます。
これは、数週間前のこと。期末試験終わりの晩ご飯、お母さんが残したレシピノートの「肉じゃが」を作ってみた時の話しです。
『味付け変えました?』
『あ、はい、今日はちょっと変えてみたんですけど。どうっすか?』
『おいしいですよ。でも、前の方が好きかな』
と、言ったことがありました!
これは、素直に嬉しかったなー。
おっと、話しが少し脱線してしまいました、気を取り直して......。
昨夜に続いて、二日連続で実家に帰省。今日は、最近多忙な兄も帰って来ていて、久しぶりに話すことが出来ました。それはよかったのですが、話しは思わぬ方向に。まさか、あたしが妊娠していると勘違いされていただなんて、誤解を解くのに苦労しました。
でも、いつの日か、そう遠くない未来にそうなるわけで......。
――ですが。今でも時々、想うことがあります。大切な人に裏切られ、誰も信じられず、他人との関わりを極力避けていたあたしは、ずっと、他人と深く関わりを持たずに生きて行くのだと思っていました。
そんなあたしが今では、本来通うはずだった学校に通い、多くの友人にも恵まれ、大切な人たちと共にかけがえのない日々を過ごしています。
でも、もし――いえ、この先は、やめておきましょう。
“もし”のことを考えても意味のないことですから。
今のあたしは、“ここ”に居る。
大切な人たちが、すぐ側に居てくれる場所に......。