Charlotte ~時を超える想い~ -after story- 作:ナナシの新人
特別イベントが催されると聞いた俺たちは、参加の有無を思案しながら、イベント会場までついていくことにした。
「二人は、
「はい。あたしは、附属の女子校に通っています。
顔を向けた
確かに、言葉で説明するとなると若干ややこしい。
夏休み明けから、星ノ海学園へ通う予定ではあるけど、転校の手続きが済んでいない。と言うより、手続き等に必要な書類すら手元にない。近いうちに一度、星ノ海学園を訪ねる必要がある。
「休み明けから、星ノ海学園へ転入する予定なんですけど、まだ手続きが済んでいないので、近いうちに訪ねるつもりです」
「その必要はないぞ。手続きに必要な書類は、僕が預かってる。ロッカーにあるから帰りに渡すよ」
「そうか、ありがとう。助かるよ」
話しをしているうちに、イベント会場に到着。受付の周辺には、子どもから大人まで大勢の人が参加申請の手続きを行っていた。ざっと見ただけでも、5、60人は居る。加えて、既に手続きを済ませている人数を考慮すると、参加者は100人近くに上るかもしれない。
「あら、あなたたち早いわね」
「おいおい、どうして言い出しっぺのお前が遅刻してんだよ。リーダー」
「貴様! ゆりっぺに舐めた口を......!」
抗議した青年に、別の青年がデッキブラシの柄を向けて、威圧。いったい、どこから取り出したんだろうか。
「あたしの旦那に何すんだっ! ゴラー!」
「き、貴様ァ、後頭部を......ラビットはルール違反だぞ?」
「あんたたち、少しは落ち着きなさい」
「ぐっ......だが、ゆりっぺ」
「やーい、
「あんたもよ、ユイ。まったく、この子たちの方がよっぽど大人じゃない」
呆れ顔で、とても深いタメ息をついた。
俺たちは、愛想笑いでやり過ごす。
「ところで、ゆりっぺ。そいつら誰だ?」
「偶然会った、あたしの教え子よ」
「教え子って、マジに教師やってたんだな」
「ん? あっ、ああぁぁーーっ!!」
「どうした?
どことなく
「ゆさりんっ!」
「ゆさりん? って、ホントだ、
「誰だ?」
「知らないのですか?
「詳しいな、
「
「コイツ、
警戒心を強める、
「ほら、エントリー済ませに行くわよ」
「けど、
「もう、テントの前に居るわよ」
彼女が指差した方を見ると、一組のカップルが、テント前ので仲良さげに話をしていた。見覚えのある二人、いや、忘れるわけがない。
「
「あ、ゆり」
「来たか。早くしないと、受付時間ギリギリだぞ」
「わかってるわ。あなたたちは、どうする?」
先生は振り向き、俺たちに聞いた。
「どうしましょうか?」
「そうですねー」
「うーん、あっ! あれっ、見てくださいっ!」
目を輝かせた彼女が、俺を見つめる。
「なるほど。参加しましょうか」
「うんっ」
今日一番の笑顔。
やる気になった俺たちに、
「なんだ、お前たち参加するのか?」
「ああ」
「アレを狙います!」
「優勝賞品? 副賞で、ビデオカメラか。持っていないのか?」
「はい。必要なかったので」
特殊能力者の行動を押さえるため、いつも欠かさず持ち歩いていたビデオカメラも、今は、保持していない。日記をつけるのにも使っていたらしく、何かと便利だったそうだ。
「そこでなんだが。協力してくれ」
「はあ? なんで」
「ルールが、三人一組のチーム戦なんすよ」
「
「お姉ちゃん、がんばろうねっ」
「久々に血が騒ぐぜっ!」
「僭越ながら、私が、ご助力いたします!」
既にチームが出来上がっていた。
「と言うわけだ。頼むよ」
「はぁ......わかったよ」
「ありがとうございまーすっ」
「久しぶりに組めるな」
「ああ。あの旅以来だな」
コツン、と軽く拳を合わせ、エントリーへ向かう。
「あら、参加することにしたのね」
「はい。ビデオカメラ狙いで!」
「優勝狙いね。百戦錬磨のあたしたちに勝てるかしらっ?」
「どうでもいいけど。ケガだけはしないようにな」
「あら、あなた。確か、
「ああ、熱中症の。あれから容態は?」
「大丈夫です。その節は、お世話になりました」
二人に向かって、
先日、リハーサル中に熱中症で、病院に担ぎ込まれた
「三人とも、ゆりの知り合いなのか?」
「ええ、そうよ。そっちの
「ちゃんと、先生やってるんだな」
「失礼ね」
三人の学生時代の話を聞きながら列に並び、エントリーを済ませる。そこで、詳しいルールの説明と使用する道具を受け取った。
「プラスチック弾じゃないんすね」
「そうみたいですね」
イベントの内容は、サバイバルゲームだったが。
大会のルールは、三人一組のチーム戦、三人全員がやられると、ゲームオーバー。打撃などによる直接的な物理攻撃は禁止、故意と見なされた場合は失格の処置がとられる。
勝敗は、制限時間1時間以内に、全ての敵を倒せば優勝。
勝敗がつかずにタイムアップの場合は、残っているメンバーと倒した人数に割り当てられたポイントの合計で順位が決まり。誰が倒したかは、チームごとに大会運営のパソコンにリアルタイムで集計され、倒された参加者の銃は、倒した側のシリアルに切り替わるなかなか凝った仕組みになっている。
「よっし、準備オッケー。狙うは優勝っすよ!」
「がんばりましょうね」
「ハァ、ケガだけは勘弁だからな?」
銃を構えた
「やる気ね。あたしたち、戦線メンバーに勝てるかしらっ? いっておくけど、手加減はしないわよ!」
「教え子相手に大人げない。変わらないな、こういうところは」
「ふふっ、ゆり、楽しそう」
いよいよ、サバイバルゲームの幕開け。
参加チームが多いため、グループ別の予選でスタート。
制限時間20分以内にチームで合計10人以上倒せば、予選通過。予選で倒された仲間は、決勝戦で復活できる。
「上手く分かれたわね」
「予選でゆりっぺたちと戦わないで済むな」
「じゃ、健闘を祈るわ。......予選で落ちたら、死よりも恐ろしいバツゲームだから」
「......ぜってー負けられねぇ!」
それぞれ予選エリアへと向かう。俺たちはBブロック、
「ダチだろうと関係ねぇ。テメーらも潰しに行くぜ?」
「当たり前っす。こっちも本気で行くっすよ?」
「
「お前も暑苦しいな......」
やる気の
「お互い、予選突破目指してがんばりましょうね」
「はいっ」
笑顔で銃を構える、
彼女ほど銃の似合わない子が居るのだろうか、と思うほど。その姿は、ミスマッチだった。六人で予選会場に入る。
「なぁ、
「奇遇だな。僕も同じことを想ってたところだよ」
予選会場の中には、ブロックや鉄骨などで組まれたギミックが満載で死角も多い。参加者は、素足と水着姿。素材を触って確かめてみると、床や鉄骨にも安全のため、全てに柔らかい素材で保護出されていた。これなら、よほどのことがない限り、ケガの心配はほとんどなさそうだ。
決勝は、予選会場として区切られている仕切りを取り除き、更に大きな会場になるようだ。
「よっし! 気合い入れていきますよー」
「はい」
「ああ」
予選開始。
実践経験豊富な俺たちは、開始数分で予選突破に必要な10人を仕留めて予選通過を決めた。ロビーに戻り、アナウンスを待っていると、数分遅れで
「あなたたちも、無事に通過したようね」
別ブロックの、
「はい。
「ゆり、でいいわよ。あなたたちとやり合える本選が楽しみだわっ!」
A、Bブロックの予選終了を知らせるアナウンスが響き、続いてC、Dブロックの予選。本戦開始まで時間があるため、フードコートで時間を潰すことに。時間になり、会場に戻ると、ゆり先生たちは、とても深刻な
「まさか、
「まったく、だらしないヤツだ」
「誰にやられたの?
「速すぎて分からなかった。気を付けろ、ゆりっぺ、
まるで警告のような忠告。
彼女たちに詳しく話しを聞くと、
それを聞いた
悪魔の正体は不明なまま、とりあえずスタート場所が記された地図を受付で受け取り、決勝の舞台に入る。障害物の影に身を潜め、地図を確認しつつ戦闘準備を整える。
「悪魔ってなんだろうな?」
「さぁ? けど、予選とはいえ、全員を仕留めるほどの実力者。相当な手練れなことは確かだろうな」
「あたしたちなら大丈夫っすよー。それより、勝てばビデオカメラっすよ! それも最新モデルっす」
「がんばりましょうね」
「うんっ!」
「ハァ、
そして、